多くの人が憧れるFIRE

FIRE(ファイア)とは、Financial Independence『経済的自立』とRetire Early『早期退職』の頭文字を取った造語。簡単に言えば、投資などで早くから経済的自由を獲得し、不労所得で生活するライフスタイルです。もともとは2014年ごろ、アメリカでブームになった米国発の生活様式ですが、日本でも副業解禁やテレワークの普及により、ここ数年で日本でも広く認知されるようになりました。

FIRE実現のためには、資産形成や投資が必須と認識している人は多いですが、情報過多の時代の中、「資産形成の本質」を見落としたまま、投資を始めて資産を失ってしまう人も少なくありません。特に投資初心者が、早期FIRE実現のためにギャンブル的な投資に手を出してしまうと、コツコツドカンで資産を失い、最悪の場合は市場から退場せざるを得なくなります。

私も過去、コツコツドカンで大きな資産を失った苦い経験を持つ一人として、欲しくありません。今、冷静に「お金」と向き合うと、実は、資産形成をする際に大切な情報はそれほど多くはありません。

基本に立ち返って「資産形成の基本となる公式」を押さえておくことが、細かいお金の知識や、日々の個別銘柄のニュースを追いかけるよりも資産形成では重要です。

今回は、私が大事と考える資産形成の公式3つと、FIREのために必要な資産額、今すぐ資産形成のためにやるべきこと、について解説します。

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資産形成の公式

資産形成の公式

資産形成の公式

資産形成の公式:(収入 ― 支出)+(資産 × 利回り)

資産形成の公式はとてもシンプルです。
収入を増やし、支出を減らして手元に残るお金を蓄える。そして、その資産を投資して、その利益を積み増す。ただ、これだけです。

資産形成、何から着手するか

資産形成の公式には、❶収入、❷支出、❸資産、❹利回り の4つの要素がありますが、まず最初に着手すべきと考えるのは、❷支出です。その理由は何でしょうか?

多くの人は資産形成の第一歩として、「❶収入を増やす」ことをと考えます。

確かに、副業解禁などを収入を増やす手段は一昔前に比べて増えましたが、収入は自分でコントロールできるものではありません。また、どんなに高収入でも支出が多すぎれば資産は残りません。まずは簡単に自分でコントロールができる支出を見直すことが先決です。

支出の見直し方の最初の一歩は、お金持ちになりたいなら絶対に避けるべき「愚」な支出をしないこと。具体的には以下の記事をご参考に。

また、その他家計の見直しについては、以下の記事をご確認を。私の家計見直しについてまとめています。

黒字なら毎月投資を生活のルーチーンに

支出を見直しながら、同時並行でやるべきは「収入」を増やす努力。例えば、会社員ならば収入が増えるように日々の業務に真摯に取り組む、または、副業に着手するなど、ご自身が置かれた状況に合わせて収入が伸びるように努力することが大切です。

そして、「収入―支出」の黒字を拡大させつつ、そのうちの一部を投資に回す、という生活習慣を毎月、ルーチーン化して回していくことが大切です。

複利の公式:72の法則

複利の公式:72の法則

複利:【72の法則】

72 ÷ 金利 ≒ お金が2倍になる期間 (年) ※近似値

さて、「資産形成の公式」の次に頭に叩き込んでおくべき公式は「複利:72の法則」です。
投資で味方につけるべきは「複利の力」です。複利とは運用益を再投資していくことで得られる効果のことです。複利の力で資産を雪だるま式に膨らますことができまあす。

資産が膨らむ複利運用とは?

先に示した「72の法則」は、資産を倍にするために必要な年数を知るための計算式です。
計算は非常に簡単で、72を予定運用利回りで割るだけ。たったそれだけで、資産を倍にするために必要な年数が分かります。

つまり、お金が2倍になる期間は以下のようになります。

1%で運用:72÷1=72 約72年必要
2%で運用:72÷2=36 約36年必要
3%で運用:72÷3=24 約24年必要
4%で運用:72÷4=18 約18年必要
5%で運用:72÷5≒14 約14年必要
6%で運用:72÷6=12 約12年必要
7%で運用:72÷7≒10 約10年必要
8%で運用:72÷8=9  約9年必要
9%で運用:72÷9=8  約8年必要
10%で運用:72÷10≒7 約7年必要

もっと具体的に実感してもらうための例として、毎月82,000円を30年間年に7%の利回りで運用できると「30年間で1億円になります。夢がありますね。

株式の長期的な期待リターンは6〜7%程度といわれています。人生100年時代、就労期間も長くなっていくので、若いうちから始めれば全く不可能な数字ではありません!

ごく一般的な老後生活を前提とするなら、公的年金も加えれば、資産を1億円も貯める必要はないです。とにかく、いかに投資を早く始められるかが大事です。

注意!「複利」と「単利」は大きく異なる

ここで、「複利」と「単利」の効果の違いを知ることは極めて重要です。

「単利」と「複利」

単利:利息を元本には組み入れず、元本部分に対してのみ利息がつく⇒100の法則
複利:利息を元本に組み入れて利息がつく⇒72の法則

複利が「72の法則」であるのに対し、単利の場合、「100の法則」となり、金利1%ならお金が2倍になるのに100年かかります。複利の場合は72年ですから大きな差ですね。

金利1%2%3%4%5%6%
単利100年50年33年25年20年17年
複利72年36年24年18年14年12年
28年14年9年7年6年5年

複利の効果を上げるには、「時間を味方にする」ことのが大事です。以下、関連記事を紹介します。

資本主義ではお金持ちはよりお金持ちに:トマ・ピケティの公式

資本主義ではお金持ちはよりお金持ちに:トマ・ピケティの公式

トマ・ピケティの公式

r > g
r=return on capital:資本収益率
株や不動産などの運用で得られるお金の割合
年平均4~5%
g=economic growth rate:経済成長率
働くことで得られるお金の増加率
年平均1~2%

資産形成をするに当たって、私がもう一つ知っておくべきだと考える公式が「トマ・ピケティの公式」です。

この公式が教えることは、お金持ちが株や不動産で資産運用すると年平均4~5%の財産が増え続けるのに対し、労働者が一生懸命働いて得られるお金は年1~2%しか増えないという資本主義の厳しい現実です。

特に、世界的な金融緩和で株価が大きく上昇している昨今は、「r」の年利はさらに拡大、一方で、コロナで働く先を失った人も多い中、「g」は低下していることでしょう。

トマ・ピケティの公式の理解を深める

本公式について記載されたトマ・ピケティの著書「21世紀の資本論」は900ページ以上あるので原書を読むのは大変です。しかし以下の映画なら簡単に学べます。Amazon Primeビデオなら440円で見れます。
資本主義で勝ち組になるためにも学んでおくとよいのではないでしょうか。

FIREが人生の選択肢になる生き方を目指そう

資本主義ではお金持ちはよりお金持ちに:トマ・ピケティの公式

FIREは人生のゴールではありません。「働くことが生きがい」にもなるからです。しかし、「FIRE(ファイア:Financial Independence, Retire Early)」が選択できる人生に近づくべく努力することは、自分の人生を有意義に過ごすためにも大事です。

では、FIREを実現するにはどのぐらいの資産が必要になるでしょうか?

FIREに実現な資産額

FIREに必要な額の目安は年間支出の25倍と言われています。

例えば、あなたの世帯の月の支出が20万円としたら5,000万円、支出25万円なら7,500万円を用意しなければいけません。

このFIREに必要な額を認識した上で、資産形成の公式「(収入―支出)+(資産×利回り)」をもとに、自分が具体的にどのような行動をしなければならないか考えるのが、資産運用のスタートです。

FIREが実現したら、働いて稼ぐ「収入は0」となるので、資産形成の公式は「―支出 +(資産×利回り)」となります。それでも「資産×利回り」で生活が回せる状態にするには、何をしなければならないか、想像してみましょう。(この部分については、後日、別記事でお話したいと思います)。

まず行うべきこと

毎月「収入-支出>0」が実現できるように努め、手元に残るお金を地道に投資に充てて続けることが「資産形成=長期投資の王道」です。

この長期投資のためにまず用いるべき制度は、税制優遇が受けられる「iDeCo」や「つみたてNISA」を用いた積立投資。世界経済の成長に投資すインデックスファンドをコツコツ積み立て続けることです。

より積極的な投資は、「iDeCo」や「つみたてNISA」の投資可能枠を使い切った後で遅くありません。個別株への投資、及び、FXや仮想通貨への投資は、その次で十分です。

ちなみに私は、iDeCoとつみたてNISA、どちらを先に始めるかについては「iDeCo優先派」です。
その理由や、iDeCoやつみたてNISAの始め方については、以下の記事をご参考に。

最後に

今回は、FIREを目指すなら、❶まず押させてきたい資産形成の公式、❷FIREのために必要な資産額、❸今すぐ取るべき資産形成のためにやるべきことについて紹介しました。

この記事が、あなたの資産形成にお役に立てば幸いです。

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