【書評/要約】いつのまにか億り人になれる超マネーハック(品田一世 著)(★4) カナダ人はなぜ、幸福度高く資産を築けるのか

国連の幸福度調査で、英語圏幸福度No.1の「カナダ」。

“カナダ式”で幸福度も資産も増え続ける! いつのまにか億り人になれる超マネーハック』は、カナダのバンクーバーでファイナンシャルプランナーとして独立の経験を持つ品田一世さんが提案する、幸せに資産を築く指南書。

先に本書で最終的に紹介される投資術は、以下の通り、よくある積立投資本の内容と変わりません。

幸福福度も資産も増やしたいなら、自分の幸せを理解し、節約し、新NISAで米国S&P500に連動するインデックスファンドに積立投資して資産を増やそう

しかし、より大事なのは、カナダ人の「幸せ追及の仕方」

幸福度が高いカナダ人は、どのように考え、お金について学び、行動しているかを知ることが、お金に対して不安の大きい日本人の不安を軽減する気づきとなります。

今回は、『“カナダ式”で幸福度も資産も増え続ける! いつのまにか億り人になれる超マネーハック』からの学びを紹介します。

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カナダ人の幸せの求め方

【書評/要約】カナダ式で幸福度も資産も増え続ける! いつのまにか億り人になれる超マネーハック

幸福度が低い日本人 vs 幸福度が高いカナダ人

お金は幸せに生きるために必要ですが、「お金を貯めること」が目的ではありません。日本人は、幸せの追求の仕方が間違っています。カナダ人から学ぶべきことがたくさんあります。

カナダ人は、ブレない軸をもつ。何にお金を使うかも明解

カナダ人はなぜ幸せそうなのでしょうか。

カナダ人は
・自分自身が何を良いとするか
・何に幸せを感じるか
自分の意見を明確に持っています。つまり、カナダ人は、世の中の軸ではなく、自分の中に「ブレない軸」を持っています。ブレない軸があるので、何にお金を使うかも、はっきりしています。

一方、日本人は「空気」に敏感です。他人を気にするから、みんなが持っている欲しくなり、自分をカッコよく見せたいと見栄をはります。これは、本当に自分の幸福のためと言えるでしょうか?

お金の本質を学んでいる

日本では親から「お金について話すことは卑しい」と教えられます。一方、カナダでは、家庭でも学校でも多様な金融教育が展開されています。

カナダでは、中高で利子・複利について学び、また、学校・親から、株・配当について教わります。そして、お金に働いてもらえば、複利で増えることを学びますす。加えて、一部の高校では、「なぜあなたは幸せを感じるか」を脳のメカニズムまで踏み込んで学ぶそうです。

これらを通じて、カナダでは、学生のうちから「お金を無駄遣いせず、貯めて、お金を働かせれば、複利の力でお金を大きくできること」、「20代から500ドルを毎月積み立てれば、簡単にミリオネアになれる」ということを知り、成長するのです。

だからこそ、大人になってもお金に対しての不安を持つことなく、毎日幸せに生きることができるのです。

幸せを実感しながら、資産を作る

【書評/要約】カナダ式で幸福度も資産も増え続ける! いつのまにか億り人になれる超マネーハック

日本人は将来が不安で貯めこみます。シニア層の金融資産が多いことがそれを物語っています。しかし、死ねばお金は持っていくことはできません。これでは幸せにはなれません。

「幸福度も資産も増やす生き方」を追求しないと、お金の不安から解放されることはありません。

幸せが実感できる、お金の土台の作り方

どうすれば幸せを実感しながら、お金の土台をつくって、資産をつくれるのでしょうか。 方法は、自分の幸せ追求し、節約・貯金、投資のサイクルをつくって、これを回すことです。

その第一歩は、「自分にとって何が幸せか」、幸せのベースをはっきりさせること。そして、気合を入れすぎないこと。無理をせずに、節約・貯金・投資を楽しみながら続けることです。

節約は重要ですが、幸福度が下がる節約には意味がありません。健康を犠牲にする節約、また、家庭の雰囲気が悪くなるような節約も本末転倒です。

大事なのは、脳が喜ぶ節約。自分がどうしたら幸せかがわかれば、お金を使わなくなります。つまり、自然と節約できます。

自分にとっての大事を知り、散財がなくなった【私の経験談】

私もかつては散財しました。しかし、自分が大事なモノ・好きなモノがわかるようになって、自然と散財は減りました。お金の使い方も変わりました。今は、無理な節約もしません。

形のないモノ、知識・経験などを通じて「脳が幸せだと感じること」「脳がワクワクすること」「脳がリラックスすること」にお金を使うようになりました。

私の趣味、読書・ジム・サウナ・旅行・などは、まさに、これに当てはまっています。

脳を味方にする

私たちが幸せを感じるとき、100種類以上の脳内物質が出ています。中でも幸せにかかわるのが以下の3つです。

セロトニン心や体が穏やかなやすらぎの状態で幸福感のペースの状態をつくる
脳ではなく腸に存在
オキシトシン人との愛情やつながりを感じるときの幸福感をつくる
ドーパミンお金や成功など何かを獲得しようとしているときに感じるワクワク感
幸せが持続しない
追求しすぎると、資産を失ったり、散財につながる

カナダ人は、この幸せの物質をうまく分泌するサイクルを作っています。特に大事なのは、セロトニンとオキシトシンです。

ドーパミン的幸せ追及は注意が必要です。そもそも、幸せが長続きしません。また、人に勝とうとしたり、投資やギャンブルにのめり込んだりすると、ゆくゆくは、失敗し、結果的に精神ストレスとなり、ストレスを買い物で解消するといった、マイナスのサイクルを生む可能性があります。

仕事より、家庭・友人を大事にし、残業もせず、体を休める。心身の健康を維持することが、資産形成にも大事なのです。セロトニン&オキシトシン系の幸せを追い求めるようにしましょう。

【投資法】NISAを使ってS&P500に積立投資しよう

【書評/要約】カナダ式で幸福度も資産も増え続ける! いつのまにか億り人になれる超マネーハック

最後は、本書で紹介される具体的な投資方法です。

品田さんは、非課税投資である「新NISAでS&P500に連動したインデックス・ファンドへの積立投資」を推奨しています。

とにかく、今すぐ実投資

今更、積立NISA…という感じではありますが、口座を開設したけど、高値掴みになるのが怖くて、実投資に踏み切っていない方も多いのではないでしょうか。

投資は、知識だけがあってもダメ。実投資あるのみです。始めるのに専門知識も、相場の読みも必要ありません。愚直に、長期にわたってコツコツ、積み立てるだけです。

何も考えなくてもいい──世界は 99・9%成長する。成長に投資せよ

日本は今後に人口が減り、国力が落ちていきますが、世界全体では確実に人口が増えます。人口成長と経済成長との相関が高いことは多くの研究が示しています。

世界に投資するなら、コストの安いSBI証券か、楽天証券で以下に投資しましょう。

世界の成長に投資する投資信託

・eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
・楽天・全米株式インデックス・ファンド
・SBI・V.・全世界株式インデックス・ファンド

著者のおすすめは「S&P500に連動するするインデックスファンド」

ちなみに著者は「米国の株式指数」に連動するインデックス・ファンドを推奨しています。理由は、以下の通り。

①世界中で強いアメリカの企業
②右肩上がりを続ける米国市場
③成長を続けるGDP
④株主を重視した経営で株主へ利益還元
⑤日本と全く違う社会の仕組み
⑥長期にわたる人口増加
⑦進化し続ける財政政策や金融政策

具体的な理由は、是非、本書でご確認してください。

ちなみに、厚切りジェイソンさんも同じような理由で、米国への投資を推奨しています。

米国のの成長に投資する投資信託

・eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
・楽天・全米株式インデックス・ファンド
・SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
・SBI・V・全米株式インデックス・ファンド

カナダ人はインフレにも負けず、資産を築いている

カナダ人は、年々インフレが続いてきていますが、それでも、資産形成により、インフレにおびえることなく資産を築いている人がたくさんいます。

一方、長きにわたりデフレに悩まされ、インフレに対抗する術を知らず、現金で資産を持っていた日本人は、預金残高が同じでも、実質的な価値を減らしています。

投資は私たちのような一般市民がインフレに対抗できる数少ない武器です。

目下、世界で起こるインフレ、そして、日本のインフレ状況については、以下の記事で解説しているので、そちらをご確認ください。そして、投資をはじめましょう。それが、インフレ対策になります。

最後に

今回は、『“カナダ式”で幸福度も資産も増え続ける! いつのまにか億り人になれる超マネーハック』からの学びを紹介しました。

本書で紹介した内容は一部です。マネーハック方法についても割愛しています。マネーリテラシーを高める習慣・生き方についても、いろいろ学べる内容となっています。

さらに、なぜ、日本は、政府の税収が減るような新NISAを導入したのか、その裏側にある政府の狙い(国民にとっては落とし穴)についても言及しています。新NISAを活用していない人には、さらに辛いことになる未来が待っている可能性があります。

是非、本書を手に取って、「資産を築く✕幸せになる」の両方を実現するきっかけにしていただけたらと思います。