【書評/要約】極上のおひとり死(松原惇子 著)(★4) 「孤独死」ではない、ひとりの新しい死に方

死は自分では決められない。ある意味、考えても仕方がない。お墓や葬儀の仕方を決めていても、そのようになるとは限らない実例は山ほど存在します。

2040年には、独身者が人口の5割になり、既婚者(64歳まで)は3割に減少するという予測もある通り、既婚者も離婚・死別などにより、誰もが「おひとりさま」になる可能性があるのがこれからの未来です。

現代社会では、老後、極力人の世話にならずに死にたいと考えるが増えましたが、納骨含め、人の手を借りずに死ぬ・仕舞うことはできないのも事実です。

では、どのように「おひとりさまの死」に備えたらいいのか。

「死」にも備えが必要です。今回は松原惇子さんの本「極上のおひとり死」からの学びを紹介します。

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誰もがもつべき「おひとり死」の覚悟

【書評/要約】極上のおひとり死(松原惇子 著):「おひとり死」の覚悟

現在のおひとりさま世帯の状況

日本の将来を考えるとき「少子高齢化」が大きな問題とされますが、実はそれ以上に進むのが、高齢者よりも独身者が多い「独身国家」です。

2040年、独身が47%で一人暮らしの世帯が4~5割となるとの予測もあり、この時、夫婦と子どもの標準世帯は23%にまで低下します。

「一人で生きる」が当たり前になる社会とはどういうものなのかについては、以下の書評を参考にしてください。

「死に方」を考える

おひとりさまで、老後を生きるには、自分の老い方・死に方について考えておく必要があります。

わたしはひとりをどう生きたらいいのか。
ひとりをどう老いたらいいのか。
人にはそれぞれの生き方があるが、わたしにとってのよい生き方とは何か。

つまり、「老い方」「死に方」を考えるとは、「生き方」を考える ことです。

「ひとりで死ぬ」を自分のこととして受け止めて、謙虚に勉強することが必要です。

「孤独死」と「おひとり死」

最後まで誰の迷惑にもならずに死んでいきたい

生涯、シングルを通し続けた人にとって、上記は共通の想いであり「理想」です。本書ではこれを実現する死を「おひとり死」と命名しています。ひとりで生き、ひとりで自分の人生を完結させたうえでの「死」です。

ただ、「孤独死だけは嫌だ」とも考えています。ここで言う、「孤独死」というのは、死後、すぐに発見されずに長く放置される死です。「孤独死」と「おひとり死」は違います。

「孤独」こそ「おひとり死」を極上にする

【書評/要約】極上のおひとり死(松原惇子 著):「孤独」こそ「おひとり死」を極上にする

生きているときもひとり。死ぬときもひとり。凛として生きて死ぬ。これが「おひとり死」です。極上の「おひとり死」をするためには、孤独とともに、ひとりでどう生きてきて、死に至るのかを考えることが大事です。

なぜひとりは寂しいと思うのか

日本人は孤独を嫌う民族なのか、ひとりでいる人を寂しいと決めつけ、孤独を避けようとして、より「絆」にすがろうとします。では、なぜ、寂しいと感じるのか。

人を欲さなければ、ひとりでいても寂しいという気持ちは起こらない。
若いときに、やたらと寂しくなったのは、人を欲して人で心を埋めようとしたからではないか。

松原さんは、上記のように指摘します。自分自身を振り返ってみても、若い時は仲間外れになったようで一人が不安でしたし、離婚した時も猛烈に寂しいと思いました。しかし、今、ひとりが寂しいとは全く思わなくなりました。

理由は、一人であることが寂しさではなく開放感に変わったからです。この上なく自由だと感じたからです。その感覚は、年齢を重ね、経験を重ねたからこそ、達した境地です。

高齢のひとり暮らしは寂しいと決めつけるのは、間違いです。他人からは不幸に見えようが、自分が幸福ならそれでいいのです。結局は、幸せは考え方次第で手に入ります。

人間は本来ひとり。人間として自立する

日本では「自立」と「孤独」を別扱いします。しかし、ドイツでは、「自立」と「孤独」はセットであり、「人は孤独なのが当たり前」という考え方を誰もが持っています。

彼らは、早い時期から、自分の行き先を考え、決断し、自立して社会で生きることを求められて育ちます。孤独についても子供の頃から学び、身につけています。日本人も『人間は本来ひとり』と受け入れることが大事です。

老人ホームに頼る?

老後の不安を解消する一つの方法に老人ホームがあります。有料老人ホームを選ぶとき、人は環境・部屋の広さ・大浴場・食堂などハード面に目が行きがちです。しかし、最も大事なことは、「どういう人が管理しているのか」だそうです。

結局のところ、老人ホームに居心地の良さは、施設ではなく「人」です。ただし、これを、老人ホームの入所前に見抜くことは、極めて困難です。

居心地の良さは入居体験などを利用して、入居者に質問してみればいいのでは、と思いますが、後で管理者に知れると不具合が起きるので「いいところですよ」という人も多いそうです。

松原さんは、「老人ホームなど、他人に身を預けるというのは、管理者の命令に従うことなのかもしれない。」とおっしゃいます。そんな老後、私は望みません。

極力、人に迷惑をかけずに、きれいさっぱり死ぬには

【書評/要約】極上のおひとり死(松原惇子 著):極力、人に迷惑をかけずに、きれいさっぱり死ぬには

最後の最後は、人に迷惑をかけざるを得ません。そのために、知っておきたいことをまとめておきます。

思い通りの「おひとり死」の実現に大事なこと

数多くの老人の死を見てきた松原さんは、以下の点に気をつけようとアドバイスします。

「おひとり死」に大切なこと

❶遺言書作成をあと回しにしない
❷近所に信頼できる人をつくる(遠くの親類より近くの他人、深い絆より、ゆるい助け合い)
❸現金10万円を枕の下に置いておく(何かあったときに、すぐに人に依頼できる準備)

この点を含めて、知っておくといいことを以下でまとめます。

身元保証人を要求されたらどうするか

おひとりさまが抱える多くな問題の一つが、「身元元保証人(身元引受人)」です。
❶賃貸住宅の契約
❷介護施設・有料老人ホームに入所 等
❸入院・手術時

ひとり身で高齢の場合、身内の保証人を立てるのは非常に難しい。賃貸住宅の場合は、お金を払って保証会社を利用するなどの手段がありますが、❷❸の場合は、そういうわけにはいきません。

❸の場合、病院が保証させたいのは、入院費や医療費の支払い保証、手術や治療に対する同意・死亡時の手続きです。身内のないひとりの人で、他に保証人を頼めるような人もいない場合は、まずは、「身内はいない」で押し切ろうと松原さんはアドバイスします。それでもダメなら、「治療費を先に預ける」交渉してみましょう。それでもだめなら、多分、その病院は患者に優しくないです。

死後処理を誰に頼むか

遺骨は自分では運べません。ほんとうに一人の場合は、身元保証を仕事にしているNPOなどに依頼すれば、公正証書遺言を書くことと指定のお金を支払うことで、火葬から葬儀、遺骨運びから死亡通知まで、あなたが不安に思っていることをすべてやってくれるそうです。ただし、安心を買うには「お金」が必要ですから、サービス内容・費用を把握しておく必要があります。

おひとりさまで、親も子供も配偶者もいない場合、遺言を書いておかないと、法定相続人であるお世話にもなったこともないかもしれない兄弟姉妹に財産が相続されます。また、元々兄弟のいない人の場合は、遺言がないと、すべての財産を国に没収されかねません。

老後の世話を含め、困ったとき手を差し伸べてくれた人に財産を引き継ぎたいと思うなら、公正証書を書いておかなければなりません。事前にお世話してくれる人にその旨を伝えておけば、困ったとき、助けてくれるはずです。

公正証書遺言の作り方

公正証書遺言とは、公証役場で公証人によって作成してもらう遺言のことです。

公正証書遺言を作るときの手数料は、財産の価額によって細かく定められています。法定相続人の人数によって、以下の金額が掛算で必要となります。詳しくは「日本公証人連合会」などのホームページなどで参考にしてください。

財産額手数料
100万円以下5,000円
500万円を超え1000万円以下17,000円
1億円越え3億円以下43,000円

まずは、人に依頼する前に、自分で遺言を書いてみることです。遺言は何度も書き換えが可能です。「おひとりさま死」を真剣に考えるきっかけにもなります。

遺言を書いて、信頼できる人に伝えておく

公正証書遺言は作って安心ではありません。公証役場は書類を作り、保管するところまでです。死後、公証役場から関係者に連絡が来るわけではありません。遺言を実行するためには、相続人のひとり(身内である必要はない)にコピーを渡しておくなどして、その存在を知らせておく必要があります。

身内でも、友達でも、「遺言執行人になれる信頼できる人」を一人は持っておくことが大事です。

死後3日以内に見つけてもらう

ひとりで住んでいる場合、死後3日ぐらいの間には見つけてもらいたいものです。
一番いいのは、ご近所さんと「みまもりネットワーク」を作ること。互いにゆるく見守り合う関係を構築すること。遠くの家族・友達では用をなしません。

都会などではそれも難しいでしょう。現在は、ネットサービスで「見守り支援」をしてくれるサービスを利用するなど、見つけてもらう手段を用意しておくことも大事ですね。
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最後に

今回は、松原惇子さんの本「極上のおひとり死」からの学びを紹介しました。
おひとりさまなら、なるべく早くから考えておきたいことです。体も頭も健康でなければ、「自分じまい」の準備はできません。老後の資金の心配もありますが、死はいつやってくるかわかりません。早くから考えておきたいですね。