【書評/要約】世界一孤独な日本のオジサン(岡本 純子 著)(★3) 孤独に陥る理由を知って事前対処が肝心!

肥満より、大気汚染より環境ホルモンより、食品添加物より、お酒より、あなたの健康を蝕み、寿命を縮めるもの。

それは孤独

若いうちから老後を健康に暮らすため、健康に気遣う人はたくさんいますが、老後の孤独リスクを心配し、対策している人はどのぐらいいるでしょうか?

世界的に孤独問題が認識される中、中でも最も事態が深刻でなのが「日本人」であり、その中でも最も問題を抱えるのが「おじさん」です。

本書「世界一孤独な日本のオジサン」は、多くの研究・調査を引用して、世界一孤独な日本のおじさんの実態に迫った一冊です。なぜ、日本のおじさんが孤独化するのか原因を知ることが、老後の孤独を防ぐ対策となります。本書の要点を要約します。

[スポンサーリンク]

高齢者が世界一不幸な国、日本

【書評/要約】世界一孤独な日本のオジサン(岡本 純子 著)

生活水準は他の先進国に比べても安定しているはずの日本。しかし、なぜかこの国は不幸感で覆い尽くされています。中でも、日本は高齢者が世界一不幸な国との研究が報告されています。

多くの国で人の幸福度は50歳で底打ちまた上がっていく傾向示しているのに、先進国の中だけで日本だけは右肩下がりに落ちていき、歳をとればとるほど不幸に感じている人が増えていくのだそうです。

別の研究では、人間は歳をとるほど神経質でなくなり、感情コントロールしやすくなるという科学分析もありますが、日本ではこの分析が当てはまっていません。むしろ、現在の日本では、キレる老人が増加してるのが実態です。

退職後はノルマがないのになぜ不幸を感じる?

【書評/要約】世界一孤独な日本のオジサン(岡本 純子 著)

多くのおじさんは、退職後は現役時代のようなノルマに追われることなく、自由に生活できるはずなのになぜ不幸なのでしょうか?

仕事だけだった人生…

それは、実際に退職生活を始めて、「いかに仕事支配されていたか」に気づかされることになるから。

何も自分を縛るものがなくなって、やりがい、プライド、仲間で必要なものはほとんど仕事によって満たされていたことに、ふと気づく。

そして、仕事を失って、「認められていない」、「必要とされていない」、そんな思いが心を満たしてしまうからです。

しかも、男性の場合は、コミュニケーションが得意でありません。女性のようにたわいもないことを長々話して楽しむという術を持たない人が多いのです。そもそもおじさんはコミュニケーション下手ですから、自分に自信がない人は、引きこもり、自ら孤独になっていくのです。

リタイア直後の会社員の苦悩が垣間見える作品

created by Rinker
Kindle Unlimited 対象本
Audible 聴き放題 対象本
内館牧子さんの小説「終わった人」は、元々、出世コースを歩んでいた大手銀行行員 田代壮介が、途中、出世コースから脱落し、子会社に出向。その後、未消化のまま、定年退職を迎えるも、生き甲斐を求め、居場所を探して、惑い、あがき続ける男を描いた作品です。

人生をささげてきた仕事がなくなると人はどうなってしまうのか、本書の前半は、定年が見えてきた人だけでなく、FIREを考えている若者、現在会社員として働いている人は、自分が定年を迎えたら(仕事を辞めたら)どうなるのか、追体験するためにも読んでおいた方がいい小説です。

映画化もされた大反響ベストセラー定年小説なので、どんな人が読んでも面白いですし、しかも、自分の生き方を考えさせられます。

「マズローの5階層ピラミッド」とおじさん

「マズローの5階層ピラミッド」

マズローの5階層ピラミッドをご存知でしょうか?
人間の欲求は5段階に分けられ、下位の低次の欲求が満たされると上位の高次の欲求へ上がっていくというものです。
衣食住に困るような生活の場合、まず大事なのは身の保存で、まだ、社会的欲求には及びません。

これまでの日本では、真面目に退職を迎えるまで働いてきた人なら衣食住に困ることはありませんでした。つまり、第1階層目の「生理的欲求」、第2階層目の「安全の欲求」の欲求は満たされています。

そのため、第3階層の「社会的欲求」であるどこかに所属し満足したいという欲求にいきなりぶつかりさいなまれることになります。悩んでも、退職後においてはこの欲求が満たされることなく、より上位の欲求である、「承認の欲求」、「自己実現の欲求」が満たされることがないのです。

最後に

今回は、「世界一孤独な日本のオジサン」をまとめました。

老後の孤独は深い日本の闇ですね。ただ、若いうちから、趣味を持つ、仲間を作る、健康に心がける、セカンドライフにしたいことを思い描いておくなどすれば、老後の孤独の一定割合は回避できるわけですか、是非ともそうしたいです。

最近は、SNSなどで簡単につながれますが、ネットのコミュニケーションだけでは孤独は満たされません。つながってるから大丈夫!と思わないようにしましょう。

老後を豊かに暮らすための本

また、このようにならないためにも、老後に関する本は若くして読んでおくといい。つつましくも、心穏やか&豊かに暮らせるヒントがたくさんあります。
以下、参考になる本を紹介して、本記事を終えたいと思います。

老後資金の心配を若いうちには排除したいなら、以下の本がおすすめです。