【書評】アイデアは捨てるとうまくいく(堀 宏史 著)(★3)

クリエイティブが必要な職場にとっては最も重要な一つともいえる「アイデア」

新商品づくり、それを売るためのマーケティング、営業方法など、以下に、他にない発想・アイデアを生み出し、企画を形にすることが求められます。つまり、計画の段階においては、いかのたくさんのアイデアを生み出せるか?が大事と考えられがちです。

しかし、今回紹介する著書「アイデアは捨てるとうまくいく」の著者 堀さんは、「アイデア」は捨てるとうまくいくと全く逆のことを提案。

余計なものや思い込みを捨てることによってアイデアを生み出す、デジタル時代に必要とされながら、これまでになかった「捨てる」アイデア発想を紹介する一冊です。

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創造は捨てることから始まる

毎日、さまざまなところから情報が押し寄せてくる昨今。時代の流れも速く、すぐに、世の中のニーズや流れも変化していきます。

こんなデジタル時代では、新しいアイデアを考えるためには、とにかく世の中の変化を情報収集し、競合の情報を調べ、その上で、アイデアを出すことが大事と考えられがち。

しかし、それは、あなたの思い込みでは?と提案するのが本書の著者。

実は、たくさんのアイデアを出すことも大事ですが、多くのアイデアの中から、どういったアイデアを「残してくか」が大事。いかに捨てていくかが大事なのです。

100案の内、99案はボツになる

「何か、課題を解決しようとする場合、まずはいろいろな情報を集めて、それをベースに自分の中で具体的なアイデアを考える。」

アイデアとは、上記のようなイメージを持つ人が多いと思います。

でも実は、アイデアを形にするには、多くのアイデアの中から、どのアイデアを「残してくか」というタスク重要で、100案あっても、99案はボツになります。

つまり、どういった基準でどう選んでどういった案を残すか?
このボツ案を「捨てる」作業こそがアイデア開発においては重要です。

何を残すか、つまり、何を捨てるかというプロセスがとても大事で、「アイデアを生み出す」ということは「アイデアを捨て続けていく」ことと同意なのです。

アイデアの4つのステップと「捨て方」

本書では、上記考え方をもとに、アイデアを4つのフェーズに分類。その4つのステップでどう「捨てる」という作業を盛り込んでいけばいいかを教えてくれます。

アイデアの4つのステップ

アイデアをまとめてく過程には以下の4つのステップがあります。

①「話題」を見つける
②「情報」を集める
③「企画」を立てる
④「実現」する

上記4つのフェースで、今までのアイデア出しの進め方を疑ってみようと著者は提案します。
以下では、4つのフェースにおける「捨てる」ためのキーワードを列挙します。本書の中では、どのように捨てるかが一つ一つ説明されているので、具体的な内容は本書でご確認を。

話題発見フェース:捨てるべきもの

オリエン、目標、ターゲット、成功体験、タテマエ、インプット、努力、段取り、肩書

情報収集フェース:捨てるべきもの

情報、壁、検索、新しい、オフィス、SNS、書類、整理、事例、コスパ、忙しい

企画立案フェース:捨てるべきもの

自分で考える、いつものチーム、無駄な打合せ、リミッター、オリジナル、差別化、具体案、枝葉、真ん中、パソコン、スマホ、英語、空気を読む、夜型、なんとなく、送り手発送、お約束、質、案

実現フェース:捨てるべきもの

包装、プレゼン、まとめ、嘘、説得、儲け、起承転結、予測、計画

最後に

これからの時代、ルーチン化・パターン化ができる作業は、どんどんとAIによって置き換わってきます。

戦略を考えるような仕事であっても、それがパターン化されるものであれば、AIは様々な事例をデータベースとして評価。「評価関数」を形成して、その関数によって一つの考えを導き出し、最も優位性のある戦略的な一手を導き出します。

しかし、まだ、AIは、人間に備わる「直感」を活かした、アイデアや戦略建てはできません。この部分はまだ人間が秀でている部分のはずであり、今後も必要とされる部分です。

発散してしまうアイデアを整理する手段として、本書を役立ててみてください。