お金を増やすことができれば、人生の選択肢が増える!投資をしないことこそリスク!
しかし、日本人は、投資に対して消極的。正しく投資すれば資産が増え、人生の不安は減らせるのに日本人は金融リテラシーが低いがために投資に消極的、或いは、無謀な投資をしがちです。
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そんな状況を憂うのはアメリカ人の父と日本人の母を持つ、著者の高橋ダンさん。ダンさんは、ウォール街の投資銀行でキャリアを積んだ「投資」のスペシャリストで、現在は投資系YouTuberとして多くの支持者を集める方ですが、彼は、「規律を守って行動できる日本人は、(ルールを守ることが非常に重要な)投資に向いている(はず)」と考え、日本人は変わるべきと提言します。
今回は、著書「僕がウォール街で学んだ勝利の投資術」から、投資の重要ポイントをまとめます。
目次
億り人になるための8つの法則
ダンさんは、投資には8つの原則があると言います。
- 投資はリスクではない。投資しないことがリスク
- 利回りが低すぎる。もっとパフォーマンスはとれる
- 戦略を分ける。 長期積み立てをベースに、短期投資でパフォーマンスを高める
- 「シャープレシオ」を意識する リスクを抑えてパフォーマンスを上げる
- 日本人の規律正しさを活かす。規律を守る。自分と取引する
- 失敗は避けるのではなく、乗り越える。失敗を乗り越えると投資が上達する
- メンタルエネルギーの多様化。使い方をマスターする
- 過去の実績に縛られない。未来を予測しない
以下では、8つの原則の中から重要なポイントを詳細解説します。
投資しないことがリスク
上述した8つの法則の中で、ダンさんが日本人にもっとも訴えたいと思っているのは❶でしょう。
日本人は、海外で物価が上昇しているのに日本では上昇していない=相対的に日本の生活水準が下がっているということを理解していません。
日本人は投資よりも「現金や預金」を好みますが、「現金や預金」は本来はリスクを避けるために選ぶものではなく、インフレにならないことにかける一種の投資です。このようなことも知らないほど、日本人の金融リテラシーは低いのです。
本来の意味での投資をしていないのに、投資に対してマイナスの感情をもってしまうのは、人生において大きなマイナスです。
投資はリスクではなく、投資しないことがリスク。リスクの大きさは金融リテラシーと規律を守るマインドがあればコントロールできます。
長期・短期投資でパフォーマンスをUPする「ライオン戦略」
ダンさんの投資の基本は「長期積み立て」と「短期投資」する「ライオン戦略」。資金の7~9割は長期積み立てをベースに、1~3割を短期投資でリスクをとりパフォーマンスを高めるという手法です。また、「どれだけ自信があっても、経験があっても、間違いは起きる。間違いが起きる」ことを前提に、売買の時期も、商品も、戦略も多様化・分散化することを基本としています。
ポートフォリオは3つのカテゴリーに分けて検討
そこで重要なのは、アセットを3つのカテゴリーに分けて考えることです。
内容 | 対象 | |
---|---|---|
【A】 | 主に高いパフォーマンスを期待して投資するもの | 株式、社債、通貨、不動産 |
【B】 | 主にポートフォリオの値動きを安定させる目的で投資するもの | 国債、現金 |
【C】 | 【A】【B】とは異なる値動きで、全体のパフォーマンスを高め、安定させる目的で主投資するもの | コモディティ(金、銀、オイル他)、ビットコイン、その他 |
海外ETFを使って分散投資
上記3つに分類したアセット別に、投資をするのは、個別銘柄ではなく「海外ETF」。
この海外ETFを用いた投資手法については、前作「世界のお金持ちが実践するお金の増やし方」でもまとめられており、当ブログでは以下の記事で詳細解説しています。A・B・Cの投資比率、具体的な投資銘柄(ETF)についても記載しているので、是非、ご確認を。
投資額が少ないうちはポートフォリオを組みことが難しいですが、それ以上に大切なのは、「早く始めること」です。ポートフォリオは、少しずつコレクションするように作っていけばOK。これにより投資経験を積んでいくこともできます。
長期積立:つみたてNISAやiDeCoを使う
長期投資の基本は積立ですが、具体的な買い方には大きく分けて、4つの方法があります。
①自分自身で定期的に買い付ける
②つみたてNISAを利用する
③iDeCo(個人型確定拠出年金)を利用する
④投資信託の自動積み立てを利用する
つみたてNISAやiDeCoについては当ブログでもその非課税メリット・節税メリットの大きさについてまとめています。
なお、iDeCoについては2022年の法改正によりより使い勝手がよくなります。以下の記事をご参考に。
なお、積立投資をしていると、時間の経過とともに当初決めた資産バランスが崩れてくることがあります。その場合は、新規資金でポートフォリオのリバランス(比率が低くなったものを買う)すれば、手間が少なくて済みます。
短期積立:トレンドに乗りパフォーマンスを高める
投資の基本はあくまで、タイミングを気にせず淡々と投資する「長期投資」です。しかし、ここにトレンドに乗ってパフォーマンスを高める「短期投資」を組み合わせることで、資産形成はスピードアップします。
波に乗る・トレンドをとらえる
ここでいう短期投資は、スキャルピング、デイトレードのように常に売買を繰り返すのではなく、トレンド発生という「機会を見つけて」売買を行う投資です。何パーセント下がったら売る、といった数字を決めるのではなく、チャートを見て、トレンドが変わった、波が変わった、と判断した時に買う、売る、というのが基本的な考え方です。
ちなみに私も長期積立投資を基本としながら、主にCFDで短期投資(数週間~数ヵ月)で、FXで短期売買(1日~数週間)で小さなリターンを積み上げています。なお、ダンさんは初心者はレバレッジのかからない投資をすべきとの方針ですが、私は異なるのでその点はご了承を(CFDはレバレッジがかかる投資手法)。
短期投資に超重要:損切り
短期投資で重要なことは「損切り」です。「損切りは早めに行い、損を小さく抑えること」が極めて重要です。
損切りしなければならない回数が多くても、そこで生じる損が小さければ、大きな問題ではありません。重要なのは、利益は大きく、損は小さく、という「大きさ」であり、「損切りの数」ではありません。
メンタルを保つ
短期投資では、自分の掛けた方向と相場が逆行するとどうしてもメンタルがやられます。
だからこそ、損が出るのは仕方がないことと考え、自分を責めないことが大事です。波に乗って、大きな利益を出し、波が変わったら損を小さく抑えることを心がけましょう。
そして、自分なりにメンタルをコントロールする術を持つことが大事です。私がメンタルを保つ方法は以下の記事にて紹介しています。
シャープレシオを意識し銘柄を選ぶ
シャープレシオとは、いかに効率よくリターンを出しているかを示す指標です。標準偏差(価格のバラツキ)を抑えながらパフォーマンスを得られるかが重要になります。
ャープレシオをどうやって高くするかは、プロでも簡単ではありません。しかし、まずは 相関係数が低いものを選んで、多様化することです。なお、上述したABCの3つのカテゴリー分類によるぽーふぉフォリオもシャープレシオを高める組み合わせです。
ヘッジ方法を持つ
長期投資には値下がりリスクがつきまといます。短期投資では、これらリスクをヘッジする方法の一つが「空売り」です。初心者には難易度が高いですが、ヘッジの方法をいくつも持つことで投資はしやすくなります。
なお、ダンさんは、ヘッジのためにインバースETFを使う手法は勧めていません。理由は、インバースやレバレッジETFは、連動する指数に1日単位で連動するように設計されているため、日々を重ねるとずれが大きくなり、定義通りの効果が上がらないからです。つまり、インバースやレバレッジETFはデイトレード商品。これら商品を使うなら、「空売り」や「オプション取引」を薦めています。
最後に
今回は、高橋ダンさんの「僕がウォール街で学んだ勝利の投資術」から重要なポイントをまとめました。
なお、本書にはチャート分析の仕方などについても解説されています。
本全般を通して、投資の基本となる重要なことが分かりやすくまとまっていますので、是非、手に取って投資の勉強に役立ててください。
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