【書評/要約】なぜか結果を出す人が勉強以前にやっていること(チームドラゴン桜 著)(★4)

何をどう勉強するか、どう勉強すれば結果が出るか、
勉強の前にしっかりと考えなければ、努力はムダになる。
いつも結果を出している人は、勉強「以前」に、自分に合った勉強法を準備する──

一生懸命勉強しても、自分に合っていなければ、努力は報われません。正しくない努力は「ただの苦労」です。

今回紹介の本『なぜか結果を出す人が勉強以前にやっていること』は、マンガ「ドラゴン桜」で紹介される、効果的・合理的な勉強法を、体系立てて分かりやすく教えてくれる1冊。学生に限らず、社会人にとっても有益な情報が満載です。

そもそも、多くの人が、「自分に合った努力」ができていない最大の原因は「自分のことをがわかっていないから」です。この本を読んで、自分のこれまでの勉強法を振り返ると、いかに非効率な勉強をしてきたか、今後、どのように勉強すれば「最短・最速で最高の結果を出せるかがわかります。

今回は、本書からの学びをポイントを絞って紹介します。

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なぜ、自分に合った勉強ができていないのか

結果を出す人が勉強以前にやっていること。それは、「自己分析により、自分に合った勉強法を知る」ことです。

マトリクスで「自分に合った勉強法」を知る

言われてみれば当たり前ですが、好き/嫌い、得意/苦手で、効率的な勉強法が異なるのは、当然です。しかし、多くの人は、この自己分析を行わず、とにかく頑張ろうとします。

まずは、自己分析が大事です。例えば、英語の場合、以下の4マスのどこに該当しますか?

❶好き×得意❸嫌い×得意
❷好き×苦手❹嫌い×苦手

4マス別、勉強法

4つのマスのどこに位置するかで、効果的な勉強方法は異なります。

事象特徴対策
❶好き×得意問題なしそのまま続ければよし!
❷好き×苦手なんか結果がでない…「間違った努力」をしている可能性が大きい
少しの正しい努力でできる可能性大
【最優先で着手】勉強の質を上げる
❸嫌い×得意できればやりたくないいかに時間をかけずに成果を出すか
タイパを最大化
 「最小の時間」で「最大の効果」を獲得する
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❹嫌い×苦手とにかく嫌!まずは、「やる」ことが必要
習慣化&継続できるシステムを作る

以下では、❷❸❹の勉強法をより詳しく見ていきます。

「好き×苦手」の勉強法

【書評/要約】なぜか結果を出す人が勉強以前にやっていること(チームドラゴン桜 著):「好き×苦手」の勉強法

「好き×苦手」の場合、「努力の方向性」が間違っている可能性が高いです。「勉強の質の向上」を目指します。

明確な「目的」を得るために、己を「分解」する

あなたは「英語ができない」とします。この時、「じゃあ何をするの?」との問いに「う~ん、頑張ります」といった回しかできない人は結構います。このような人は頑張ろうが、なかなか結果はついてきません。

大切なのは、「結果にコミットする」こと、その実現のために現状を「分解」して考えることです。自分はどこでつまずいていて、何ができていないから成績が低いのか、しっかり考える。自分の弱点を細か入れるで見える化することです。

課題・目的・目標の明確化し、「最短ルート」を見つける

自分の弱点が細かいレベルで見える化できれば、解決の糸口は見えたようなものです。次に実行するのは、課題・目的・目標の明確化です。

現在の課題・客観的に考えて、いま何が必要なのか?
・分解して見えてきた課題は?
目的・課題から考えて、どんな目的を達成したいのか?
・目標を達成した上で、どういう状態になっていたいのか?
目標どんなことをするか、数字に落とし込んで、具体的に決める

上記分析で、「目的地」「現在地」がわかれば、「勉強の最短ルート」も見えてきます。

現在地己を知り、現状を把握する
目的地目的を知り、理想(行きたい場所)を把握する
最短ルート目標を知り、方法論(2転換の最短ルート)を見つける

さて、ここで問題となるのが「目標の着地点」とするかです。目標は、高すぎると挫折し、低すぎると自分が本当にできる範囲を狭めてしまうからです。

これを回避する方法が、「最低目標」と「最高目標」の2つの目標を設定する「二重目標」です。目標を「点」ではなく、「線」にすることで、ストレッチ目標の達成を目指しながら、最低目標をクリアします。

「嫌い×苦手」の勉強法

【書評/要約】なぜか結果を出す人が勉強以前にやっていること(チームドラゴン桜 著):「好き×苦手」の勉強法

この分野の勉強は、そもそも、「勉強しよう」という気持ちにすらなれません。だから、やることは、効率よりも先に、「勉強の習慣化」です。寝る前の歯磨きのように、身体に染みつけることです。

精神論に頼らない。勉強環境やテクノロジーに頼る

この分野は精神論(やる気やスケジューリング)で解決するのはナンセンスです。問題解決になりません。

まずは、勉強しやすい環境の用意です。このためのおすすめの場所は、「人目がある場所(図書館/リビング/喫茶店)」です。また、「テクノロジー」を味方につけます。

タイマー
リマインダー
なかなか着手できない理由は、具体的に何をすればいいかわからないから
とりあえず、やらなければならない事・勉強をリストアップ
全部リマインダーに登録して、未来の自分に通知する
自己管理ができるだけでなく、「自分の中で、タスクが明確化」される
スマホ写真できなかった問題は、スマホで写真&フォルダー管理しておく
苦手分野の再勉強が楽になる。いつでもチェックできる

ノルマで計画を立てる

嫌い✕苦手なことは、スケジュールが通用しない(守られない)ので、代わりに「どれくらい終わらせなければならないか」という「ノルマ」を設定します。

ノルマ設定は、抽象的なことを具体化する行為にほかなりません。ノルマ設定の期間は1週間が目安。「来週の〇曜日までに〇ページまで終わらせる」といった具合に、分量を設定して、ノルマ攻略を目指します。

キリを悪くする

嫌い×苦手なことは、「やり始めの障壁」を低くすることが欠かせません。この時役立つのが、「最後までやり切らない」ことです。少し残して、あえて気持ちの悪い・気になる状態にする。すると、再開の障壁が下がります。

「嫌い×得意」の勉強法

【書評/要約】なぜか結果を出す人が勉強以前にやっていること(チームドラゴン桜 著):「好き×苦手」の勉強法
「嫌い×得意」分野の攻略のコツは、「チャチャッと片づける」。時間をかけずにタイパよく成果を出す方法を考えてから着手することです。

「使途不明の時間」を減らし、「逆算思考」で計画する

時間の使い方が下手な人は、何をしているか説明できない時間「使途不明のムダ時間」が多い。この時間を減らすために、「勉強法」と「タイムスケジュール」でタイパのよい努力を追求します。

ここで有効なのが、ゴールから考える「逆算思考」です。これで、意味のない努力、不要な苦労が削減できます。

ここでの注意は、「逆算思考」では「考える」必要がありますが、そもそも、「本当に考えて答えを出す必要があるか」を疑うことです。自分で手段を落とし込むには時間がかかります。例えば、得意な人に聞いて真似した方が早いです。

アウトプットを重視する

勉強には「記憶」が必要です。そのために大事なのが、アウトプットを重視したインプット。割合は「インプット3割・アウトプット7割」がベターです。

人の頭が良くなる瞬間は、アウトプットをした時です。教科書を読んでインプットしたら、問題集を解いたり、人に説明したり、新しい質問を考えてみることです。アウトプットで、インプットの「整理」と「理解」が進み、また、より真剣にインプットするので、インプットの質自体も高まります。

さらにパワーアップ!土台を強化する2つの方法

【書評/要約】なぜか結果を出す人が勉強以前にやっていること(チームドラゴン桜 著):「好き×苦手」の勉強法
勉強はその勉強法を支える「土台」がしっかりしていると効果はさらに何倍にも大きくなります。

勉強の土台を強化する2つの方法

❶時頭力をUPする
❷努力を続ける力をUPする

時頭力をUPする

地頭を良くするなら、最も効果があるのが「なぜ?の習慣化」です。目の前のことをそのまま受け入れず、常に疑問を持ち、解釈する習慣を持つことです。逆にこのような姿勢がないと頭は良くなりません。

この時大事なのは、「物事への関連性(全体と部分・抽象と具体)」です。関連性を理解し、「抽象度」が高いレベルで物事を抑えると、応用ができます。

文章を読むときも、「テーマ」と「意図」をしっかり把握することが大事です。「筆者が言いたいことを一言で言うと何か」を自分の言葉で表現し、それに対し、自分の意見をもつ。自分の意見を明確化するにも「なぜ?」は欠かせません。これで、時頭は確実に良くなります。

努力を続ける力をUPする

「努力を続ける力」はマインドセットです。マインドセットを高めるには、「私にはできない」「私はバカだから…」といった、否定的な言葉を使わないことです。これは、自分への言い訳であって、使えば使うほど成功は遠のきます。

最初はできなくても「強者のフリ」で自分を騙すことも大事です。人は、身体の動きにマインドが左右されます。「楽しい」から「笑顔」になるのではなく、「笑顔」になるから「楽しい」と感じるのは心理学の世界では常識です。感情をコントロールし、マインドセットを整えるためには、「行動から変えていく」という方法が極めて有効です。

失敗も「失敗した…」とめげる必要はありません。失敗には、「成長のタネ」が埋まっています。それはまさに「成長ポイント」です。

最後に、「勝ち負けにこだわり、本気で勝負する姿勢」が大事です。勝つこと自体が大事なのではありません。本気で勝負すれば、それが自己成長につながるからです。負けたらきちんと悔しがって、失敗したとしても投げ出さず、その失敗と向き合う。そういう人は、最後には成功をつかみ取れます。

最後に

今回は、本『なぜか結果を出す人が勉強以前にやっていること』からの学びを紹介しました。

「嫌い×得意」「好き×苦手」「嫌い×苦手」で勉強法が異なるという気づきは非常に有益なものとなりました。この考え方は、勉強にとどまるものではありません。日常生活のいろいろなシーンに役立てていきたいと思います。