【書評/要約】BIO HACKING (高城 剛 著)(★4) 遺伝子と上手な付き合いが、自分の才能を引き出し、幸せに生きる道!

未来を見る目に優れ、世の中の前を行く生き方をしている高城 剛さん。

一般人が知るよりも先に新しいモノ・ツールを利用し、本として情報発信できるほどのレベルまで極めてしまう。最近は「健康」に関する本の執筆が多いですが、本書では、自分の遺伝子SNPsスニップス)を公開して、最先端の遺伝子医療パーソナル医療について教えてくれます。

私は本分野に無知で、充分読みこなせたわけではありませんが、それでも、「遺伝子と上手に付き合っていくことが、自分が幸せに生きる道である」と、大いに納得しました。

今回は本書、高城 剛さんの著書「BIO HACKING」から、自分を幸せにする「遺伝子との付き合い」に関する学びをポイントを絞って紹介します。

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遺伝子に沿って生きると、人生が楽になる

【書評/要約】BIO HACKING (高城 剛 著):遺伝子に沿って生きると、人生が楽になる

遺伝子情報は、自分の個性であり、自分の人生の青写真(ブルーポイント)とも言えるものです。

なぜなら、遺伝子によって、その人に向く食事や予防したほうがいい疾病がわかるだけでなく、住む場所から向いている仕事まで理解できるようになるからです。

SNPs(スニップス)とは

刑事ドラマで「犯人とDNAが一致した!」というセリフをよく聞きますが、これは遺伝子の「SNPsスニップス)」が一致したことを指すそうです。

SNPs(スニップス)とは、一塩基多型=Single Nucleotide Polymorphism「SNP」の複数形を指す言葉で、個人間の遺伝情報のわずかな違いのこと。ヒトは、約30億の塩基対の配列で構成れていますが、1つの塩基だけが別の塩基に置き換わって、個人間の違いとなります。

変わらない遺伝子、激変する環境

鈴木祐さんの著書「パレオダイエットの教科書」にも記載がありますが、ヒトの体と心は狩猟採集時代とほとんど変わっていません。10万年で人間の遺伝子は0.5%も変わっていません

対して、ヒトを取り巻く環境は激変。特に、ヒトの身体に大きな影響を与える食事の内容および回数は、この50年で驚くべき変化を遂げています。

遺伝子的にはほとんど変わっていないのに、環境だけが大きく変化した結果、体や心に不調を訴える人が続出。肥満・生活習慣病から、むし歯、精神病に至るまで、様々な不調を生み出しています。

このような問題を克服するためにも、遺伝子により「本当の自分」を理解し、自分に合った食事や環境の整備、仕事・人間関係まで整備した方が、人生は生きやすくなる、と高城さんは自分の経験を通じてアドバイスします。

現代文明についていけないヒトの体の誤作動例

病気とは言わずとも、ヒトが車酔いすると嘔吐してしまうのも、車という現代文明にヒトの体が追いついていけずに誤作動しているからです。

自分の遺伝子を理解し、環境を整えてこそ意味がある

心身、健康に生きられるかは、「遺伝子×環境」の両方に依存します。たとえ、いい遺伝子(スマート遺伝子)を持っていても、環境・習慣が悪ければ、遺伝子の優秀さは発揮されず、病気になってしまうからです

自分の遺伝子を理解し、それに合った環境を整えることで、ヒトははじめて、個性=誰もが持っている「天賦の才」を活かせるのです。

何を食べるか
どこに住むか
どんな仕事をするか

すべて、遺伝子的に自分にあうスタイルを見つけ、それに合った生活習慣を心がければ、人生のストレスは軽減し、楽しく幸せに生きられます。

合わせて読みたい良書

遺伝子✕環境の両方がが良い状態で保たれて実現されるのが「長寿」です。
本書でも、「遺伝子✕環境」の両方が大事であることが、1冊を通じて語られています。

「遺伝子の質✕環境」で才能をマネジメントする

【書評/要約】BIO HACKING (高城 剛 著):遺伝子検査の世界

私たちは、「才能を伸ばしたい」「活かしたい」と考えますが、遺伝子の力を引き出すには「マネジメント」が大事です。

「天才」の3パターン

遺伝子的にみて、天才には3パターンあるそうです。

天才の3パターン

グルタメートタイプ:圧倒的な天才タイプ。ユニーク。空気を読まない。
ヒスタミンタイプ :天才というより、秀才に近いタイプ 
カテコラミンタイプ:奇抜な考えで、人を圧倒するタイプ

グルタメートタイプの天才は、グルタミンの代謝に関する遺伝子が突然変異を起こしているタイプ。遺伝子の突然変異により、その人の能力や才能が、あらかじめ遺伝子的に決定づけられているタイプです。

この突然変異は、その人にとっては個性であり、持って生まれた才能となるチャンスを秘めています。ただし、これは、裏返せば、その類稀な能力を正しく発揮することができなければ、世の中の不適合者扱いされたり、統合失調症などと診断されたりすることもあるかもしれないのです。

「自分の能力をどう『活かす』か」だけではダメ

競争社会に生きている私たちは「自分の能力をどう『活かす』か」という部分に目がいきがちです。

しかし、能力は「遺伝子の質✕環境」で活かされるものなので、「本来の能力を妨げるリスク要因を、いかに『マネジメントする』か」が大事になります。DNA検査(SNPs検査)は、いかにマネジメントをするのかの指針を知る鍵。この指針を知り、遺伝子を活かす生き方をし続ける(管理を続ける)ことが大事になります

遺伝子解析でパーソナル医療へ

現在の医療はエビデンスベースです。研究・統計など科学的な根拠に基づいて、患者に最適と考えられる医療が提供されています。しかし、個々人にとってベストとは言えません。あくまで、エビデンスベースの医療は万人向けなベターな医療法です。

しかし、個々人の遺伝子の違いをベースをすると、医療はさらに進化します。才能を開花されたり、病気の発病をさせない・遅らせることもできるようになります。

一人一人が、自分の持って生まれた能力の正しい使い方を知る。遺伝子検査を受ける意義は十分ありそうですね。

遺伝子医療の今後の課題

【書評/要約】BIO HACKING (高城 剛 著):遺伝子医療の今後の課題

今後、遺伝子ベースで、「個人」に基づく医療が提供されるようになるのは嬉しいことです。しかし、その前にはいろいろと課題もあります。

現時点では検査結果の解釈が難しい

遺伝子検査は自分のブルーポイントを知ることが目的ではなく、それを人生に如何に活かすかの方が大事です。「何を食べ、何をして、何に向いていて、どう生きていったらいいのか」生き方をすることが大事です。

しかし、現時点では、遺伝子検査を受けたとしても、その検査結果を解読し、適切なアドバイスができる人を見つけることは非常に大変です。

よい遺伝子を持つ場合は、そのDNAのスイッチがONになるように、
悪い遺伝子を持つ場合は、そのDANスイッチがOFFのままでいられるように、
自分が持っている遺伝子のパフォーマンスをベター、ベストな状態で運用したらいいのか… こんなことをアドバイスしてくれるドクター・医療機関が求められます。

現在では、医療関係者の知識がアップデートするまで3年、一般の人が「自分で遺伝子検査をマネジメントしなければならない」と認識するのに10年はかかるとみられています。

最後に

今回は、高城 剛さんの著書「BIO HACKING」から、自分を幸せにする「遺伝子との付き合い」に関する学びをポイントを絞って紹介しました。
本書に書かれている内容はもっと高度です。もっと、先端の遺伝子検査について知りたい方は、是非、本書を手に取ってください。

私は十分、本書を読みこなせたとは言えませんが、それでも、「遺伝子に沿って生きる」ことの大切さが腹落ちしてわかる価値ある本でした。
遺伝子検査も受けてみたいですし、また、自分がどんな時間で過ごし、何を食べたときにパフォーマンスが上がるか等、もっと、自分を活かす食事・生活環境を見極めてみたいと思いました。

今、数値で管理できているのは、体重と毎日歩行数ぐらい。まずは、自動で簡単にできることから始めたい。腕時計が嫌になってスマートウォッチはやめてしまったのですが、また、つけようかなぁ…と思い始めました。