【書評/要約】意思決定12の心得(田坂広志 著)(★4) ~直観力・説得力・責任力のあるマネージャーになりたいなら読むべき必読書
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ビジネスの現場で常に求められる「意思決定」。マネジャークラスになれば、最も重要な仕事は「意思決定」であり、その決定が企業や組織の将来を大きく左右します。

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しかし、責任をもって、プロジェクトの方向性を決める意思決定ができるマネージャーは少ない。それは、マネージャーが判断に足る能力が何であるか、そして、そのために何に心がけるかを理解していないからです。

本書は、経営者やマネージャーなどのビジネスマンに求められるスキル(力)、そして、それらを身につけるためにどうしたらいいか、具体的な方法を解説。「勘が鋭く、言葉に力があり、腹が据わっているマネジャー」になりたいなら、読むべき必読書です。

今回は、田坂広志さんの「意思決定12の心得」からの学びを紹介します。



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意思決定12の心得【まとめ】

【書評/要約】意思決定12の心得(田坂広志 著)

著者の田坂さんは、意思決定のできるマネジャーに必要な「意思決定12の心得」は次のようなものだとアドバイスします。

第1の心得   意思決定に必要な三つの力を身につける
第2の心得   衆知を集めて、独りで決める
第3の心得   感覚を磨くのではなく、論理を究める
第4の心得   経験を積むのではなく、体験に徹する
第5の心得   ただ進むのではなく、退路を断つ
第6の心得   論理を語るのではなく、心理に語りかける
第7の心得   説得するのではなく、納得をしてもらう
第8の心得   計画への信頼ではなく、人間への信頼を得る
第9の心得   リスクを避けるのではなく、リスク体質を改める
第10の心得   リスク分散だけではなく、リスク最小化の手を打つ
第11の心得   失敗を恥じるのではなく、失敗を率直に語る
第12の心得   意思決定を精神の成長の機会とする

以下、それぞれの心得のポイントを見ていきましょう。

❶意思決定に必要な三つの力を身につける

【書評/要約】意思決定12の心得(田坂広志 著):意思決定に必要な三つの力を身につける

「意思決定」には三つの能力が必要でです

①理屈だけでは答えの出ない問題に、正しい答えを見出すための「直観力
②組織内での合意を得て、組織を動かしていくための「説得力
③意思決定に伴うリスクを取り、その結果に責任を取る「責任力

分かりやすく言えば、「勘が鋭く、言葉に力があり、腹が据わっている」ことが求められます。

❷衆知を集めて、独りで決める

今はただ良いものを作っても売れない時代です。いくら市場調査をしたところで売れるものは見えてきません。大多数が賛同する意見を採用しても、それを元に開発したら凡庸なものができるだけです。今の時代に求められているのは、多くの人がまだ気づいていないところに着想を得た革新的な商品であり、そのための意思決定として、「メンバーの意見を聞いたうえで、多数の意見に従って意思決定を行う」従来の意思決定スタイルを安易にとるべきではありません。

このために必要なのは、「直観力」です。

「メンバーの意見を聞いたうえで、自分の信念に従って意思決定を行う」ことが大切であり、そのとき求められるのは、その意思決定をメンバーに納得させる「説得力」であり、「責任を取る覚悟」です。

❸感覚を磨くのではなく、論理を究める

一般に、直観力や洞察力、大局観を身につけるためには、「感覚を磨く」ことが必要であると考えられています。しかし、そうではありません。

むしろ、「論理を究める」ことこそが王道。「徹底して考え抜く」ことです。「論理を究める」ことができたとき、直観力や洞察力、大局観の世界が開けます。そして、そこに求められるのは、一つの課題を何時間でも、何日間でも考え続けることのできる 「集中力」と「持続力」です。

合わせて読みたい良書

こセンスも「感覚」ですが、センスという感覚のために必要なのは、才能ではなく、「知識」であり、その元に構成された「論理」です。目からうろこな良書です。

❹経験を積むのではなく、体験に徹する

「成長のためには多くを経験せよ」と言われます。しかし、「経験」のみでは、学びは浅く、直観力や洞察力は磨かれません。

大事なのは、経験に先立って明確な「問題意識」や「仮説」を持ち、経験の後で「追体験」や「反省」を行うことです。たとえ平凡な「経験」であっても、明確な仮説を持って臨み、その仮説の「反省」を行うならば、「経験」は貴重な「体験」へ昇華します。

ここでいう「反省」とは、語化できることをすべて言語化する努力を尽くすことです。これが、ある時、直観の閃きや深い洞察として、意識の表層に浮かびあがります。

❺ただ進むのではなく、退路を断つ

【書評/要約】意思決定12の心得(田坂広志 著):ただ進むのではなく、退路を断つ

真に直観力を引き出すためには、敢えて自らの「退路を断つ」ということが不可欠です。

ここで大事になるのが「心の静寂」です。苛立ち、焦り、不安、恐怖などの騒々しいエゴは、直観力を鈍らせ、誤った判断を誘発させます。勝負事の世界では「直感が大事」と言われたりしますが、それは、あれこれと考えた「判断」には、様々な「エゴ」が混入してくるからです。社内での自分の立場、これまでの発言との整合性、部下に対する面子、リスクの重さ、そうしたことに対する「エゴ」のこだわりが混入した「判断」では、誤ることが多くなることを理解して判断に臨む必要があります。

なお、「エゴ」というものは、それを「捨てよう」としたり、「抑えつけよう」としたりすると、むしろ、こころの深くで増大し、騒々しく動きまわります。ただ何の価値判断もなく「見つめる」ことで、静かな心境が訪れ、直観力の閃きも訪れます。

脳科学者も「直感は正しい」

脳科学者も「直感は正しい」と述べています。その意見は、非常に納得できます。

❻論理を語るのではなく、心理に語りかける

「論理的」であるだけでは、人は説得できません。

説得に大事なのは、人の「心理」に語りかけること。そのために、まさに「相手の最も知りたいことを、相手が最も理解しやすい順序で語る」ことです。プレゼンテーションにおいて最も大切なことは、「自分が何を語りたいか」ではなく、「相手が何を聞きたいか」考え、「相手がイメージしやすいように語る」ことです。

我々が、社会や市場や企業を語るとき、「論理」というものは、かなり恣意的要素を含みます。それは、「自分にとっての真実」を中心に語ることだからです。自分が信じる何か一つの価値基準にもとづいて論理を組み立てているに過ぎないのであって、その論理だけを貫き通すということは、ときに「自己中心的」要素を含んでいます。

❼説得するのではなく、納得をしてもらう

企業や組織において 「説得力」がうまく発揮できないとき、「相手を説得してやろう」「相手を動かしてやろう」という「操作主義」が原因となっていることが多々あります。
人間は、他人から説得されたり、動かされたり、操作されることを嫌がる生き物です。このような行為が見え隠れすると、心理的な反発を買い、説得は失敗に終わります。

大切なのは、 「説得するのではなく、納得をしてもらう」という心得です。

❽計画への信頼ではなく、人間への信頼を得る

「彼が言うのだから」と納得してもらえるようになること。その人のもつ「人間」こそ最大の「説得力」。これが、究極の説得力です。

❾リスクを避けるのではなく、リスク体質を改める

リスク・マネジメントにおいて最も大切なことは、緊急時に表に現れたリスクを回避することではありません。日常時に深く潜在しているリスクを排除していくことです。

日常時に深く潜在しているリスクとは、人間や組織の持つ「リスク体質」であり、これは、必ずと言ってよいほど、「仕事のスタイル」に表れます。 だからこそ、「仕事の基本」を踏み外さない「バランス感覚」が大事です。

表面的な「成功」のなかにも、将来の「失敗」の芽はあります。一方、表面的な「失敗」のなかにも、将来の「成功」の芽があります。これらを見抜く力を磨くことこそが、リスク・マネジメントの基本です。

❿リスク分散だけではなく、リスク最小化の手を打つ

現在のマーケットは、複雑系市場です。不測の事態にも対処し、いくつもの打ち手を連ねることによって能動的に「リスク最小化」を図っていかなければなりません。リスクに対処するには、「一の手」だけで勝負をしてはいけません。「二の矢」「三の矢」まで準備して当たり前というぐらいの精神が求められます。

そのためにも、リスクの所在を感じる感覚や、次に何が起こるのかという予感、タイミング良く手を打つ呼吸、などの直観的能力が重要になります。そのためにも大事なのが「波乗り感覚」です。

市場の波はたえず波の形を変化させています。予測できないほど一気に変化することもありますが、このような波に乗り続けるには、瞬間的に判断して体を動かさなければなりません。じっくりと頭で考えているのでは間に合いません。状況の変化に応じて臨機応変、かつ迅速に戦略を修正していく能力が求められます。

⓫失敗を恥じるのではなく、失敗を率直に語る

【書評/要約】意思決定12の心得(田坂広志 著):意思決定に必要な三つの力を身につける

失敗や敗北の経験から多くを学ぶためには、関わったメンバーにそのいきさつを率直に語ることが不可欠です。そのためには、以下のような「学習する組織」を作ることが極めて大事です。

  • リーダーは、ビジョン、戦略、戦術をわかりやすい言葉でメンバーに語って聞かせ、それをメンバーが共有している。
  • 当事者のメンバーが、自己の責任による失敗であっても、その原因を貴重な知識として率直に語る。
  • 一方で、他のメンバーが、そのナレッジを自分の問題として謙虚に受け止め、メンバー全員が共有する。

失敗を単なる「報告会」に終わらせてはいけません。皆で学び合うことが大事です。

そしてそのような失敗から学べる組織を作るために非常に大事なのが、「戦略が明確な意思決定」であり、それが、「組織全体」で共有されていることです。そうすれば、個々人が大局的な「行動指針」で動けるばかりか、プロジェクトが失敗に終わったとしても、その原因を正しく分析することができます。

ビジネスの世界では、「勝負は一回」ではありません。長い目で見て組織は決して強くなっていくことが求められます。

⓬意思決定を精神の成長の機会とする

正念場での意思決定は、その結果にかかわらず、人間を成長させます。 大きなリスクと責任を背負って、予測できない未来に立ち向かうことは、単に成功による「自信」が人間の精神を成長させて、失敗の「教訓」が人間の精神を成長させるだけでなく、その結果の如何に関わらず、人間の精神を鍛え、成長させます。

最後に

今回は、田坂広志さんの「意思決定12の心得」からの学びを紹介しました。

マネジメントにおける意思決定とは、多くの場合、「答えの無い問い」を問い続けるという行為です。「答えの無い問い」を知ったうえで、それでも、深く「答えを求め続ける」。それが、人間を育ててくれると信じて頑張りましょう。

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