【書評/要約】だれもわかってくれない(ハイディ グラント ハルヴァ―ソン 著)(★5) 人間関係で傷つかないために知るべきこと満載の良書
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”わかってくれていると思ったのに、誰もわかってくれない” と思った経験は誰しもあるはず。悲しい思いをしたり、苦悩した経験で人生が嫌になったこともあるでしょう。

こんな人間関係に悩むとき、どう対処したらいいのでしょうか?

今回紹介の「だれもわかってくれない」自分が本当に意図することを相手に正確に伝えることについて書かれた本です。

人間関係は、私たちのほとんど全ての悩みの原因ですが、本書を読むと、他人があなたの言葉や行動をどんなふうに受け取っているか、そして、人にものを正しく伝えることがなぜ難しいかがわかります。また、その仕組みがわかれば、他者の認識をうまく形作ることもできるようになるはずです。

今回は、著書「だれもわかってくれない」から、自分が発するメッセージをうまく形作る=コントロールし、生きやすくするためのヒントを紹介します。

私たちの思い込み・誤解

我々の誤解:我々は自分で思うほど、情報を周囲の人に発信していない:だれもわかってくれない

私たちは人間関係において、多くの誤解をしています。これが、人間関係で悩む大きな原因となっています。

我々は自分が思うほど自分の気持ちを表現していない

私たちは、人間関係において、大きな2つの誤解をしています。

❶人が自分を客観的に見てくれているという思い込み
❷自分が自分を見るのと同じように、他人も見てくれているという思い込み

しかし、私たちは言いたいことをさほど表現していません。表情にも表していません。私たちには、自分が思っているほど表現力がないことを認識することが大事です。

第一印象を変えることも難しい

人は第一印象で、あなたの行動を、状況全体よりも、パーソナリティ、能力、道徳性などに関連づけて判断します。
第一印象を塗り替えるのは難しいですが、これは、判断を修正するための注意力とモチベーションが必要になるから。自分がいくら印象を変えたいと思っても、相手が修正を受け入れる素地がなければ、変わりません。

だから、自分が見られたいと思うのとは違う形で人から見られていると思っても、自分の見る目を変えてもらうのは難しいのです。

我々は色眼鏡(憶測)で人を判断する

我々は色眼鏡(憶測)で人を判断する:だれもわかってくれない

ステレオタイプに代表されるように、我々は他者を理解するとき、無意識に多くの憶測をし、脳内にあるカテゴライズ情報を使って、どんなタイプに属するか判断します。つまり、はじめから人を色眼鏡で判断するわけです。

人を判断する3つのバイアス(色眼鏡)

人を判断するとき、私たちは主に、以下の3つの色眼鏡で人を見ます。

私たちが人を見るときにかけてしまう色眼鏡(レンズ)

❶信用レンズ
❷パワーレンズ
❸エゴレンズ

第1の色眼鏡:信用レンズ

初対面の相手があなたを見極めようとするとき最初に考えるのは、「信用人間か」=「敵か味方か」です。人はこれをほぼ無意識に判断します。これが第1の色眼鏡「信用レンズ」です。

話をしているとき、目を合わせる、微笑む、うなづくなどの態度をとることは「温かみ」という信用を与えます。これをうまく使うと、第一印象は良くなります。

第2の色眼鏡:パワーレンズ

賢威、地位、成功者などパワーがある人は、あなたのことをきちんと認識しようとはしません。理由は、自分の目標達成に集中していて、ほかの人の考えや問題まで気が回らないからです。

そもそも忙しいので人の判断に時間をかけず、また、自分に力があるので、相手を正確に理解せずとも困りません。故、パワーのある人に自分を特別な個人として認めてもらうことは至難の業です。

そんな彼らが、相手を的確に理解しようとする時があります。それは、それが自分の目標達成のために相手が必要なときです。

第3の色眼鏡:エゴレンズ

我々は、自分が平均より賢く魅力的だと考えがちです。これが「エゴレンズ」です。
周囲の人は、自分が思うほど、あなたのことを魅力的だとは思っていません。この認知のズレが、誤解・悲しみを生みます。

積極派と慎重派、どう付き合うか?傷つかないための処方箋

傷つかないための処方箋:だれもわかってくれない

私たちは性格によっても世の中・人間関係のモノの見方が変わります。このレンズも理解しておく必要があります。

促進レンズをかけた「積極タイプ」

促進レンズを通して物事を見る人たちは、今よりよりよい状態を目指そうとしています。
リスクを引き受け、テキパキと働き、チャンスがあればそれをつかみ、より創造的でイノベーティブなアイデアを生み出します。一方、ミスが多く、問題の存在を見落としやすく、楽観的すぎるきらいがあります。

予防レンズをかけた「慎重タイプ」

予防レンズを通して物事を見る人たちは、すでに手にしているものを大事にし、万事がスムーズに運ぶように努力します。警戒心が強く、慎重で分析的です。プラン作成が得意で、常に事前に準備ができていいます。一方でリスクを避けたがるきらいがあり、現状に固執しすぎます。

2つのタイプの人たちと、どのように接するとよい?

では、促進レンズ、予防レンズをかけているそれぞれのタイプに対し、どのようにコミュニケーションをすると、人間関係がスムーズにいくでしょうか。

「促進レンズ」をかけた相手対しては、アイデアを「潜在的利益」や「勝利」といった枠組みの中で語り、それが「今よりも良い状態をもたらす方法である」と説明します。楽観的に語り、相手の感情に訴えます。

「予防レンズ」をかけた相手に対しては、アイデアを「損失回避」や「ミスを防ぐ」という枠組みの中で語り、それが「安全と安定を保つ」方法であると説明します。現実的に話をし、確固とした事実を伝えます。

幼少期の愛情により変わる「愛着モデル」

幼少期の愛情により変わる「愛着モデル」:だれもわかってくれない

子供の時に愛情が薄いと問題のある大人になりやすいとはよく聞く話です。

私たちは子供の時から、人間関係とはどんなものか、周りの人の支えが信じられるかなど、対人関係の基本的なメンタル愛着モデルを形成していきます。モデルは以下の3つあります。このモデルを理解して人と付き合うことで、人を傷つけやすい人とうまく付き合う(距離を置く)ことができるようになります。

安定型:特徴と付き合い方

ほぼ半数を占めます。対人関係に問題はありません。

不安型:特徴と付き合い方

対人関係に不安を抱えています。親密さを必死に求める一方で、相手から拒絶されるのではないかと不安を持ちます。愛情に飢え、相手にまとわりつき、感情を爆発させやすい傾向があります。

不安型の人とうまく接するには、不明瞭さを避けることが重要です。拒絶を想起させるような言動をうっかりとらないように気を付けます。また、忍耐強く、常に信頼できる存在でいるようにして、相手の激しい反応を自分だけに求めたものと思わないにすることが大切です。

回避型:特徴と付き合い方

人を信用せず、誰も自分を助けてくれないと思っています。人と密接になることやつながりをもつことを極力避けようとします。理由は、そうしていれば拒絶されて傷つくことがないからです。

回避型の人とうまく接するには、相手に温かみが感じられなくても、こちらに敵意を持っているわけではないことを理解することです。馴れ馴れしくするのもよくありません。

最後に

今回は、ハイディ グラント ハルヴァ―ソンさんの著書「だれもわかってくれない」の要点を紹介しました。

まず、私たちは思うほど相手に自分の気持ちをわかりやすい形で表現していないことを理解しなければなりません。これだけでも、「なんでわからないの!」といった言い合いは減るはずです。
自分が本当に意図することを相手に正確に伝える&相手に効果的な話し方をすることで、相手にしっかりメッセージを発信する。これができるようになるように、心がけたいです。