ダイエットに本当に必要なのは、死ぬまで使える一生モノの健康法・ダイエット方法。
しかも、できるだけ精神的な負担が少なく、日々の暮らしへ自然に取り込めて、しっかりした科学的な知識にもとづいている方法です。
そんなダイエット法として是非知っておきたいのが、圧倒的な科学エビデンスをもとに書かれた人気ブロガー鈴木祐さんの「パレオダイエット」です。
「食う・寝る・動く」だけで痩せていく。現代人の身体のベースとなっている狩猟採集民の生活に基づく、納得のダイエット方法です。
これからの季節は、飲み会など外食が通常以上に増え、太りやすい時期。Kindle本の読み放題サービスKindleUnlimitedに初降臨したこともあり再読。
今回は、鈴木祐さんの著書「一生リバウンドしないパレオダイエットの教科書」に正しいダイエットを学びます。
目次
パレオダイエットとは
パレオダイエットとは、ズバリ「原始人のライフスタイルに学ぶ 旧石器時代の食事法(健康方法)」です。
現代人の心と体は旧石器時代の環境でうまく働
人類が誕生した旧石器時代は、およそ260万年前~1万年前。この間、人類は約10 万世代にわたって木の実や根菜を集め、野生の動物や魚を狩りをする「狩猟採集生活」を営んできました。これに対し、農耕や牧畜が始まったのは1万年前。さらに、現在のように加工食品を食べるようになったのはわずか100年前に過ぎません。つまり、人間の心と体は、おもに旧石器時代の環境でうまく働くように進化したと考えられるのです。
パレオダイエットの基本
この狩猟採集民には、デブもがんもうつ病もいません。自然に腹筋が割れており、がんや糖尿病、心疾患、痛風などの現代病もほとんどなく、日中の疲れはその日眠れば回復、肌トラブル、虫歯や歯周病もなければ、鬱病や不安症といったメンタルの問題もない生活を営んでいました。
こんな狩猟採集民の生活「食う・寝る・動く」に基づいて、私たちの生活を改善するのが、パレオダイエットの基本です。
【食う】
・できるだけ自然に近い肉や野菜、フルーツを食べる
・人工的に加工された食品は、極力、食べない
・朝食は食べず、空腹時間を長くする
【寝る】
・朝は決まった時間に起きる
・夜は人工の明かりがない徹底的に暗い環境で眠る
・できれば、風の音や川の流れなどの自然音に囲まれて眠る
【動く】
・意識してエクササイズはしない
・とにかく一日中よく動く(食料確保)
・定期的に筋肉を使う(狩り、逃げる)
以下では、生活改善のための「食う・寝る・動く」を詳しく見ていきます。
❶食べる
痩せるための最終結論は、「食事によるカロリー管理」。
結局のところ、筋トレ・有酸素運動よりも食事。糖質制限だろうが低脂肪食だろうが、カロリーを消費カロリー以下に抑制し、「最低でも1年は続けられる」ことが大事です。1年継続し、生活スタイル・体が痩せた体に適用すれば、その後、スリムな体型を維持するのはどんどん簡単になります。
人間の体は、生まれつき太らないようにできてる
私たちは、人間の体は太るものと思っていますが、事実は異なり、「本来の人間の体は、生まれつき太らない」ように作られています。正常な食生活を続けていれば、食べ過ぎてしまったとしても、遺伝子に組み込まれた体重管理システム「セットポイント」が働き、自動的に体脂肪が減るように設計されています。
「セットポイント」がエラーを起こし太る
狩猟採集民がは、遺伝子による体重管理システム「セットポイント」が正常に働いています。これに最も影響しているのが、脳に作用して食欲を減らすホルモン「レプチン」です。これが正常に働いていると太りませんが、エラーを起こすと太ります。
【正常時】
食べる量増:空腹感が減り、体脂肪が燃えやすくなる
食べる量減:空腹感が増え、体脂肪が燃えにくくなる
⇒好きなだけ食べても、最終的には自然と最適な体脂肪率に落ち着く
【エラー時】
いくら食べても空腹感がおさまらず、満たされない。代謝は下がって燃えにくくなる
エラーが起きているときは、レプチンは必死で「もうカロリーは十分です!」と訴えているのに、脳が「俺はもっと食べたいんだ!」と暴走しているのです。
加工食品を減らせ!
セットポイントを正常に機能させなくする食べ物が「加工食品」です。
人間の食欲は、脂肪・糖・塩の3つを減らせば減らすほど落ちます。しかし、食品メーカーは商品がよく売れるように、脂肪・糖・塩を食品に加えて食欲を誘います。これが、お菓子やファーストフードをはじめとする様々な「加工食品」がやめられない理由です。特に、脂肪は中毒性に際限がありません(おいしい甘さ・塩辛さには上限がある)。
【脂】植物油脂、低脂肪食品
【糖】砂糖、果糖ブドウ糖液糖、人工甘味料がはいったもの
【糖】精製穀物が入ったもの(でんぷん、小麦粉)
【他】食品添加物が入ったもの
加工食品を減らすには「自炊」が必須
コンビニ、スーパーは加工食品で溢れています。加工食品を取らないでおこうとすれば、「自炊が必須」です。食品を選ぶ場合は、以下に気を付けましょう。
・「太古の昔から食べられていたか」を想像して、食品を選ぶ
・本当に体にいい食品を選ぶ
タンパク質:1日の摂取カロリーの20%を目指す(最も良いのは魚介類)
・調理法は、焼き物や揚げ物は少なめにし、ゆでるか煮る(低温調理を利用)
・スパイスなどを上手に使う(調味料は加工食品が含まれるものが多い)
・カロリーのある飲み物は完全に排除。水、お茶、ブラックコーヒーにする
❶葉物野菜:低カロリーで栄養価が高く、脂肪にもなりにくい
❷肉・魚・タマゴ:タンパク質が食欲を抑えてくれるうえに、必須脂肪やビタミンも豊富
❸フルーツ・高糖質な野菜:満足度が得られるが、糖質が多いので取りすぎ注意
❹良質な油:必須脂肪酸がないと体がうまく働かないので、必ず一定量は取る
ココナツオイル、MCTオイル、パーム核油
❺穀類 :ジャガイモかサツマイモを中心に(白米やパンは極力減らす)
❻加工食品:極力取らない
基本となるプチ断食ダイエット「8時間ダイエット」
狩猟採集民は、朝起きたらすぐに食事をすることはありませんでした。食べたら食料を確保する仕事から始まるからです。この食事スタイルに習ったのが、16時間以上食べない時間を作る「プチ断食」です。
本書では、レベル別のダイエット方法が紹介されていますが、基本となるのは「8時間ダイエット」。1日のうち8時間だけ好きなだけ食べていいダイエット法です。
とにかく、脳の食欲システムを再プログラムするためにまずは1週間続けることが大事。この期間を経ることで、食欲を増やすホルモン(グレリン)と、食欲を減らすホルモン(レプチン)の量が少しずつ調整され、1週間程度で空腹が消えます。
1週間は猛烈におなかがすきますが、乗り越えるコツは、活動的に動き回ること!空腹時に、スクワットなどの運動を行うと、しばらく食欲がおさまります。
ベストな体脂肪
食事法の改善により、体脂肪を、男性は13%前後、女性は21%前後まで落としましょう。このぐらいが人間にとってもっとも自然で機能的な体型で、これ以上、体脂肪を落とそうとすると、一気に難しくなってきます。
なお、摂取カロリーが同じ場合、糖質制限ダイエットとバランス食(糖質の量が多い)では、体重を減らす効果において大差は見られません。糖質制限が痩せると言われるのは、ダイエットを始めると一時的に体内の水分が減るから。自然と加工食品の量が減るなどの効果も期待できるからです。
❷寝る
睡眠に関しては、とにかく寝不足にならないことが大事です。
睡眠不足には食欲を暴走させる作用があり、肥満の原因に直結します。慢性的な肌トラブルにも見舞われ、紫外線のダメージにも弱くなります。
良い睡眠のために気を付ける点は、こちらを参考にしてください。夜間のブルーライト防止、日中の太陽光の浴び方、睡眠モニタリングが可能なデジタルガジェット利用による睡眠の数値化など、学びに大差はありません。有効な方法は「決まっている」ということです。
睡眠不足は、ストレスにも直結します。結果、仕事のプレッシャーになる、貯金が減る(散財してしまう)などの悪影響もあります。ひどくなると打つ症状を招くので対策が必要です。
ストレスについては、鈴木さんの著書「超ストレス解消法」でより深い学びが得られます。
❸動く
食事・睡眠と同様に無視できないのが「運動」です。狩猟採集民たちは1日に6~16㎞ を歩き、狩りのときは、早歩きで2~5時間ほどの移動を続けるそうです。
パレオダイエット流エクササイズでは、歩き倒すのが基本となります。
運動が健康にいいのは常識ですが、ぐっすり眠るためにもエクササイズは欠かせません。 最低でも1日30分のウォーキングが必要です。これにより、睡眠の質は大きく改善します。軽いストレッチかウォーキングを行い、週に合計150~210分の運動時間を目指しましょう。
無理なく運動量を増やすウォーキング法
鈴木さんは、このウォーキングのために、スタンディングデスクの下に、トレッドミルを置いて歩きながら仕事をしているそうです。座りっぱなしと歩きながらでは、消費カロリーの差が非常に大きいです。
座ってデスクワーク :5~10kcal
スタンディングデスク:10~20kcal
トレッドミルデスク :時速1.6km:80~100kcal
時速3.2km:130~150kcal
時速4.8km:180~200
私もスタンディングデスクを使用し、立ったり座ったりして仕事をしていますが、立っているときの方が明らかに歩数が増えます(立って何かをする必要が生じた際、面倒だと後回しにする機会が減る)。
スタンディングデスクを使うのトレッドミル(ルームランナーやルームウォーカー)は、全面パネルが取り外せるタイプがいいですね。ステッパーという手もあると思います。
上級エクササイズ HIIT
多くの狩猟採集民たちは、獲物を追う、逃げるなどで週に1回のペースで最大心拍数が80%を超えるハードな運動をしていたそうです。このような短期間に一気に心拍数を上げる運動ができるのが「HIIT」です。
最大のメリットは、時間がなくて運動ができない人でも実践可能なこと。空腹を感じたときに行えば、空腹軽減の効果もあります。また、心肺機能が効率よくアップし、長生き対策にもなります。さらに、体内の炎症を抑える作用が強く、細胞レベルで全身を若返らせてくれる効果(アンチエイジング効果)も期待できます。
方法は以下の記事にてご確認ください。
より効果を高めたければ、運動効果をUPさせる補助食品 クレアチンやBCAAなどの摂取もご検討を。
なお、本書ではレベル別の運動が紹介されていますので、
【実践!】パレオダイエット健康法:1日のスケジュール
本書では、パレオダイエットによる健康法を活かす1日の活動スケジュールとして、鈴木さんの生活スケジュールが紹介されています。
ポイントは、朝食を抜いて毎日16時間の絶食期間を作り、ひたすら歩きながら仕事をすることです。
鈴木さんの24時間スケジュール
07:00 起床して水を500ml。朝食は食べない
07:05 朝の瞑想(20~30分)
07:40 時速3㎞で歩きながら仕事
12:00 500kcal分の軽食(ナッツ、ゆで卵、ブルーベリーなど)
13:00 時速3.5㎞で歩きながら仕事
16:00 筋トレ&HIIT
19:00 500kcal分の夕食
20:00 ブルーライト対策用サングラス(Uvex S1933X)を着用して仕事か読書
23:30 寝る前の瞑想(20~30分)
24:00 就寝
健康対策も仕事も同時にやってのける。参考になるのではないでしょうか。
おやつに最適な痩せフードは以下の記事も参考にしてください。
最後に
今回は、鈴木祐さんの著書「一生リバウンドしないパレオダイエットの教科書」に正しいダイエットを学びました。
本記事で紹介したのは、本書の一部です。一生ものになるダイエット知識が身につきますので、是非、お手に取って読んでみることをおすすめします。