【書評/要約】運転者(喜多川泰 著)(★5) ~人生の転機となる「気づき」で「生きる力」を与えてくれる良書
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なんで俺ばっかり…

こんな言葉が思わず口から出てしまったことは誰しもあるはず。特に真面目でコツコツ型の方は、損な役回りを押し付けられることも多く、マイナス思考な愚痴がこぼれてしまうこともあるでしょう。

しかし、そんな苦労も「報われない努力なんてない!」と元気と勇気を与えてくれるのが、人の琴線に触れる自己啓発小説を多数執筆されている喜多川泰さんの「運転者」。

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仕事がうまくいかないと悩んでいる方、自分の人生・生き方に疑問を感じている人に勧めたい。読み終わるころには、大きな気づきに「生きる力」「感謝の心」が沸いてくる良書です。

今回は、著書「運転者」から、「生きる力」「感謝の気持ち」を与えてくれる言葉、そして、そこから感じたことを書き記しておきます。

運転者:あらすじ

喜多川泰 著「運転者」:あらすじ

なんで俺ばっかりこんな目に合うんだよ

中年にして完全歩合制の保険営業に転職し、まもなく2年目になる修一。
新規で契約を取り続けないと成り立たない完全歩合制の営業マンにとって、最もつらい、完全歩合への移行期をまもなく控え、まさに正念場だ。

そこにやってきた、「担当顧客の大量解約」の知らせ。金銭的にも精神的にも窮地に追いやられてしまう。

妻が楽しみにしていた海外旅行計画のキャンセルはもちろん、娘の学費、一人きりで過ごす実家の母が、修一の気持ちにのしかかる。そして、ふと口に出てしまったのが、冒頭の「なんで俺ばっかり…」という独り言だった。

そんな独り言を発したとき、目の前に止まったタクシー。

このタクシーの運転手が、単なる「運転手」ならぬ、修一を人生の転機の場所へ連れていく「運転者」だった。

運転者:心を揺さぶる言葉

運転者:心を揺さぶる言葉

上記の運転者のあらすじの通り、不思議なタクシーの運転手は、修一を人生の転機となる場所へ連れていきます。そして、その転機の場に向かうタクシー車内で、修一に、生き方・考え方を変える「気づき」を与えていきます。
以下では、その会話の中から、心を揺さぶる言葉・フレーズを紹介します。

上機嫌でさえいれば運は好転する

どんな仕事をしている人でも、不機嫌な人が成功したことなんてないですよ。
逆に、上機嫌でさえいれば運が好転する場面が自分でわかるのに。もったいない……。
上機嫌でいないと、運の転機を感じるアンテナが働かない

その通り。不機嫌は周囲の人だけでなく、自分も疲弊する。だから、私も不機嫌にならないように努めています。
そのきっかけを与えてくれたのは齋藤 孝さんの「不機嫌は罪である」でした。「不機嫌」が与えるデメリットの大きさに気づけば、治せるはずです。

運は後払い。

運は後払いです。何もしてないのにいいことが起こったりしないんです。
ポイント貯めてないのに何かもらえますか? 誰もそんなこと、期待しないでしょ。
でも、運となると、貯めてない人ほど期待するんです。
運が劇的に変わる時、場というのが、人生にはあります。あなたにも。
運は〈いい〉か〈悪い〉で表現するものじゃないんですよ。〈使う〉〈貯める〉で表現するものなんです。

だから先に〈貯める〉があって、ある程度貯まったら〈使う〉ができる。
〈運がいい〉と思われている人は、貯まったから使っただけ。貯まった運を使うとき、周りから『ついてる』って見えてるだけです。

表現は異なりますが、「運は準備している人のところにしかやってこない」とも言われます。運は、結局、努力の結果でなければ、たまりません。だから、努力し続けなければならない、そう思っています。

以下の野村克也さんの著書「運の正体」はは非常に多くの気づきを与えてくれるはずです。

誰でもない自分のせい

人生において『誰のせいでこうなったと思ってるんだ』なんてセリフ、二度と使っちゃダメですよ。だってね、あえて言うとですよ、あなたのせいでそうなったんですから。

確かにその通りです。

同じようなセリフに「なんでわからないんだ」というものがありますが、ハイディ グラント ハルヴァーソンさんの著書「だれもわかってくれない」でも、「自分がわかってもらえない(理解されない)原因の第一は、自分にある」ことを深く理解させられます。

努力のエネルギー

(人の頑張る)姿を見て感動して、自分も頑張ろうと思える。誰かの努力、ひたむきな姿勢は、他の人に幸せをもたらす力があるということです。
世の中の人はみんな、そうやって誰かの努力する姿にエネルギーをもらって自分を動かしているくせに、こと自分が努力をするということになると、運にしても成果にしても、〈今の自分〉という、ものすごく狭い世界の、短い期間でしか判断しないので、〈運が悪い〉〈努力は報われない〉と簡単に結論づけてしまいます。でも、実際に今の自分がやった努力の成果が自分に対して表れるのは、普通の人が考えているよりもっとずっとあとになってからです。」

頑張るって、その人に単に具体的なメリットを与えるというだけでなく、人を幸せにする効果があると改めて認識させられます。
そういえば、私も会社員時代は、頑張っているの姿は大きな励みであり、モチベーションの維持になりました。

私たちが生きる現代に渦巻く感情

「お前たちはいい時代に生まれたぞ」 と言われて育ってきた。(略)無理もない、それを言う大人たちは、戦争というものを体験していたのだから。子どもの頃、もしくは父として母として戦争を経験していた世代にとっては、昭和五十年代以降のこの国の繁栄は夢のような生活だったに違いない。 しかし、当の修一自身にとっては、〈あった〉ものでしかなかった。
時代が平成に変わり、「お前たちの時代はいい時代だ」という言葉が子どもたちに対して言われなくなった。大人になった修一は少なくとも自分の人生において一度も好景気というものを感じることはなかった。日々、将来の幸せのために努力をするのだが、未来の安心や安定を手にすることなどはできないまま今の年齢になっている。自分も含めて、今の自分の周りにいる子育て世代となった同世代の者たちは、「今の子どもたちはかわいそうだ……」と言うようになった。 ほんの四十年ほどでこれほどまでに変わってしまった。

昭和生まれの私は小さい時は、自分はいい時代に生まれたと思っていましたし、家の中も家電一つとってみてもどんどん便利になっていきました。しかし、修一同じく、私が社会人時代は常に「不景気」でした。そして、今の若い子は私たちの世代以上にかわいそうだ、となんとなく思っている….

これって、健全な社会じゃないし、間違っているともいえる。

なぜなら、令和の今の時代は、世の中が超便利になり、40年、50年前を生きた人と比べ物にならないぐらいよい環境で生活している。そして、そんな時代を築いてくれたのは、先人たちです。今の時代は幸せであること、「先人への感謝」の心をすっかり忘れていました。反省…

私たちが食べる「ごはん一杯」も、生産者だけでなく実に「多くの人の働き」、さらには、太陽光をはじめとする「宇宙の恩恵」があって成り立っているのです。万物に感謝しなければなりません。そして、そう思えた方が幸せです。

誰かのために時間を使う

誰かの幸せのために自分の時間を使うんです」
してあげたことと、してもらったことの差が〈運〉です。

このフレーズを読んで、違和感を感じた方もいるかもしれません。確かに、〈運〉というポイントを貯めた生き方をしている人の中にも、生まれた境遇など、非常についている人がいます。こんなケースに対して「運転者」は以下のようにアドバイスします。

誰かのために命を使う生き方を懸命にして、上機嫌に生きていたけれども、自らの運を良くするような転機が訪れないままその命を終えた人はいます。そうやって貯めた運があったから次の世代はたくさんの幸運を手にできたんです。あなたも同じです。その人たちが貯めた運の恩恵を受けてこれまで育ってきたんです。

私たちは、先人たちの功績、先人たちがためた運も、自分の権利等は全部を使い切らなきゃ損と思って生きているところがあります。しかし、そうじゃない。次の世代に功績や運を貯めて後世に譲っていくことが大事だと、強く思わされました。

貯めてもらった運を使ってばかりの人生じゃなく、ポジティブに、次の人たちに受け継ぐ運を貯める生き方を目指したい、そう思わずにいられません。

最後に

今回は、喜多川泰さんの「運転者」から、心揺さぶる言葉、覚えておきたい言葉を書評として記しました。

主人公の修一が「保険の営業マン」というところも本書の意図があります。それは、保険とは、本来、相互扶助の精神を形にした商品であり、いざというときのために、助け合う仕組みだから。「保険は使わないと損」という人が結構いますが、万一のための保険は必要ですが、本来ならかけても使わないのが最も幸せなのですから。自分が保険を使わずに、人のためになるならそれは幸せなことです。感謝しあえる社会は素晴らしい。

こんなところから、自分のベースとなる「考え方」をポジティブ思考に切り替えたい。

一部を取り出したフレーズだけでは、この本の良さは伝わらないはずです。また、主人公の修一がどんな決断をして人生を変えていくかも気になりますよね。是非、ご自身で読んでみてほしいです。

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