【書評/要約】脳内麻薬ー人間を支配する快楽物質ドーパミンの正体(中野信子 著)(★4)~なぜやめられないのか
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アルコール、タバコ、買い物、ギャンブル、オンラインゲーム、SNS、チャット 等…
私たちはなぜ、私たちが人生の目的を達成するための妨げとなる、これらの「快楽」を止められないのでしょう。

でも、一見、相反する「人生の目的」と「快楽」──「人生の目的のために真摯に努力すること」と、「快楽に我を忘れること」── には、実は、同じ脳内物質が関わっているのです。

その脳内物質とは「ドーパミン」。

中野信子さんの「脳内麻薬──人を支配する快楽物質 ドーパミンの正体」は、そんな私たちの脳の仕組みを明らかにする一冊。この快楽の仕組みから、それをコントロール方法まで、賢く生きるヒントを与えてくれます。

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快楽物質「ドーパミン」

私たちに快楽を感じさせる快楽物質、ドーパミン。このドーパミンは以下のような時に、分泌されます。

*楽しいことをしているとき
*目的を達成したとき
*他人に褒められたとき
*新しい行動を始めようとするとき
*意欲的な、やる気が出た状態になっているとき
*好奇心が働いているとき
*恋愛感情やときめきを感じているとき
*セックスで興奮しているとき
*美味しいものを食べている

なぜ頑張れる?なぜ依存症になる?

さて、上記のドーパミンが分泌される時をを見ると、いわゆる「怠惰な快楽」につながりやすいものと、「目標・目的達成のための努力」に関わるものがあり、一般的には両者は対立する関係がありますよね。しかし、どうして同じドーパミンが分泌されるのでしょうか?

それは、後者は 「頑張っている自分へのご褒美」として機能するからです。遠い目標に向けて頑張っているときにそれが分泌されるしくみを築き上げることで、努力が継続できるようになっているのです。このご褒美は、時には生理的欲求を打ち負かすほどのものですから、非常に強力で、努力をし続けられる人は、このご褒美がうまくワークしているのに対し、やる気がない、意欲・興味がない状態はドーパミンが不足している状態です。

ただ、ここで、一つ間違うと、頑張らずにご褒美だけ求めるようになってしまう。これが、「依存症」や「薬物中毒」です。

それ故、私たちが、自分へのご褒美である快楽物質と快楽について知り、ドーパミンをコントロールできるようになることが大切に大切です。

「依存症」には3つのパターンがある

「依存症」というと、私たちは、心の弱さに起因するものと考えがちです。しかし、それは間違い。依存症は決して心の弱さといったものが原因ではなく、脳内の物質の異常から来る病気、つまり「脳の病気」です。

依存症の依存対象は大きく3種類に分けられます。

3つの依存対象

①物質への依存(ニコチン・アルコール・薬物・食べ物など)
②プロセスへの依存(ギャンブル・インターネット・セックス・買い物・仕事など)
③人間関係への依存(恋愛・カルト宗教・DV・虐待)

あなたは、どの種類への依存が高いでしょうか?

なぜ食べてしまうのか?:物質依存症

物質への依存の代表「ダイエット」。食べてはいけないと思いながら食べてしまう。この衝動はなかなか押さえにくいものです。

空腹の人が最初の一口を食べるときに、ドーパミンの量が最大になり、食事が進むにつれて減っていきます。逆に、脳内のドーパミンの量を薬によって増やすと人の食欲は減り、ドーパミン量を減らすと食欲は増します。覚せい剤に手を染めてしまうと、体重が減ると聞いたことがあると思いますが、まさに、脳内にドーパミンが満たされるからです。

つまり、「太りやすい人」「肥満の人」は、ドーパミンの放出量が少なく、さらに、ドーパミンの受容体も少ないために、少しの量では満足できません。ドーパミンが満足できる量になるまで食べ物を食べてしまうため、カロリーを取りすぎ太ってしまうのです。

ギャンブルにハマる理由:プロセス依存症

日常破綻のリスクすらあるギャンブル依存症。
金銭というわかりやすい報酬に依存してしまう依存症ですが、実は、「利益」そのもののみが報酬ではありません。

実は、確実な報酬より、リスクを伴った報酬により強く反応してしまうのです。どうなるかわからないリスクを経験するうちに、耐性ができて、より強いドキドキ・ワクワク感を求めるようになってしまうのです。

投資もギャンブルの一種。長期間生き残っている金融トレーダー等は、このドキドキ感という麻薬をコントロールできる人たちであると言えます。

社会的報酬って何?

人は、おいしい食べ物を食べる、お金を貰うといった報酬だけでなく、褒められたり良い評判を得たりすることも報酬と感じます。これが「社会的報酬」です。
「承認」、「評価」、「信用」、「信頼」、「尊敬」などがこれに当たり、「友人関係」、「知名度の向上」など、関係性の強化も「社会的報酬」です。

SNSの「いいね」はまさに承認欲求をみたすためのもの。特に金銭的報酬につながらずとも、承認欲求を満たしたくて、ついついfacebook、Twitter、InstagramにコンテンツをUPしてしまうのです。

さて、生理的欲求や金銭的欲求と、社会的欲求は少し性質が異なる複雑なもののように思えます。しかし、人に褒められた時に反応する脳の部分と、金銭をもらった時に反応する脳の部位は全く同じ部分です。つまり、社会的報酬は、脳にとっては「報酬」そのものなのです。

これは、 社会的報酬である「愛情」や「友情」は金銭は交換可能、つまり、お金で買えてしまうということです。もちろん、お金で愛情や友情をか買うことは「不徳」とする価値観が刷り込まれていますが、生活がかかってくると、貧乏だけど愛情のある男性より、あんまり愛してはいないけれどお金持ちの男性を選ぶ人もでるのは、全くおかしなことではないわけですね。

他社との比較で得られる幸福感

隣りの芝生は青い

生理的欲求、金銭的欲求、社会的欲求、それらは私たちの人生を「豊か」にするためのものです。しかし、現代人は、過去より明らかに物質的に豊かになったのに、昔より幸福考えられなくなっているのはなぜでしょうか?

それは、人は自分の経済的な状況を絶対的な物差しで見るのではなく、周囲との比較で決めているからです。

これは、「所得金額そのもの」よりも「所得順位」(所属する集団の中での順位)の方が、生活満足度にずっと大きく影響するということです。つまり、「いくら稼いでいるか」より「周囲と比べてどれだけ稼いでいるか」が、幸福感を感じるために重要なのです。

全体の水準が上がってしまうと、満足度は落ちてしまうとは、人とは何ともわがままな、「足るを知らない」生き物ですね。

種としての存続

さて、ここで、金銭が幸福の一つの軸になる一方、 ボランティアなど社会的報酬は、働いても金銭的な利益は得られません。利己的なはずな人間はなぜ、こんなことをするのでしょうか?

それは、人は一人では生きられません。集団で生を紡いできました。社会的報酬は、個体として生き延びることだけに快感を覚えるよりも、種として生き延びることを優先した生物の生きる知恵なのです。

最後に

今回は、中野信子さんの「脳内麻薬──人を支配する快楽物質 ドーパミンの正体」のポイントをまとめてみました。

さて、人間の欲求は尽きないわけですが、欲求の実現ステップを示した「マズローの欲求段階説」はあまりに有名です。これと「報酬系」を関連付けると、以下の関係が成り立ちます。

マズローの欲求段階と報酬

①生理的欲求     :生理的報酬
②安全の欲求     :金銭的報酬
③所属と愛の欲求   :社会的報酬
④承認(尊重)の欲求 :社会的報酬
⑤自己実現の欲求

つまり、⑤自己実現を満たすために、人は様々な報酬を用意したわけですね。
人は生きているからには「自己実現」を達成し、幸せになりたいと願うものです。それを実現するためにも、自分がどの報酬のコントロールにてこずっているか、改めて考えてみる価値があると言えるのではないでしょうか。

私の脳内麻薬分泌方法

ちなみに私は、ドーパミンとよく似た脳内物質「β-エンドルフィン」を出すために日々、サウナに通っています。
βエンドルフィンによる脳内麻薬の恍惚感については、以下にまとめているので是非、ご確認を!