睡眠をとったり、休息をとったりしても、常に疲れていませんか?
もしそうなら、あなたは脳が疲労しています。
「世界のエリートがやっている 最高の休息法」、アメリカのセレブやエリートたちがハマっている「マインドフルネス」の入門書です。そもそも、なぜ、脳がつかれるのか、そして、それを改善するにはどうすればよいかを、アメリカ在住の精神科医である著者が、ストーリータッチで分かりやすく教えてくれる良書です。
休んだはずなのにすっきりしない、丸一日ぼーっとしていたのに疲れが取れないといった現代人にありがちな悩みを解消する方法として、本書は大いに役に立つはずです。
今回は、「世界のエリートがやっている 最高の休息法」で紹介される、疲れない脳の構造の秘密をようやく紹介します。
なぜ、脳は疲れるのか?
体の中で最大のエネルギーを使う「脳」。人が1日に消費するエネルギーの20%は脳で消費されると言われますが、成人の脳の重量は1.2~1.5㎏で、体重の2%ほどに過すぎないことを考えると、いかに多くのエネルギーが脳で使われているかご理解いただけるのではないでしょうか。
脳の消費エネルギーを使うDMN
さて、この脳の消費エネルギーの60~80%はデフォルト・モード・ネットワーク(DMN)に使われています。
DMNとは、脳が意識的な活動をしていないアイドリング状態でも動き続ける脳回路です。ぼーっとしていても、この回路が動き続ける限り、脳はどんどん疲れていきます。
ぼーと休憩中も脳が休んでいるとは限らない
例えば、ぼーっとしているとき。
多くの人は、思考が「過去と未来」を行き来しています。「あの時、〇〇だったら…」とか「将来の〇〇が不安だ…」と悩んだり、不安に思ったりしています。つまり、意識が「いまここ」にない状態が慢性化しています。
「何もしていないのに、なぜか疲れが取れない=【雑念】湧きまくり」という人は、このDMNに過剰な活動を許してしまっているのです。
脳科学×瞑想が脳疲労を軽減する
ご飯を食べていても布団に入っていても、どこか心にひっかかっている頭の中。この間、あなたの脳のDMNは過剰な浪費活動を行っています。
このDMNの過剰な浪費活動を休ませるにはどうしたらいいか?
それは呼吸を意識しながら瞑想をする「マインドフルネス」。本書では、7つのマインドフルネスの実践方法が分かりやすく紹介されています。
❶とにかく脳が疲れているとき:マインドフルネス呼吸法
注意散漫、無気力、イライラなどは脳疲労のサイン。
根本的な原因は、意識が常に過去や未来にばかり向かい、「いまここ」にない状態が慢性化していることにあります。現在に意識を向ける「心の訓練」をすることで、脳の疲れを軽減します。
「マインドフルネス呼吸法」については以下の本も参考になります。マインドフルネス瞑想のブレークのきっかけとなったグーグルのマインドフル瞑想が学べます。
❷気づくと考え事をしているとき:ムーブメント瞑想
人は、なにかを「しながら」別のことをやるマルチタスクをしがちです。日常的な所作のなかで「自動操縦モード」になっているときほど、頭には雑念が浮かびやすくなります。これが常態化すると、注意力・集中力が低下します。
これを簡単に脱するのが「ムーブメント瞑想」。グーグルの社員研修「SIY」にも取り入れられています。
例えば「歩行瞑想」もその一つ。手脚の筋肉・関節の動き、地面と接触する感覚に注意を向け、「右足/左足」とか「上げる/下げる」のように、自分の動きを意識し、ゆっくり動く方法です。
歩行瞑想の仕方については、以下の本がおすすめです。
❸ストレスで体調がすぐれないとき:ブリージング・スペース
ストレスによる身体への影響に気づき、それを脳から改善していく方法です。
❹思考のループから脱したいとき:モンキーマインド解消法
頭の中で「雑念」という「サル」たちがうるさく騒ぎまわっている状態、これを「モンキーマインド」と言います。このサルが騒ぎ立てている限り、脳のエネルギーが膨大に消費され、睡眠の質も低下します。このサルを収める方法が「モンキーマインド解消法」。雑念そのものに対する「認知」を変えることで、ループに陥らなくする方法です。
大切なことは『考え』に対して傍観者であり続けること。
人間はあたかも『考え』を自分自身だと思いがちです。しかし、自身の心は電車が行き交うプラットホーム。雑念というサルが乗っている電車が駅のプラットフォームに入ってくるも、再び、サルを乗せたまま電車は出発する。
こんな風に考えてみましょう。
❺怒りや衝動に流されそうなとき:RAIN
怒りの衝動が、自分を消耗することは誰でも経験したことがあると思います。
怒りで脳を消耗させないために、怒りを認識(Recognize)し、受け入れ(Accept)、検証し(Investigate)、距離をとる(Non-Identification)(他人事として考える)ことで、怒りをコントロールする方法です。
「怒り」の発端は「欲(強欲)」であることが大きいです。以下も合わせてどうぞ。
❻他人へのマイナスの感情があるとき:やさしさのメッタ
ストレスの大半は人間関係から生まれます。人に対するネガティブな感情を減らし、他人に対する慈しみを内面に育てる方法で、脳に疲れがたまりにくい状態を作ります。
❼身体に違和感・痛みがあるとき:ボディスキャン
身体の疲れ・痛みを脳からリフレッシュする方法です。
【余談】サウナ女子おすすめのマインドフルネス「サウナ瞑想」
私はサウナ女子。週5~6回通うジムのサウナで、サウナ瞑想(マインドフルネス)をしています。
私のサウナ瞑想
「ととのう」という言葉はすっかりの世の中に浸透しましたが、「サウナでととのう」とは、「サウナ→水風呂→休憩」を1~数回実施することで至ることができる、魅惑の脳解放ゾーンに入ること。心も体もリラックス状態の中で脳が恍惚感を感じている状態なのですが、これがこれが、「瞑想」ととても相性がいい。
脳が恍惚感を感じているときに、頭であれこれ考えるのはNG。その恍惚感を味わうのが大事なのですが、これは、マインドフルネスでいうところの、思考の過去と未来の行き来をやめ、「いまここ」を味わうのと同じです。
故、私は以下の方法で、サウナ瞑想(脳休憩&活性化)を行っています。
水風呂タイム:
頭のゴミ(ストレスなど)を熱気と一緒に排出する時間
休憩タイム :
サウナ瞑想タイム(脳の解放タイム、「過去・未来」でなく「今」に集中する時間)
サウナで脳のゴミ一掃後、脳を瞑想でリラックスさせると、その後は頭スッキリ!読書・仕事の集中力が凄く上がります!
経営者やビジネスエリートにはサウナや運動をする人が多いですが、これも、脳に良い影響があることを体感しているからです。以下の記事も合わせてご確認を!
最後に
今回は、「世界のエリートがやっている 最高の休息法」から、DMNの浪費活動を押さえ、頭を休める7つのマインドフルネス方法を紹介しました。
脳は習慣化するとよい方向に改善していくことができます。是非、毎日、同じ時間に実践し、脳の疲れから解放されましょう!