【書評/要約】世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事(津川友介 著)(★5) ~私はこれで食事スタイルを変えました!

人間は食べたものでできている。何を食べ、何を食べないかは全ての人が日々実行している小さな「選択」である。
毎日の小さな選択は、確実にあなたを病気から遠ざけたり、近づけたりしている。その自覚はあるだろうか。
 
「正しい食事の知識は一生モノ」である。

こんな言葉を投げかけられて、ちょっとドキッとしてしまう人は多いのではないでしょうか。

日々何を食べるかは、健康を実現するために最も重要なことの一つです。しかし、人間はたとえどのような食事をとるべきかという正解を教えてもらっても、簡単に生活習慣を変えることができる強い精神を持つ生き物ではありません。だから、ダメだとわかっていても、脂っこいものに手が伸びれば、ケーキにも手が伸びる…

本書「世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事」は、それでも長い目で人生を左右する食事の大切さをわかってもらうべく、世の中にある最良の科学的根拠と、そこから導き出される「究極な食事」をまとめた一冊。正直、結論に目新しさや、意外性はありません。しかし、それが真実であることが本書を読めばわかります。

【結論】究極の食事とは

数多くの信頼できる研究によって本当に健康に良い(=脳卒中、心筋梗塞、がんなどのリスクを下げる)と現在考えられている食品、および、健康に悪いと考えられている食品は以下の通り。

「本当に健康に良い食品」5つ

①魚
②野菜と果物(フルーツジュース、じゃがいもは含まない)
③茶色い炭水化物(未精製のもの)
④オリーブオイル
⑤ナッツ類

「健康に悪い食品」3つ

①赤い肉
(牛肉や豚肉のこと。鶏肉は含まない。ハムやソーセージなどの加工肉は特に体に悪い)
②白い炭水化物
③バターなどの飽和脂肪酸

健康にいいかどうかで分類した5つのグループ

以下、わかりにくい点を中心に詳細解説します。

「白い炭水化物」と「茶色い炭水化物」とは何か

茶色い炭水化物:玄米、全粒粉、大麦、オート麦、ライ麦、キヌア、雑穀類、蕎麦粉
白い炭水化物 :生成された白米、小麦粉(パン、パスタ、ラーメン、うどん)

メモ:
「白い炭水化物」は「茶色い炭水化物」に置き換えて食べよう
・炭水化物=糖質+食物繊維
・白米と砂糖ではあまりに味が違うが、科学的には「白い炭水化物≒糖」と考えてもよい

「茶色い炭水化物」の効果

茶色い炭水化物の摂取により糖尿病のリスクが下がることも複数の研究結果によって明らかとなっている。また、茶色い炭水化物の摂取量が1日あたり40g増えるごとに、8年間での体重増加が1・1㎏減ることが明らかになっている。

食品を買うときの注意点

スーパーやコンビニで手にした商品の中にはだましも多い。例えば、「全粒粉」と書いてあっても実は全粒粉が少ししか含まれておらず、ほとんどが精製された小麦粉という商品がある。パンやパスタを購入する時には食品のラベルを見て、大部分が全粒粉でできているのかどうかチェックする必要がある。
例)そばなら、十割そばや二八そばを選ぼう

食べないのではなく代替を

日本人が大好きな白米は「少量でも体に悪い」と言っても良い。だから、低糖質ダイエットに走り、食べなければいいというものではない。米の摂取量を減らしたらお腹が空いて、ストレス、さらなる暴食にもつながる。「白い炭水化物→茶色い炭水化物への置き換え」を推奨する。

白米が「主食」というマインドセットを変えるのは一つの方法。主食は「玄米」「大皿一杯のサラダ」にしてはどうでしょう。

健康を考えるなら「地中海食」

日本食は体にいいと言われるが、実はエビデンスは弱い。一方、エビデンスが多いのが地中海食

地中海食=オリーブオイル+ナッツ類+魚+野菜・果物

これは、体にいいいとされる5つの食品とも合致する。

地中海食

地中海式食事法のピラミッド

日本食の問題点は、炭水化物と塩分が多いこと。炭水化物は白米を玄米に、塩分は漬物やお味噌汁の塩分を減らそう。

野菜や果物が体にいい理由

野菜・果物は心筋梗塞や脳卒中などによる死亡率を下げる効果が期待できる。ただし、1日の野菜摂取量が5単位(約385~400g)を超えると、それ以上摂取量が増えても死亡率は変わらなくなるのでこれぐらいを目安にしよう。
なお、オーガニック食材は一般の食材と比べて、残留農薬は若干少ないものの、栄養価は変わらず、積極的にとる必要はない。唯一オーガニック食材にするメリットがある可能性があるのが、妊娠中や妊娠する可能性のある女性と小さな子どもである。

メインディッシュは「魚」がおすすめ

牛肉、豚肉、ソーセージ、ハムは健康に悪い。加工肉は発がん性があり、赤い肉はおそらく発がん性がある。

メインディッシュは魚がオススメ。ただし、1日60gの魚を食べるとそれ以上食べてもプラスアルファのメリットは少ない。

身体にいい「ナッツ」とは

身体にいい「ナッツ」は、具体的には、アーモンド、クルミ、カシューナッツなどのことを指す。実は、ピーナッツは、木の実ではなく豆の一種。しかし、最近の研究ではピーナッツもその他の木の実と同様に健康に良いことがわかってきている。木の実と比べるとピーナッツの方が安価であるので、あまりお金をかけずに健康になりたい人は、ピーナッツを積極的にとっても良いでしょう。

アーモンドを食べるときは塩のついていない「素焼きアーモンド」にしましょう。ちなみにAmazonでコスパが良くてよく売れているのは以下の商品です。

食事内容と体重

以下の通り。じゃがいも系は最悪。次いで、加糖飲料、加工肉と続く。
身体に悪い食べ物

同じカロリー1gでも、何を食べていたかは非常に大事。カロリーの「質」の方が重要だと理解しよう。
例)同じカロリーでも、
・白米を食べている人ほど太っており、玄米を食べていた人ほどやせていた。
・フルーツジュースを飲んでいた人ほど太っていたが、(加工していない)果物を食べていた人ほどやせていた。

食品に含まれる「成分」に惑わされるな

健康的な食事をするために必要なのは体に良い「食品」を選ぶことであり、「成分」が重要なのではない。緑黄色野菜は体に良いが、それに含まれるβカロテンやリコピンといった「成分」が体に良いわけではない。つまり、健康的な食事をするためには、トマトにリコピンが豊富に含まれていることや、ニンジンにβカロテンが含まれていることはあまり大事ではない。

「〇〇成分が●●に効く」「◆◆野菜には、△△成分▲▲mg配合!」といったTVが放送されると翌日はスーパーからその食材が消えることがあるが、このような場合、「成分」がマーケティングに使われているということを忘れてはいけない。

「健康的な食事」と体重の関係

本書の目的は、どのような食事をすれば脳卒中、心筋梗塞、がんなどの病気を減らし健康を維持したまま長生きできる確率を上げることができるかを説明することです。外見的(美的)な意味でのダイエットはこの本のメインテーマとはしていません。つまり、本書で紹介されている「健康的な食事」とは「痩せる食事」ではなく「病気になりにくく長生きできる食事」です。

しかし、「健康的な食事」に努めれば、結果的に「痩せやすい」といえますね。健康になって、さらに、痩せる。一石二鳥です!

最後に

今回は、「世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事」を紹介しました。

この本を読めば、もう「○○だけ食べていれば健康になれる」といった類の健康本や、「この成分を取れば〇〇になる!」といったテレビ番組など、メディアとそのマーケティング戦略に踊らされることはなくなるでしょう。
また、やせるためには食事だけ変えるのでは不十分であるということである。数々の研究によって、食事だけでなく、運動量、睡眠、ストレスのレベルも体重に影響を与えていることが示唆されている。これらを全て最適化することが、きちんとやせるための第一歩であることは認識してきましょう!

ここ2ヵ月で大きく変わった私の食事スタイル

本書のみの影響ではありませんが、もともと大好きなパン+ハム(加工肉)の朝食トーストは2ヵ月ぐらい前にやめました。

新型コロナウイルス感染拡大に伴う、外出自粛要請以降、「白米」を「玄米」「もち麦」「オートミール」「おからパウダー」に変えました。特に多用しているのは、「オートミール」と「おからパウダー」。どちらも、超コスパがよく、レンチンで済むので調理も楽。おからパウダーは腹持ちも抜群です!

野菜とタンパク質はしっかりとることにしてます。もともと生野菜サラダが大好きなので、野菜をたっぷりとらない日はないのですが、タンパク質は日によって不足する。そんな時は、ソイプロテインを飲んでます!

朝食「おからパンサンド」
ある日の朝食「おからパン」
パンの材料は:おからパウダー、サイリウム、ベーキングパウダー、卵
総カロリー:約250kcal
ある日の夕食
ある日の夕食
白米の代わりに「おからパウダー+オートミール+塩昆布」のご飯もどき
主催は、鶏むね肉のトマトソース煮
総カロリー:約250kcal

以下は、低カロリー食・高タンパク食をサポートしてくれている商品です。

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