Audible おすすめ小説 80選| 聴き放題の 感動!人気作品・受賞作品・国内/海外文豪ベストセラーなど(2024年1月更新)

感動したり、心ときめく小説が読みたい。映画化で話題の小説を読みたい。読み継がれる名著を読みたい。

小説を読みたいと思って、思うばかりで、一向に…と言う方は多いのではないでしょうか。

こんな状態を、何年、何十年と続けているなら、是非お勧めしたいのが「Audibleの聴き放題対象本の聴く読書」。はじめてなら通常30日間無料(以降、1ヶ月定額1,500円)で何冊も読書が可能です。まずは、無料体験や特別価格キャンペーンの適用期間だけでも、徹底的に耳で読書をおすすめしたい。

Audibleでの聴く読書に最も適したジャンルは「小説Audibleの読まれた本ランキングも小説が上位を独占しています。

聞く読書ならラジオドラマのように読みたかった小説に楽しめる。プロによる朗読はひとの心に染み入り、また、映像とは違う空想・妄想がさらに物語の世界観を広げてくれます。
本記事では、簡単にAudibleの利用法・メリットについて紹介した上で、Audible聴き放題対象本のおすすめの小説を紹介します。

「Audible(オーディブル)」は忙しい人に最適な耳で聞く読書

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Audibleは12万タイトル以上が定額聴き放題になる会員型の月額サービス。Audible会員になれば定額聴き放題対象の本なら何冊読んでもお値段変わらず。

Kindle本比べて発行数は少ないですが、毎月、続々と対象本が増えています。聴けば聴くほどお得な神サービスです。

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📚 Audibleの始め方、メリット、私の読書術

Audibleで読まれている本ランキング

小説を読むメリット

冒頭でも述べたように耳で聞く読書Audibleと最も相性がいいのは「小説」です。
Kindle本の読み放題サービス「Kindle Unlimited」では読み法対象となっていない本も、Audibleで聴き放題対象となっているものがたくさんあります。

2023年 Audibleで最も読まれた本ランキング

2023年のランキングは以下の通り。全ての本が、Audible聴き放題対象本です。※2022年11月19日~2023年11月18日までの視聴データをもとに作成

#1

ハヤブサ消防団
池井戸 潤
#2

汝、星のごとく
凪良 ゆう
#3

同志少女よ、敵を撃て
逢坂 冬馬
#4

正体
染井 為人
#5

正欲
朝井リョウ
#6

ザリガニの鳴くところ
ディーリア オーエンズ
#7

騎士団長殺し ―第1部 顕れるイデア編(上)―
村上春樹
#8

火車
宮部みゆき
#9

爆弾
呉勝浩
#10

1Q84―BOOK1〈4月-6月〉前編
村上春樹

ビジネス書に比べて、得るものが少ないと思っている方も多い小説ですが、そんなことは全くありません。事実、私は小説から様々な深い学びを得ています。

小説で様々な人生を追体験!人間の本質に触れられる

小説は、単にストーリーが面白いだけではありません。人の感情の移ろうさまが、「人間とはどんな生き物なのか」を知る大きな学びにもなる。そして、様々なことに興味関心を抱くきっかけにもなります。

読書習慣化のきっかけになる

読書習慣のない方が、はじめからビジネス書を紙の本・Kindle本など文字で読むのはハードルが高いです。しかし、小説✕耳読なら心理的・時間的障壁も少なく始められます。面白い小説に出会い、本が面白いと思えるようになれば、読書も習慣化します。また、小説で興味を持った内容をより知りたくなれば、ビジネス書・実用書などにも手が伸びていきます。

ちなみに、全く本を読まなかった社会人1年目の私が本好きに転じたのも、同僚が本を読むきっかけにと「ミステリー小説」を貸してくれたことでした。

紹介する本のジャンル

Audible聴き放題 おすすめ本

前置きが長くなりましたが、ジャンル別にAudible 聴き放題なおすすめ小説を紹介します。

紹介する本のジャンル

・芥川賞・直木賞・本屋大賞など「文学賞受賞作
・深く考えさせられる「社会派小説
・号泣・やさしい涙が流れる「ヒューマン小説」「感動小説
・先が知りたい!「ミステリー小説」「ホラー小説
・前向きな気持ち&やる気に「自己啓発小説
・ビジネスマンの心を熱くする「ビジネス・企業小説
・読み継がれる「国内文豪小説
・世界的ベストセラー「海外文豪小説

【2024年3月】今月の劇押し本

今月読んだ本からの劇押し本です。

ピアノマン~BLUE GIANT 雪祈の物語:南波永人

小説からジャズが聞こえる!魂の叫びが聞こえる!小説を読んでこんなに感動したのははじめて。

石塚真一さんの大人気ジャズ漫画『BLUE GIANT』。本作は、映画版をピアノマン・沢辺雪祈の目線から描いたスピオフ作品。。原作マンガも映画も知らない人でも、圧倒的な小説の「世界観」と「熱狂」に引き込まれる!夢を目指すバンドマンの姿に何度もウルウル。一気読み&二度読み必至!何度目頭が熱くなったかわからない。完成度の高すぎに驚く音楽感動小説!

芥川賞・直木賞・本屋大賞など「文学賞受賞作」

良い小説を読みたいとお考えなら、芥川賞・直木賞・本屋大賞をはじめ賞を受賞作を読んでみるのはおすすめです。自分の好みはありますが、良い本に巡り合う確率は大きく高められます。

正欲:朝井リョウ

第34回柴田錬三郎賞受賞、2023年映画化
特殊な性的指向 を持つマイノリティの苦悩を描く。「多様性が大事」とわかった気になっていないか―。自分が想像できる”多様性”しか受け入れていないこと、そしてそこからこぼれた人たちを変人・近寄ってはいけない人として排除していることにドキッとさせられた気づきの書。深く考えさせられる1冊。

ハンチバック:市川沙央

169回芥川賞、第128回文學界新人賞受賞作 W受賞

親が残したグループホームで暮らす重度障害者の女性が主人公。障害者を取り巻く問題と普通を求める主人公を中心に「生」と「性」、「健常者の特権性」が鋭く描く。
障害をもつ著者の目線で描かれる作品に、健常者が知らないうちに犯してしまっている無神経さを視る…

同志少女よ、敵を撃て:逢坂冬馬

2022年本屋大賞受賞、キノベス2022 第1位、2022年本屋大賞受賞、第166回直木賞候補作、第9回高校生直木賞候補作

久々にすごい新人が出てきたと話題。さらに、ロシアによるウクライナ侵略が続く中、銃を撃つとはいかなるものか、映画を観ているかのような緊迫感ある数々のシーンに、多くの人が息を殺して読んだと感想!

おいしいごはんが食べられますように:高瀬隼子

第167回芥川賞受賞

多様な価値観が混在が渦巻く現代社会における、職場のままならない微妙な人間関係を「食べること」を通して描く傑作。
日常生活の中にある、人の冷たい感情や歪んだ感情。リアリティがあるが故に、ある種の恐ろさを感じてしまう。

夜に星を放つ:窪美澄

第167回直木賞を受賞

死や別れなど、かけがえのない人間関係を失い傷ついた者たちが、再び誰かと心を通わせることができるのかを問いかける5つの短編集。

短編の主人公は、年齢も性別も境遇も様々。しかし、共通するテーマは「喪失感」生きづらさを感じている人の心の揺れが丹念に描かれる。この気持ちわかるかも…という共感作品に出会える。
また、つらいときに支えとなるのは、家族など一番身近な人ではなく、以外と周囲でそっと寄り添ってくれる人たちかもしれないことを、気づかせてくれる。

ブラックボックス:砂川文次

自分の中の怒りの暴発を、なぜ止められないのだろうー

自転車メッセンジャーとして生きるサクマ。「暴発的暴力衝動」が止められず、仕事を転々。体力勝負で何かあればすべてが自己責任の仕事に、人生の不安は拭えない。「ちゃんとしなきゃ…」と頭の片隅では思っていても、何をどうすることもできない悶々とした日々を過ごす中、税務署職員・警察官を殴る事件を起こしてしまう。

怒りで自己制御できなくなってしまう「自分」も、「世の中」もブラックボックス。人と現代社会の暗部を切り取った作品。

黒牢城:米澤穂信

第166回直木賞受賞

本能寺の変より四年前、天正六年の冬。織田信長に叛旗を翻して有岡城に立て籠った荒木村重は、城内で起きる難事件に翻弄される。動揺する人心を落ち着かせるため、村重は、土牢の囚人にして織田方の軍師・黒田官兵衛に謎を解くよう求めた。事件の裏には何が潜むのか。
歴史小説好きにおすすめしたい!

テスカトリポカ:佐藤究

第165回直木賞受賞

対立組織との抗争の果てにメキシコから逃走した麻薬密売人のバルミロ・カサソラ。潜伏先のジャカルタで日本人の臓器ブローカーと出会うが… 人間は暴力から逃れられるのか。心臓密売人の恐怖がやってくる。

推し、燃ゆ :宇佐見りん

164回芥川賞受賞作

推しアイドルがファンを殴って炎上…そして、芸能界引退。学業も学校生活も家庭も底辺で、ままならない人生に苦しむ女子高生・あかり が、唯一、生きる原動力・心の支えの”推し”を失い、心が削られていく姿を描く。
現代社会の、生きづらさ、閉塞感を切り取る1冊。共感必至。私にとって本作は間違いなく「推しの1冊」。

むらさきのスカートの女:今村夏子

161回芥川賞受賞作

〈わたし〉は、公園でクリームパンを食べる変わった底辺女「むらさきのスカートの女」が気になって仕方がない。読者は次第に〈わたし〉の執拗で変質者な観察ぶりに気づかれることに。
「一体〈わたし〉って何者なのだ??」。一気読み必至の1冊。

おらおらでひとりいぐも:若竹千佐子

第54回文藝賞と第158回芥川賞をダブル受賞

郊外の新興住宅地でひとり暮らしをしている74歳の桃子さん。夫は15年前に先立ち、子供も独立。毎日を孤独・寂しさと共に暮らしていた。そんな彼女の頭に、この頃、聴こえてくる「東北弁鉛の声」。声は多弁に桃子さんに語りかける。そして、新たな自分に出会う!

本作こそ、オーディオブックをおすすめしたい。文字で読むと難しい東北弁が、ジャズのように雄弁に語りかける!やさしい涙が溢れる感動作。

月の満ち欠け:佐藤正午

第157回直木賞受賞作

あたしは、月の満ち欠けのように、何度も生まれ変わり、あなたに逢いに行く―。
目の前の少女は、亡き我が子?亡き妻?亡き恋人?そうでないなら、この子は何者か?
逢いたい気持ちが輪廻し引き継がれる、全く甘くない愛の物語。満ち欠けをしながらも永遠に輝く月と、儚い人の死。しかし、縁が巡る!

何者:朝井リョウ

直木賞受賞作

「何をするか、何者になるのか」が過剰に求められる現代社会。大人になると「あなたは何をしているのか?」と問われ、何者にもなれなかったものは、努力不足だと愚者のレッテルを暗に貼られてしまう。
「あなたは何者なのか」を問われる、人生最初の試練ともいえるのが就職活動(就活)。そんな就職活動戦線真っ只中でもがく、「何者かであろうとする就活生たち」のリアルをあぶりだす。

そして、バトンは渡された:瀬尾まいこ

2019年本屋大賞受賞

大人の都合に振り回され、血の繋がらない親の間をリレーのようにバトンを渡されながらされながら育った優子。高校生の今は二十歳しか離れていない“父”と暮らす。

通常なら不幸な少女話となりそうなストーリーですが、全く、悲壮感はない。血がつながっていなくても、「愛」と「温かい食卓」があれば、幸せに子供は育つことを教えられる。ホロリとした涙が流れる、優しく温かい物語。

コンビニ人間:村田沙耶香

第155回 芥川賞受賞作

大学卒業後も就職せず、コンビニのバイトは18年目の36歳未婚女性、古倉恵子。これまで彼氏なし。ある日、婚活目的の新入り男性、白羽がやってきて、そんなコンビニ的生き方は「恥ずかしくないのか」とつきつけられる。
「普通」でないと息苦しい現代社会。異質を排除する「普通圧力」の存在を、コンビニを舞台に軽やかに描き出す。読者は「普通とは?」「自分らしい働き方・生き方とは?」を問われる!

マチネの終わりに:平野啓一郎

2017年 渡辺淳一文学賞受賞作

天才ギタリストの蒔野(38)と通信社記者の洋子(40)。深く愛し合いながら一緒になることが許されない、大人な二人の愛のストーリー。再び巡り逢う日はやってくるのか――。2019年に映画化。

火花:又吉直樹

第153回芥川賞受賞

笑いとは何か、人間が生きるとは何なのか。売れない芸人徳永を主人公に、人間存在の根本を見つめた真摯な筆致が感動を呼ぶ、「文學界」を史上初の大増刷に導いた話題作!

スクラップ・アンド・ビルド:羽田圭介

第153回 芥川賞受賞作

自分の思い通りに動かない身体・衰え行く思考に「死にたい」と弱音を吐く祖父。一方、筋肉マニアの主人公・健斗は祖父の尊厳を重視し、死にたい願いを叶えてあげるための計画を思いつく。

「若さと老い」。人は苦しい時「死にたい」と口にしてしまうが、本当は死にたくない。いざというとき、体は強烈な抵抗を見せるという、「人間の本質」を再認識させられる!

蹴りたい背中:綿矢りさ

第130回 芥川賞受賞作

余り者扱いされている女子高生のハツと、オタクのにな川との交流を描く。

高校時代、情緒不安定で、短期で、モノを斜めから見ていた、全くかわいくない自分の高校時代を、苦々しく思い出させた作品。視野も行動範囲も狭い世界で生きていた高校時代が懐かしい。もう一度、やり直せたら!

火車:宮部みゆき

山本周五郎賞受賞

休職中の刑事が行方を捜すことになった彰子とは何者なのか? なぜはそこまでして自分の存在を消さねばならなかったのか?謎を解く鍵は、カード社会の犠牲ともいうべき自己破産者の凄惨な人生に隠されていた…

発刊から時間が経っても Audible BEST of 2023の8位にランキングする人気作!

ペンギン・ハイウェイ:森見登美彦

第31回日本SF大賞受賞作

小学4年生のぼくの住む町に突然ペンギンが表れて、不思議なことが起こり始めた。僕は、不思議に思ったことは毎日きちんとノートに書き留め、本を読み、観察もするし、時には身をはって実験したりもする。だから、ペンギンや事件に関係しているお姉さんを観察・分析することにした。
おっぱいが気になるお年頃少年のやさしい冒険ファンタジー

宝島:真藤順丈

3冠達成 第9回山田風太郎賞&160回直木賞受賞!&第6回沖縄書店大賞受賞!

英雄を失った島に新たな魂が立ち上がる。固い絆で結ばれた三人の幼馴染みーーグスク、レイ、ヤマコ。生きるとは走ること、抗うこと、そして想い続けることだった。少年少女は警官になり、教師になり、テロリストになり、同じ夢に向かった。
希望を祈るな。立ち上がり、掴み取れ。愛は囁くな。大声で叫び、歌い上げろ。信じよう。仲間との絆を、美しい海を、熱を、人間の力を。

深く考えさせられる「社会派小説」

現実世界にはびこる問題を描く社会派小説。世相を反映したものも多く、その重厚なテーマは、読者を深く考えさせます。小説を通じて、社会問題に苦しむ人たちの苦悩を知ることで、ビジネス書ではわからない「社会の闇」に興味・関心を持てるようになります。私が好きなジャンルの小説です。

デフ・ヴォイス:丸山正樹

〈あなたは、私たちの味方?それとも敵?〉

耳の聞こえない両親の間に生まれた耳の聞こえる子供「コーダ」として育った主人公・荒井尚人は、17年前にかかわった事件で、容疑者と一緒にいた女の子に手話で話しかけられたことがずっと頭に残り続けてきた。
現代と過去の二つの事件が交錯する、社会派ミステリー。耳の聴こえない世界、言語、文化・アイデンティティについて深く考えさせられる。NHKでドラマ化。

法定遊戯:五十嵐律人

第62回メフィスト賞、「ミステリが読みたい! 2021」新⼈賞受賞

法律家を志した三人。一人は弁護士となり、一人は被告人になり、一人は命を失った。謎だけを残してー
舞台は、法科大学院ロースクール。独自ルールを盛り込んだ私的な疑似裁判「無辜ゲーム」。時を経て再開された「無辜ゲーム」。その裏にあった真相は!?

本格法廷ミステリー小説。
展開が気になり、一気読み!

星の子:今村夏子

虚弱児としてこの世に生を受けた ちひろ を救おうと、新興宗教にはハマった両親。水をあがめる暮らしを普通に受け入れていたが、成長して分別がつくようになると、ひずみが。姉は両親を避け家族関係がいびつ化。また、好意を抱く中学校の教師からは、両親を不審者扱いされる。
新興宗教への周囲の厳しい目線に、不安を抱き、戸惑う少女が描かれる。ただし、作品内で新興宗教を悪者扱いはされていない。そこに、今村さんの作品らしさがあって、おすすめ。

カラスの指先:道尾秀介

人生のどん底へ落ち、詐欺を生業としている中年男の武沢とテツ。辛い過去を背負いし5人が一斉時代の勝負に出る。壮絶な騙し合い。しかも、最後に台どんでん返し。驚愕の事実が明らかにー。

ストーリーの後半、伏線がどんどん回収され、真相が明らかになるのが気持ちいい。詐欺の話しながら、温かみがある点も交換!

罪の声:塩田武士

第7回山田風太郎賞、2016年「週刊文春」ミステリーベスト10で国内部門第1位

昭和最大の未解決事件「グリコ・森永事件」をモチーフにした小説。事件をめぐる二人の男の運命を映し出す。

自宅で不意に見つけたカセットテープ。母が子どもの成長の記録に残したものと思いきや、自分の声が「脅迫声明」に使われたとわかったら…。フィクションでありながら、大事件に真っ向から挑むミステリー。
面白くて一気読み、必至!

小説帝銀事件:松本清張

社会派ミステリーの巨匠 松本清張が、戦後最大のミステリーと言われる占領期に起きた「帝銀事件」を取り上げたドキュメンタリー小説。

ノンフィクションとして発表したかったが、権力が働き、「小説」となった作品。清張はどうまとめたかは要チェック。

地球にちりばめられて:多和田葉子

留学中に故郷の島国が消滅してしまったHiruko。大陸で生き抜くため、独自の言語を生み出し、自分と同じ母語を話す者を捜す旅に出る―。

一見、祖国がなくなるというディストピアな舞台設定。しかし、本作に悲壮感はない。前を向き生きる人を描く。
世界に難民が溢れる時代。災害大国日本だって、TV「日本沈没」のように難民化する日がないとは言えない。そんな時も、前を向き、新たな生き方ができるか?生存能力高く生きるためのヒントを本書は与えてくれる。また、「言語」「母国語」の大事さを改めて痛感。

号泣・やさしい涙が流れる「ヒューマン小説」「感動小説」

人には、「共感して涙する体験」が必要です。人の活きる苦しみを知る涙、人の優しさに心動かされるやさしい涙、嬉しさに喚起する涙 等々、小説を通じて、様々な涙に出会えます。時には、自分の意外な一面を見つけることにもつながるかもしれません。
小説を通じて、涙を共有することは、「人の気持ち」に触れることそのものです。物事を多面的に見ることにもつながり、言動・行動も変わります。
そんな感動の涙をもたらす小説を集めました。

沈黙:遠藤周作

第2回谷崎潤一郎賞受賞作

守るべきは神への”忠誠心”か弱き者たちの”命”かー 司教の心の葛藤は涙なしで読めない。
戦後日本文学の名著舞台は、17世紀、江戸時代初期のキリシタン弾圧の長崎。実在したポルトガル人の司祭をモデルを主人公に、彼の目線を通じて、当時日本で行われた巣覚ましい弾圧、そして、司教や隠れキリシタンの心を描いた歴史小説。
キリスト教文学の最高峰であり遠藤周作の代表作!
日本の黒歴史に、号泣 必至!

:吉田修一

台湾新幹線プロジェクトの軌跡を縦糸に、日本人と台湾人のあたたかな心の絆を描いた吉田修一の傑作小説。
NHK土曜ドラマで放映。NHKと台湾のテレビ局・PTS(公共電視台)との共同制作でドラマ化。

すぐ死ぬんだから:内館牧子

薄汚いジジババとして生きるか、心も体も快活に生きるか―
見た目にこだわる78歳のハナ。若く見せる努力を重ね、気合を入れて老いを遠ざけ生きている。そんな彼女を襲ったのは「夫の突然死」。そして明らかになった「不倫」と「子ども」の存在。落胆し、憤り、そして、それを乗り越え、再び歩き出す。
ハナさんのように老後を行きたいと思う人は多いはず!人生100年時代の痛快「終活小説」

終わった人:内館牧子

銀行の出世コースから子会社に出向させられ、定年を迎えた田代壮介。仕事一筋だった彼は、新たな第二の人生を迎え、何もすることがない人生に途方に暮れる。図書館通いは年寄りじみて抵抗があるし、ジム通いもイマイチ。職探しをしてみても、立派な職歴が邪魔をする。そんな、田代が最後に行きついた先は!
定年とはどういうものか、とても参考になる。ストーリーも面白い!

コーヒーが冷めないうちに:川口俊和

あの日に戻って、あの人に会いたい―
とある喫茶店のとある席に座ると、望んだとおりの時間に戻れるという。ただし、過去に戻れるのは、コーヒーをカップに注いでから、 そのコーヒーが冷めてしまうまでの間だけ。恋人、夫婦、姉妹、親子と再開する4名の客。心温まる4つの奇跡に、温かい涙がホロリ。

満月珈琲店の星詠み:望月麻衣

人生には、挫折、失恋、仕事のスランプなど、「人生の壁」がある。そんな、人生の壁にぶち当たった悩み多き人の前に、満月珈琲店は突然現れる。

優しい猫の店主が、極上のコーヒーとスイーツ、そして「星詠み」で疲れた人々をもてなす。
占星術、カフェ好き・スイーツ好きにもおすすめしたいやさしいハートフルストーリー

カラフル:森絵都

前世に大きな罪を犯したことで、輪廻のサイクルに戻れない=生き返ることができない魂・ぼく。抽選にあたり、服薬自殺を図った中学生の小林真の体にホームステイし、自分が起こした「罪」を思い出すことができれば、再び輪廻サイクルに戻れるチャンスを得たのだったー。
人はたくさんのカラフルな色を持ち、日々、万華鏡のように色・形を変える。思春期に誰もが抱える悩みがテーマ。「生きる意味」「自分らしさ」を今一度考えてみたい。

最後の医者は桜を見上げて君を想う:二宮敦人

自分の余命を知った時、あなたはどうするか?
死を肯定する医者×生に賭ける医者。対立する二人の医者と患者の最後の日々――
衝撃と感動の医療ドラマ!本読み書店員が選ぶ「感動小説」第1位!

夏美のホタル:森沢明夫

登場人物は極々平凡な人たち。
駆け出しのカメラマンとその彼女。そして、たまたまツーリングで出かけてトイレを借りに立ち寄った、山奥のぽつんと古びた田舎の商店「たけ屋」の老夫婦。そして、その近所に住む、気難しい爺さん。

ひょんな出会いで巡り合った人たちの、とても柔らかな関係に、忙しいと忘れてしまいがちな「大切な何か」に気づかされる。。

じんわりと、温かな、やさしい涙が流れる小説!もし、今、気持ちが殺伐としているなら、そんな、あなたにお勧めしたい!

エミリの小さな包丁:森沢明夫

わたしには武器がある―。

恋人に振られ、職業もお金も居場所もすべてを失ったエミリに救いの手をさしのべてくれたのは、10年以上連絡を取っていなかった母方の祖父。決して多くを語らない祖父。しかし、短い滞在期間にエミリに大切な「武器」を与えてくれる。

豪華でなくても、手間をかけ、愛のつまった料理と家族の食卓があれば、心は癒され、人は立ち直れる!従来はなかった「強さ」も身につけて!「今の自分には優しさが足りない」と思う方にぜひ読んで もらいたい 癒し小説。

神様の定食屋:中村颯希

両親を事故で失った哲史は、妹とともに定食屋「てしをや」を継ぐことに。でも、哲史は全く料理ができない。神社で愚痴っていたら、神様が現れて、大事な人に大事な思いを伝えられずに亡くなった魂を哲史に憑依させるという荒業で、魂と哲の思いを叶えていく―。

どの話も、とにかくハートフル。人生には、たとえそれがお店で提供されるものでも「温かく、おいしい料理」が必要。おいしい食事は「笑顔」も連れてくれる。気持ちほっこり、優しい涙が流れる作品。続編もあり。

前向きな気持ち&やる気に「自己啓発小説」

やる気を出したいときや、ためになる本を読みたいならおすすめの自己啓発本。特に、ストーリー仕立てで読める自己啓発小説は、ビジネス・日常生活問わず、大きな気づきを与えてくれます。
このジャンルの本は人気が高く、ベストセラー多数!モチベーションアップに大いに役立ちます。

がんばらない戦略:川下和彦

「頑張れ!」という言葉の罪ーそれは、がむしゃらに頑張っても、成果がでるとは限らないということ。頑張ってその先に絶望が待っていることもある。

「ガンバール国」と「ガンバラン王国」2つの国の物語。がんばっていないのに、幸せそうで成功もしている「ガンバラン王国」の住人。その理由は何なのか?
「がんばらない=何もしない、やる気を出さない」ということではない。自分の目的達成のために本当に必要な努力だけをするための、時間の使い方・思考法・習慣改革&人生戦略の指南書!

ユダヤ人大富豪の教え:本田健

アメリカ人の老富豪と日本人青年の出会いと成長のストーリーに、人生を豊かに生きていくヒントが溢れている。
生きていくうえで大事な大事なこと、「お金の法則を学ぶ」「失敗とうまくつき合う」「スピーチの天才になる」「人脈を使いこなす」「自分のビジネスをもつ」など、ストーリーを通じて成功法則が学べるベストセラー。

仕事は楽しいかね?:デイル・ドーテン

将来への希望もなく日々仕事に追われる「私」。大雪で足止めされた空港で、一人の老人と出会い、会話を始める。
試すこと、日々変化が必要であること、偶然を見落としていること…
彼との会話で、自分の考え方が間違っていたことに気づいた私。 自分を振り返る私の姿は、仕事に不満を持つあなたと重なるはず。

夢をかなえるゾウ:水野敬也

お前なぁ、このままやと2000%成功でけへんで。
ダメダメな僕のもとに突然現れた関西弁を話すゾウの神様“ガネーシャ”
累計400万部突破のビジネス自己啓発小説。歴史上の偉人の教えを元に、なるほど納得できる「夢をかなえる方法」を楽しく教えてくれるエンターテイメント自己啓発書。2~4巻も読み放題対象。それぞれテーマが異なる

賢者の書:喜多川泰

絶望し、前向きな気持ちやモチベーションを失ってしまったとき、自分を励ましてくれたり、生き方を変えようと奮起させてくれる「言葉」との出会いは大切
そんなあなたに「生まれ変わるきっかけ」を与えてくれる1冊。

運転者:喜多川泰

なんで俺ばっかり…。
こんな言葉が思わず口から出てしまう、仕事に悩み、自分の人生・生き方に疑問を感じている人に勧めたい。読み終わるころには、報われない人生なんてない!と腹落ちし、心からの「生きる力」「感謝の心」が沸いてくる!

四つ話のクローバー:水野敬也

「4つ葉のクローバー」になぞらえ、幸せになるためのヒント(考え方・価値観)がちりばめられた4つのショートストーリー。

どの話も面白くためになりますが、私が最も好きなのは「第二話」。大みそかの夜。「紅白歌合戦」をはるかに凌ぐ視聴率番組「ハッピーコロシアム」での最終決戦。『日本人はどう生きたら幸せになれるのか?』の熱いバトルを繰り広げられる。最終決戦で勝つのは、『感謝』で幸せに包まれる 天海氏 VS 『ワクワク』が興奮・原動力の源!真田氏か!?文句なしの面白さ!

ビジネスマンの心を熱くする「ビジネス・企業小説」

企業や業界を舞台に緊迫のビジネス模様が繰り広げられるビジネス・企業小説。生き残りを賭けた闘い、人々の成長に胸が熱くなるだけでなく、経営に対する考え方など、小説ならではの新鮮なアイデアが、新たな視点を広げてくれる点も魅力です。

破天荒フェニックス:田中修治

倒産寸前のメガネチェーン店を買収した若きオンデーズ現社長 田中修治さん執筆の自叙伝「オンデーズ再生物語」。
次から次に襲い掛かる「死刑宣告=資金ショート」 etc. 次々と襲う絶体絶命のピンチを、破天荒な施策で乗り切り、賛同社員を増やしてく様が、面白い!特に会社の資金的危機を経験したことのあるビジネスマンは、共感しながら読めること間違いなし!まさに、失敗と苦悩からの学びが多いビジネス小説

下町ロケット:池井戸潤

第145回直木賞受賞作

研究者の道をあきらめ、家業の町工場を継いだ佃航平。TBSドラマ「下町ロケット」は大盛況。下町メーカーの戦いに多くの人が感動!熱いビジネス小説。

もはや瀬悦明するまでもないベストセラー

立ちはだかる困難に立ち向かう企業戦士の姿は、心を打つ。仕事への熱い思いが衰えてしまった方への、心の着火剤にも、本作をおすすめしたい!

七つの会議:池井戸潤

きっかけはパワハラ。万年係長がエリート課長を社内委員会に訴える。しかし役員会が下したのは、不可解な人事。二人に何かあったのか。この会社には何が起きているのか――。夢は捨てろ。会社のために、魂を売れ。”働くこと”の意味に迫る、傑作クライム・ノベル

株価暴落:池井戸潤

破綻か。救済か。これは、銀行の威信を賭けた闘いだ! 巨大スーパー・一風堂を襲った連続爆破事件。企業テロを示唆する犯行声明に株価は暴落、一風堂の緊急巨額支援要請をめぐり、白水銀行審査部の板東洋史は企画部の二戸哲也と対立する。一方、警視庁の野猿刑事にかかってきたタレコミ電話により、犯人と目された男の父親が、過去に一風堂の強引な出店で自殺に追い込まれていたことが判明する。胸のすく金融エンタテインメント!

半沢直樹:池井戸潤

大人気テレビシリーズ「半沢直樹」もシリーズ。
半沢直樹2 オレたち花のバブル組
半沢直樹3 ロスジェネの逆襲
半沢直樹4 銀翼のイカロス

読み継がれる「国内文豪小説」

学校の教科書でならった日本の文豪小説。名著だとはわかっていても、1冊通して読んだことがない方は多いと思います。「大人の教養」として、この機会にAudibleの聴く読書で読破してみませんか?
皆さんが興味を持ちやすい本はどんな本だろうと考えた上、「https://amzn.to/3GL70MW文豪ストレイドッグス」に登場する文豪を中心におすすめ本を集めてみました。どれも、読めば名著と言われる理由がわかります。

人間失格:太宰治

恥の多い生涯を送って来ましたー。

主人公は、東北の大金持ちの息子・大庭葉蔵。散財し、女を抱き、廃人同様のモルヒネ中毒に。

自分への価値を見いだせず、努力より「ラク」を求め、酒、女、たばこ、薬、ギャンブルに依存し、自堕落な主人公の大庭葉蔵の自堕落さ。読者は、葉蔵の弱さ(の一部)が自分と重なることに気づかされる。
人間の内面をえぐる表現とストーリーに、ただただ脱帽。文豪、太宰治の代表作!日本人なら読んでおくべき1冊。

斜陽:太宰治

戦前、華麗なお屋敷暮らしをしていた貴族階級の貴婦人かず子。彼女にとって、本当の戦いは戦後にあった…

没落していくある貴族の家庭を描いた太宰治の代表作。「斜陽族」という意味の言葉を生みだすほどの影響力があった作品。

時代の変わり目、生き方を変えない者は、淘汰され、没落してしまうとストーリーを通じて教えられる。過去の栄光にすがることなく、変化して生きよう。

こころ:夏目漱石

親友を裏切って恋人を得た。しかし、親友は自殺した。増殖する罪悪感、そして焦燥ー

人間の内面を描いた、夏目漱石の名作

エゴイズムと心の機微、そして、心の葛藤。小学生の私には本作の良さが分からなったが、大人の今なら、多くの人に読み継がれるかが分かる。日本で、最も読まれた小説1位・2位を争う作品(もう1冊は「人間失格」)。教養としても読んでおきたい。

吾輩は猫である:夏目漱石

吾輩は猫である。名前はまだ無いー。

あまりにも有名な夏目漱石の代表作であり、処女作。猫を通じて、当時の社会を批判する小説だが、結末をご存知?
知らない人は結構多い。最後の結末に、(いろんな感情を含んで)「え~!」となること間違いなし。

山月記:中島敦

なぜ自分は虎になったのか―。
臆病な自尊心と、尊大な羞恥心が、心のうちに潜む虎となり、家族や友人を傷つけ、我を本当の虎にした…

高校の教科書で断片的に学んだだけではこの小説の良さは絶対にわからない。中島敦の文章の美しさは、「天才」。美しい文章で、虎になった李徴の悲痛な叫びを味わいたい。

李陵:中島敦

中国・前漢の時代、李陵、司馬遷、蘇武の3人が三人の人物が辿ることとなった数奇な人生を描く。史実を扱いながらも、登場人物たちの苦しみ・葛藤が伝わってくる中島敦の傑作。人間性・生き方を考えさせられる。

細雪:谷崎潤一郎

衰退しつつある大阪の名家を舞台に、4姉妹の日常生活の明暗がつづられる。

テーマは昭和初期の女性の婚活。4人も姉妹がいれば、それぞれに、幸せな結婚・不幸な結婚・相手の身分など、「結婚」にも差がついてしまう。しかも、名家ともなれば、いろいろややこしさもある…。
上流階級だからこの「女性の結婚」の面倒を、当時の時代背景と共に学びたい作品。

痴人の愛:谷崎潤一郎

15歳の美少女・ナオミを見初めて養うことを決意した会社員の譲治。幼く従順だった少女は肉体的にも成熟。贅沢・わがまま三昧だが、それを上回る魅力が男たちを翻弄する…。
美しいが淫乱・わがままなナオミに翻弄される譲治はまさに「痴人=愚か者」。
若者たちが皆、西洋文化に憧れていた大正時代、女の魔性とそれに跪く男の陶酔を描く。あきれるほどゲスいストーリーにも関わらずも、その世界観に引き込まれてしまう谷崎潤一郎の不朽の名作。

羅生門:芥川龍之介

京の都が、天災や飢饉でさびれすさんでいた頃。荒れはてた羅生門に運びこまれた死人の髪の毛を、一本一本とひきぬいている老婆。それを目撃した男は、生きのびるために、悪事を働こうとするー。

餓死者が続出し、人の心がすさむばかり時代を生きた人々の心が描かれる。
授業で読むだけでは、本作の良さは分からない。大人になって、文学として通読した時、この小説のすばらしさが改めてわかる。短編なのに凄い読み応え!

白痴:坂口安吾

今まさに、死んでしまうかもしれないという戦火の中、この白痴の女を何とか救いたいと心の底から思った男。しかし、戦果を逃れた数時間後、女のことを「豚そのもの」であり、面倒だと感じてしまう、男の心の変化が巣覚ましい。

今の時代に読んでもかなりセンセーショナルな「表現」と、人間の刹那的、かつ、エゴまみれで二面性のある「心の変化」に強いショックを受けること間違いなし!

桜の森の満開の下:坂口安吾

今でこそ桜は日本人が最も愛する木。しかし江戸時代までは桜の下では人が狂ってしまう恐ろしい木だと認識されていた。

怪奇にして、残酷。本作も「白痴」同様、人間のダークサイドが衝撃的なストーリーで描かれる。

銀河鉄道の夜:宮沢賢治

貧しい家庭に育つジョバンニは、不思議なキッカケで、夜空をかける「銀河鉄道」に出会い、乗り込み、生について考えさせられる不思議な体験をするー。

あまりに有名な宮沢賢治の代表作。しかし、この作品も結末どころか、内容すら知らない人多し。ジョバンニは、素敵な体験もするが、結末は…結構悲しい。美しい、そして、切ない!

セロ弾きのゴーシュ:宮沢賢治

町の楽団でチェロを担当するゴーシュ。しかし、彼だけが下手くそ。団長にも怒られ、まじめなゴーシュは、日々、帰宅後も練習。すると、猫、カッコウ、タヌキ、野ネズミなどが、連日入れ替わりでやってきて、練習指摘やリクエストをするように。その結果、ゴーシュはー。

児童書として人気の作品。子どもへ聞かせるもいいですが、大人になって改めて読むと、何か大事なことを気づかせてくれる本。優しさ・謙虚さが足りないかもと言う方も是非。

D坂の殺人事件:江戸川乱歩

「私」と明智小五郎で古本屋へ入ると、店の奥の部屋に古本屋の妻の死体があった。犯人はいったい誰なのか?

日本における本格推理ホラー小説の草分けである江戸川乱歩による短編探偵小説。「名探偵コナン」の毛利小五郎の名前の由来ともなった世紀の名探偵「明智小五郎」が初めて登場した記念碑的作品。名探偵コナンもいいけど、こちらも読んでみて!

人間椅子:江戸川乱歩

美しい女性の作家であった佳子は、大量のファンレターが届けられるほどの人気作家。ある日、「奥様」という書き出しで始まる長い手紙に出会う。気味悪さを感じつつも、椅子に座って、読み進めていくと…。
おぞましい結末に鳥肌必至のホラー小説。

高野聖:泉鏡花

主人公が聞いた、高野山の僧侶が体験した、飛騨の山越えの際の恐ろしく奇妙出来事の体験談。怪奇小説の金字塔

道に迷った薬売りを助けようと、山路の一軒家を尋ねたところ、妖艶な美女が。僧を持てたすも、それはよこしまな気持ちを抱く男を襲う妖怪だった―。
艶やかな文体と、恐ろしい出来事の対比が魅力!

ドグラマグラ:夢野久作

時計の音で目を覚ました「私」。いるのは精神病棟。自分の過去はおろか、名前すら思い出せない…。どうやら、私は、ある殺人事件に関わっているらしい…

難解、頭がおかしくなるとも言われる不思議な長編ミステリー。「夢Q」という愛称で今でも読者を離さない夢野久作。「日本探偵小説三大奇書」に数えられるなど、時代を超えて多くのファンを獲得。理解は難しいが、じっくり味わいたい「癖」のある作品。

檸檬:梶井基次郎

学校の教科書でも習った「檸檬」。大人になって、人生経験を積んでもう一度読んでみよう。
31歳という若さで亡くなった、梶井基次郎の不屈の名作。その他作品からも、人間の苦悩、不安、焦燥がひしひしと伝わる

桜の樹の下には:梶井基次郎

桜の樹の下には死体が埋まっているー

桜が美しいのは、樹の下に埋められた動物や人間の死体からの養分が、死体に絡んで養分を吸い取っているからだと、「俺」が桜の美しさの独自理論を説く。なんとも突飛でグロテスクな発想だが、妙に説得力あり。それは、桜にはどこか「妖艶さ」があり、「死」を連想させるからかもしれない。
上述の坂口安吾「桜の森の満開の下」と合わせて読みたい。

舞姫:森鴎外

若くしてベルリンに留学したエリート官僚・豊太郎。異国の地で出会った貧しい踊り子・エリスに熱を上げる豊太郎は免職に。しかし、友人の紹介で大臣に随行し、その仕事ぶりが認められ、復職のチャンスが巡ってくる。「愛」と「出世」を天秤にかけ、大臣と共に日本に帰国することを決めるー。

「愛」か「仕事」どちらを選ぶか?は古から変わらぬ男と女の大問題。あなたは、どう思う?自分に問いながら、本作を読んでみてほしい。

高瀬舟:森鴎外

高瀬舟は、罪人を京都から大阪まで送る罪人船。ある日、庄兵衛は、喜助と言う罪人を船で護送する。罪名は「弟殺し」。しかし、それは、死から逃れることのできない運命に苦しむ弟を、楽にしてやりたい思いからの者であったー。

殺害は、本当にそれは弟を救うためだったのか?苦しむ弟を見たくないと思う「自分」を救う殺人だったのではないか。安楽死を問う深い小説。

雪国:川端康成

日本人初のノーベル文学賞受賞作

国境の長いトンネルを抜けると雪国であったー
あまりに有名な冒頭。雪にはじまり、炎におわる。 うつろいゆく愛を描いた、すみずみまで美しくエロティックな文学作品。是非、最後まで読み通したい!

破戒:島崎藤村

封建的身分差別が残る明治時代。主人公は、えたという身分で生まれた差別部落出身者。しかし、現在は、父の戒めを守り、素性を暮らして教師として生きている青年。被差別部落の解放を訴える運動家を尊敬・感化し生きているが、彼の素性を疑うものが現れ、穏やかな暮らしが崩壊していく…
日本の悪しき歴史、不都合な真実を知るためにも読んでおきたい。

蟹工船:小林多喜二

北洋オホーツクで蟹を獲り缶詰に加工する工場船「博光丸」。貧しい労働者たちが、不衛生な環境、長時間労働を強制の元、働かされた現実を描いたプロレタリア文学。

富裕な支配層に虐げられる労働者が直面した過酷な労働の様子が、これでもかと描かれる。

現代社会でも、富裕層と貧乏人の二極化は問題。しかし、軍閥支配の進む昭和初期は、貧乏人は「人」ですらなかった…日本の黒歴史を文学で!

葬られたる秘密:泉八雲

父親の知人の商家に嫁いだ豪商の娘・お園。しかし、結婚4年で子供を残し、病気で亡くなってしまう。死後、お園の幽霊が出るようになる。和尚が箪笥を調べてみると、一番下の引き出しに一通の手紙が隠されていた。それは、お園が京都にいた頃に受け取った恋文であった―。

心霊探偵などでもキャラ化される「八雲」は実は、ギリシャ生まれのイギリス人。新聞記者として来日し、その後、日本を愛して日本研究者に。さらに、日本人女性と結婚・帰化。古典や民間の説話に取材した『怪談』、日本人の『精神』『心』を描く作品に日本・愛💕を感じたい。

二十四の瞳:壺井栄

昭和のはじめ、瀬戸内海べりの一寒村の小学校に赴任したばかりの大石先生と、個性豊かな12人の教え子たちによる、人情味あふれる物語。
戦争を描いた作品は、悲惨な空襲・原爆などを描いた作品が多いが、本小説には、戦慄するような戦場は一切出てこない。家族を失った者たちの戦争に対する煮えたぎるような憎しみなども全く描かれない。描かれているのは、戦争に巻き込まれながらも、「淡々と生きた人たちの日常」と「戦争で変わりゆく暮らし」。多くの人にとっては、それが、戦争のリアルなのではないか…。だからこそ、読み継がれるのかもしれない。

いのちの初夜:北條民雄

若くして、死の病 ハンセン病に侵され、自分の人生に絶望した著者が描く「いのち」とは―。
長い時間をかけてじわじわと自分が朽ち果ていき、行動の自由も自尊心も奪われる中で、死を待つしかない病・ハンセン病。小説の主人公も、作者同様、隔離施設行きを余儀なくされた青年。絶望に耐えきれず、何度も自殺を試みるも、死のうとするたびに「いのち」が「死」を拒む様が、リアルに伝わってくる。

人間にとって、「いのちとは何か」「病とは何か」「絶望の中で希望を見出せるのか」、という重いテーマを、真剣に、自分の命を懸けて追求した作品に、読者は心揺さぶられる。

小さき者へ:有島武郎

小さき者よ。不幸なそして同時に幸福なお前たちの父と母との祝福を胸に人の世の旅に登れ。前途は遠い。そして暗い。然し恐れてはならぬ。恐れない者の前に道は開ける。行け。勇んで。小さき者よ―。

結核が死病だった時代。母を亡くした我が子を憂い、子供に残すメッセージ。狂おしいほどの愛情・母との思い出を記す父の愛に涙。一人親で子を育てた/育てられた人は、感極まって、号泣必至。
知らない方がいいかも..ですが、実は、著者 有島は、本作の5年後に人妻と不倫の上、子供を残し、心中自殺。なんとも複雑な気分…

金子みすゞ名詩集:金子みすゞ名

東日本大震災時、震災被害を、自分のこととして感じる一つのきっかけを与えたの詩 『こだまでしょうか』。

辛く当たれば、相手は自分につらく当たる。でも、優しく話しかければ、相手はやさしく答えてくれる。震災で傷ついた日本人に、日々の忙しさの中で忘れていた「いたわりの心の大事さ」を思い起こさせた。
本作は、『こだまでしょうか』を含む、明治の童謡詩人金子みすゞの名詩を93編収録。詩集に広がるのは、派手なことが一切ないない日常の風景。しかし、少ない文字の中から、みすゞの思いが伝わってくる。いい詩は人の心を打つ!

樅ノ木は残った:山本周五郎

弱冠21歳の仙台藩主は、江戸に在住のわずかな期間のうちに、突如幕府から不行跡のかどで逼塞を命じられる。側近4人が暗殺、事件の背後には、伊達60万石の取り潰しを狙う幕閣老中。事件の全貌を察した家老・原田甲斐は、伊達家存続のため、一命を賭して、孤独の中、巨大な陰謀に立ち向かうー。江戸時代前期に仙台藩伊達家で起こったお家騒動「伊達騒動」を題材にした歴史小説。骨太の人間ドラマが展開される。今なお、宮城県芝田町 船岡城趾公園には、時代の生き証人であるモミの木が残る。時代劇でも人気の作品。

海と毒薬:遠藤周作

戦時下・敵兵であれ、「今、生きている人間を殺す」ことに対する「罪の意識」「倫理観」。
解剖参加者は、自分を、どう自分を納得させるのか――。

舞台は太平洋戦争期。戦争末期、当時の九州帝国大学で起きたアメリカ人捕虜に対する生体解剖事件「九州大学生体解剖事件」をモデルに創作された小説。生きた人間を殺す「罪意識・倫理観」、人間の良心に問う、大変重いテーマを扱う「死」に慣れてしまった解剖医たちの、人間の罪意識、倫理観の軽さにぞっとする。そして、読者は「お前の倫理観はどうなんだ!」と作家 遠藤周作に突きつけられる!

世界的ベストセラー「海外文豪小説」

「世界的に読まれている海外文学海外文豪名著にもチャレンジしてみたいけれど、何を読んだらいいかわからない」。或いは、「タイトルは知っているけど、知っているのはタイトルだけ…」と言う方は多いと思います。
そんな、これから海外文学にもチャレンジしてみたい方に、大人なら読んでおくべき名著を紹介します。個人的趣味で、ディストピア系小説が多めです。

モモ:ミヒャエル・エンデ

ドイツの作家ミヒャエル・エンデが1973年に児童書として発刊された「モモ」。この本の良さを心から実感できるのは、絶対に「大人」
「時間貯蓄銀行」を称する集団の「灰色の男たち」によって時間を奪われていく人たち。しかし、良い暮らしをしようと時間を倹約して一生懸命に働き始めたはずが、時間を奪われた人たちは、どんどん心の余裕を失っていく。忙しく毎日を過ごす、現代人に大事なものを思い出させてくれる。

星の王子さま:サン・テグジュペリ

タイトルは知っている、イラストを見てもわかる。しかし、内容は知らないという人は意外と多い。
読んだことがなければ、絶対に読んだ方がいい、素敵なストーリー。
小さな王子の思考は、いわゆる「不思議ちゃん」。しかし、考えがとても深い!哲学的&道徳的。生きる上で大事なことを再認識させられる1冊。

華氏451度:レイ・ブラッドベリ

権力者によって本が燃やされるディストピアを描いた名著中の名著。
本を読まなくなることで、奪われる人間の思考。効率化の果てに人々が自発的に思考能力を放棄してしまうなど、権力者が益々全体主義を推し進めやすい環境が揃っていく…
「人間にとって本とは何か?」「思考や記憶のかけがえなさとは?」深く考えさせられる、絶対に読むべき1冊。

一九八四年:ジョージ・オーウェル

ディストピア小説の最高峰。物語に現代社会にも横たわる問題・危険を見た。「社会」「人間」の本質が描かれるからこそ、現代にも当てはまる。社会・人間の本質を見る目がスゴい。

動物農場:ジョージ・オーウェル

動物を登場人物にして、社会の権力者/平民の権力構造社会をまざまざと描き出す。支配する側は強欲、一方で、支配される側も愚民であるが故、支配される。権力支配について深く考えさせられる1冊。

アンドロイドは電気羊の夢を見るか?:フィリップKディック

舞台は第3次世界大戦後の荒廃した地球。多くの人類が火星へと移住する中、一部の人類はまだ地球で生活を継続していた。主人公リックはロボット羊を飼育。経済的な豊かさの象徴「本物の羊」を持つまでの経済力は、未だ無い。逃亡アンドロイドを「処理」する賞金稼ぎをしているが…
「人間とは何か?」「人間と人工知能(アンドロイド)との違いは?」。フィリップ・ディックが斬新な着想で描く、ディストピア小説。

高い城の男:フィリップKディック

第二次世界大戦が枢軸国側の勝利に終わってから15年、世界はいまだに日独二国の支配下にあった―。米国は分断。米国西側は大日本帝国に、そして米東側はナチ・ドイツが支配。もう、舞台設定だけでディストピア…

現実と虚構が微妙なバランスで描かれる、「もし、第二次世界大戦の結末が変わっていたら」を迫真の筆致で描くフィリップ・ディックの最高傑作。

変身:カフカ

主人公グレゴールはある日ベッドで目を覚ますと自分の姿が毒虫に…
たちまち崩壊していく家族との関係…

毒虫というのは「変わり果てた一個人の象徴」。受け入れないほどに変わり果てた家族を、受け入れ、愛し続けることができるのか?という厳しい現実を見せる、海外文学最高傑作。

現代社会の痴呆・介護問題などを照らし合わせると、全く他人事ではない。人間・家族・愛について深く考えさせられる。

罪と罰:ドルとエフスキー

頭脳明晰ながら貧さから大学を中退し、極貧生活を続ける主人公 ラスコーリニコフ。街で有名な金貸しの老婆を殺害、その罪の意識は恐怖にさいなまれていく…
追い詰められる青年の「苦悩・悶絶」がずっしりと人の心を打つ。

レ・ミゼラブル:ヴィクトル・ユゴー

ああ、無常。世は無常です…
たった1本のパンを盗んだために19年もの間、牢獄で暮らすことになってしまった男 ジャン・バルジャン。彼に温かい手を差し伸べてくれた司教に感銘し、ジャンは「人の道に背くようなことはしないこと。善良な市民として生きてくこと」を誓い生きていくが…

車輪の下:ヘルマン・ヘッセ

一人の友との出会いから始まる没落人生。落ちぶれ、挫折し、最後には…

救いようのない話が、現代でも読み継がれるのはなぜなのか?
それは、現代の多くが、ハンスに自分を重ねて、共感してしまうからに違いない。

そして誰もいなくなった:アガサ・クリスティー

絶海の孤島に招かれたのは、互いに面識のない、職業・年齢が様々な十人の男女。招待主を誰も知らない。
夕食の席で、10人が過去に犯した罪を語る声が突然響き、無気味な童謡の歌詞通りに、客人が一人ずつ殺害されていくー。

クローズド・サークルの代表的ミステリー小説。一体犯人は誰なのか、最後の最後まで、ハラハラドキドキ。

ハリーポッターと賢者の石:J.K.ローリング

魔法使いの少年、ハリー・ポッターの壮大な冒険を描いた大人気ファンタジー「ハリー・ポッターシリーズ」の第1作目。

シリーズは80ヵ国で翻訳。もはや内容を紹介する必要もないほどのベストセラー。その他シリーズ 7巻もKindle Unlimited対象。

三体:劉 慈欣

人類は…この文明は滅びなければならないー

尊敬する物理学者の父・哲泰を文化大革命で亡くした、中国人エリート女性科学者・葉文潔。信じがたいほどの愚かな行為を目にし、人類に絶望した彼女は、宇宙に向けて秘密裏に電波を発する。発信した電波は惑星〈三体〉の異星人に届き、驚くべき結果をもたらしていく。

現代中国最大のヒットSF小説。後編も続々登場

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耳読はメリット大!私の読書術

耳読はメリット大!私の読書術

私の読書の8割は耳を使った読書「耳読」です。耳読をすれば、読書量が大幅に増やせます。

耳読はお手軽。心理&時間負担が軽減

「読書をすること」に負担を感じる方は、まずは「耳読」がおすすめ。ラジオのように本を聴く読書なら、読書に対する心理的・時間的負担が大きく軽減!。ちょっとしたスキマ時間、運動、家事など、耳が遊んでいる時間を有効活用できるので、1日の充実度も上がります。

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人は速さに慣れます。2倍速・3倍速で読めば、高速読書・高速学習も実現!その分、読書量・勉強量を増やせます。

脳科学の知見からも、耳読は、勉強法に集中力アップ、記憶効率アップの効果など、様々な効果があることが証明されています。私の個人的な実感としても、1倍速より、2倍速・3倍速の方が読書に集中できます。ただし、どのぐらい倍速できるかは、本のジャンル・知識量に依存します。私の場合、ビジネス書の方が、小説より再生スピードが速くても理解できます。

集中力UPにイヤホンを用意しよう

耳読には、イヤホンをおすすめします。単に人の迷惑にならないだけでなく、イヤホンを利用した方が、周囲の雑音が脳に入り込まないので集中できます。

耳読の場合、高音質・高機能なイヤホンは必要ありません。むしろ、バッテリーの持ちがよい方が、圧倒的に便利です。以下は私の使用しているおすすめイヤホンです。

ふるさと納税の返礼品でイヤホンを入手する方法もあるのでご活用を!

最後に

今回は、あなたの本選びに役立つAudibleで聴き放題のおすすめ小説を紹介しました。
この記事が読書の一助になれば幸いです。人生を豊かにする「読書」を、是非、初めて見てください。