【書評/要約】運を加速させる習慣(矢澤亜希子 著)(★3) 勝負事で勝つための秘訣とは

著者の矢澤さんは、バックギャモンというサイコロを使ったゲームの世界チャンピオン保持者。

ゲームに勝つには、「確率」に基づき、期待値がプラスになるようゲームを展開をすることが必須です。しかし、ゲームには「運」を味方にしない限り、勝つことはできません。

では、「運」をどうやって味方につけるのか?

矢澤さんは、著書「運を加速させる習慣」を通じて、「運は自分で創り出すもの」だと断言します。本書は、そんな世界チャンピオンのの人生観、勝負観が凝縮された一冊です。

当ブログでは「投資」をテーマにしていますが、投資も「勝負事」。矢澤さんの考え方は大きく役立ちます。

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チャンスをつかむ人と逃す人の差はどこにあるのか

同じチャンスが巡ってきても、それを掴む人と逃す人がいます。これはだいたいどのようなチャンスが巡ってこようが、チャンスを掴む人は掴むし、逃す人はいつも逃します。

では、両者を分けるものは何なのか。

チャンスをつかむ人と逃す人の差は、チャンスが到来したことに気づく「感度」と、俊敏な「行動力」、そして、日ごろの「準備」です。

ただチャンスを待つだけでは逆転はできません。 チャンスがきたときに勝てるように、自陣に最強の陣を作りながら勝つための準備をすることが大事です。つまり、天に味方されるかのように勝つのは、「どういう目が出てもいいように、プロはあらかじめ準備をしているから」に他なりません。

勝敗を分ける「しくみ」を見極める

勝負に勝つために多くの人は頑張ります。しかし、ただ頑張っても勝ち続けることはできません。

勝負事においては、勝敗を分けるのは何かという「しくみ」を見極めることが極めて大事です。

多くの人は、「運」の要素にばかり着目して、しくみが正しく理解できていないから、ただただ運だけを頼りに毎回、神頼みで勝負して、結果的に負けてしまいます。

根本原理がわかっていれば、目先の勝ち負けが必ずしも重要ではないことが分かります。つまり、継続的にかつ、もっと効率的に勝つためには、あえて引いた方がいいということもあるのです。これは人生を生きていくうえでも非常に大きな考えです。

運のせいにするのは一種の思考停止

よくないことが続いたとき、それは「流れが悪いからだ」とか「運に見放されたからだ」と考えてしまう人がいます。

でも、それは一種の思考停止状態。流れや運といった不確かであいまいなもののせいにしても、何も生まれません。泣き、悲しむ時間を努力に変えるべきです。

勝負事・ギャンブルで勝率を上げるために必要な努力は、幸運を強く願うことではありません。本当に必要なのは、しくみを把握して理解することです。 運頼みのギャンブルは絶対に勝てません。

先々の展開の読み方

先々の展開の読み方

矢崎さんは、先々の展開を読むときには、以下の3つのパターンを想定し、それぞれの場合の対応策を考えるといいます。

想定してくべき3つのパターン

❶必ず自分に有利な展開
❷有利でも不利でもない展開
❸不利な展開

このとき大切なのは、現実的に起こる確率の高い平均的な展開が❷だったとしても、❶最も有利な展開❸最も不利な展開がどんなものかをある程度程度に想定しておくことです。
最悪の事態と最善の事態をイメージしておけば、たとえ実際にそういう展開になったとしても、あわてずに対応策を打つことができるからです。

「ゾーン」に入ると運も味方

あることに一転集中すると「ゾーン」と呼ばれる状態に入ることがあります。とにかく集中力が極限にまで高まっていて、頭のなかから雑念や余計な思考がいっさい排除された真空状態になったような状態です。このような状態になると、自然と運も味方します。ゾーンに入れるような集中力を身に付けることは非常に大事です。

大逆転は、最後まで戦い抜いた人にしかやってこない

多くの人は、自分が負けそうだなと感じると、諦めモードにないってしまいます。
しかし、はっきりとしたかたちで自分の負けが決まるまでは、最善手を考え続けるかぎり勝ち目は残されます。故、どんなに不利な局面でも、途中であきらめるということは、みすみす勝利する可能性を手放すということです。

大逆転とは、最後まであきらめず戦い抜いた人にしか起こりません。逆境のときほど戦い方が問われます。

「報われない努力」もあるが、努力しなければ報われない

「報われない努力」もあるが、努力しなければ報われない
最後まであきらめず、「努力すれば、いつか必ず報われる」という言葉には、誰もが信じたくなるような美しい響きがあります。しかし、「努力が必ず報われるとはかぎらない」という現実は、現実として受け止めるべきです。
ただし、忘れてならないのは「努力しなければ報われない」ということです。つまり、 結果として報われる確率を少しでも高めるような努力をすべきです。

感情的なときには、重要な判断をしない

もし対人関係で感情的な自分に気づいたら、とにかく距離を置くように努めるべき です。そして、大事な判断はできるだけしないこと。感情的なときに下した判断は、たいてい後悔のもとになります。

最後に

今回は、矢澤亜希子さんの「運を加速させる習慣」を紹介しました。
投資も確率が重要であり、以下に期待値の高い方に賭けるかが勝敗を決める、ただし、すべてに勝つ必要はない。ダメなときは損切りすることが大事ということは、株式投資の凄腕トレーダーcisさんもご自身の著書で語っていることです。

プロと言われる人たちは、どんな分野であろうと、突き詰めるとチャンスが到来したことに気づく「感度」と、俊敏な「行動力」、そして、日ごろの「準備」をとことんまで追及している人たちと言えるかもしれません。