
自宅で週に2、3回、1回たった4分の運動をするだけで、ダイエット効果や筋トレ効果、持久力アップができる運動法ーHIIT(ヒット)。
HIITは「High Intensity Interval Training」の略で、高強度の(負荷が高い)運動と休息を短いスパンで交互に行う独特のトレーニングですが、驚くべきは、「超短時間」 でOKなのに「有酸素運動(脂肪燃焼)」と「無酸素運動(筋トレ効果)」両方の運動効果が得られることです。
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今回紹介の著書「世界一効率がいい最高の運動法」は、このHIITの解説本。今回は、本書からHIITのメリットから運動法まで、ポイントを解説します。
目次
ますます大事さがます「健康寿命」
人生100年時代において、ますます大事さが待つ「健康寿命」。
この健康寿命を延ばす秘訣は、基本的に2つしかありません。それは、❶バランスのよい食事をとり、❷適度な運動を習慣付けること。シンプルですが、これが長生きの最強テクニックです。
しかし、特に❷の運動習慣をつけることは大変と考えている人は多いのではないでしょうか。通常の生活を送っていても運動習慣のない成人の筋肉は、1年で1%ずつ落ちていくと言われています。
筋肉は、何も重いものを持つときだけに活躍するわけではありません。 普段の生活を送っているときも「エネルギー産生」と「余分なカロリーの消費」という大事な仕事をしてくれています。
HIITの科学的に証明されたメリット
そんな中で短い時間で効果がでると2017年以降、研究結果が多数で出てきたのがHIITです。
HIITの特徴は、「一定時間だけ集中的に高い負荷をかけ、一定時間休み(もしくは負荷を低くし)、再度、負荷をかける。これを非常に短いピッチで繰り返す運動」。筋トレなどの無酸素運動とジョギングなどの有酸素運動との「いいとこどり」な運動で、様々な効果・メリットが実証されています。
❶【時間効率】 短時間で高い効果を得られる
❷【アンチエイジング】 細胞から若返っていく
❸【 敏捷性】 動きがスピーディになる
❹【ダイエット】 動かないときも脂肪が燃え続ける
❺【長生き】 死亡リスクを下げる
❻【糖尿病】 血糖値をぐっと下げる
❼【高血圧】 高すぎる血圧が下がる
❽【コレステロール】 善玉が増え、悪玉が減る
❾【認知機能】 脳細胞が増え、情報処理能力が上がる
❿【継続性】 結果が出るから続けられる
医学の世界ではしばしば「運動は万能薬である」という表現が使われますが、まさに、その通りの結果が得られるのです。
上記の中からいくつか3つ紹介しましょう。
【ダイエット】 動かないときも脂肪が燃え続ける
HIITには、運動後も脂肪が燃え続ける!「アフターバーン効果」があります。
これは、「EPOC(excess post-exercise oxygen consumption)効果」とも呼ばれるもので、簡単にいうと、 運動を終えたあとでも普段より酸素摂取量が増えていて、エネルギー産生が続くことです。その際、エネルギー源として脂肪が優先的に使われます。
またHIITを行うことで、食欲が抑えられる効果があることも分かっています。元々激しい運動をすると血中乳酸値と血糖値が上昇して、食欲が低下することが分かっていましたが、それに加えて、食欲を刺激するグレリンといういいです産生されるホルモンの濃度が下がることも判明しています。
【長生き】 死亡リスクを下げる
座りっぱなしは死亡リスクを高めます。 座る行為は身体活動とは独立した危険因子で、たとえ習慣的に運動をしている人でも座っている時間が長い人ほど死亡リスクが高まります。
また、染色体の末端にはテロメアという部分があり、細胞が増えていく過程で必要な細胞分裂を繰り返すにつれて短くなっていきますが、じっとしている時間が長い人ほどテロメアが短くなる傾向があります。
デスクワーク中心では、座りっぱなし避けられませんが、デスクワーク1時間のうち2分だけでもいいの、コーヒーやトイレに行ったりして席を立ちましょう。また座りっぱなしの途中に6分間だけでもHIITを行うと、アフターバーン効果でその後の2時間は座りっぱなしのママでも代謝や循環系が亢進して、酸素摂取量が上昇した状態が続きます。
そのため、スタンディングデスクを使用しています。
肩こり軽減にも効果を発揮!2020年の買い物の中でNo.1に良かったものです。

【認知機能】 脳細胞が増え、情報処理能力が上がる
人の体内にはBDNF(brain-derived neurotrophic factor、脳由来神経栄養因子)と呼ばれる、脳細胞の増加や成長を促すタンパク質が存在しますが、HIITは血清BDNF濃度を上昇させます。
たった1回のHIITでも血清中のBDNFが増えることが示されており、 HIITが認知機能の向上に役立つ可能性がある ことが示唆されています。
また、「肥満は認知症のリスク要因である」といわれますが、それは カロリーを摂取しすぎていると脳細胞が増えにくくなる からです。 ただし、逆に脳に十分な栄養が回らない状況も、やはり脳細胞を減らす原因になるので食事は大事です。
さらに、運動や食事と併用して もっと脳細胞を増やしたいのであれば、「何か新しいことを学びましょう」。

HIITは全力の7~8割の負荷をかけるトレーニングでもOK
私も本書を読むまで誤解していたのですが、HIITは、「タバタトレーニング※」のように、高速スクワット、高速バーピー、高速ジャンピングジャックなど、最大負荷をかけて一気に心拍を上げる超ハードな負荷をかける運動だと勘違いしていましたが、そうではありません。
※最大酸素摂取量の170%の高強度で、 20秒の激しい運動と10秒の休息を1セットとして8セット、のべ4分間の間欠運動を行うメソッド
息、上がりっぱなし、心臓バクバクです。
私の場合、ジムなどでみんなとやらないと、継続がムズイ!

このような方法は「スプリント・インターバル・トレーニング」とも呼ばれ、基本的にアスリート向けです。
しかし、本書で推奨するのは、全力の7~8割の負荷をかけるトレーニング。そこまで頑張らないので、継続できます。
心拍数は、スマートウォッチを使えば簡単に測れます。
例えば、Apple Watchなら、血中酸素濃度も心拍数も測れます。
HIITプログラム実践方法
では、HIITを実践するにはどのようにしたらよいでしょうか。以下のようなステップで行います。
❶ウォーミングアップ
❷(4種類の運動 20秒 × 10秒休憩 ×8セット)が基本 ※運動強度はややキツメ
❸クールダウン(ストレッチと深呼吸)
❹これを1ヵ月以下の組み合わせで実施
の部分は、飽きないように以下のようなプログラムで行いましょう。以下のプログラムなら全身の筋肉が動かせます。
1週目:スクワット⇒マウンテンクライマー⇒ヒップリフト⇒プッシュプランク
2週目:ワイドスクワット⇒プランクジャック⇒バックエクステンション(エビぞり)⇒ツイストジャンプ
3週目:バックランジ⇒サイドプランク⇒スーパーマンクロール⇒バービー
4週目:スケータージャンプ⇒ニートゥチェスト⇒ジャンピングジャック⇒プッシュアップ

結果を出すために大事なのは「継続」
継続するためには、楽しみながらやることが大切。
「長いインターバル(連続運動時間+休憩時間=1セットの時間)は、医学的効果は期待できるものの、楽しみ度を落とす」 という調査結果が報告されています。インターバルは短めに行いましょう。
最後に
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今回は、川田浩志さん著「世界一効率がいい 最高の運動」からHIITの運動効果と運動方法について紹介しました。
なお、本書には、食事法として地中海式食事、ナッツ、コーヒーなどの効果についても触れられています。是非、一読されることをお勧めします。
地中海式食事の効果については、こちらの本もおすすめです。