【書評/要約】半分、減らす。(川野 泰周 著)(★4) 減らせば人生が好転する。ミニマリストとは違う、精神科医 兼 禅僧 ならではの的確アドバイスに納得
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欲張りすぎるのが人間の性(さが)。
仕事しすぎ、買い過ぎ、食べ過ぎなど、何事においてもやりすぎる傾向があります。でも、その結果、人生が苦しくなっていませんか?

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今回の紹介の著書「半分、減らす。」の著者である川野泰周さんは、精神科医でありながら、禅僧でもある異色の心のアドバイザー。Youtubeなどでもマインドフルネス・瞑想・坐禅によって心を調える方法をアドバイスされています。

そんな川野さんの人生をよりよくするために薦めるのが、「何事もほどほどに、半分に」。

とにかくモノを減らすことを目指すミニマリストのアドバイスとは異なり、仏教、そして、医学に基づくアドバイスが紹介されています。買い過ぎ、食べ過ぎ、仕事のし過ぎなど…で心や体に悩みを抱えている人に、是非、読んでほしい1冊です。

今回は、川野泰周さんの著書「半分、減らす。」からの学びの一部(前半部分)をポイントを絞って紹介します。

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「ほどほど」で人生は好転する

【書評/要約】半分、減らす。(川野 泰周 著):「ほどほど」で人生は好転する

現代人は、仕事でも食事でも買い物でも、何かにつけて「やりすぎる」。 現代人は、「やりすぎ」が習慣化しているせいで、非常に多くの方が様々な問題を抱えています。

やりすぎに慣れてしまった現代人

私たちは「仕事のし過ぎ」が、ストレスや健康被害を招くことを知っているのに、頑張りすぎてしまう。脳の「馴化」で、頑張っているうちに、脳と心がそれに慣れてしまい、忙しい状態が常態化してしまうのです。

この「やりすぎ」防止の心がけが「半分、減らす」。ざっくりだけれど心理的にクリアな目標をもって、確実に行動することです。仕事の場合、半分にはできないと考える人もいるかもしれませんが、やり方改善を行えば、不可能なことではありません。

なぜ、日本人は生産性が低いのか

現在、世界的に見て、日本の生産性の低さが問題になっています。なぜ、真面目なのに生産性が悪いのか。それは、まじめの罠」に陥り、非効率スパイラルに陥っているからです。その理由を知らず、やみくもに働いても、成果につながらず疲弊するばかりです。

日々の行動にしっかり〝句読点〟を打つ

「つい、やりすぎてしまう行動」に歯止めをかけて、ほどほど思考と行動で、自らの健康を守り、同時により満足度の高い豊かな人生を実現する。

これが本書の目指すところです。本書のタイトルには句読点が入っていますが、ここにも、「日々の行動にしっかり〝句読点〟を打ちましょう」という川野さんの思いが込められています。

目指すのは、「より少なく、でも、より満たされた、マインドフルな生き方」です。

何事もほどほどを心がけるマインドを持つ:中道の精神

「半分、減らす。」は、仏教の「中道の精神」をベースとしています。中道の精神とは、何事も極端に走らず、 偏りなく、ちょうど真ん中くらいのところを意識することです。

お釈迦様が悟りを開いた経緯も「偏った考え方や行動を手放す」ことから始まっています。「ほどほど」なら、等身大の自分で無理なく行えます。

やりすぎという依存症のメカニズム

【書評/要約】半分、減らす。(川野 泰周 著):やりすぎという依存症のメカニズム

買い過ぎ、食べ過ぎ、仕事しすぎ… なぜ、私たちは「やりすぎる」のでしょうか。その背景を知ることも大切です。

「やりすぎ」の背景には不安

私たちの「やりすぎ」に大きく関与しているのが「テンション」です。現代人は、何をするにもテンションを上げすぎる傾向があります。

テンションを上げたがるのは、あまりにも「不安」が多すぎることが一因です。

仕事、家族、お金、人間関係、さらには、異常気象、天災、未知の感染症… 次から次に襲い掛かる不安な心を防衛するためにテンションを上げるという行為に走る。これは、自分の気持ちをかりそめの躁状態にすることで、日ごろ感じている不安や心配事、悩みなどを「快刺激」によって自覚しなくても済む状態にしておくという、心の防御反応の一種です。

この心の防御反応は、買い物依存、ギャンブル依存、アルコール依存、薬物依存 をはじめとする様々な「依存症」に密接に関わっています。

物質的な豊かさで心は満たされない

私たちは、豊かな生活を求めて必死に働きます。しかし、物質的に豊かになったその先で、心は幸福感に満たされ豊かになれるのか?

確かに欲望が満たされれば、一時的に幸せな気持ちになれます。しかし、物が豊かになるのと反比例するように、心が貧しくなってしまう場合が現実的には多い。その理由は、願望を叶えようと、〝やりすぎ〟てしまうからです。

「あれも、これも」と望むのと並行して「やらなければいけないこと」が増えてしまう。結果、せわしなく考え、休みなく動かざるを得ない状態に陥り、心身にストレスを抱えてしまうのです。

人生を豊かにするのは「非地位財」

「地位財」「非地位財」 という言葉を聞いたことがありますか?

地位財 :所得、財産、社会的地位、物的財など、「周囲と比較することで満足を得られる財」
非地位財:他者との比較によってではなく、「自らが主体となって幸福を感じることのできる財」
     健康、自由、愛情、良好な人間関係や環境など

地位財では幸福は長続きしません。地位財は「富に対する執着」となって、心に不足感と貧しさをもたらす可能性があります。一方、「非地位財」は幸福が長続きする「幸福の泉源」。私たちの心に充足感を与え、人生を豊かにしてくれます。求めるべきはこちらです。

地位財については、以下の本も参考になります。

欲しがる欲求をいかに制するか

では、どうしたら、地位財を求めるすぎる、買いたい・欲しがる衝動を押さえられるのでしょうか。

そのためのカギとなるのが、「心の観察」です。何かを見聞きし湧き上がったかすかな衝動を見逃さないように「心の観察眼」を磨くことです。そして「やめどきのさじ加減」を知ることです。このスキルを磨くには「マインドフルネス瞑想」が大いに役立ちます。

マインドフルネスな生き方

【書評/要約】半分、減らす。(川野 泰周 著):マインドフルネスな生き方

心をコントロールし、やりすぎ改善するためにも重要となるのが「マインドフルネス瞑想」です。

マインドフルネスとは

マインドフルネスの定義は、「いま、この瞬間の体験に注意を向け、評価や価値判断を手放してただ観察する」ことです。過去でも未来でもなく「今」にフォーカスすることです。

瞑想のポーズを取らずとも、目の前の一つのことだけに注意を置いて取り組むことは、すべて、マインドフルネス瞑想です。

逆輸入されたマインドフルネス

瞑想は「禅の精神」がベースで、禅は日本で生まれました。しかし、昨今、マインドフルネスが世界で注目されるようになったのは、グーグルが発端です。「大量の情報を扱うには、心のゆとりが必要だ。 そして創造力を高め、おもしろい智恵やアイデアが生まれてこそ、コンピュータの技術は発展する」という発想がベースにあります。

マインドフルネスを実践!

本書では、マインドフルネス瞑想の最も基本となる「呼吸瞑想」の方法が紹介されています。これら、瞑想法については、以下の記事を参考にしてください。

ちなみにサウナーの私は、日々サウナ後の整いタイムに「サウナ瞑想」をしています。大量の汗と水風呂で体・脳のゴミが一掃された後なので「身体の感覚が敏感」で瞑想しやすいと個人的には感じています。

【半分、減らす。実践編】捨てるの基本は「片づけ」

【書評/要約】半分、減らす。(川野 泰周 著):捨てるの基本は「片づけ」

「半分、減らす。」の第一歩は、「身の回りを片づけ」です。まずは、なぜ、片づけが重要なのか見ていきましょう。

なぜ、片づけが大事か

人間がの注意力は脆いモノです。部屋が散らかっていると、意識はしていなくても散乱物に少しずつ注意を奪われ、脳の情報処理のスピードも遅くなります。その結果、肝心の集中すべき仕事への、集中力が確保できなくなってしまうのです。

デスクが散らかっている人は、今すぐ、片づけをすべきです。それが仕事の効率化につながります。

私のデスク周りの整理術、やる気を上げる環境づくり

私のデスクの整理術は、以下の書評の後半にまとめています。片づけに役立つグッズ、やる気の上がるデスク構築など、紹介しているので、是非、ご確認いただきたいと思います。

ファッション感覚の断捨離の危険性

禅僧は多くのモノを所有しません。少しの大事なものを大切に使います。仏教では「ご縁」を大事にしますが、多くの物に囲まれていると、大切な物や人とのご縁が希薄になるからです。モノを多く所有している人は、目の前で本当に向き合うべき物事に対しても、心ここにあらずになりがちです。

ただ、「物を持たないのがかっこいい」というファッション感覚の断捨離・ミニマリストに、川野さんを「いきすぎの危険」があると指摘します。捨てることに、買うことと同じように快感を覚えてしまう危険をはらむからです。

いきすぎた断捨離は、本当なら保管しておいた方がいいモノも捨ててしまう可能性があり、ありがとうの精神にも反します。また、人間関係のいきすぎた断捨離にもつながります。物や人をどんどん捨てていくことの快感とは裏腹に、孤独感を深め、日々が寂しいものになっていく――。そんなことにならないように注意が必要です。

片付け、どこから手をつけるか

減らす片づけを始めるに当たっては、「よく目に映る場所」にある物から片づけを始めるのがよいと川野さんはアドバイスします。

・よく目に映る場所から片づける
・「ジャンル」ではなく「大きさ」や「高さ」で整理する
・まずは使う頻度で3つに分類する
・片づけをルーチーン化する(特に帰宅後は部屋が散らかりやすいので、行動をルーチーン化する) 他
・リラックスし、効果的に頭が空っぽにできるマインドフルネススポット「お風呂場」に不要物を置かない

その他、川野さんのムリなく、仏教の精神に反するもったいないこともしないための、片づけ・断捨離アドバイスがいろいろ紹介されています。湯船につかりながらの「ありがとう瞑想」は私も実践しています。

【半分、減らす。実践編】食欲を押さえる

【書評/要約】半分、減らす。(川野 泰周 著):食欲を押さえる

食べ過ぎると肥満になり、それが様々な病気の引き金となります。太らないためにも食欲の押さえ方を必要があります。

結果的に量が半分になる食事

現代人は食べ物を早く飲み込みすぎです。川野さんは、「噛む」効果は活かすために、「とりあえずはじめの三口でいいので、ゆっくり、ていねいに食べてみる」ことをアドバイスします。

噛む効果

・満腹感が感じられる
 (咀嚼でで、脳内に「神経ヒスタミン」が分泌され、満腹中枢を興奮させる。血糖値の上昇を感知する)
・副交感神経が活性化し、胃腸の動きが活発する(健康的な排便につながる)

よく噛むといつも以上に食事がおいしく感じられます。このおいしさを味わうために、食べるスピードが半分になれば、食事の量も半減します。

食事に感謝する

人類史において、食べ物に困らなくなったのはつい最近です。食事をいただけることは「とてもありがたいことだ」と気づきましょう。

川野さんは食事前に「五観の偈」という短いお経を読んで、食事に感謝することを勧めています。

いま口に入れようとしているお米や野菜が、食事の膳にに至るまでの過程に、実に多くの人の手間や苦労があること、作物を育てる自然の恵み等、すべての命がつながって食事ができることに感謝の念を表すのです。そして、自分がそれだけの手間や命をいただくに値する生き方をしているかを考える。世のため、人のために生きているかを考え、至らぬ自分を反省しながら、食事を頂く。

心を込めて「いただきます」をすれば、、ドカ食い、一気食いは自然と減るはずです。

食事は空腹を満たすものではない

食事は単に空腹を満たすためのものではありません。体を養い、健康を維持・向上させるためにいただくのです。感謝をしつつ、よい薬と思って、食事をしましょう。

本書には、買い過ぎ、まとめ買いなどの弊害など、食べ過ぎを減らす多数のアドバイスが紹介されています。また、医学的な見地からも、食べ方アドバイスがされています。また、食事瞑想で有名な「レーズンを使った食べる瞑想」などについても解説が行われています。

最後に

今回は、川野泰周さんの著書「半分、減らす。」からの学びの前半部分をポイントを絞って紹介しました。

本書の後半では、「消費」「情報」「仕事」を半分、減らす方法が丁寧に解説されています。どれも一読の価値のある内容です。是非、本書を手に取り、「半分、減らす。」ことの大切さを知り、まずは、一つでもいいので実践していただければと思います。

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本書と考え方が通じる本に、同じく禅僧の枡野俊明さんの著書「人生の流れが美しくなる禅、お金の作法 」があります。こちらは「お金」をメインテーマにしていますが、これも、所有しすぎ、買い過ぎ、食べ過ぎなど、欲を制し、消費を減らすために大いに役立つ良書です。合わせて読んでみることをおすすめします。