【書評/要約】ロジカル筋トレ(清水忍 著)(★5) なぜ、これをやるのか?超合理的に考えてトレーニングする重要性が腹落ちしてわかる良書
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なぜ、これをやるのか──

どんな仕事も作業も闇雲にやっても非効率で、成果も出にくい。この「差」が露骨に現われるのが「筋トレ」です。

トレーニングは一つ一つには意味=ロジックがあります。目的に合ったトレーニングをロジカルに行ってこそ成果がでます。しかし、多くの人は、それを理解せず、盲目に、しかも間違ったフォームでトレーニングに励んでいます。これでは、成果は出ません。

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ではどうすればいいのか?本書では、ざんねん筋トレ」と「ロジカル筋トレ」を対比させて効果が出るトレーニング法を教えてくれます。本書は、私がこれまで読んだ筋トレ・ボディメイク本の中で、1、2を争う良書と言えるかもしれません。いかにロジカルに筋肉の役割とその動かし方・トレーニング方法を知っているかが大切かを思い知りました。

今回は、 清水忍さんの本「ロジカル筋トレ」からの学びを紹介します。

ロジカル筋トレとは何か

【書評/要約】ロジカル筋トレ(清水忍 著)

このトレーニングで何が鍛えられるのか
なぜ、ここを鍛える必要があるのか
なぜ、このフォームなのか ──

ロジカルに考えず、フォームも無視して、やみくもに筋肉を動かしても成果はなかなか出ません。必要なのは、「なぜ?」を追求した「ロジカル筋トレです。

ロジカルなしのトレーニングでは成果はでない

なぜ、これをやるのか──

仕事では「なぜやるのか」の理由を分かってやっている人とそうでない人とでは、結果に非常に大きな差がつきます。何も考えず、言われたこと・決められたメニューを日々こなしている人は、会社に使われるだけ。ビジネスマンとして、なかなか成長しませんし、成果も期待できません。

これは、筋トレ・トレーニングも同じ。

自分がやっていることが何の役に立ってどんな結果を生み出すのかを、ロジカルに日々考えて取り組んでいる人は、最短ルートで目的の身体に近づけます。

筋トレをする人がハマりやすい「3つの罠」

人には何かに熱中してくると、その行為そのものが目的になってしまう傾向があります。筋トレマニアが陥りやすいの、、「回数」「セット数」「キロ数(重量負荷)」の3つの罠です。

筋トレマニアたちは「毎日、スクワット200回」「バーベル100kg」を上げる自分に酔いしれます。しかし、「回数」を目的にすると、トレーニング終盤は乱れたフォームになります何とか回数をこなそうと、「筋肉不可の小さい手抜き・省エネ動作」になります。これでは、回数をこなしても成果は上がりません。

そもそも正しいフォームでトレーニングすると、しっかり筋肉に負荷がかかるので1回1回がハードです。フォームが乱れたら、その日のトレーニングは終える。日々、「正しくできた!」を積み上げていくことが大事です。

「Reason Why?」を常に考える

回数やキロ数の罠にハマらないためには、「reason why ── なぜ、これをやるのか」の原点に立ち返ることです。このトレーニングで自分のどんな能力が高められるのか、根拠を元に、ロジカルに筋力トレーニングを行うのです。

日本人は「なぜ、やるのか」をあまり考えない傾向があります。上司・先輩から「いいからやれ!」と言われた地獄メニューを、何も考えることなくやってしまう。「部活動のトレーニング」はその典型です。

いいからやれ!系トレーニングは、根性・忍耐力をつける目的であれば、一定の効果はあるでしょう。しかし、パフォーマンス向上に最適とは言えません。たとえ、成果が出たとしても、言われたことを言われた通りにしかやらない人は、勉強でもスポーツでも必ず伸び悩みます。

reason whyを常に問い、PDCAを考えトレーニングをする。これが成長の基本です。

鍛えるべき部位の役割をロジカルに理解する

【書評/要約】ロジカル筋トレ(清水忍 著)

効果的なトレーニング方法を学ぶ前に、まず、理解しなければいけないのは、鍛えるべき部位の役割をロジカルに理解することです。
以下では、体幹、上肢、下肢に分けて、その基本を見ていきましょう。

体幹:重要な役割は「下半身の力を上半身に伝える」こと

体幹とは、首から上、腕・足を除いた部分のことです。体幹の筋肉の、いちばん大切な役割は「下半身の力を上半身に伝える」ことです。例えば、野球の投球・打球、ゴルフなど、腰のひねりのある動作も、体幹で下半身の力を上半身に上手に伝えられてこそ、飛距離が出ます。

ただ単に、「ガチガチのシックスパッド腹筋」を目指してもスポーツパフォーマンスは上がりません。腹筋に大事なのは、力を入れるべきときにはグッと力が入り、力を抜くべきときはスッと抜けるような「しなやかな柔軟性」です。そのためには、腹筋と対をなす腰背部の筋肉も程よいバランスで鍛えられることが大事です。

ボディメイクに必要なのはまずは食事

ボディメイク=お腹を引っ込めたい、シックスパッドを目指したいなら、まず大事なのは「体脂肪をお落とす」ことです。

この時大事なのは、運動より食事。80%の食事コントロールと20%の有酸素運動、筋トレはプラス α です。

上肢:下肢からの力をアウトプットして「結果」を出すところ

上肢の大事な役目は、下肢からの力をアウトプットして「結果」を出すことです。

腕や手は「下肢→体幹→上肢」と伝わってきたパワーをアウトプットして、具体的な結果を出す役割を担っています。

鍛え方は、「見た目向上」か「身体機能向上」のためかで、「鍛えるべき筋肉」も「とるべきトレーニング方法」も全く異なります。「身体機能重視」なら、上肢だけ鍛えてもダメで、体幹・下肢にもそれに見合うだけの強さが必要になります。

下肢:すべての力を生み出す起点

下肢は、わたしたちの体を支える「土台」であり、すべての力を生み出す起点です。

いかに「地面を強く押しこめるか」で身体パフォーマンスに差が生まれます。「走る」「ジャンプ」の能力も、足で地面を蹴った反作用の力が関係しています。

お相撲さんのトレーニング「四股」はまさに、「地面を強く押し込むことを目的とした、最も効果の高い合理的な下半身トレーニングです。
手で柱を突く「鉄砲稽古」も、実は下半身強化の理想的なトレーニング。手で柱を力強く押せば、普通は柱を押した反動によってズズッと足が後ろへ滑ってしまします。しかし、そうならないように、両足でしっかり地面を踏み込むこと(ブレーキをかける)で、強い押し出す力が生み出されます。

強い力を生む最重要ポイントは「お尻」

西洋人の「プリっ」「がっしり」としたお尻に比べて、平坦・のっぺりお尻が多い日本人。これは、日常的にお尻をあまり使わず、「つま先に体重・大腿四頭筋に負担をかける動作」を取りがちだからです。

人間が体から生み出す力の中で最も強いのが「尻から発揮される力」です。理由は、足の生え際の股関節は人体の中でももっとも可動幅が大きくダイナミックに動く関節であり、力学構造的に尻の筋肉・股関節で発揮する力が最も大きくなるはずだからです。走ったり跳んだり蹴ったりする場合も、「ケツで押し込む」が大事です。

普段から、地面を踏み込むのを意識を

歩く・立ち上がる・しゃがむといった動作の際、普段から地面を踏み込むのを意識していると、人は自然に合理的で効率のいい体の動かし方をするようになっていきます。

例えば、「階段を上る」にしても、ステップの端に「つま先」をかけて上るのではなく、「一歩一歩階段のステップを〝かかと〟で踏み込む(お尻で上がる)」ように習慣化するだけで、踏み込む反作用が利き、疲れずスイスイ階段を登れます。踏み込む反作用の力で、足も上がりやすくなります。

「ざんねん筋トレ」と「ロジカル筋トレ」

【書評/要約】ロジカル筋トレ(清水忍 著):「ざんねん筋トレ」と「ロジカル筋トレ」

さて、最後に、「ざんねん筋トレ」と「ロジカル筋トレ」の違いを見ていきましょう。

腹筋強化「クランチ」を例に、2つの筋トレの違いを確認

ざんねん筋トレ
ロジカル筋トレ

腹筋運動の代表「クランチ」。
クランチのざんねん筋トレは、頭を足のほうにグッと押し出すような動きをします。この動作では「腹筋をやっている感」がありますが、実際は腹筋への負荷が減って十分な効果は得られません。

クランチのロジカル筋トレを行うには、頭は背中と一直線に保つこと。胸から先に出すようにすると、腹直筋を思いっきり酷使することになり、結果、段違いの筋トレ効果が得られれます。

応用編として、体のひねりを加えたツイストクランでは「腹斜筋」が鍛えられますが、よく見かけるざんねん筋トレは、上体を起こした後に「フンッ」「フンッ」と体をひねる動作。これは単に、「振り向き運動」をしているだけです体をひねった状態をキープしながら、体を起こしましょう。

その他部位の鍛え方のポイント

以下は、トレーニングごとのポイントを私なりにまとめたものです。本書では具体的に、解説文と図解で非常にわかりやすく、私たちに間違った筋トレ・正しい筋トレを教えてくれます。是非、本書を手に取って確認されることをおすすめします。

トレーニング鍛えられる筋肉トレーニングのポイント
体幹 ─ 腹筋と腰背部の筋肉は固めてはいけない
クランチ腹直筋頭だけ動かすのは✕。頭は背中は一直線に
ツイストクランチ腹斜筋
腹直筋
体を起こしてからひねるは✕
上体起こしとひねりを同時に
レッグツイスト腹斜筋
骨盤まりの筋肉
左右の足がズレると骨盤が回転不足で効果が半減
両足は揃えて
デッドリフト腰背部の筋肉
脊柱起立筋
大臀筋
ハムストリング
腹直筋
腰をそらせると効果半減
体は一直線に
動かすのは「腰」ではなく「お尻=股関節」
上肢 ──胸、背中、肩、腕の筋肉が「結果」をもたらす
プッシュアップ大胸筋
前腕三頭筋
前鋸筋
腹直筋
腸腰筋
大腿四頭筋
腹筋に力を入れ、体を一直線に。
体一直線のまま、腕、脚で地面を強く押し込むのがコツ
チェストプレス大胸筋
前腕三頭筋
三角筋前部
肩を浮かせると大胸筋を鍛える効果が半減
背もたれについたままで
ベンチプレス大胸筋
前腕三頭筋
三角筋前部
ボディメイクなら肘は90度で握り、肩だけ動かす
腰をそらすのは✕
ラットプルダウン広背筋
僧帽筋など背中の筋肉
首を長くした状態キープ
肩甲骨を下げ、バーを握る位置は外側
ショルダープレス三角筋中部 肩を盛り上がらせたいなら「真上に上げる」
ダンベルカール上腕二頭筋キツさを決めるのは「ひじの位置」
ダンベルを持ち上げるときは肘を後ろ向きに引く
下肢 – 足、腰、尻の筋肉で地面を踏み込む
スクワット大臀筋
大腿四頭筋
腹直筋
ハムストリング
脊柱起立筋
内転筋
地面を踏み込むことにフォーカス
真下から真上への上下往復運動
中心軸を絶対に外さない
腰がそるのも✕
姿勢はまっすぐ、お尻はつき出さずゆっくり
ランジ腹直筋
大臀筋
大腿四頭筋
地面を強く押しこむ
体を垂直に上下移動させながら、前足で地面を押し込んでいく
「前後運動」ではなく「上下運動」
レッグプレス大臀筋
大腿四頭筋
ハムストリング
下半身の筋肉
「足」ではなく「尻」にフォーカス
板を押すことよりも、尻をシートに押し込むことを意識
お尻はシートから浮かせてはいけない
レッグカールハムストリングハムストリングスは「外側1本」「内側2本」の3本の筋肉で構成
つま先の向きによってどちら側の筋肉が鍛えられるかが変わる
つま先を揃えてまっすぐ上向きにすれば、O脚・X脚の改善も
レッグエクステンション大腿四頭筋上体を後方へ倒した姿勢で行なうと4つの筋肉に利く
軽い負荷でもいいので膝をまっすぐ伸ばす
胸をはり頭-腰は一直線に

以下の図を見ると「ハムストリング」がありませんが、
ハムストリングは、おしりの付け根から太ももの裏側、太ももから膝裏周辺にある、3つの筋肉(大腿二頭筋、半膜様筋、半腱様筋)の総称です。

画像:QLIFE

最後に

今回は、 清水忍さんの本「ロジカル筋トレ」からの学びを紹介しました。
冒頭でも述べた通り、私にとっては、これまで読んだ筋トレ・ボディメイク本の中で、1、2を争う良書でした。いかにロジカルに筋肉の役割とその動かし方・トレーニング方法を知っているかが大切かを思い知りました。

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上記では紹介しきれていませんが、「ロジカル筋トレはl人生さえ変える大きな力があること」も、非常に説得力のあるロジカルな解説で紹介されています。

筋トレ・ボディメイクを目指す人は、絶対に読んだ方がいいです。