【書評/要約】一度しかない人生を「どう生きるか」がわかる100年カレンダー(大住力 著)(★5) 人生の見える化で、生き方を導き出す

一度きりの人生、幸せで充実した人生を生きたい。

これは、自分の人生を思うとき、誰もが考えることです。ではどうしたら実現できるのか?そのためには、自分の過去・現在を見つめ直しした上で、これからの「生き方」を導き出すことが必要です。

今回紹介の大住力さんの著書『一度しかない人生を「どう生きるか」がわかる100年カレンダー』は、人生の「使える時間」を見える化し、明日を変えて本気で生きるためのとワークブック。100年カレンダーを用いて自分と対話し、「本当に自分が手に入れたいこと、何なのか」自問し、掘り下げます。

本書のアドバイスに基づき、自分を見つめると、大事なことに気づき、結果、人生が変わって見えるはずです。そして、そこから、本当に自分らしい生き方が見えてくるはずです。

今回は、大住力さんの著書『一度しかない人生を「どう生きるか」がわかる100年カレンダー』からの学びを紹介します。

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100年カレンダーとは

【書評/要約】一度しかない人生を「どう生きるか」がわかる100年カレンダー(大住力 著)

大事だと分かっていても多くの人が実施できていないこと。その一つが、自分の生き方を考える「人生設計」です。

100年カレンダー作成の大事なポイント

100年カレンダーは、誰のためでもない「自分のため」に作るものです。他人と比較し優劣をつけるものでないのは当然のこと、自分をよく見せようとする必要もありません。自分に素直になって、自分を見つめることが大事です。

100年カレンダー作成における大事なポイント

❶ひとりで行い、自分と対話する
❷嘘をつかず、正当化せず、言い訳もしない
❸視点をあえて変えて、人生を見つめる(リフレーミング)
❹出来事を点で見ず、点と点でつないでみる
❺行動計画を立て、行動に移し、動く

100年カレンダーがもたらす「気づき」(❸❹)

過去は変えられません。しかし、考え方や視点、視座を変えることによって、過去の出来事を直すことはできます。100年カレンダーで、自分の転機となった出来事はもちろん、あえて見ないようにしていたこと、不都合なことも含めて、角度を変えて見直してみる。すると、今まで、点と点だった過去の出来事が、1本の線につながり、現在の自分につながっていることに気づかされます。

「あの辛さ」の「おかげ」で「今」がある。
そして、「今」の頑張りが「未来」を作る。すべては、関わり合って存在している。
と気づけます。

「いまを生きよ」と言われますが、言うは易しで、真に実行するのは難しい。なぜなら、人は「過去」を悔い、「未来」に不安抱くことに頭が占拠され、「今現在」という時間を見失いがちだからです。

しかし、「時間」とは「今」です。そして「今」の積み重ねこそが未来を決定づけます。人生を生きるためには「今」を大切にするだと気づきましょう。

最終的には行動が大事(❺)

100年カレンダーは「行動」につながってこそ意味があります。

行動に必要なのは、具体的な行動計画です。行動計画は、いわば、「今」と「これからの未来」をつなぐ大切な作業目標から「やるべきこと」をブレイクダウンし、細分化された具体的な行動計画を立てることです。

やるべきことが明確で、いつまでにそれを実行・実現するのかがわかったとき、人はやっと前へ進んでいけます。漠然と将来を思い描いているだけでは、先延ばしされるだけです。この先延ばしで人は多くを失っています。

人生という名の「JOURNEY」

生という名の「JOURNEY」

著者の大住さんは、人生は「TRIP」ではなく「JOURNEY」だと言います。

人生は「TRIP」ではなく「JOURNEY」

TRIPとJOURNEYの違い

TRIP  :計画的で期限のある旅(事前に行く場所、やることが明確)
JOURNEY:長く、帰る日が予定されていないこともある旅。「突然」「想定外」が訪れる旅

人生とは、いたるところに「突然」が訪れる旅=JOURNEYです。
大住さん曰く、JOURNEYの目的は、場所や時間ではなく、「そこで起こりうることへの期待」です。「想定外」は悪いことと受け止められがちですが、その試練が、「転機」「チャンス」となり、新しい出会い・人生を連れてくることはよくあることです。

想定外の真っただ中では、その試練の意味はなかなか気が付けません。後から振り返ってこそ、その意味に気づけるのです。

「自分の持っている時間」を感じてみる

「自分の持っている時間」はいかに大切なものか。それを実感するために、100年カレンダーでは、自分の生まれてから死ぬまでのカレンダーを作成し、人生を見つめます。

毎年、年の瀬に「1年はあっという間」と感じていると思いますが、これは「自分の残り時間」もアッと今に減ってしまうということです。「今、自分が人生のどのような位置にあるのか」、俯瞰して、時間の大切さを実感しましょう。

偉人と自分の人生を重ねてみる

かつて、人生は、時代や国の情勢によって、いつ、自分の命が終わってもおかしくないという危機感と共にありました。しかし、現代人はそのような危機感はありません。そのため、私たちは時間を無駄に使っても、反省することなく日々暮らしてしまいがちです。

「自分の残り時間の貴重さ」を実感するために、大住さんは、歴史に名を遺した偉人と自分の人生を重ね合わせてみようとアドバイスします。

人気のある歴史上の偉人には極めて短命だった人が大勢います。そんな偉人と自分の人生を重ねると、「いま」そして「これから」の自分には、社会のためにもっとできることがあるのではないかと、考えさせられるはずです。

100年カレンダーの作り方

100年カレンダーの作り方

本書では、100年カレンダーの作り方が丁寧に解説されています。100年カレンダー作成に用いる各種ワークシートもダウンロードできるようになっています。

以下では、100年カレンダー作成の流れとワークを「私自身の言葉」で簡潔にまとめます。具体的な方法は、是非、本書でご確認ください。

100年カレンダー作成の流れとワーク

ステップ100年カレンダー:具体的なワーク
❶自分の原点探し ・自分の生まれた日を想像してみる
・未来を見て、人生の「マイルストーン」を設定する
❷使える時間を把握する・「最後の日」を決める(平均寿命、健康寿命をもとに)
・人生を「24時間時計」で何時何分に当たるか、計算してみる
❸これまでの人生をつかむ・過去の「拠点」と「所属」を書き出す
・「人生の思い出深い出来事」を書き出す
❺どう生きてきたか。どう生きているか。どう生きるか。考える・今の自分が、何にリソースを割いて生きているか把握する
・「人生に大事な6要素」に照らして、リソース分配時間を把握
 今後、どのような割合で生きたいかも考える
❻欲しかったものと、これから欲しいものを考える・これまでに「欲しかったもの」を書き出す
・「本当に欲しいもの」を手に入れると決める
・いつまでに「欲しいもの」を手に入れるか、期日を設定する
❻人生に影響を与えた出逢いを明らかにする・これまでの出逢いを振り返る
・これからも関係を続けたい人・出逢いたい人と、
 彼らとどのような時間を過ごしたいか考える
・その出逢いを起点に、どんな自分になれるか考える
❼何に喜びを感じるか明らかにする・歓び、うれしいと感じたことを振り返る
・嫌いな時間を洗い出す
・どのような歓びを増やしたいか考える
・歓びを増やすために、いまからやるべきことは何か考える
❽時間やお金をかけてきたことは何か明らかにする・「お金と時間をかけてきたもの・こと」のランキングをつくる
・これから、何にお金と時間をかけるか考える
❾許せなかったことを許す・過去に起きた「許せないこと」を深掘りする
・許すための一歩を踏み出す
❿後悔していることを明らかにする・「後悔していること」を書き出し、深掘りする
・過去の後悔を未来のありたい自分に変化させる

過去を振り返る目的

100年カレンダーで過去を振り返る目的は、うまくいかなかった過去と向き合うことではありません。「自分もいろいろあったなぁ」と、自分の歴史を俯瞰すること、その中で「いま、自分がどこにいるのか」を客観的に振り返ることです。

振り返るに当たって重視したいのは、暮らした拠点、所属、節目となった出来事です。「そのとき」に戻って「そのシーン」をそれぞれ思い出してみると、一つ一つの出来事「点」が「線」としてつながり、それが、自己成長につながっていることが実感できます。「すべての出来事は関連している」ことを、ワークを通じて実感しましょう。すると、出会った出来事・人に「心からありがとう」と思えるはずです。

何にリソースを割いて生きているか

自分が何にリソースを割いて生きてきたかを把握するために有効なのが、ウォルト・ディズニーの提唱した「6つのエレメント」です。

■人間がリソースをかけること
①Output(仕事)
②Mother Earth(家族・人間関係)
③Belongings(金・物)
④Tool(健康)
■人間を豊かにするもの
⑤Input(学び・勉強・資格)
⑥New World(趣味)

今、自分が、上記6つのどの要素に時間を割いているか把握しましょう。そして、今後、どのように時間を配分して生きていきたいか、考えてみましょう。

最終目的は「幸せ」の獲得。そのために明らかにすべきこと

100年カレンダーで人生を俯瞰すると、自分の人生は単に「自分の努力」だけで出来上がっているわけではないことが、はっきりと見えてきます。

人との出会い・出来事が、自分に影響を与え、自分が変わったことに気づけるはずです。自分にとってその出会い・出来事がどんな意味があったか、新た新たに考えると、出会いに「感謝の念」が生まれるはずです。そして、自分も周囲や社会にいい影響を与えたいと思うはずです。

「誰か」を具体的に思い浮かべ、それが自分の「want」「will」に結び付くとき、それは、力強い人生の使命「ミッション」や「パワー」となります。そこから、「どんな自分になりたいか」も見えてくるはずです。

そして見つけた「自分のありたい姿」から逆算し、そこに確実につながる行動を、計画し、実行していくことで、幸せな人生へとつながっていきます。

最後に

今回は、大住力さんの著書『一度しかない人生を「どう生きるか」がわかる100年カレンダー』のポイントを紹介しました。

最終的に大事なことは、100年カレンダーを通じて「今以上に幸せになる」ことです。

大住さんは、『幸せとは、結果ではなく、プロセスにある。つまり、行動そのものが「幸せ=ハピネス」だ』とアドバイスします。

自分が何者として生きたいかを考え、それを実現するべく「行動」してこそ、幸せな気持ちになれます。小さなことでも、目の前の人が歓ぶことを積み重ねることで、自信と自尊心が確実に芽生えてきます。

私も、目の前の人に役に立っていると実感できるような行動し、自己の幸せを増やしていきたいと思ったことを最後に、本書の感想を締めくくりたいと思います。