2017年が「仮想通貨元年」であったのに対し、「仮想通貨規制元年」で始まった2018年は、じっくりと数ヵ月~数年の値上がりをめてる人以外にとっては試練の年。短期的な利益を追求するなら、ただ買い持ちしているだけでは勝つどころか含み損を増やしてしまう相場です。

そんな中、2017年のICOブーム、FXブーム、海外草コインブームに続いて2018年になって沸き起こってきたブームがbotブーム。儲けのロジック(アルゴリズム)をプログラミングし、常時稼働させることで、24時間体制で自動取引を行うトレードです。

一昔前、株やFXでは同種のプログラミング売買を「システム売買」「システムトレード」と呼んでいましたが、Twitterの自動ツイートしたり、自動リプライしたりする自動発言システム「bot(ボット)」に習ってか、仮想通貨取引所に対して売買を実行するプログラムを「自動売買bot」と呼びます。

自動売買ボットのメリット

自動売買botの最大のメリットは、事前に売買ロジックをプログラミング化し、稼働させておけば、botが24時間相場を監視し、売買ロジックの条件を満たしたときに自動で売買を実行してくれるので、24時間相場に張り付く必要がなくなる点です。

仮想通貨市場は、24時間365日動いているので、一人の人間がずっと監視することは不可能。しかし、botなら一度設定をしてしまえば、後は自動的に売買を繰り返してくれます。

このような売買を実現するために、仮想通貨取引所は、APIという取引所売買の仕様を公開しています。なお、APIはApplication Programming Interfaceの略でプログラムからソフトウェア(取引所の売買システム)を操作するためのインターフェイスです。

botの売買アルゴリズム

売買アルゴリズムは突き詰めていえば、「安く買って高く売る」か「高く買って安く売る」ことで差益を抜くことです。

最も初期から行われている自動売買の一つが「裁定取引=アービトラージ」です。
特に成熟していない若い市場の場合、取引所間では価格差が発生しやすい状況があります。この取引所の価格差を利用し、安い取引所で買い、高い取引ので売ることで差益を得るというものです。資金管理や売買執行のスピーディーさなど配慮する点はありますが、難しい相場予測する必要はないため、多く取り入れられています。

最近では、プログラミングスキルを持つ個人がオシレーターや売買取引高などチャート情報を利用した売買アルゴリズムを開発しそれをプログラミングしたり、或いは、企業が商売として有償で自動売買botを販売したりしています。

自動売買botのプログラミング

現在、仮想通貨の自動売買botには、Python(パイソン)Ruby(ルビー)がプログラミング言語として利用されることが多いようです。
これらの言語は、比較的初心者でも習得しやすいと言われていますが、今までプログラミング言語を学んだことがない方は、初心者用のプログラム本やサンプルプログラムなどを参考にしながら、習得するという強い意志を持って取り組む必要があるでしょう。

以下は、仮想通貨botで主流を占めていると思われるPythonを学ぶための参考書です。ご参考に。


いちばんやさしい Python入門教室
著者:大澤文考
出版社:ソーテック社
出版年月:2017/4/8
単行本価格:2462円
Kindle価格:739円
プログラムってなに?インストールってどうやるの?というところから詳しく解説されている超入門書です。

Pythonスタートブック
著者:辻真吾
出版社:技術評論社
出版年月:2010/4/24
単行本価格:2678円
Kindle価格:2678円
イラストも使って分かりやすく解説された初心者用の入門書。Amazonでも評価は高いです。

確かな力が身につくPython「超」入門
著者:辻真吾
出版社:技術評論社
出版年月:2010/4/24
単行本価格:2678円
Kindle価格:2678円
他の言語に取り組んだことがあるなど、プログラミングについて少し知識がある方向けの入門書です。

入門 Python 3
Bill L著者:ubanovic
出版社:オライリージャパン
出版年月:2015/12/1
単行本価格:3996円
Kindle:未発行
エンジニアならオライリーシリーズ。600ページのボリュームがあり、Pythonについて基礎内容から中級の内容まで網羅されています。Pythonをマスターしたいなら必読書です。

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