平凡家庭に育つ中2の僕と、高利貸し他を営む町一金持ちな家庭に育つ女の子が、ある日、謎の男が顧問を務める「そろばん勘定クラブ」に突然放り込まれる。
そのクラブで行うことは、ちょっと変わったお金の勉強。
リーマン・ショック(強欲資本主義)から、「かせぐ/ぬすむ/もらう/かりる/ふやす」とは、長期投資、格差問題などを、中学生でも分かる平素な言葉で解説。ストーリー仕立てで、本書「おカネの教室」が展開していきます。
中学生の時にこんなクラブと出会えていたら、大人になって、もっとお金と賢く付き合い、お金・仕事の価値観も変わっていただろうに!と悔しさすら感じてしまう内容。
人それぞれ、最も関心をもつ部分は異なると思われますが、私がなるほどと納得したのは「格差と資本主義」に関する授業内容。
私を含め、多くの庶民は、地主・投資家などに対して、なにかしらのすっきりしない「モヤモヤ感」を持ってはいないでしょうか。この本を読んで、モヤヤモヤ感の正体が論理的にスッキリ解釈できたのは大きな収穫となりました。
今回は、「おカネの教室」から、私が個人的に面白い、大いに納得!と感じた点を紹介します。(個人( ..)φメモ的です。本書全体としては、もっと学ぶところが多いです。)
目次
「かせぐ」と「ふやす」
世界の富を増やす人、数字で言えば平均以上のGDPを生み出す人、これが『かせぐ(人)』。
『ふやす』に同じ尺度を当てはめると…
株式投資は時に大きな損を被っても、長期では高いリターンが期待できる。投資は金持ちの不労所得のように考える人もいるけど、いわゆる労働で稼ぐと違って「損」するリスクもある。リスクが高い分、ハイリターンじゃなくちゃ、やってられない。
「ふやす」と「かりる」
投資家の『ふやす』の裏側には、企業の『かりる』がある。投資家から借りた資本を元手に企業は事業を広げ、投資家に利益の分配をもたらすわけです。
株式投資が高いリターンを生むのは、企業が資本を使って『かせぐ』に値する富を生み出すからです。
市場経済の主役は企業です。リスクを取って企業に大事なお金を投じる投資家は経済成長を支える陰の主役です。投資でも儲けたいだけであっても、それが世のため人のためになるのです。
「かせぐ」~労働者 VS 資本家~
現実に 汗水 垂らして働くのは企業、つまりそこで働く人たち。
そして、大事なお金を失うリスクにヒヤヒヤしながら 脂汗 をかくのが投資家たちの役回り。
どっちの汗をかいて稼ぐかだけの話で、経済への貢献を考えれば、どちらも『かせぐ』に当たります。
地主・不動産ビジネス・投資、そして彼らに対する「モヤモヤ感」の正体
地主・大家と聞くと、多くの人は、なんとなく、心の中で「この人ズルいなぁ(働かずに、お金稼いで)」とモヤモヤしてしまうものです。
しかし、不動産ビジネスは物件値下がり・住人トラブル・税金・維持など、大きなリスクもあれば、コストもかかります。リスクを用心深く取れば、見合った見返りは当然必要です。
前項でも示した通り、『かせぐ』は富の増大に人並み以上に貢献する。これに尽きます。
そして、株式や不動産などの投資のリスクを引き受けることは紛れもなく富の増大に貢献します。このような(考え方の)「物差し」を持つことが大事です。
実は、同じく、富の増大に貢献していても、お金持ちに対して「モヤモヤしてしまう感情」こそ、大きな罠。
モヤモヤするのは、多くの人は、その裏側に経済的な不平等、貧富の格差という別の問題を敏感に 嗅ぎ取っているから。簡単に言えば、「なんか不公平」と感じてしまうから。株式や不動産への投資で『かせぐ』ことは、十分な元手を持っている人、つまり、ある程度のお金持ちにしか開かれてないからです。
これは別の次元のお話です。
トマ・ピケティ r >g
有名な、トマ・ピケティ r > g の公式。
r > g (r:資本収益率、g:経済成長率)
この式を簡単に説明すれば、我々の生きる現代は、平民よりお金持ちの方がどんどんお金持ちになってしまうというルールに支配されているということです。
このルール下では、いったん投資に回せる余裕を手にしたお金持ちは、富をどんどん蓄積することが可能。複利マジックを獲得し、雪だるま式にお金を増やせます(借金の場合は逆回転)。
一方、元手のない庶民にはその道は閉ざされています。平均的な人には平均的な経済成長程度の恩恵しかありません。
その結果、貧富の格差はどんどん広がる。ピケティは、これは今の市場経済の構造的な欠陥であり、放っておいては解決できないと主張しています。
所感 ~資本主義のルールを理解するまでの私の軌跡
私は、資本主義の根底にある「r > g」の公式に、どの段階で気づけるかが、資本主義でうまく生きれるか/辛い毎日をおくるかの分かれ目になっていると思います。
私にこのルールを最初に気付かせてくれたのは、ロバート・キヨサキさん「金持ち父さん 貧乏父さん」のクワドラント図。そして、その後、橘玲さんの「黄金の羽シリーズ」、そして、トマ・ピケティ著の『21世紀の資本』で、それが決定的なものになりました。
そして、その後、マンガで読破シリーズでマルクスの「資本論」「続・資本論」を読んでそれがより強固なものになりました。
この2冊は超おススメ!マンガなのに、資本・労働の本質が超分かりやすく理解できる!
資本家とは、そして、資本家に雇われる労働者とは… 労働者の立場から読むと、かなり内容はショッキング。自分の働き方について、深く考えさせられると思います。
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この資本主義のルールが自分の中でしっくりと理解できるようになるまで、随分時間はかかりましたが、今は、「金持ち父さん貧乏父さん」を読んだ当時に将来的な目標として描いた「雇われない生活」には移行できました。
最後に
今回は、高井浩章の「おカネの教室」の一部を紹介しました。
本書には幅広い内容が書かれているので、是非、手に取って読んでみることをお勧めします。
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