金価格が最高値、ビットコインも360万円まで上昇。歴史が繰り返す、金融危機・不安で買われるゴールド

シリコンバレー銀行(Silicon Valley Bank:SVB)破綻で、金融市場では、マネーの流れが変化。安全資産にお金が流れています。

「有事の金」と言われますが、安全資産である「金」は、ドル建てで最高値圏、円建てでは最高値を更新中です。また、リアルゴールド「金」の上昇に合わせ、デジタルゴールド「ビットコイン」も大きく上昇しています。

なぜ、「金融不安・金融危機が起きると、なぜ、ゴールドは買われるのか」、過去に読んだ金投資本などを参考に、現状を考えてみます。

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米国バブルの経済の終わりには金を買え

米国バブルの経済の終わりには金を買え

2022年に進んだ世界的インフレ。政府は行き過ぎたインフレに歯止めをかけるために政策金利を上げますがこのような時、どのようなことが起こるのか、知っておくことは大切です。

金融危機の度に野放図に増える政府紙幣

金融危機などで経済が急激に悪化すると、世界各国の政府・中央銀行は膨大な資金供給し、マネーが回るようにします。かくして、金融市場にはマネーがジャブジャブ。だぶついたマネーは、次なる投資先を求めて動き回り、バブルにつながっていきます。

米国:マネーサプライ(M2)

マネーサプライ(M2)とは、ある国や地域の経済において、市場に流通する通貨や預金などの流通量のことですが、この量は、金融危機の度に増大しています。景気回復で金融引き締めが実施されても、もとに戻ることなく増大しています。


米国:マネタリーベース

インフレ発生と抑制のための金融引き締め

さて、景気が回復して一定期間がたつと発生するのがインフレ。中央銀行は政策金利を上げることでインフレを抑制しようと努めます。すると、今度は、お金を借りている企業が利子返済に苦しんだり、金利が高すぎて借りたくても借りれなくなります。結果、経営が立ち行かなくなるところが現れてきます。

金利上昇局面で起きること

インフレ
⇒中央銀行による政策金利の利上げ・市場金利も上昇
⇒銀行から企業への貸出が減少。株価下落
⇒資金力のない企業、体力のない企業から経営が悪化。大型株以上に小型株が激しく下落。
⇒体力のない中小企業から破綻
⇒景気後退(リセッション)

一方で、市場にジャブついたマネーは、金融崩壊のギリギリまで、投資先を求めて市場を駆け巡ります。ただし、バブルパーティー会場🥳の出口のそばにいないと、暴落に巻き込まれます。

相場格言

Enjoy the party but dance close to the door.
(パーティを楽しみなさい。しかし、出口の近くで….)

こんな環境で起こるのが「バブルの崩壊」です。素早く逃げる力がないなら、先に退場しておくしかありません。投資資金を引き揚げ、現金化したり、金などを買うわけです。

歴史は繰り返す

今回は、紙幣の増大を招いたのは、「新型コロナショック」であり、危機の引き金となったのは、シルバーゲート銀行、シリコンバレー銀行であり、クレディ・スイスでした。そして、先の2行は破綻、クレディ・スイスは大きすぎるが故につぶせないという状況にあります。同様のことは、リーマンショックの時も起こり、破綻した金融機関がある一方、救済された金融機関もありました。

歴史は繰り返しています。

バブル主戦時期の投資法

来るべき金融危機・世界不況を前に、「銀行預金」「株」「投信」は危ない。
金利上昇→金利ピークアウト(金融不安・金融危機)が起こる前に、究極の安全資産、世界恐慌に備える最も有力な保険として「ゴールド」を買っておけ

これが、米国バブル経済が終焉に近づいた際に、とるべき投資法です。

現在の金価格

現在の金価格

ここで、金価格を見ておきましょう。

金価格チャート(ドル建て)


上図はドル建ての金価格(XAUUSD)のチャートです。2021年現在、ゴールド価格XAUDSDは1600~2000ドルの間のレンジ相場を続けていますが、今、まさに、最高値、ブレーク寸前となっています。

金価格チャート(円建て)


上図は円建ての金価格(XAUJPY)のチャートですが、円建てでは、最高値更新中です。
ドル建ての金価格が、レンジをブレークすれば、もう一段、上昇しそうなチャート形状です。

私自身は、投信でゴールドを保有していますが、保有量が圧倒的に少なすぎたと反省モード。2022年からは株式投資は積立投資を除いて手控えていますが、増やした現金で、歴史に習って、もっとしっかりと金の投信を購入をしてくべきだったと反省しています。

紙幣とゴールド、どっちが本物か?

紙幣とゴールド、どっちが本物か?

金融危機の度に増刷される「紙幣」 VS 量が大きく変動することがない「ゴールド」
どっちが本物でしょうか――――

ドルも円も紙幣はフェイクだ

「紙幣はフェイクだ」と述べるのが、ロバート・キヨサキ氏です。自身の著書でも、「増刷されるペーパーマネーはフェイクだ」として、マネーを3つに分類しています。

お金は3種類に分類できる

神のお金 :金や銀             ←本物のお金
政府のお金:ドル、ユーロ、円 他      ←フェイク
人々のお金:ビットコイン、イーサリアム、他 ←これから真価が問われる実験中のお金

確かに、「信用のみ」に支えられている紙幣と、実物としての「リアルゴールド」。どっちが本物かと言えば、「金」の方が「安全」というのは、よくわかります。

金価格は安すぎる

現在の金価格は安すぎる:金価格/マネーサプライ

上図は、米国のマネーサプライに対する金の価格の割合です。マネーサプライを基準で考えるなら、金価格が歴史的に見ても、安く放置されていることは明らか。これが「金投資家が金を薦める理由」でもあります。

デジタルゴールドの上昇をどう見るか

デジタルゴールドの上昇をどう見るか

リアルゴールド「金」と同じく、上昇しているのがデジタルゴールド「ビットコイン」です。

ビットコインが「デジタルゴールド」と言われる所以は、ビットコインの発行上限は2100万枚と決まっているからです。リアルゴールド同じく、流通量が一定なら、多くの人が保有を望めば、価格は上昇するはずです。そう思って、個人的には長期的には上がると思って、ただただ、レンディングしながらホールドしています。

ただ、正直、リアルゴールドと異なり、ビットコインは実物は存在しません。「価値がある」という「信用」だけで成り立っています。そして、都合よく、「安全資産」になったり、「投機資産」になったりします。ここがビットコイン投資の難しいところです。

かく言う私も、以下の記事で記載した通り、SVCの経営破綻のニュースが広がった当初、「仮想通貨は、株式市場以上に揺らいで下落する」という全く逆の考えをしてしまいました。金融市場が荒れると、仮想通貨市場は、他の市場に増して、下落するという「いつものこと」だろうと予測したのです。

まあ、今回は、ステーブルコインUSDCを持っているのが不安なので、だったら、ビットコインに変えておけ!という勢が多く、一気に買われたら、上昇に弾みがついたところが大きかったのかなぁ…と現時点では考えています。

ビットコイン価格

最後に現状のビットコイン価格を週足チャートで見ておきたいと思います。以下は、上が円建て、したがドル建てのビットコイン価格です。どちらも一目均衡表の雲の下限でピッタリ止まっています。

円建てでは、オーバーシュートして370万円まで上昇した後、360万円付近を推移
ドル建てでは、同じくオーバーシュートして27,800ドルまで上昇し、現在、27,100ドル付近に位置しています。

この水準を一気に突破していけるようなら、ホントに強いと言えるのではないかと考えています。


ビットコイン価格(円建て:BTCJPY)


ビットコイン価格(ドル建て:BTCUSD)