※2018年8月16日更新

荒れるグローバルマーケット。
マーケットが昨今益々大きく揺れる理由は金融取引システムが高度化し、「お金」で「お金」を買う市場、デリバティブが拡大しているからです。

「国家」と言えど、その例外ではありません。時々刻々と変化する国家の破綻リスクをどのようにしてwatchすればいいでしょうか?

答えはずばり、国債10年物金利CDS(クレジットデフォルトスワップ)です。

世界同時株安時に起こった「ギリシャショック」を覚えてる?

世界を奈落の底に陥れた約10年前のリーマンショックの時、「ギリシャショック」がニュースを騒がし、投資家ならず、世界中を不安にさせたことを覚えているでしょうか?
2009年10月の政権交代を機に、財政赤字が公表数字よりも大幅に膨らむことを明かしたことに始まる経済危機のことですが、格付け会社が相次いでギリシャ国債の格付けを引き下げ、ギリシャはデフォルトする!!と言われ、ギリシャの国債を引き受けている投資家を脅かしました。

このとき、ギリシャの長期国債10年物の金利は暴騰。国がやばくなると長期金利は暴騰するのです。

一個人の借金であっても、返済できなくなると、当の本人だけでなく、家族、保証人など周囲の人も巻き込んで不幸になりますよね。
国が借金が返せないとなったら、小国とて、被害は甚大。借金が返せない当事国や、投資をしていた人たちが損害を被ることはもちろんのこと、状況によっては、全世界を巻き込んで経済危機に陥ることになります。

国債利回りが上昇すると何が問題なのか?

国債とは国が発行する債権、つまり、国の借金です。

ある人から「お金貸して」と頼まれたとき、返済に信用ができる人なら少しの利子でもお金を貸してもいいかなと思えるのに対し、どうだろう?と思える人からは、大きな利子と引き換えじゃないとお金貸したくないと思いますよね。

これは、相手が国だって同じ。日本の国債の利回りは非常に低いですが、これは、日本に信用力があるから。銀行の普通預金に預けるよりはちょっとは利息つくかな、と微々たる金利でも固い投資先としてきながら預ける人がいるわけです。

さて、目下(2018年8月)、「トルコショック」が起こっていますが、トルコリラ大暴落する一方、トルコ10年債利回りが急騰していますが、これはまさに、トルコの信用力が落ちて、金利が上昇していることを示しています。

2018年になって、エルドリアン大統領体制下で中央銀行が通貨安に歯止めをかける能力に疑問符が付くつ中、激しい急騰を見せてきたトルコ国債10年もの利回り。8月13日の金融市場で、一時24%と過去最高水準まで上昇しました。
以下が直近のトルコリラのチャートです。

トルコ国債10年もの金利チャート(日足)

トルコ10年債利回り 日足チャート

トルコ国債10年もの金利チャート(週足)

トルコ10年債利回り 週足チャート

CDS=(Credit default swap、クレジット・デフォルト・スワップ)とは

CDSとは簡単に言えば、債権の保険。破綻=デフォルトされたら大変なので、債券に保険を掛けるというものです。

リーマンショック以前に、世界的投資家ウォーレン・バフェットは、CDSのことを「時限爆弾 time bomb」「金融大量破壊兵器 financial weapons of mass destruction」と呼んだことは有名です。

CDSの売り手は企業のデフォルトリスクが高まるにつれ用意しておかなければならない証拠金が高騰。その資金を信託会社に山積みするために大量の現金を必要とすることが、自社保有の金融商品などを健全なものまで含めて投げ売りしなければならないといった具合に、負の連鎖を引き起こしました。

国家破綻のリスクが高くなった!というときに、国債の金利が上昇しますが、それよりも端的に破綻リスクの高まりを表すといわれるのが「国債CDS」です。

下記は昨年、為替が大暴落したロシアのCDSチャートです。急激に上昇している部分がありますね。

cds_russia20160115

日本のCDSは~2018年8月トルコショック時の状況

では、日本国債の信用リスクを取引するCDSはどうか?
トルコショックが起きた2018年8月14日時点での日本の5年物国債のCDS保証料率は14日に27.00ポイント
ちなみに、1ポイント=0.01%で、100円あたり27銭の保証料がかかるということです。この高水準は、2018年2月16日以来です。

ちなみに、日々のCSDは以下のページで確認できます。
BONDS CREDIT-DEFAULT SWAPS

各国の国債10年物金利とCDSチャート(bloombergより)

各国の国債金利10年物のチャートと国債CDSチャートのリンクを表にまとめました。

※2018年8月追記
かつてbloombergで確認できたCDSチャートですが、今現在、利用ができなくなっております。
その他サイトを調べてみたのですが、良いサイトを見つけることができませんでした。すみません。
なお、国債10年物金利は確認可能です。

国         国債10年物金利   国債CDSチャート   コメント     
日本  日本国債  日本国債CDS
アメリカ  米国債  米国債CDS
ドイツ  ドイツ国債  ドイツ国債CDS
イギリス  イギリス国債  イギリス国債CDS
フランス  フランス国債  フランス国債CDS
イタリア  イタリア国債  イタリア国債CDS 欧州危機時、急騰
スペイン  スペイン国債  スペイン国債CDS 欧州危機時、急騰
ポルトガル  ポルトガル国債  ポルトガル国債CDS 欧州危機時に急騰
ギリシャ  ギリシャ国債  ギリシャ国債CDS 欧州危機時に急騰!!
中国  中国国債  中国国債CDS これからどうなる?
韓国  韓国国債  韓国国債CDS
ロシア  ロシア国債  ロシア国債CDS 2015年急騰

通貨のボラティリティもチェックしておこう

なお、国債金利の危険水域は7%
欧州危機ではギリシャをはじめ南ヨーロッパの国が、危険水域を超え、市場が荒れました。

CDSスプレッドは、保証料率4%(400bp)が危険、保証料率2%(200bp)が要注意です。

国債金利もCDSスプレッドも一旦上昇し始めると加速がつくので十分注意が必要です。

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