【書評/要約】ハートドリブン(塩田元規 著)(★4)  目に見えないもの「魂を震わす」仕事で人生もビジネスも輝き出す!

ハートドリブン。皆さん、この言葉の意味が分かるでしょうか?

ハートドリブンとは、一人ひとりが自分らしくハートに従って生きること。

「ドリブン」とは、原動力のこと。組織に属するビジネスマンなら、対義語が「インセンティブ」と言えばわかりやすいでしょうか。「インセンティブ=は誘因」は、人を動かすのに使うもの。具体的には、ポジティブな意味で「お金」や「地位」、ネガティブな意味ではお金をや地位を失うことだったり、「不安」です。

そして、多くの人は、ハートドリブンで行動するのではなく、ポジティブ/ネガティブ両方のインセンティブで日々行動しているのが実情です。

そんな時代だからこそ、今回紹介の「ハートドリブン」の著者の塩田元規さんは、ハートドリブンな”魂”に従った生き方の重要性を指摘。ご自身がCEOを務める上場会社「株式会社アカツキ」の起業時からの山あり谷ありの成長を通じて学んだ 「数字より感情、計画より直感、思考より衝動」を大事にするハートドリブンな独自哲学を明らかにしています。

ライフスタイルの変化と共に、価値観も変化している
ハートを大切にする人が、結果として社会的な成功も得られる!

現在の生き方に苦悩・限界を感じている方におススメの一冊です。以下、覚えておきたい要点をまとめました。

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ビジネスは、数字・効率がすべてではない

世の中の変化・価値観の変化:【書評/要約】ハートドリブン

ビジネスで大事にされる「数字・計画・思考」。
特に、上場会社ともなれば、株主へ、利益、今後の計画・ビジョンを定期的に開示することが必須。会社を数字で語ることが大事であり、先を実現する計画・説明が求められてきました。さらには、わずかでも経営数字が上向くよう、常に「効率」がすべてとされがちです。

しかし、これからの時代は、正解がない、多様な時代。しかも、労働もAIに代替され、ルール化できるもはAIが行う時代になります。

そんな時代に大事になるのが「感情・直感・衝動」
成功は結果であって目的ではない。人の何かをなしえたいという「熱い思い」に共感し、心を動かされる。だからこそ、一人一人が〝感情を丁寧に扱うこと〟それが、人生を輝かせる鍵となるのです。

世界に起きている3つの変化

世界に起きている3つの変化:【書評/要約】ハートドリブン

世界で起きている大きな3つの変化は3つ。

世界に起きている3つの変化

①便利さ(機能的価値)の時代から、心(感情価値)の時代へ
②画一的な価値観から、多様な価値観を認め合う時代へ
③透明性の加速。DoingからBeingの時代

便利さ(機能的価値)の時代から、心(感情価値)の時代へ

今、テレビに「機能差」を感じて使っている人は少ないと思います。どの製品も人が求めるスペックを満たし、むしろ、リモコンは使わないボタンで溢れているからです。

しかし、例えば、iPhoneには機能的な差別化の前に、思想の差別化、意義・信念への共感がある。それ故、アップルの顧客は顧客ではなく作り手の思想に共感してくれるファンになり、製品を購入することにワクワクする。

このような購買行動がますます大事になっていく。つまり、心(感情価値)が大事な時代なのです。

画一的な価値観から、多様な価値観を認め合う時代へ

上記のような、機能的価値から感情価値へのシフトは、購買行動に限ったことではありません。

〝働く〟ことも同様。 人生自体が〝攻略〟するものから〝自己表現〟するものに変わっているのです。そこでは、画一的な価値観から、多様な価値観を認め合うことが大事になります。

これまでは、インセンティブ動機で動いてきて来た私たちは、基本、有限なリソース=インセンティブを奪い合う・攻略する方法で生きてきました。しかし、これからの時代に必要なのは、今まで向き合おうとしてこなかった、自分の内にある「内面=感情」です。

自分の内面探しが大事になります。周りの期待に自分を適合させる生き方は終わりです。世界のトップリーダーは「好き」を通り越した感情「偏愛」できることを仕事に、しているからこそ、熱い思いが消費者に伝わり、支持されるのです。

インサイド・アウトとは「内側を変えて、外側を変える」こと。感情を丁寧に見て、「あぁ、自分は今こういう気持ちなんだな」ということを認識しましょう。

DoingからBeingの時代

「Doing」とは、行っていること。つまり、企業なら事業・サービス。
「Being」とは、自分たち、組織やチームの在り方。全てが透けて見える時代だからこそ、Doing=事業だけでなく、企業の在り方まで一貫性があることを、すごく大切になるのです。

Whyを大事にする

Whyを大事にする:【書評/要約】ハートドリブン

これからは「魂」「思い」が大事です。
魂を震わせ、進化させることができれば、あなたも、そしてあなたが携わるビジネスももっと輝くことができます。

この「魂を震わす」ために、大事にしたいのが、。Why(なぜ)を重視する生き方・働き方です。

Why=意義からスタートする

多くの組織はWhatが事業をスタート地点。Whatで何をやっているかを理解し、それをHow=どうやってやるかまでは考え説明できます。しかし、なぜやっているかを理解している組織は多くありません。

しかし、優れたリーダーはこの「Why=目的・意義」からスタートしてWhatまでを説明します。

Whyとは意義・目的です。これからの時代は、今まで以上に、意義(Why)が全ての中心になります。

競争戦略をたくさん考えるより前に、Whyをクリアにして、Whyをどう伝えるかを考えたほうが、ビジネスも価値を高められます

Great Question 「なぜ、このプロジェクトをやるの?」
Whyには正解はありません。しかし、正解がない問いをチームで考えるプロセスを通して、一人ひとりがこのプロジェクトに携わる理由に向き合う。合理的ではない、しかし、このプロジェクトとチームの願い・想いが大事になるのです。

機能的な価値ではGoogleやAmazonには勝てない

GoogleやAmazonのすごさは、彼らが提供するもの以上に、彼らが持つ、徹底的に機能的で便利な価値を生み出す力です。彼らは、たくさんのリソースを投下し、機能的価値のクオリティを上げ続けています。

米国のGAFA、中国のBATH。もはや投下してるリースの桁が違違います。この分野で日本企業が勝とうとするのはもはや困難です。だからこそ、「感情価値の徹底的な追及」を徹底的に高めることが大事なのです。

最後に

今回は、塩田元規さんのハートドリブンの要点をまとめました。

共感・感情の重要性についてはここ数年多くの本が出ており、周知の事実ではありますが、一読の価値のある一冊です。「ハートドリブン」の大切さを、是非本書から学んでみてください。