富裕層」というと、どんなイメージがありますか?高級住宅に住み、高級車に乗り、ボート・セスナ機を所有し、海外リゾートでゆったり過ごすなどの生活を謳歌する贅沢な暮らしぶりでしょうか?

確かにこのような超富裕層な暮らしを満喫する方もごく一部存在します。また、代々資産家として財を継承している家系、会社経営で事業を拡大し資産を稼がれた方もいます。

しかし、一般的な会社勤めの方でも、堅実に若いうちから投資を行えば、「富裕層」というカテゴリーの仲間入りをすることも無理ではないのが、現代の富裕層です。事実、富裕層は年々増加しています。

今回は、富裕層とはいくらの資産を持つ人たちを指すのか、なぜ増えているのか、どこにいるのか、どのぐらい稼いでいるかなど、まとめて紹介します。

富裕層・超富裕層とは

まずは、富裕層とはいくらの資産を持っている人を指すのでしょうか?

純金融資産額で世帯を5つに分類

富裕層調査と言えば、最も有名なのが、野村総合研究所の調査レポートです。
このレポートでは、純金融資産保有額の金額に応じて、世帯が5分類されており、富裕層はその1つです。なお、純金融資産保有額とは、預貯金、株式、債券、投資信託、一時払い生命保険や年金保険など、世帯として保有する金融資産の合計額から負債を差し引いた額を指します。

世帯の純金融資産別分類

 超富裕層   :5億円以上
 富裕層    :1億円以上、5億円未満

 準富裕層   :5000万円以上、1億円未満
 アッパーマス層:3000万円以上、5000万円未満
 マス層    :3000万円未満

富裕層は124万世帯。50世帯に1世帯は資産1億円を保有

富裕層ピラミッド

上図は、野村総合研究所が2020年12月に発表した保有資産のランクの結果です。

これによると、日本には、1億円以上5億円未満の富裕層が124万世帯あり、これは全世帯の2.3%を占めます。2.3%と聞くと少ないようにも感じますが、これは、50世帯に1世帯が富裕層ということです。

そのように聞くと、富裕層は意外に多いという印象がないでしょうか?一方、富裕層より上位の「超富裕層」は8.7万世帯であり、全世帯の0.16%です。いわゆる、一線を画する超金持ちという人たちは、この人たちを指すのでしょう。

なお、圧倒的に多数を占めるマス層は全体の78%を占めます。

富裕層は増加。その理由は?

富裕層ピラミッド

上図は、金融資産ランク別の世帯数・金融資産額推移です。
日本でもお金持ち・貧乏の二極化が進んでいる一方で、富裕層・超富裕層が増加しています。その理由は何なのでしょうか?

増える富裕層

核家族化が進み、2005年時よりも2019年時点での世帯数が増加しているので単純に世帯数の推移で論じるのは危険ですが、それでも、富裕層、超富裕層はの世帯数・純金融資産保有額はアベノミクスが始まった後の2013年以降一貫して増加を続けています。

過去10年近くにわたって富裕層・超富裕層の世帯数及び純金融資産保有額が増加している要因は、株式などの資産価格の上昇により、富裕層超富裕層の保有資産額が増大したことに加え、金融資産を運用(投資)している準富裕層の一部が富裕層に、そして富裕層の一部が超富裕層に移行したためと分析されています。

投資でFIREを目指す層も増加

昨今、ジェネレーションZ世代を中心に世界的に「FIRE(経済的に独立してアーリーリタイア)」を目指す人が多くなりましたが、その先駆けともいえる古い本が「となりの億万長者」です。この本の中では、多くの億万長者は質素な生活をしていると解説されています。

彼らは主に、資産運用で資産を増やしています。金融資産1億円なら、普通のサラリーマンでも若いうちからコツコツと資産運用を行えば達成可能なのです。

資産運用でFIREを目指すおすすめ本

富裕層が資産運用で資産を増やすことができたのは、単に経済環境だけでなく、投資インフラ・商品ななどを含めて、人類史上とてつもなく豊かな時代に生まれた幸運があった(ある)からです。

このような恵まれた投資環境を活用すれば、誰でもミリオネアになりFIREが実現できると説く本は、ここ数年で非常に多く発刊されました。その中でも、以下は、その中でもお勧めできる本です。

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Kindle Unlimited 対象本
Audible 読み放題対象本

なお、世界的にヒットした「FIRE 最強の早期リタイア術」の方が圧倒的に高評価数が多いですが、日本人が投資でFIREを目指すなら、「日本版FIRE超入」の方が読みやすく、また、日本の非課税投資の利用方法なども書かれていておすすめです。

富裕層は日本のどこにいるのか

富裕層は日本のどこにいるのか?

では、富裕層は日本のどこにいるのでしょうか?やっぱり、東京に集中しています。

金融資産持ちは東京に多い理由

東京都内で平均金融資産が高いエリアといえば、千代田区、港区、渋谷区。そして意外と多いのが、東京23区東側の下町エリアです。

ではその理由は何でしょうか?

地道に事業を営み、資産を蓄積している中小企業のオーナーが多いことがその理由です。また、東京下町エリアの再開発が進んだことで、下町の土地持ちが資産家になったケースも多くあります。

ビジネスで資産を築く

資産運用で富裕層を目指すより、ビジネスで成功したいと考える人も多いでしょう。

昨今は、過去のように大資本がなくともビジネスができる環境も整っています。ただし、起業にはそれなりのリスクが伴います。

以下の本では、金持ちになるのには起業より、事業継承に苦しむ小さな会社をM&Aする方が、成功確率が高い→資産家・企業オーナーになれる可能性が高いよと紹介されており、一読の価値ありです。

富裕層はどのぐらい稼いでいるのか

富裕層はどのぐらい稼いでいるのか

では、富裕層はどのぐらい稼いでいるのでしょうか?

世帯年収1%は年収2000万円、上位10%は1000万円以上

国民生活基礎調査は、厚労省がまとめた、国勢調査をもとにした調査結果です。これを見ると、「世帯単位」の所得水準が分かります。

この結果を見ると、世帯年収1%は年収2000万円、上位10%は1000万円以上です。トップ1%の年収ぐらいでは、高給取りといった程度。富裕層のイメージには遠い印象です。

世の中には、もっとリッチで生活に余裕がありそうな人が多く見えますが、そういう方々は、「毎年の所得」はそこそこでも「不動産・金融商品などの資産持ち」ということなのだろうと、理解できます。

裏返せば、給料所得だけを当てにする会社員では金持ちにはなれない。投資をしたり、それを元手に事業を起こし、事業で成功しない限り、富裕層にはなれないということを、示していると言えるのではないでしょうか。

給与所得者の所得分布をはじめ、より詳細なデータは以下の記事にて紹介しているので、ご興味のある方はご確認を。

最後に

今回は、富裕層とはいくらの資産を持つ人たちを指すのか、なぜ増えているのか、どこにいるのか、どのぐらい稼いでいるか>など、まとめて紹介しました。

富裕層の動向を追い、彼らがどのような行動・思考をしているのかをまねることは、豊かで幸せな生活をするためにも極めて大事です。彼らは時代を読む力にも長けています。

自分は彼らのようにはなれないと卑下するのではなく、「彼らのようになりたい!なる!」という思考で行動しましょう。私は、そう思って日々生活しています(笑)。