【書評/要約】まじめの罠(勝間和代 著)(★4) 日本が、なぜ、ここまで没落してしまったかがよくわかる
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まじめは美徳。日本では、幼少期から、親・先生のいうことは素直に聞きましょうと、従順であることを美徳として教えられます。日本人の真面目さは、いわゆる文化であり、DNAです。

しかし、本当にまじめは美徳なのか、疑問を持て!というのが勝間和代さんの著書「まじめの罠」です。

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日本人はルールを重んじ、うまくやる人をズルい人と軽視する傾向がありますが、これがそもそも間違い。現代の日本が、まじめの罠にどっぷりはまった結果、世界的に没落してしまったように、より上手に問題を解決するには、既存のルールを疑って次の一手を打つことが欠かせません。

では、私たちは一個人として「まじめの罠」からどう脱出して、よりよい人生を切り開けばいいのか。その解決策・ヒントを学ぶことは、幸せな人士を切り開くためにも非常に役に立つはずです。今回は本書からの学びを紹介します。

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まじめの罠とは何か

【書評/要約】まじめの罠(勝間和代 著):真面目の罠とは何か

「まじめの罠」にハマりやすい人とは、「与えられた課題設定に疑いを持たない人」「与えられたものに対して逆らわない人」です。従う必要もないことにもしたがって、ストレスを貯めこみます。まず最初に、まじめの罠の背景を確認します。

ズルいは悪いこと?

私たちの身のまわりには、様々な目標や守るべき規則があります。これらに、ただ盲目にこれらに従うと、私たちは、いつでも、どこでも、「まじめの罠」にハマってしまう危険があります。

これを避けるために必要なのは、「すべての前提を疑ってみる」「すべての前提を 鵜呑みにしない」という考え方です。

健全な疑いをもって事象を読む手法に、「クリティカルシンキング(批判的思考)」や「ラテラルシンキング」がありますが、日本人は、ここにある種の「ずるさ」を感じてしまうため、この思考法が苦手です。いい意味でズルい!と言われるような思考法が大事です。

まじめは優秀なのか?か

ズルい考え方は悪いことではありません。しかし、日本人にとって、「まじめは文化・DNA・正義」であるため、ルールを疑いません。そのため、不必要だと思われることは適度に手を抜くといった「ふまじめ力」を開発されていません。

しかし、そもそも、考えもなくただ従う人は、本当に「まじめで優秀」と言えるでしょうか?

学校教育と異なり、社会の問題、企業の問題には正解がありません。予定調和的な正解を求めても、それでは問題は解けません。世の中のルール・既成概念を疑って発送しないと問題は解決できません。だから、海外のコンサルファームなどは、与えられた枠内で最大限の努力をしてしまう人まじめな人は採用しません。

名著「イノベーションのジレンマ」の中には、優れた特色を持つ商品を売る巨大企業が、まじめに、市場、すなわち既存顧客の言うことを聞けば聞くほど、高スペックの偏った商品ばかり開発しジレンマに陥るケースが紹介されています。今、企業に必要なのは、破壊的なイノベーション。「規制の枠を破る製品」を生み出す力です。

賢い人ほど「ふまじめ」

賢い人は「まじめ」に耐えられません。結果が出ないやり方に耐えられないからです。不毛なルーチンワークには耐えられません。

大事なのは「知恵の力」です。知恵があれば、既存の枠にとらわれず、代替案を模索して先に進むことができます。

こう考えると、まじめな人ほど楽をしているとも言えます。なぜなら、自分で考えることを放棄し、与えられたルールを守ることで責任を回避し、自分の思い通りにならないことに対して不満を漏らしているわけですから。「毎日会社で頑張ってまじめに仕事をしていれば、いつか必ずきっといいことがある」といった程度の根拠のない思い込みは今すぐ捨てるべきです。

「まじめの罠」のメカニズムと害

【書評/要約】まじめの罠(勝間和代 著)

ここからは、「まじめの罠」のメカニズム、および、そこから生まれる様々な害について見ていきましょう。

「まじめの罠」にハマってしまうメカニズム

「まじめの罠」に陥らないようにするためには、そのメカニズムを知る必要があります。日本における「まじめの罠」には、以下の外部要因と内部要因があります。

外部要因:「まじめの罠」を生み出す生態系(エコシステム)が社会に埋め込まれている
内部要因:「まじめの罠」に囲まれて育つと、私たちは大局観を育む能力を失ってしまう

日本は、構造的に、「間違った評価体系の元で間違った見方をするように仕組まれてしまっている」のです。

「まじめの罠」が当事者に与える害

「まじめの罠」が当事者へもたらす害は、下記のようなステップを踏んで進みます。

まじめの罠に落ちるステップ(当事者)

どんなにまじめに努力しても、努力が成果に結びつかない

被害者意識の肥大化

常に被害者意識を持つため、まわりに攻撃的になる

自分を正当化する

自己欺瞞 に陥り、自己を満たすために他者を差別するようになる

こうして、まじめに努力すればするほど報われず、自己正当化のために、世の中は差別や足の引っ張り合い・いじめで溢れることになります。こうなるともはや当事者だけの問題にとどまりません。ますます、努力しても報われない人を大量に生み出す社会が加速することになります。

「まじめの罠」が社会に与える害

次に、当事者の枠を超えて社会に害が広がるステップは以下のようになります。

まじめの罠に落ちるステップ(社会)

間違った努力は評価されるが、根本的な問題はまったく解決しない

いつまでも問題は先送りされる

「お上」は永遠に崇拝と批判の対象であり、持ち上げられ、叩き落とされる

リーダーシップが継続しない

社会システム全体の自己修復力を毀損する

日本は、長くこの問題に直面しています。これでは、国は没落していくばかりです。

まじめの罠から抜け出すには

【書評/要約】まじめの罠(勝間和代 著):脱・まじめの罠

では、どのようにすればまじめの罠から逃れられるのか。勝間さんの考えをまとめてみます。

脱・まじめ教のススメ

まじめな人は、常に何かに追い立てられ、いつも他人の評判や顔色ばかりを気にして生きています。しかし、幸せになろう、自分のパフォーマンスを最大化しようと思ったら、本来、私たちは「まじめ」ではいられません。

まじめとは、世の中で決められたコンセンサスのある「枠組みの中」で生きることなので、【限界】があるからです。だから、その枠をはみ出すクリエイティブな解決、つまり、真面目な人からは「ちょっとズルく映るような思考・解決」に、方向を転換していく必要があります。

「まじめの罠」から抜け出す6つの解決法

勝間さんは、一人一人が「まじめの罠」から抜け出す解決法を6つ紹介しています。

「まじめの罠」から抜け出す6つの解決法

❶失敗を恐れるな  
❷問題設定そのものを疑え  
❸動物的な勘、身体感覚を養え  
❹独立した経済力を持て  
❺自分のまじめさや常識を疑え  
❻正しい自己認識を持て

上記から❶~❸について補足紹介します。

失敗を恐れるな:失敗は喜びに変えられる

多くの人は、世の中からあたら得られた枠組みに、無理やり自分を合わせて苦しくなっています。ここから抜け出すために一番大事なことは、トライ&エラー。試して失敗することです。

既存の枠から出ようとすると、必ず失敗が伴います。それを避けてはいけません。そのためにも「枠組みというものは自分の力で構築していくものだ」という視点を持つことが大切です。この経験が、確実に自分を育ていきます。

問題設定そのものを疑え  

何らかの目的を達成しようとした場合、そのためにはどれくらいの手段があるのかを考えるクセをつけることが大切です。いつでも、どこでも、「目標」とか「決まり」として世の中から私たちに与えられるものに対して、「これはおかしいのでは?」と考えることを癖にしましょう。

そもそも、完璧主義である必要はありません。例えば、3カ月で100点取る人と、2日で80点取る人、試験合格という目標を達するに当たって、どちらの方がいいでしょうか。現代社会で求められるのは後者です。

人を信じることを美徳と感じている人も多いですが、物事を批判的に検討するのは善悪の問題ではありません。批判的に検討することはある意味、真剣に問題と対している証拠です。相手の言うこと、ルールを鵜呑みにして、責任を擦り付けるよりよっぽど建設的です。

ただ、疑うためには十分な知識と思考ロジックが求められます。知識の引き出し、失敗が必要です。

❸動物的な勘、身体感覚を養え

まじめの罠にハマってしまうと、何も考えないことが日常化してしまい「動物的な勘」が鈍っていきます。動物的な勘とは、無意識に蓄えられた知識からの直感であり、知識の集大成から生み出される軸です。

私たちは、問題が起こったときに専門家の意見を求めますが、これをただ、適当に「へー」「ほー」「ふーん」と流して聞いてしまっています。これでは意味がありません。自分で考え、自分で行動し、自分で責任を持つということの繰り返しをしない限り、身体感覚は絶対に身につきません。

最後に

今回は、勝間和代さんの著書「まじめの罠」からの学びを紹介しました。

本記事では紹介しきれていませんが、本書を読むと日本という国が、「まじめの罠」にはまって没落していったことがよくわかります。グローバルに見て、年収、生産性が著しく低下してしまった日本は、まじめの罠にはまって、国民同士が地位を低下させていった結果とも言えます。
発刊から時間がたっていますが、だからこそ、現代社会をみて納得できることが多いと思います。是非、本書を実際に読んでみて頂けたらと思います。

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