【書評】仕事論(水曜どうでしょうディレクター 藤村 忠寿 , 嬉野 雅道 著)(★3)
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「社畜をやめて独立しよう」「もっと自由に仕事しよう」

最近、働き方論について語られる時、
・組織を離れて独立せよ!
・会社に搾取されることなく、自分らしく生きよ!
・昔より、フリーで働くことは簡単
と、会社員としての働き方を暗に否定、或いは、真っ向から否定するような働き方を支持する論調が多い。

しかし、そんなことないよと、会社員、組織人としての働き方について語られる本書「仕事論」

著者は、伝説の北海道のローカル番組『水曜どうでしょう』の二人の名物ディレクターである、藤村 忠寿さんと嬉野 雅道さん。枠にとらわれない斬新な番組は、口コミで評判が広がり、今や全国で放送される超人気番組です。

彼らは皆に支持される番組を、どんな仕事観をもって作ってきたのか?
組織人としてやりたいことで成果を出すための「自分勝手」な思考法を熱く語っています。

独立は、それまでと違う組織に移るだけのこと

独立すると言う事はそれまでとは違う組織に移るというだけのことで、1人で生きていくということじゃない。

組織を飛び出せ!との風潮の世の中に対し、「組織を離れていくと行くのはデメリットが大きいと思う」と語る藤村さん。

フリーで働く人、組織に依存していない人がかっこよく見えるのは、人とは違う本来の形ではないから。ただ、みんなそれに憧れてしまっているだけなんじゃないのか?と疑問を投げかけます。

フリーであっても、ただ一人で仕事をしているだけでなく、人とつながり一つの仕事を完成させていくものです。まずは、組織ありきで考えるところからスタートしないと、組織を離れた瞬間、道をふみ外してしまう危険もあると意見します。

会社の愚痴は家庭の愚痴と変わらない

よく、「私はこんな仕事をするためにこの会社にはいったんじゃない」と愚痴る人がいます。しかし、「こんな仕事したくないなんて言っているのは、なんで俺が(家庭で)ゴミを出さなきゃいけないんだ」と言っているのと同じレベルではないの?と藤村さんは疑問を投げかけます。

いやいややるっていうのは、結局、指示待ち人間と同じなんです。

20代はやりたいことがわからない

20代の若者はやりたいなんてすぐにわからない。20代は会社に慣れる時間、学びの時間、経験を積む時間なのです。決して無駄な時間ではありません。経験を積んでいけば、「我慢して仕事をする時期にどんな意味があるか」って言うことをがわかる時が必ずきます。

一方で、「ワークライフバランス」とか「オンとオフを切り替える」という考えがあります。こんな考えが通用するのは、30代前半まで。自分で考えて自分で判断していく仕事は、最終的に「人生」と重なってくもの。オン/オフの関係じゃなくて、あなたの人生そのものに重なってくのです。

40代以降になればそれがはっきりする。ちゃんと仕事をしていれば、仕事に責任を持つみたいな言い方をする必要なく、自分が仕事の中で生かされていると言う実感を持てるようになるはずです。

目指すべきは会社との共生関係

今の会社は腐ってるから、会社を変えなきゃダメ、と思っている若い人は多いと思います。

しかし、会社員なら会社を上手に利用するという考えを持つ方が大事。会社を変えようとするのではなく、利用しようと言う意識を持ちましょう。

会社員をやめると改めて痛切に感じることの一つに「会社の名刺と役職」があります。多くの人は、肩書を背負っているからこそいろんな人と出会えるのです。

どんな関係性においても、一方がメリットを利用するだけでは成り立ちません。共生関係みたいなものを作っていくことが、本来会社に大切なのではないか?と二人は語ります。

「やりたいこと」と「稼ぐこと」

「楽しいことだけやっていればお金なんかいらない」なんて言う方、いますよね。しかし、そんな考えは他人を不幸にします。

お金を稼ぐことだけが目的ではありませんが、人間関係を成り立たせるためにお金は必要と考えるべきです。

所感

最近よくある働き方本とは違う著者らの「仕事論」はいかがだったでしょうか。

会社の仕事に不満があるなら、まずは、いろんな人の考え方に増えてみては?あなたの働き方を変えるヒントがあるはずですから。

仕事論