
皆さん、インパクト投資という言葉をご存知でしょうか?
日本人は「インパクト=強い衝撃」を連想しますが、「好影響」という意味もあります。この後者の意味を持った「インパクト投資」とは、金銭的リターンとともに社会や環境への好影響を生み出す投資のこと。社会問題に対して、個人投資家として参加貢献できる投資であり、「経済的リターンと社会的リターンの両立を目指す新しい投資のスタイル」です。
本書の著者 伊藤 慎佐仁さんは、インパクト投資を行う「ネクストシフト株式会社」の代表によるインパクト投資の紹介本。
今回は、本書「インパクト投資」より、インパクト投資が広がってきた背景、同じく社会貢献をテーマとするESG投資、SDG投資、さらにはネクストシフトで取り扱うマイクロファイナンスについて、ポイントをまとめます。
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目次
合理化資本主義から、倫理・ストーリーを大事にする時代へ
コロナ禍で、世の中の価値観や人々の行動変化が急速に高まる昨今。大きな出来事は、特に悲劇は人々の価値観を大きく変化させるパワーを持っています。
コロナ前の金融の世界で、2つ大きなターニングポイントとなったのが、以下の2つ。
2008年:リーマンショック
2011年:東日本大震災
効率や収益を突き詰めた資本主義が行き過ぎた結果、誰もコントロールできない状況に至ってしまったのが、リーマンショックであり、原発事故でした。今現在起こる、コロナ禍で叫ばれる「医療崩壊」も医療機関の合理化・削減、さらには、過去の感染症で明らかになった提言の先送りの結果、混乱を拡大したと言ってもよいでしょう。
このような反省から起こったのが、「背景やストーリーを大切にして物を購入するという価値観」であり、「救済者への支援としての寄附」です。
社会貢献意識の高まりが変えた金融
これら社会貢献への意欲や社会課題解決への意識は、これまでにないほど世界的に高まっており、その流れは当然金融業界にも波及し、金融商品・サービスを通じて社会を変えていこうとする動きが活発です。
それが、
・環境・社会・ガバナンスに配慮した投資手法である「ESG投資」
・環境や社会へ好影響のある事業に資金を使うためにおこなう資金調達の手段である「SDGs債」
・応援したい企業にネットを通じてプロジェクトに出資する「クラウドファンディング」
などの広がりにも見られます。
金融資本主義に生きる先進国の人々が、物質的な豊かさをとことん極めた末に気が付いたのは、単なる損得ではなく、人の役に立ちたい・共感し応援したいといった「精神的な豊かさ」だったということなのでしょう。
インパクト投資とは
インパクト投資とは、クラウドファンディングの中でも、融資型クラウドファンディング(=ソーシャルレンディング)に位置付けられ、金銭的リターンとともに社会や環境への好影響を生み出す投資です。個人投資家目線で説明すれば「社会貢献になる資産運用」です。
簡単にまとめると以下のような特徴を持ちます。
●リターンは利回りによるインカムゲイン
●株式投資のように大きな値上がり益は期待できないが、安定した収益を得ることが可能
●株式ではなく具体的な事業への投資
インパクト投資の評価軸は3つ
投資は通常、リスクとリターンの2軸で捉えますが、インパクト投資はリスク、リターンにインパクトを加えた3つの軸で投資を考えます。社会課題の解決を公的支援だけに頼らず、民間の知恵や投資家の力も借りて進めていくという考えから生まれています。故、国や自治体といった公的機関、民間企業、投資家の三者が連携し社会課題の解決を図る新しい仕組みといわれています。
インパクト投資派リスク・リターン・インパクトの3軸
投資対象は、
・貧困削減・所得向上に貢献するマイクロファイナンス
・太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギー事業への投資
・低所得者向けの優良住宅への投資
など多様です。

ESG投資とインパクト投資
最近、投資の世界でよく耳にする「ESG投資」。
ESG投資とは、投資基準にE(environment = 環境)、S(social = 社会)、G(governance = 企業統治)を組み込んだものです。企業が、環境・社会・倫理といった側面で社会的に責任を果たしているかを財務的な要素とともに分析し、その企業に投資をおこないます。
日本でも金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が2015年よりEGCに配慮した投資を積極的に行っています。
ESG投資とインパクト投資の投資判断の違い
ESG投資において、E/S/Gの中で最も投資家が投資判断として特に注目するポイントは、ESGの中のG(ガバナンス=企業統治)です。組織ぐるみの不正や経営者の暴走による企業への損失を防ぐという観点からだけでなく、ガバナンス機能の高さと株価は連動しているケースが多々あるからです。
一方、インパクト投資の場合は、投資判断にガバナンスはありません。
ESG投資とインパクト投資のリターンの違い
インパクト投資とESG投資はリターンの形も違っています。インパクト投資は融資やプロジェクトに対して投資をおこない、利回り(分配金)でリターンを得るものが主流である「インカムゲイン型」。それに対してESGは「キャピタルゲイン型」です。
SDGsとインパクト投資
ESGと同様によく聞くのが、SDGsという言葉です。
SDGsとは「Sustainable Development Goals=持続可能な開発目標」のこと。貧困に終止符を打つため、経済成長を促し、教育、健康、社会的保護、雇用機会といった幅広い社会的ニーズを満たしながら、気候変動と環境保護に取り組むことが必要とする取り組みです。
どのような目標を掲げているかは以下をご確認ください。
SDGsとマイクロファイナンスの密接な関係
インパクト投資の投資対象であるマイクロファイナンスは、SDGsへの貢献がとてもわかりやすい事例です。 継続的に収入を増加させることができるマイクロファイナンスは、貧困をなくす解決策になります。
SDGsの17のテーマの内、マイクロファイナンスは以下の取り組みを目指しています。
・貧困層への融資 →ゴール1:貧困をなくそう
・融資対象に農家(農業) →ゴール2:飢餓をゼロへ
・貧困層の所得向上、医療・保険分野への融資 →ゴール3:すべての人に健康と福祉を
・努力が報われる環境の提供、生産性の向上 →ゴール8:働きがいも経済成長も
ネクストシフトの取り組み
ネクストシフトが現在特に力を入れている投資対象はマイクロファイナンスです。
マイクロファイナンスとは、所得が少ない状況から経済的自立を求めて、事業をしようとする人、事業を拡大しようとする人に対する融資です。いわゆる種銭を融資することに意義があり、まさに自立を助ける金融の仕組みです。
マイクロファイナンスに力を入れている理由
理由の1つは、現地で実際に融資を受ける人の顔が見えるため、投資家の方が社会貢献していることを実感しやすい投資であること、2つは、投資家へインカムゲインとして堅実にリターンを提供しやすい投資対象であるからです。
新興国へのマイクロファイナンスへの投資は、現地の金融機関であるマイクロファイナンス機関(MFI)に対する融資を対象とし、MFIからの定期的な利息の受け取りと、元本の返済が投資家へのリターンとなります。
投資リスク
マイクロファイナンス投資は、ミドルリスク・ミドルリターンの投資商品で、同様の分類には投資信託や不動産投資などが上げられます。しかし、新興国への投資、特に低所得者への融資を対象にした投資と聞くと不安を抱く方が多いと思います、それは、新興国に対する間違ったイメージでしょう。
投資ですから、リスクは必ずあります。投資リスクには次のようなものが挙げられます。
●為替変動リスク
●カントリーリスク
●債務者の信用リスク
●流動性のリスク
●当初予定されていたとおりの時期に対象債権が取得されないリスク
●本営業者の財産状況の変化等による損失のリスク
ネクストシフトではこのようなリスクを軽減するために、
・投資は、投資国(新興国)の通貨ではなく、取引量の多い米国ドルで投資
・投資相手も、現地の金融機関であるマイクロファイナンス機関
とすることで、リスク軽減を図っています。
リスクと向き合うには投資国をよく知ることが基本ですが、それ以前にその国に親近感を持っているかどうかは大きなポイントです。情報を収集するにも国を理解するにも、親近感があるとないとでは、情報の入り方が違います。
以下は、株式投資との比較表です。
投資家の動向&上手な投資法
現在、ネクストシフトのマイクロファイナンス投資に参加する投資家の、1回あたりの投資額は平均20万円程度です。何度も投資される投資家も増えているため、一人当たりの平均投資金額はもっと上がります。
新興国を対象とするマイクロファイナンスでは、為替リスクが必ず伴いますが、為替の行方を正確に予測することはできません。
為替変動リスクを考えると、投資機会を分けたほうが為替の影響は少なくなります。これにより、外貨預金や投資信託の購入法でドルコスト平均法と同等の効果が見込めます。
最後に
今回は、伊藤 慎佐仁さんの「インパクト投資」を紹介しました。
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コロナをきっかけに、クラウドファンディングは共感の上に成り立つ社会貢献性の高い投資として非常に注目を集めています。インパクト投資に限らず、「お金がないけど実現の夢を叶えたい企業」と「眠っているお金を運用したい」「価値ある技術を支援したい」という人とをつなぐ場として、規模も拡大しています。
今は、銀行にただお金を預けていても利息は付かない時代です。企業の応援をしながら、しっかりリターンも得るミドルリターン・ミドルリスク投資、1万円からでもはじめられる投資として投資の検討をしてみてはいかがでしょうか。

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