【書評】身軽に生きる(矢作直樹 著)(★5)

しがらみにとらわれることなく自由に生きたい

そんな思いを持つ私がタイトルに惹かれて手に取ってみたのが本書。

緊急医療の現場で生と死を見つめてきた医師が、余計なものを捨てて心をラクにして生きる方法(考え方、習慣)を提案しています。

そもそも心が健やかでなくなる理由は、身軽に生きられらくなる元凶は、「こだわり」「執着」です。

トラブルの多くは執着や欲求から生まれているのです。

強い欲求に囚われれば囚われるほど方向性は見えなくなくなります。では、執着を捨てるにはどうしたらいいのか?
本書にはそんなヒントが多数ちりばめられています。多くの人に読んでほしい良書です。

人はなぜ、持ちたがるのか?

人は多くのものを所有したがります。これはたぶん本能です。成長と共に欲求はコントロールできるようになりますが、持ちたい、所有したいという欲求自体は、程度の差こそあれ、全くゼロになることはありません。

しかし、トラブルはこだわり(欲求)から生まれます。
できるだけ執着せず、こだわりの元を自分から離すことで、自らに執着心を生み出さないことが大事です。ストレスそのものが悪いのではなく、自分が置かれた状況とどう向き合っているかが大切なのです。

期待しなければ楽になる

ストレスの多くは、人間関係から生じます。ストレスがかからない人間づきあいをするにはどうしたらいいのでしょうか?

その答えの一つが、「他人を信頼しても、期待はしない」こと。人は期待するから、期待通りにならないと、イラつきます。

(何かを)してくれたらありがとう。してくれなくともそれが当然
(約束を)守ってもらえたら感謝、守ってもらえなかったら忘れよう

と考えれば、相手に対するイライラなどは消えます。

「死」に対する悩み

人は高齢になると、どうしても「死」に対する心配が増えます。自分の死について考え、多くの人が思い悩みます。

そもそも、「人が死ぬことが心配になる理由は何なのでしょうか?矢作さんは3つあると言います。

Point

1.死ぬまでのプロセスそのものが不安
2.逝った先の状況がわからないという不安
3.残された人々がどうなるかという不安

でも、これら、考えたところでどうにもなりません。考えても仕方がないのです。悩む暇があるなら人生を楽しみましょう。

動じなくなると、身軽になる

物事に一喜一憂したり、動じたりしなくなると、人はかなり身軽になります。

では、どうしたら動じなくなるでしょうか?

以下が腑に落ちると、妙な不安や恐怖心が次々と減り、身軽になります。

物事に一喜一憂せず、動じず、穏やかに生きるために必要なこと

1.知足(足るを知る)
2.必然(それ以外になりようがないと知る)
3.中今(今この瞬間こそ真実と知る)
4.無常(あらゆるものは常に変化すると知る)
5.覚悟(迷いを断ち切ることこそ最善と知る)
6.御陰(大いなる存在に守られていると知る)

身体のケアの第一歩は食生活の見直し

人は40代にもなると、徐々に体にガタがき始めます。そのため、「死」について悩む前に「健康」について多くの悩みを持つようになります。

つまり、健康の悩みに悩まされず身軽に生きるためには、健康でなければなりません。ストレスが増えると脳が過食を指示してしまいます。

ストレスを減らすことも大事ですが、体自体は食べたものでしか構成されません。
「食べ物が身体を作る」ことを肝に銘じて、日ごろの食事に気をつけましょう。

最後に

生きている限り悩みはつきもの。しかし、考え方次第で思い悩まず、気楽に生きられることをご理解いただけたでしょうか。
悩んで生きるぐらいなら、気楽に生きた方がいい人生が送れますよね。

是非、本書で身軽な生き方を学んでください。