私たちは「投資」というと「お金を投じること」を思い浮かべ、いかに稼ぐかと情報を探し求めます。
しかし、投資には、頭脳を鍛える自己投資、経験を高める自己投資、お金を投じる資産投資の3つがあります。金銭的にも豊かになるためには、最初の2つ「頭脳資産」「経験資産」から高めないと、一生お金に困らない人生を手に入れることはできません。
今回紹介する上岡正明さんの『投資脳』は、いわゆる「お金の投資本」ではありません。一生お金に困らない頭を手に入れるための「お金✕思考・行動習慣改善本」です。
投資脳を手に入れるべく正しい投資姿勢で取り組めば、それは、正しい自己肯定感に・自己成長につながり、結果的にお金にも愛されます。言い換えれば、お金とどう向き合うかということは、「未来の人生への投資を通じて、自分とどうつき合うのか」ということにほかなりません。
今回は、上岡正明さんの『投資脳』からの学びを紹介します。
目次
お金も時間も自由自在になる「投資脳」
消費脳 vs 投資脳
つい、時間やお金を浪費してしまう人は「消費脳」の持ち主です。消費脳の持ち主は、今後は社会に消費される人になります。理由は、大量消費時代のモノと同じだからです
時代は、モノの大量消費⇒情報の大量消費の時代へと変わりました。そして、次にやってくるのが「AI」の時代、「人」の大量消費時代が終わり、人はAIに置き変わり、淘汰される時代です。だからこそ、「消費される人」 から「投資される人」 にならなければいけないのです。投資脳を手に入れ、3要素を手に入れていく必要があります。
「頭脳資産」:高まれば… 収入がアップ
「経験資産」:高まれば… 職場の待遇やキャリアが向上
「金融資産」:高まれば… よりよい出会いや豊かな時間が手に入る
あなたは消費脳?投資脳?
以下は、消費脳と投資脳の特徴をまとめたものです。あなたはどちらに属していますか?
消費能 | 投資能 |
・日々の消費のためだけにお金を稼ぐ ・お金の流れを考えずに毎月口座残高とにらめっこする ・他人のビジネスに雇用される選択肢しか持たない ・収入経路が1つしかない ・節税とは無縁の生活をする ・自分の経験がお金をつくることを知らない ・義務感で嫌々働く ・学んだことを行動に活かせない ・好奇心を持てない | ・消費のためには働かない ・お金の「流れ」を大切にする ・自分のビジネスを持つ ・収入の経路を複数持つ ・会社をつくって節税する ・経験がお金をつくり出すと理解している ・新しい知見を学ぶために働く ・学んだらすぐに行動する ・すべての原点はお金でなく好奇心だと知っている |
投資家リテラシーを磨け
人生は投資です。分岐ごとにリスクを負ってリターンを生み出した成果が「人生」です。「時間」、「エネルギー(労働力)」、「お金」、「知識や経験」をどう投じたかの成果が「人生」です。そして運のいいとは、目の前のチャンスを見つけられるかであり、これができれば「運のいい人」になれます。
多くの人は豊かになろうとすると、すぐに「お金儲け」を考えます。しかし、事を急いで「お金儲けのための投資」をはじめても失敗するのが関の山です。投資家リテラシーを磨くには順序があります。
❶自己投資により労働資産の効率を上げる
❷あなた自身の市場価値を高める
❸頭脳資産と経験資産にレバレッジをかけて、金融資産そのものを増やす
❹金融資産にもっと働かせる
❺これら全体にレバレッジをかけて時間とお金を複利効果で倍々にしていく
消費脳から投資脳へ、頭をつくりかえろ
投資家リテラシーのないビジネスパーソンは、相対的に市場価値がどんどん目減りしていきます。それを回避するためには、 時間やお金を使って、未来に投資できなければなりません。
まずは「時間の使い方」を見直せ
自分らしい人生を送ることを毎日考え行動ている人と、年に一度しか考えていない人では、人生に大きな差が生まれて当然です。まずは、時間の使い方を見直すことです。
・時間の切り売りは今すぐやめる
・1分1秒ごとのリターンを競う
・同じ時間を使うなら、投資リターンの大きいほうを選ぶ
・成長スピードにフォーカスする
労働時間ではなく、何のために時間を投じたかを問い、さらに、1分1秒のリターンの積み上げ力を高めること。そのためには、同じ1時間でも「投資リターン=成長スピード」が高いことに時間を投じることが求められます。
ちなみに、時間見直しのポイントは「朝」にあります。以下と書評と内容が重なるので、参考になるかと。
失敗も「経験資産」
行動した結果が失敗に終わっても構いません。壁にぶつかる経験の積み重ねが自己成長となるからです。偉大な経営者もビジネスは「一勝九敗」とおっしゃっています。
課題にぶつかったとき、人は「最適解探し」をしますが、それは「今」はわかりません。最適解探しに時間をかけすぎて時間を浪費してはいけません。ましてや「石橋をたたき過ぎて動けない」状況は本末転倒です。
「ベターな解」を積み重ねていく。「あれがベストアンサーだった」とわかるのは、行動して、過去を振り返った後です。
投資脳には「行動」が大事
お金持ちになるために必要なこと
結局のところ、お金持ちになりたければ、以下の4点が必要です。
❶いかに新しい「行動」 を積んで自分の未来を広げられるか
❷いかに新しい「行動」 をしないことによる機会損失に目を向けられるか
❸いかに早く失敗して、「行動」 の最短ルートを見つけていけるか
❹行動初期は「かかるコスト∨収入」 という投資の方程式を理解できるか
つまり、知識だけでなく行動こそが命です。結局、行動しないことには何も変わりません。
昔より「富裕層」にはなりやすい時代を活かせ
今の時代は、一昔前より、いわゆる富裕層になることは簡単になっています。いわゆる「億り人」と言われる人たちは明らかに増えています。
彼らが「億り人」に慣れたのは、積極的に「知識」を得、その時同時に「行動」を起こしたからです。投資の知識だけがあっても、お金持ちにはなれません。
行動改革!日常のルーティンをあえて崩せ
「行動」が必要でも、人はなかなか「現状」を崩せません。「現状維持(ホメオスタシス)」が働きます。特に、日本人は臆病です。
人はそもそも怖がりで臆病な生き物です。太古の時代に置いては、危険察知する能力が高くないと、生き延びることはできませんでした。現代人が、行動が大事とわかっていても、なかなかチャンレンジできないのは、スキルや経験以外に、「日常の生活から足を踏み外すのが怖い」という恐怖が関係しています。
そこで、上岡さんが提案するのが、「あえて日ごろのルーティンを崩してみる」という方法です。内的には、新しい感情の変化を積極的に受け入れ、外的には、新しい学び、出会い、環境や職場の変化させるます。
そして、居心地の良い場所「コンフォートゾーン」から、違和感を感じる「ストレッチゾーン(成長空間)」へ向かう。違和感を大事に、高みを目指しましょう。
❶まず、欲しい成果の全体像を把握して、全体をおぼろげでいいので掴む
❷その成果のために何が必要になるのか、課題解決のために投資するべき点を考える。もしくは課題を抽出しながら、行動を押し進める
❸小さく成果を出して、変化をポジティブに楽しむ
特に大事なのは、❸です。苦しくても、苦しさの後には喜びがあります。苦しみも楽しみましょう。
コンフォートゾーンの抜け出し方は以下の本も参考になります。
投資脳を高めるコツ
本書には、投資脳を高めるコツが様々紹介されています。ここでは3点をピックアップして紹介します。
揺れない軸を作るには3つを明確にしろ
前節で紹介した「ストレッチゾーン」を広げる、行くべき方向、つまり、成長のゴールを持っておくことが望ましいですが、正直進んでいる間は分からないことも多いです。
ゴールが明確でない場合は、その前段として「やりたいこと」「手に入れたいもの」「やりたくないこと」 の3つを明らかにしましょう。
この基準がしっかりしているほど、他人に左右されずチャレンジして行くことができます。そして、まずは目の前の課題を1つひとつクリアして、周囲に貢献したり、自分が成長する喜びを追求しながら、ゆっくりと自分のやりたいことを見つけていけばいいです。
インプットに時間をかけない
成長には知識のインプットが大事ですが、インプットに時間をかけてはいけません。ながらでも知識はながらで学ぶ。その代わりに、アウトプットに時間をかける。これが大事です。
私も、読書時間の7割は「ながら読書=耳読」です。
機会損失で考える
投資脳をより高めるために大事なのが、人生のすべてのものごとにおいて、機会損失になるかならないかで考える思考法です。買い物、旅行、本を読むかどうか、テレビを見るか見ないか。これらも「機会損失になるのかどうか」で取捨選択していきます。
この思考習慣で、今やるべきかやるべきではないかの判断がシンプルになります。「優先度✕緊急度」マトリクスで考えるよりも判断を加速できます。
最後に
今回は、上岡正明さんの『投資脳』からの学びを紹介しました。
本記事では割愛しましたが、勝ち続ける投資家は、いつも何を考えているのか、「頭脳資産」「経験資産」「金融資産」を増やす10のポイント、一生お金に困らない人になる「投資脳」を磨く習慣などについても、まとめられています。是非、本書を手に取って、投資脳を手に入れる参考にしてください。