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哲学に対して、「何だかよく分からない」「哲学者の考えは難しそう」「多くの人は、実生活に大して役に立たない」と考えている方は多いのではないでしょうか。

特に日本ではこのようなイメージが強く、私も長らく哲学書を避けてきた一人。しかし、読み始めると、「なんとも深いことを教えてくれる素晴らしい学問だ」と気づいて以来、哲学書を定期的に手に取って読むようにしています。特に、長らく読み継がれてきた古典哲学書は深く身にしみいるものが多くあります。

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今回紹介の、超訳 ニーチェの言葉 は初めて哲学に触れてみたいと考える方にもお勧めできる超良書。現代にも通じる言葉がセレクトされているので、とにかくためになる!、生きる希望に満ち溢れた言葉がテーマ別(己、喜、生、心、友、世、人、愛、知、美)に多数紹介されています。

今回は、この中から、素敵な言葉をセレクトして紹介します。

己について

超訳 ニーチェの言葉:己について

002 自分の評判など気にするな

腹を立てないためには、自分の評判や評価など気にしてはいけない。他人がどう思っているかなんてことに関心を向けては絶対にいけない。

003 一日の終わりに反省しない

仕事を終えて、じっくりと反省する。一日が終わって、その一日を振り返って反省する。すると、自分や他人のアラが目について、ついにはウツになる。自分のだめさにも怒りを感じ、あいつは憎たらしいと思ったりする。たいていは、不快で暗い結果にたどりつく。 なぜかというと、単に疲れているからだ。疲れたときに反省してはいけない。

004 疲れたらたっぷり眠れ

自己嫌悪におちいったとき、何もかも面倒でいやになったとき、何をしてもくたびれて仕方ないとき、元気を取り戻すためには何をすべきだろう?
食事をしてたっぷりと寝るのが一番だ。しかも、いつもよりずっと多くだ。目覚めたとき、新しい力が張る別の自分になっているだろう。

007  自分の主人となれ

自制できるということは、自分をコントロールできるということだ。自分の中に巣くう欲望を自分で制御する、欲望の言いなりになったりせず、自分がちゃんと自分の行動の主人になる、ということだ。

015  自分自身を見つけたい人に

自分がどういう者であるか理解したい人は、次のような問いを自分に向け、真摯に答えてみればいい。

これまで自分が真実に愛したものは何であったか?
自分の魂を高みに上げたものが何であったか?
何が自分の心を満たし喜ばせたか?
これまでにどういうものに自分は夢中になったか?

これらの問いに答えたとき、自分の本質が明らかになるだろう。それがあなた自身だ。

世について

超訳 ニーチェの言葉:世について

088  自分の生きた意見を持つ

自分の意見を持つためには、みずから動いて自分の考えを掘り下げ、言葉にしなければならない。

089  見かけにだまされない

道徳的なふるまいをする人が、本当に道徳的であるとは限らない。 というのも、道徳に服従しているだけかもしれないからだ。自分では何も考えず、世間体のためだけに単に従っているのかもしれない。 あるいは、思い上がりからそうしているのかもしれない。無力あきらめている可能性もあるし、面倒だからあえて道徳的なふるまいをしているのかもしれない。

093  人が認める理由

あることを人が認める、その場合は三つある。
まずは、その事について何も知らないから。次には、それが世にありふれているように見えるから。そして三つ目は、すでにその事実が起こってしまっているから。
もはや、そのことが善悪のどちらなのかとか、どんな利害が生まれるのかとか、どんな正当な理由があるかなどということは、認める基準にならないのだ。 こうして多くの人が、因習や伝統や政治を認めることになる。

103  ニセ教師の教えること

よく考えてみよう。ニセ教師の教えることは、すべて価値判断だ。 人間と事物についての本質の見方など、これっぽっちも教えてくれはしない。 こうして人生の本質すらわからずに生きていっていいのかな。

104  危険なとき

車に轢かれる危険が最も大きいのは、一台目の車をうまくよけた直後だ。
同じように、仕事においても日常生活においても、問題やトラブルをうまく処理して安心から気をゆるめたときにこそ、次の危険が迫っている可能性が高い。

人について

超訳 ニーチェの言葉:人について

112  心理を考えて伝える

人に物事を伝えるときにはコツがある。新しい出来事や相手が驚きそうな事柄を伝えるときは、いかにもそれが周知の少し古い事柄であるかのように話して伝えるのだ。すると、相手はすんなりと受け取るようになる。
こうしないで新しい出来事を教えると、相手はそれを自分が知っていなかったことに劣等感を覚え、そこから来る怒りを相手にぶつけるようになる。こうなると、相手に伝えなければならない事柄も、まともに受け取ってもらえなくなるのだ。

119  体験だけでは足りない

確かに体験は重要だ。体験によって人は成長することができる。しかし、さまざまな体験を多くしたからといって、他の人よりもすぐれていると言うことはできない。
体験しても、あとでよく考察しなかったら、何にもならないのだ。どんな体験をしても、深く考えてみることがなければ、よく噛まずに食べて下痢をくり返すようなことになる。つまり、体験から何も学べていないし、何も身につかないということだ。

149  所有の奴隷

人生には、金銭も快適な住居も健康で豊かな食事も必要だ。それらを手にすることによって、人は独立し、自由に生きることができる。 ところが、そういった所有が度を越すと、一転して人は所有欲の奴隷になってしまう。所有するために人生の時間をついやし、休息の時間まで交際に拘束され、組織にあやつられ、あげくのはては国家にまで縛られてしまうのだ。
人生とは、限りなく多く所有する競争のために与えられた時間ではないはずだ。

知について

超訳 ニーチェの言葉:世について

176  本能という知性が命を救う

わたしたちは、本能を動物的なもの、野蛮なものとみなしがちだが、本能は確実にわたしたちの生命を救う働きだけをする。本能は大いなる救済の知性であり、誰にでも備わっているものだ。
だから、本能こそ知性の頂点に立ち、最も知性的なものだと言えるだろう。

177  本質を見分ける

見せかけの量の多さや圧倒的な迫力に騙されてはいけない。何が人間にとって意味と価値のある質であるのか。本質を見分ける眼を持つことが極めて大切なのだ。

178  視点を変える

何が善であり何が悪であるのか、人間としての倫理とはどういうものか、という定義は、その時代によって正反対になるほど異なっている。(略)

視点を変えるとはこういうことだ。相手や状況を想像してみることだけが視点の変換ではない。古い時代の事柄を学ぶことも、視点を変えるのに大いに役立つののだ。

179  人間的な善と悪

悪とは何か。人をはずかしめることだ。 最も人間的なこととは何か。どんな人にも恥ずかしい思いをさせないことだ。 そして、人が得る自由とは何か。どんな行為をしても、自分に恥じない状態になることだ。

180  勉強はよく生きることの土台となる

何の役にも立たなさそうに見える今の勉強ひとつでさえ、自分が人間としてよく生きていくことの土台となっていくと言える。

181  真理の論拠

これが真理だということを、情熱の熱さで測るな。情熱がより大きいからといって、それが真理だという証拠にはならない。しかし、そのように感じる人は少なくない。

183  読むべき書物

わたしたちが読むべき本とは、次のようなものだ。
読む前と読んだあとでは世界がまったくちがって見えるような本。
わたしたちをこの世の彼方へと連れさってくれる本。
読んだことでわたしたちの心が洗われたことに気づかせるような本。
新しい知恵と勇気を与えてくれる本。
愛や美について新しい認識、新しい眼を与えてくれる本。

185  古典を読む利益

おおむね読書はたくさんの益をもたらしてくれる。古典は特に滋養に富んでいる。 古い本を読むことで、わたしたちは今の時代から大きく遠ざかる。まったく見知らぬ外国の世界に行くこともできる。 そうして現実に戻ったとき、何が起こるか。現代の全体の姿が今までよりも鮮明に見えてくるのだ。こうしてわたしたちは、新しい視点を持ち、新しい仕方で現代にアプローチできるようになる。行き詰まったときの古典は、知性への特効薬だ。

186  真の教育者は解放する

あなたがいきいきと自由に、活発に、能力を存分に発揮できるようにさせてくれる人こそがあなたの本当の教育者であり、そこがあなたの学校だということだ。

190  学ぶ意志のある人は退屈を感じない

学び、知識を積み、知識を今なお教養と知恵に高め続けているような人は、退屈を感じなくなる。あらゆる事柄が以前にもましていっそう興味深くなってくるからだ。
他の人と同じように見聞していても、そういう人はふつうの事柄から教訓やヒントを容易に見出したり、考えの隙間を埋めるものを発見したりする。

192  プロフェッショナルになりたいなら

何かのプロフェッショナルになろうとするのなら、あらかじめ克服しておかなければならないことがある。 それは、性急さ、短気さ、意趣返しなどを含めた報復欲、情欲といったものだ。 自分の中に潜んでいるこれらを容易に排斥できたり、コントロールできるようになってから、事に取りかからないといけない。

196  離れて初めて把握できる

モネが描くような点描画は、間近で見ても何がそこに表現されているのかわからない。離れた場所から鑑賞して初めてそこに描かれているものの輪郭がわかってくる。
この手法は、複雑なものを単純化するということだ。思想家と呼ばれるような人は、まずはこの方法を使って、こみいった事柄から太い枠になるものを取り出して単純化し、誰の目にも見やすくするのだ。

197  自分の哲学を持つな

「哲学を持つ」と一般的に言う場合、ある固まった態度や見解を持つことを意味している。しかしそれは、自分を画一化するようなものだ。 そんな哲学を持つよりも、そのつどの人生が語りかけてくるささやかな声に耳を傾けるほうがましだ。そのほうが物事や生活の本質がよく見えてくるからだ。 それこそ、哲学するということにほかならない。

201  徹底的に体験しよう

勉強をして本を読むだけで賢くなれはしない。さまざまな体験をすることによって人は賢くなる。もちろん、すべての体験が安全だというわけではない。
体験しているときはその事柄に没頭することが肝心だ。途中で自分の体験について冷静に観察するのはよくない。そうでないと、しっかりと全体を体験したことにはならないからだ。 反省だの観察だのといったことは、体験のあとでなされるべきだ。そこからようやく智慧というものが生まれてくるのだから。

202  考えは言葉の質と量で決まる

わたしたちはいつも自分が持ち合わせている言葉で考えを表現しているのだ。つまり、持ち合わせの言葉が貧しければ、表現も貧しくなっているし、考えや感情を本当は充分に表しているとは言えない。 同時にまた、その言葉の質と量が自分の考えや心を決めてもいる。語ご彙いの少ない人は、考えも心の持ち方もがさつになるという具合にだ。
だから、すぐれた人々との会話や読書、勉強によって言葉の質と量を増やすことは、自然と自分の考えや心を豊かにすることになるのだ。

205  賢さは顔と体に表れる

賢明に考える習慣を持つと、そのうちに顔が賢そうな輝きに満ちてくる。表情ばかりか、体の見た目も賢そうになってくるのだ。どのような精神を持つかによって、人間の外観もまた変わるのだ。元気な人が活発に歩くように、悲しみと失意を秘めた人がとぼとぼと歩くように。

212  現実と本質の両方を見る

物事の本質を見ようとする場合は、現実のみを見ていてはならない。現実の向こう側にある普遍的なもの、抽象的なものが何であるのか、つかまえることのできる視線を持たなければならないのだ

美について

超訳 ニーチェの言葉:美について

215  理想や夢を捨てない

理想を捨てるな。自分の魂の中にいる英雄を捨てるな。
いつのまにか理想や夢を捨ててしまったりすると、理想や夢を口にする他人や若者を嘲笑する心根を持つようになってしまう。心がそねみや嫉妬だけに染まり、濁ってしまう。向上する力や克己心もまた、一緒に捨て去られてしまう。 よく生きるために、自分を侮蔑しないためにも、理想や夢を決して捨ててはならない。

216  自分の中にある高い自己

高い自己に、ふと出会う日がある。いつもの自分ではなく、もっと澄みきった高級な自分自身が今ここにいるのだということに、恩寵のように気づく瞬間がある。 その瞬間を、大切にするように。

最後に

今回は、超訳 ニーチェの言葉から、特に心にとどめておきたいと感じた言葉を紹介しました。
読みやすくスラスラ読めて、読み終わった後に、穏やかな感動が得られます。是非、本書を手に取って通読されることをお勧めします。

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