余計な心配や悩みを抱えないように、
他人の価値観に振り回されないように、
無駄なものをそぎ落として、
限りなくシンプルに生きる

上記は、今回紹介の曹洞宗徳雄山建功寺住職 枡野俊明さんの著書「心配事の9割は起こらない」の「はじめに」冒頭に書かれている言葉です。

人は日々、悩みや不安事に苛まれて生きています。時には、心配や不安を肯定的に解釈し、前向きにチャレンジしていける人もいますが、多くの人は、日々、大なり小なりの不安や心配事を抱えて生きています。しかし、これらの多くは妄想です。

今回は、本書から心穏やかに生きるためのヒントを学びます。

不安、悩み、迷いのほとんどは「妄想」

不安、悩み、迷いのほとんどは「妄想」

人は日々、悩みや不安事に苛まれて生きています。そして、ひどくなると、ストレスやうつなどで体を害することになります。
しかし、著者は、このような不安、悩み、迷いのほとんどは、実は「妄想」「思い込み」「勘違い」「取り越し苦労」に過ぎない、「実体」がないものだと説明します。

不安を客観視すると…

本人にとっては、とてつもなく大きな悩みであっても、客観的にみれば「なんでもないこと」に振り回されていることがほとんどです。

経験がないから不安なだけだったり、解決方法を知らないだけだったり、起こりもしない漠然とした不安に苦労しているだけのことも多いのです。

まずは、この事実に気づくことが大事です。

禅の教えで心を楽に

禅の教えで心を楽に

著者は、禅の教えには、不安を「なんだ、たいしたことないじゃないか」と心を軽くする教えの宝庫だとアドバイスします。

そして、本書内でその教えを多数紹介しています。読むと、ほんとに、なんだぁ…と心が軽くなることが満載です。

以下では、私自身が、日々の生活の中でストレスを抱えないために、意識しておきたい言葉を記しておきます。

さっさと減らそう、手放そう、忘れよう

1章では、禅的、不安と悩みの遠ざけ方が学べます。

「妄想」はしない -比べない生き方
「いま」に集中する -「自分を大切にする」
・引きずらない、抱え込まない -心を整える場所を生活空間に作る
・持ち物を減らす -すると、心も身体も軽くなる
・「あるがまま」でいる -どうにもならにことに心を注がない
・「色眼鏡」を外す -人間関係の悩みの9割はこれで消える
・「潔い人」になる -「地位」や「立場」なんて、さっさと譲る
・「いい加減」を心得る -人は自分の力量に会ったことしかできない

「いま」できることだけに集中する

2章では、「いま」できることだけに集中すると、「余計なこと」を考えなくなることを、トコトン教えてもらえます。

「あたりまえ」を見直す -今、ここにある幸せに気づく
前向きに受け止める
朝を大事にする -心に余裕を作る一番の方法
・自分の「ものさし」で生きる -他人の価値観に振り回されない
・余計なことを調べない -情報の暴飲暴食はやめる
・大事な判断を夜中にしない

「競争」から一歩離れると、うまくいく

競争は人の心を疲弊させます。「人は人、私は私」という考えを持つと、心が楽になります。

・コツコツ続ける -人の才能をうらやむ前にやるべきこと
「いい言葉」を使う -言葉には、恐ろしいほどのパワーがある
今日やるべきことは今日やる -人生を窮屈にしないための極意
簡単に逃げない -失敗したって、命までとられるわけじゃない
・もっと「寛容」になる -人は人、自分は自分、それでいい
・「流れ」に任せる -「孤独」はいいけど、「孤立」はダメ

人間関係が驚くほどラクになるヒント

人間が持つストレスの多くは、お金か人間関係です。4章では人間関係にフォーカスして、心が楽になるヒントが学べます。

・「縁」を大事にする -その人に出会えたのは「偶然」じゃない
・「いい縁」を結ぶ -良縁スパイラルの作り方
・「正論」を振りかざさない -大事なのは「相手の顔も立てる」こと
・「また会いたい」と思わせる -人間的魅力の形成
・過ちは「すぐ」に認める -言葉だけでなく、心も育てる努力を
・“迷わず”助けを求める -手を差し伸べてくれる人が必ずどこかにいる
・損得で判断しない -打算のない人間関係こそがやがて輝く

「悩み方」を変えると、人生は好転する

悩み方も、ちょっと見方を変えることで、人生が前向きにあることもあります。5章ではそんな、考え方を変えるヒントが学べます。

・お金 -「もっと欲しい」と思うから苦しくなる
・年をとる -「許せること」が増えるのは、幸せなこと

最後に

今回は、枡野俊明さんの著書「心配事の9割は起こらない」から、心を楽にするヒントを紹介しました。
ストレスと上手に付き合うことは、現代人に求められることです。
今、自分が病んでいると感じている方はもちろん、今、幸せだと思っている方も、本書を読むと、もっと心が穏やかになるはずです。是非、多くの方が、本書を手に取り、穏やかな心を手に入れられることを望みます。