国家破綻リスクを端的に表す国債金利チャート・国債CDSチャート。なぜ、国債利回りが上がるのか?どのサイトで確認できるのか?
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世界不安が広まると一気に荒れるグローバルマーケット。

2019年8月現在も、アルゼンチンの大統領予備選の結果受け国家破綻(デフォルト)の懸念再燃したと、ニュースになっています。デフォルト懸念とまでいかずとも、ギリシャ、トルコ、韓国、ロシアなど、経済不安に関するニュースもよく見かけますよね。また、国の借金が「1100兆円」を超える借金大国「日本」自身も不安がいっぱいです。

国家と言えど、「破綻」する。では、我々は、各国の国家破綻リスク(デフォルトリスク)はどのようにして把握したらいいのでしょう?

その方法の一つが、「国債金利」と「CDS(クレジットデフォルトスワップ)」の推移の確認です。

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国家破綻リスクが高まると上昇する「長期国債金利」

国債の金利は、その国の破綻リスクを端的に表す一つの指標となります。

それは、国債は国が発行する債権、つまり、国の借金だからです。以下、詳しく見てきましょう。

「ギリシャショック」を覚えてる?

世界を奈落の底に陥れた2008年9月のリーマンショック。ほぼ同時期に、「ギリシャショック」は、2009年10月の政権交代を機に、財政赤字が公表数字よりも大幅に膨らむことが明らかになったことに端を発する金融危機です。格付け会社が相次いでギリシャ国債の格付けを引き下げ、ギリシャの国債を引き受けている投資家、そして、全世界を脅かしました。

このとき、ギリシャの長期国債10年物の金利は暴騰しました。

国債利回りが上昇すると何が問題なのか?トルコショックを例に解説

国債とは国が発行する債権、つまり、国の借金です。国がやばくなると長期金利は暴騰します。

人から「お金貸して」と頼まれたとき、信用力のない人にお金を貸す場合、金利を高くしますよね。これは、相手が国だって同じ。日本の国債の利回りは非常に低いですが、これは、日本に信用力があるからです。

2018年8月に起こった「トルコショック」の時は、トルコリラが大暴落する一方で、トルコ10年債利回りは急騰しました。これはまさに、トルコの信用力が落ちて、金利が上昇していることを示しています。下図はその時の金利暴騰を示しています。

トルコ国債10年もの金利チャート(週足)

トルコ10年債利回り 週足チャート

CDS=(Credit default swap、クレジット・デフォルト・スワップ)とは

CDSとは、企業や国などの破綻リスクを売買するデリバティブ(金融派生商品)で、投資対象の破綻=デフォルトに備えた保険です。CDSの買い手は売り手に一定の手数料を支払う一方、投資先がデフォルト(債務不履行)した場合には売り手が損失を肩代わりし、「保険金」を支払います。

国家破綻のリスクが高くなった!というときに、国債の金利が上昇しますが、国債金利以上に端的に破綻リスクの高まりを表すといわれるのが「国債CDS」です。

CDSの保証料率は、プラミアム、スプレッドとも呼ばれますが、このCDSスプレッドはCDSマーケットの需給によって日々変動します。のCDSは信用リスク=危機リスクを示す先行指標となり、信用リスクが高まるとCDSスプレッドチャートもいきなり上昇するため、危機を端的に表す指標となりえるのです。

下記は昨年、為替が大暴落したロシアのCDSの推移です。急激に上昇している部分がありますね。

cds_russia20160115

バフェットはCDSを「金融大量破壊兵器」と呼んだ

2008年9月のリーマンショック以前、世界的投資家ウォーレン・バフェットは、CDSのことを「時限爆弾 time bomb」「金融大量破壊兵器 financial weapons of mass destruction」と呼んだことは有名です。

CDSの売り手は企業のデフォルトリスクが高まるにつれ用意しておかなければならない証拠金が高騰。その資金を信託会社に支払うために、大量の現金が必要となり、結果、健全な金融商品まで投げ売りし現金を用意する必要が生じ、金融マーケットでの負の連鎖が世界の株価大暴落につながりました

ちょっと寄り道
リーマンショック時に「クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)」という金融取引に目をつけ、ウォール街を出し抜く事を画策した実話を描いた映画が「マネー・ショート」です。
以下の記事で紹介しています。

各国の国債10年物金利とCDSチャート

さて、それでは、国家破綻リスクを表す各国の国債金利10年物のチャートと国債CDSチャート(Sovereign CDS / 5 Years Credit Default Swaps)はどこで確認できるでしょうか?

我が国日本の、国債金利の推移、日本国債CDSの推移も気になりますよね。
そこで、主要国をメインに国債金利とCDS推移のリンク表を作成しました。

※sovereign bond:各国の政府又は政府関係機関が発行し又は保証している債券(国債など)
 sovereign CDS:各国の政府又は政府関係機関が発行し又は保証しているCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)

ポイント
国債金利の危険水域は7%
 欧州危機ではギリシャをはじめ南ヨーロッパの国が、危険水域を超え、市場が荒れました。

CDSスプレッドは、保証料率4%(400bp)が危険、保証料率2%(200bp)が要注意です。

・国債金利もCDSスプレッドも一旦上昇し始めると加速し、CDSスプレッドチャートが急激に上昇するため注意が必要です。

国債10年物金利国債CDSチャート過去のデフォルト※
日本日本国債金利日本国債CDS1946~52(対内)
アメリカ米国債金利米国債CDS
ドイツドイツ国債金利ドイツ国債CDS1948(国内)
イギリスイギリス国債金利イギリス国債CDS
フランスフランス国債金利フランス国債CDS
イタリアイタリア国債金利イタリア国債CDS
スペインスペイン国債金利スペイン国債CDS
ポルトガルポルトガル国債金利ポルトガル国債CDS
ギリシャギリシャ国債金利ギリシャ国債CDS恒常的デフォルト状態
中国中国国債金利中国国債CDS
韓国韓国国債金利韓国国債CDS
ロシアロシア国債金利ロシア国債CDS1991、1998(対外)
1998~99(対内)
トルコトルコ国債トルコ国債CDS1987、1982(対外)
アルゼンチンアルゼンチン国債アルゼンチン国債CDS1982,1989,2001(対外)
1982,1989~90,2002~05(対内)

※参照:海外投資データバンク
 第二次世界大戦後のデフォルトを種類で分類 対外債務⇒対外、国内債務⇒国内

通貨のボラティリティもチェックしておこう

米国が今後の経済のカギを握る

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実は日本も国家破綻(デフォルト)していた!

上記リストを見て、日本も国家破綻(デフォルト)の歴史があるの!?と驚かれた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

はい。日本もデフォルトしたことがあります。それは1945年8月15日に終戦を迎えた第二次大戦終戦から間もなくのこと。

当時の日本の財政は軍事関係の支出によって大きく拡大。国の財政は戦時中に発行された国債によって賄われていました。また、戦争中は統制経済と戦時国債の個人購入で資金を吸収することで戦争時のインフレーション傾向を抑えていたが、敗戦でこの仕組みが崩壊。

さらに、戦時中に発行された国債の償還、終戦に伴う兵士達への恩給などを工面する必要があり、大量に紙幣増発したんですね。

結果、起こったのが、急激なインフレ。Wikiによると、結果的に、1945年10月から1949年4月までの3年6か月の間に消費者物価指数は約100倍にもなったのだとか。

その対策に政府は、1946年2月に、旧円⇒新円への切り替えと、預金封鎖を実施しました。預金封鎖により、預金の引き出しは、1ヶ月に世帯主300円、その他家族は100円に制限されました。

銀行が危ういとニュースになったときに、銀行に人が殺到して取り付け騒ぎが起こることはご存知ですよね。これが、国家レベルで起きるとなったら、安心して生活できる状況ではないことはわかりますよね。日本には関係ない、なんて思ってたらダメなこと、お分かりいただけたでしょうか。

最後に

国債金利、及び、CDS(クレジットデフォルトスワップ)が、国家破綻リスクを示す重要な指標となることをご理解いただけたでしょうか。
国家危機が騒がれたときは、是非、確認してみてください。

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