【書評/要約】運の正体(野村克也 著)(★5) 根拠ある「運」を呼び寄せるための生き方指南書!

他球団で戦力外通告された選手を再活躍させることからつけられた「野村再生工場」と言われた、野村克也さんは、「運」をどのように考えていたのか?

運は単にラッキーでやってくるものではない。根拠があって運はやってくる。

今回紹介の「運の正体」は、、根拠のある運を呼び込むための最初で最後の「野村の運の書」根拠ある「運」を呼び寄せるための生き方が、説得力のある言葉で語られています。

今回は、著書「運の正体」から、運とは何者で、どうすると呼び寄せられるのか、人生を通じて大いに役立つ学びを紹介します。

[スポンサーリンク]

運はロジカルに変えられる

【書評/要約】運の正体(野村克也 著):運は単なるラッキーではない

スポーツは勝ち負けがはっきりした世界。しかし、私たち個々人の人生も「勝ち負け」の連続です。その勝敗の積み重ねが、人生を作ります。

不思議の勝ちにも根拠あり

負けに不思議の負けなし。勝ちに不思議の勝ちあり。

勝った理由は論理的に説明できずとも、負けの理由は論理的な説明ができることを指す言葉ですが、野球のような勝負の世界に限らず、ビジネスの世界でもよく語られる言葉です。野村さんはこの言葉にプラスするように、「不思議の勝ちにも根拠あり」と言います。

例えば、マー君こと田中将大選手。彼は、不思議なほど負けない選手で「強運の選手」でしたが、これは、マー君の日ごろの姿勢や努力が運につながってのこと。つまり、きちんとしたプロセスがあったからこそ、運を呼び込み、いい結果につながっていたと野村さんは説明します。

つまり、運とは、単なる偶然で起こるのではない。理をもって運を引き寄せることもできる。そう断言されています。

チャンスをつかめなかった人と、チャンスをつかんだ人の差は何か?

プロ野球は実力の世界。実力がなければ生き残れないし、実力がなければ勝つことはできません。
しかし、同じ実力があっても生き残れる人と生き残れない人がいて、そこには常に偶然と必然が絡み合っています。

チャンスをつかめる人とそうでない人がいるのは、それは実力でなく、「準備ができているか」の差。その努力やプロセスが正しいものだったかどうかで、チャンスをつかむか逃すかが分かれるのです。

優勝しようが、そこで緩んだりしているようでは、成長が止まってしまう。負けたときに歯を頑張るのは当たり前で、大事なのは、勝ったときや成功したときに、さらにその上を目指すことができるかどうか。それがその先の成長を決めるのです。

カリスマ個人投資家のcisさんの本の中にも、「投資においては最終判断に至るまでのプロセスが大事」という記述があります。これは、スポーツ、投資、ビジネスをはじめ、あらゆることに大事なことです。

これまで「正しいプロセス」ということをあまり意識してきたことがなかったのですが、投資もビジネスも人生も、ズルをしていては「運」が強くなることはありません。「正しいプロセス・正しい考え」で行動することが極めて大事だと、再認識させられました。

運命は変えられる

運命は変えられるものです。自分で切り開けるものです。

心が変われば行動が変わる。
行動が変われば習慣が変わる。
習慣が変われば人格が変わる。
人格が変われば運命が変わる。

上記フレーズは野村さんの好きな言葉ですが、これは「正しいプロセスを経て努力すれば、かならず幸運に恵まれるときが来る」という野村さんの考えを言い尽くしています。

運を高めるには

【書評/要約】運の正体(野村克也 著)(★5) :運を高めるには

では、野村さんはどの様に、運を高めていたのでしょうか。具体的に見ていきます。

根拠のある予測は「ヤマ」でなく「読み」になる

スポーツであれ、ビジネスであれ、ヤマを張ることはあります。しかし、ここで大事なことは、単なる当てずっぽうやヤマカンあってはいけない。根拠のある予測ができれば、それは「ヤマ」ではなく「読み」になるのです。

そのために、考えること。気づくこと。感じること。それが運につながります。

正しいプロセスで行動していたかを確認する

「結果さえ出せばいい」という考え方は、「結果オーライ」の山積み。これでは、単なる結果論で、「運」を高めていくことにはつながりません。

「運」を高めるために大事なのは、勝っても負けてもかならず検証を行うこと。「正しいプロセスで行動していたかを確認する」ことが大事です。

結果そもものよりプロセスを重視すれば、根拠のある運に巡り合う可能性が高くなります。思考停止にも陥ることがありません。

エースの不断の努力:運を集める源

エースは「運」を引き寄せる努力を怠らない人です。「あの人の運がいいのは、日ごろの行いがいいからだ」といいますが、これは、「常に、正しいプロセスを検証・実行し、運を呼び込む努力を怠らない人」であることに他なりません。

常に人間として周囲に評価される人間であろうと努力を怠らないからこそ、尊敬される「一流選手」となれるのです。

この普段の努力は、チームメートにもよい影響を広げます。「あいつのためにがんばろう」と思わせる雰囲気をがチームに醸成され、信頼関係が生まれる。そのおかげでチームには余計な不安がなく、自信をもって試合に望める環境ができる。この周囲を巻き込む力が、さらにエースを「エースたる人の強運の源」となっていくのです。

結局のところ、人間の運は、周囲とどういう関係性を築き、周囲をどう巻き込んでいくか。それが個人にとどまらない組織の気運にもなっていきます。

チャンスや運が訪れる人とは

自分は何を成し遂げたいのか。そのためには何をするべきか。そういう思いが自分を変え、運を切り開いていく原動力となっていきます。

「人間」とは「人の間」と書きます。人と人の間で生きていく。それが人間です。人間はけっして自分一人だけでは生きていけません。だからこそ、自分のためにだけ生きるのではなく、人のために生きることを考えなければいけません。

チャンスや運というのは「自分の力だけではない力」。それはつまり「みんなに助けてもらう」ということだったり、「だれかが力を貸してくれる」ということだったりします。

つまり、チームのために自己犠牲を厭わない人には信頼が集まる。我欲を捨ててみんなのために動ける人には多くの協力者が現れる。チャンスや運というものは、そういう人にこそ訪れるのです。

「流れ」とは勢い・雰囲気・感性

【書評/要約】運の正体(野村克也 著)(★5) :「流れ」とは勢い・雰囲気・感性

「流れが向いてきた!」というフレーズがあるように、「運」には「流れ」があります。野村さん曰く、「流れ」は「勢い」であり「雰囲気」であり「感性」です。

感性がないと運はつかめない

感性とは、感じる力であり、気づく力です。同じものを見ていても、ちゃんと感じ取れる人と何も感じ取れない人がいます。

この気づきを敏感に感じ取れるか?小さな変化に気づけるか。小さな気づきに気づき、手を打てるか否か。 一流選手と二流以下の選手の差は、まずそこに現れます。小さな変化に気づけるかは、知性・感性・経験が大きく関わっています。

つまり、「感じる力」に鈍感な人は、けっして一流になれません。鈍感な人は、流れも見えないし、運もツキもつかめません。

流れを感じ、感性の鋭い人間になるためには

流れを感じ、感性の鋭い人間になるためには、「流れを感じ、感性の鋭い人間になりたい」と自分自身が強く思うことが大事です。 人は自分の名前に敏感であるように、常に意識的に大事にしていることには敏感になれます。「自分はこうなりたい」と思うことで、感性というセンサーが敏感になります。そのセンサーを上手に活かして、努力&運気UPに努めていくことが大事です。

最後に

今回は、野村克也さんの「運命の正体」を紹介しました。運は引き寄せられる。私も運を引き寄せられるような、生き方を努めたいと思います。

なお、「運」というと「金運」を上げたいと考える人が多いと思いますが、「貧乏マインド」を持っていては運がUPすることはありません。以下の記事ではアリババ創業者のジャックマー氏の格言を紹介しています。格言に喝を入れられる人は多いはずです。是非、合わせて読んでみてください。