無から有は生じない!まずは「記憶」が大事

能率よくものごとを処理しようという場合、或いは、物事をよりよい形で推し進めようとするとき、まず必要なのはなんだと思いますか?

まず必要となるのは「記憶力」であると語るのが本書の著者。
無から有は生じません。まず、基本的な「記憶力」を蓄えておかないと、何かを「作り出す」作り出すことはできません。
豊かな想像力・推察力の持ち主の記憶脳には、データベースとしての「知識」が詰まっています。どんなに優れたアイデアも「最初に記憶力」があって生み出されるのです。

本書では、前半で記憶のメカニズムと、そのメカニズムに沿ったより効率的な記憶法について解説。後半で、その具体的なトレーニング方法が設問形式でまとめられています。

記憶力がいい人は、特別に頭がいいのか?

本当に「記憶」をするためには、以下の3津の連携が必須です。
1.過去の事柄を心の中に記銘し
2.さらに保持し、
3.再認、再生すること

勉強でも仕事でも驚くほど記憶がいい人がいますが、そういう人は特別に頭がいいというよりも、記憶のトレーニングを日ごろから重ねることによって、頭脳がますます記憶のやり方に慣れ、結果として記憶力がよくなっているのです。

記憶に大切な基本的なこと

1.記憶力には「自信」が不可欠
自信を持たないと脳細胞の活動に抑制がかかり、脳細胞が低下することが、様々な実験例から証明されています。つまり、「私は記憶力が悪い」との思いが、脳細胞のか活動を抑制します。絶対覚えられるという自信が不可欠です。

2.脳の活性化のために感動しよう
無感動な人間の脳が活発に働いているはずはなく、記憶も悪くなります。自ら欲求が起こって記憶したものは機械的に丸暗記したものと比べ、その持久力も違ってきます。

3.必ず「意味」を付けて記憶せよ
エビングハウスの忘却曲線で知られる通り、無意味な記憶は1時間以内に60数%も忘れてしまいます。そのために、何かと関連付けて覚えることが大事です。

4.覚えた後に睡眠をとる
記憶した直後に寝た方が、目を覚ましていた場合より忘れる率が低いことが、実験の結果、明らかになっています。。睡眠中は積極的な疲労回復があるだけでなく、外から入ってくる情報が一番少なく、2倍も記憶の保持がよくなります。

5.五官をフル動員して記憶すべし

6.反復を繰り返せば記憶はグンとアップする

7.全く異なる分野のものを交互に覚えよう

8.年齢に合わせた記憶法を選ぼう
12,3歳頃までは機械的記憶法が、それを過ぎると「図式的記憶法」を行うようになります。その後。15,6歳以上になると「論理的記憶法」が次第に発達します。

9.連想力が強くなれば記憶力も飛躍的に高まる

10.効果的な気分転換の方法を身につけよ

11.酒の飲み過ぎは頭によくない

12.大脳のためにタバコの吸い過ぎに注意

13.粗食大食は記憶力を低下させる
栄養と記憶には直接的な関係がありませんが、健康と記憶の間には深いつながりがあります。正しい栄養を取っていないと、体に変調をきたすし、ひいては神経や心にも影響を及ぼす。この状態では、当然ながら、脳細胞の働きは鈍化し、記憶力は悪くなります。

14.脳細胞をイキイキさせる趣味を持て
記憶をよくするには脳の細胞を若々しく保つことが大事です。つまり、脳細胞の働きを固定化させないで、少しずつでもたえず新しい知識や新しい学問などに取り組む努力が必要です。新しい刺激は、脳細胞を若々しく保ち、記憶力を高めてくれます。

上記内容は本書の前半。後半で実践的トレーニング方法が設問形式でまとめられていますが、しっかりトレーニングしようとすると、なかなか大変です。読むだけで記憶力がよくなるほど、記憶力を手に入れるのは難しそうです。

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