【書評/要約】世界のお金持ちが実践するお金の増やし方(高橋ダン 著)(★4) 

人生の最大の関心事ともいえる「お金」。

特に2020年は、終身雇用の終焉、給料は増えない中での増税に加え、コロナショックで雇用の在り方・働き方が一変。また、コロナショック後の株価の急激な戻りは、資産を持つものと持たざる者をさらに二極化させました。どんな社会変化があろうと、「自分でお金を増やすスキル」を身に着けることの重要度が増しました。

著者の高橋ダンさんは、ウォール街の投資銀行でキャリアを積んだ「投資」のスペシャリスト。現在は投資系YouTuberとして多くの支持者を集めています。そんなダンさんは日本の金融リテラシーの低さを憂い、「世界のお金持ちが実践するお金の増やし方を真似よ」と日本人を鼓舞します。

今回紹介の著書「世界のお金持ちが実践するお金の増やし方」では、投資マインドから投資法、お金持ちの習慣まで様々な方法を紹介していますが、本記事では、ダンさんが薦める「お金持ちになるためのロードマップ」に基づき、低コスト・分散を重視した、ETFをメインとするポートフォリオ、長期・短期投資戦略にフォーカスして本書の要点を紹介します。

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大事なのは、危機に強いポートフォリオを作ること

世界のお金持ちの大半は、資産のほとんどを「投資」で築いています。つまり、お金を預けて、お金を増やしています。

ここで重要になるのが「投資先の多様化=分散投資」です。

危機に強いポートフォリオを作らなければ、いくら短期的に稼いでも、資産は積みあがっていきません。

そんなダンさんが提唱するのが提唱する投資戦略のポイントは3つあります。

投資戦略の3つポイント

❶アセットの分散
❷コストの安いETFでポートフォリオを構成
❸資産を積み上げる積立長期投資と、利潤追求のための短期投資を併用

重要なのは「多様化」です。株や紙幣や、コモディティへの分散、さらに、先進国/途上国、ドル建て/円建て/ユーロ建てなど、何があっても資産が守れるように、投資先を分散させること。また、危機の時にも強いアセットとして、国債はもちろんのこと、コモディティでは金や、銀、プラチナ、ビットコインなども長期的に積み立てることが大事です。

お金持ちになるためのロードマップ

さて、投資を始めるに当たって、まず必要になるのが「種銭」。種銭がない人は、これを貯めることから始めなければなりません。

では、どのように順序立てて、資産形成を始めたらよいのでしょうか?

ダン流「お金持ちになるためのロードマップ」を簡潔にまとめると以下のようになります。

ダン流「お金持ちになるためのロードマップ」:6つのステップ

❶支出を3つに分ける
❷投資資金を長期投資と短期投資に分ける
❸長期投資の資産配分を決める
❹長期投資で購入する ETF は選ぶ
❺1回の注文スケジュールを決める
❻短期投資を学び少額で試す

上記ステップを詳しく見てきましょう。

❶支出を3つに分ける

まずは、投資のための資金作りです。基本は「無駄遣いをなくし、その分を投資に回すこと」こと。そのために支出を3つに分類し、③からできるだけ多くの金額を投資に回します。

①住居費(家賃、住宅ローン)←必要
②自分の家族の費用(生活費、教育費など)←必要
③その他 ←無駄を排除し、浮いたお金を投資に回す

❷投資資金を「長期投資」と「短期投資」に分ける

長期投資で安定的な収益を狙いつつ、短期投資で高いリターンを狙い全体的な投資リターンの底上げを図ります。
資産配分はがあなたの投資経験や性格によって変わりますが、目安は長期投資が7~9割、短期投資が1~3割です。

◆なぜ、短期投資を組み入れるのか?

ここでの「短期投資」とは、ポジションを数日から数ヶ月持つ投資です。
短期投資を組み入れる理由は、投資パフォーマンスを向上させるためです。1回で100円儲けるのではなく、短期投資10回×10円のリターンを得ることを狙います。また、長期投資のみでは金融不安などにより、一気に保有資産額が目減りすることがあるため、このような際にもヘッジなどに利用します。

❹長期投資で購入する ETF を選ぶ

長期投資は以下の資産配分(ポートフォリオ)を元に行います。
それぞれのカテゴリーで投資する先は基本ETFです。

資産配分

◆ETFを利用する理由

一般的に積立投資ではインデックスファンドを薦める専門家が多いですが、ダンさんが薦めるのはETF。理由は以下の2点です。
①投資信託よりも手数料(コスト)が安い
②ETF なら取引時間中なら、いつでも売買可能

なお、ETF選ぶときは純資産総額に着目。時価総額が大きいものをポートフォリオに組み入れます。この時、株式は購入通貨も多様化します。

ETF 比較サイト:Tracking insight

◆長期投資にオススメのETF

幅広い銘柄・通貨に分散投資することが大事です。

コード銘柄投資対象通貨
株式
VEAVanguard Developed Markets Index Fund ETF先進国株式米ドル建て
SPYSPDR S&P500 ETF米国株式米ドル建て
VWOVanguard Emerging Markets Stock Index Fund ETF途上国株式米ドル建て
1306TOPIX連動型上場投信日本株円建て
2800Tracker Fund of Hong Kong ETF香港株香港ドル建て
SX5SInvesco EURO STOXX 50 UCITS ETFユーロ株ポンド(ペニー)建て
社債
HYGiShares iBoxx $ High Yield Corporate Bond ETF米国高利回り債券米ドル建て
国債
TIPiシェアーズ 米国物価連動国債 ETF期間の短い米国債米ドル建て
BNDバンガード・米国トータル債券市場ETF期間1~20年の米国債米ドル建て
TLTiシェアーズ 米国国債 20年超 ETF期間20年以上の米国債米ドル建て
コモディティ
GLDSPARゴールド・シェア米ドル建て
IAUiシェアーズ ゴールド・トラスト米ドル建て
GDXヴァンエック・ベクトル金鉱株ETF金鉱山米ドル建て
SLViShares Silver Trust米ドル建て
PPLTAberdeen Standard Physical Platinum Shares ETFプラチナ米ドル建て
PALLAberdeen Standard Physical Palladium Shares ETFパラジウム米ドル建て
DBBInvesco DB Base Metals Fundベースメタル米ドル建て
USOUS Oil Fund原油米ドル建て
UNGUnited States Natural Gas Fund, LP天然ガス米ドル建て
DBAInvesco DB Agriculture Fund農業商品米ドル建て

   
   
   

◆投資パフォーマンスを上げる「ローテーション戦略」

ローテーション戦略とは、例えば、前月に株式よりも金の方がパフォーマンスがよければ翌月は金を買い増す、といった方法を毎月繰り返してポートフォリオを調整する戦略。リターンは上昇しリスクは下がる可能性が高い戦略。

◆資産を築くにはパフォーマンスが高いだけでは不十分

・パフォーマンスが高くてマイナスがないこと、つまり「標準偏差が低い」投資を心がけることが大事
・シャープレシオ=(ポートフォリオの収益率ー安全資産の収益率)/標準偏差 が高い投資を選択すること
・配当が確実に受け取れるという考えはメンタルトラップ。配当だけ受け取っても中長期的にはお金を増やすことはできない

❺1回の注文スケジュールを決める

ETF は投資信託と異なり、自動積立がしにくい。毎月日を決めて手動で注文する。

❻短期投資を学び少額で試す

短期投資は経験が必要。大事なのは波に乗ること。一度に大きな利益を目指すのではなくてさな利益を積み重ねることを目標にする。

チャートの知識は必須。ただし勉強ばかりして実践しなければいつまでたっても利益は得られない。ある程度の知識が得られたら少額で試して、失敗を積み重ねよう。

最後に

今回は、高橋ダンさんの「世界のお金持ちが実践するお金の増やし方」のポイントを紹介しました。
上記で紹介したのは、本書の一部にすぎません。なぜ、上記でリストアップしたETFに投資することが大事なのかなど、是非、本書をご確認ください。