【書評】影響力を数値化 ヒットを生み出す「共感マーケティング」のすすめ(福田 晃一 著)(★4)

現代社会において、大きな影響力をもつインフルエンサー。
彼のSNSによる発信でモノが売れるのはよく知られるところですが、その影響力のもととなっているのがインフルエンサーを支持するフォロワーの「共感」です。

さて、今回紹介する著書「共感マーケティング」はインフルエンサー・マーケティングを成功に導く指南書。対象SNSはInstagramマーケティングでインフルエンサーがフォロワーに与える影響の構造がわかりやすく解説されています。

インフルエンサーよりも、SNSを活用したい企業のマーケティング担当者、販売責任者、経営者に必読の書です。

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Instagram:共感をベースとするメディア

最初は、FacebookやTwitterに比べて、マーケティング手段としてあまり評価されてこなかったInstagram。しかし、2015年から2017年の2年間でユーザー数が大幅に増え、キャズムを超えたことで、総合的なビジュアルコミュニケーションプラットフォームに変化。プラットフォームにUPされる、投稿者の写真を通じて彼らに憧れを抱くなど、「共感」をベースとした強い関係が築かれることで、マーケティングメディアとしても大きく成長しました。

もはや、彼らの口コミの力を利用した口コミ力は決して無視できず、多くの企業が、インフルエンサーを利用したマーケティングを実施しています。

Instagramの前提にある購入&体験

Instagram上の投稿は「誰かの体験の結果」。これは欠かせない大きなポイントです。

「体験して投稿する」前には、「購入」というアクションが含まれます。影響力がある人が彼らの生活を通じて、使用してメディアにUPした商材には当然のことながら、興味が生まれ、使ってみたいという気持ちが生まれます。
SNSには生活のこうした「UP前の購入・体験」という独自の行動様式があふれているのです。

Instagramとマーケティング

どんなに時代が変わろうと、テクノロジーが進化し、購入に至る経緯は変化しています。ボタン1つで購入しているように見えても、そこに行き着くには複雑な背景があります。

しかし、「商いは人と人の間で起こる」という売買の基本は変わることがありません。
売りたいと考える人は、選ばれるために様々な手段を講じます。そして得るために「買いたいと思わせる相対的な好意」の創出を目指します。

共感を原動力にして生まれる〝雰囲気売れ〟

共感が広がり売れてく。

そこには誰でも通用する絶対的なものはありません。極めて個人的な関係です。

マーケティングとは、こうした人それぞれの行為を作るための戦略的活動の総称です。生活が多様化する現代では、この活動は困難の一途をたどっています。
Instagramを使ったマーケティングもこの関係を作るための一つの手段です。Instagramはここで「共感力」という力=インフルエンサーへの信頼がベースにあることは、買いたい気持ちを構築する上で非常に強い力を持つのです。

共感指数

では、Aという特定の商品を売るために、フォロワー数の多いインフルエンサーなら誰でもいいかといえば、そんなことはありません。

ここで著者らが考案したのが「共感指数」。共感を数値で評価する新たな指標です。

共感を構成する5つの指標として、「範囲」「承認」「発見」「参考」「印象」を指標に数値化します。

定性的で感覚でしか捉えられなかったものをなんとか数値に落とし込んでる感はあるものの、一つの指標としては大いに参考になる指標です。今まで暗黙知でとらえられたものが数値化されることで、マーケターが、これまえ以上にInstagramを活用しやすくなります。

具体的な指標の活用方法

本書では、豊富な事例を通して「共感指数」という独自の評価指標を使い、
・それぞれのマーケティング活動に最適なインフルエンサーを選び出す方法
・効果の高いクリエイティブを生み出す方法
・SNSで消費に影響力を発揮するのは「感性に共感」できる人による投稿
など、SNSをマーケティングに活用し活用したマーケターに役立つ情報が具体的に紹介されています。

まとめ

以上、著書「共感マーケティング」について紹介しました。

本書は、商品を告知し売り上げを伸ばしたい企業マーケターの必読書と書きましたが、その活用方法は、インフルエンサー、そして、未来のインフルエンサーを目指す人に大いに役立ちます。

最新のマーケティング戦略には、Instagramにとどまらず、サイト、ブログ、facebook、Twitterに活用できるヒントがあるはずです。