
なぜ、多くの人は目標を達成できないのでしょうか?
仕事や私生活で目標を達成した、いわゆる成功者と呼ばれる人たちには、共通する思考や行動のパターンがあることが明らかになっています。
彼らは「才能が成功に導いた」のではなく、彼らはある種の思考や行動によって、自らを成功に導いています。
本書「やり抜く人の9つの習慣」は、成功者の9つの習慣を明らかにし、その具体的な解決方法を指導してくれる良書。
短い本ですが、非常にためになる本です。今回は本書を要約します。
目次
やり抜く人の9つの習慣
成功とは「正しい選択」「正しい戦略」「正しい行動」によってつかむものです。決して生まれつきの DNA で決まるものではありません
目標達成できる人には、9つの共通する習慣があります。
- 目標を持っている
- if-thenプランの形で「いついつになったらやる」と計画している。
- 現状と目標までの距離に目を向けて、「目標に近づくために何をすべきか」に焦点を当て、モチベーションを維持している。
- 成功できると信じている。同時に、成功は簡単には手に入らないと考えて努力を怠らない。
- 最初から完璧を目指さない。失敗を恐れることなく、すこしずつでも進歩することを考えている
- どんな能力でも努力で身に付けられると信じている。どんな困難でも「やり抜く力」を持って当たることができる。
- 意志力も鍛えれば強くなることを知っていて、習慣的に鍛えている。筋力と同じように、意志力も使いすぎる場所をもうすることを知っている。
- 誘惑をできるだけ近づけないようにしている。意志力で誘惑に勝とうとしない。
- 「やらないこと」ではなく「やること」に焦点を置く。
いつもこのここのつのことを心におきましょう。
以下では、上記9つの習慣を実現するために大事なことを見てきます。
目標に具体性を与える
目標で大事なのは、「具体的にすること」と「いつまでに何をするか決めること」です。
目標は「痩せる」ではなく、「5kg痩せる」と計画することが大事!

目標を具体的にする
具体的な目標はやり抜く力を与えてくれます。それゆえ、具体的かつ詳細に自分が達成したいことを考え抜くことが大事です。
いつまでに何をするか決めること
「目標達成のために何をすべきか」を明確にするのは大事なのは当たりまえですが、それと同時に、「目標達成への障害になるものは何か」を明確にすることも大事です。
具体的なアクション
①目標を紙に書く
②どうなったら「目標を達成した」と言えるかを考える
③目標を書き出す
④メンタルコントラストを活用。「得られること」を味わい、「障害」を見直していく
①~④により、目標達成する自信とやる気が高まると同時に、決意が固まるのを感じることができます。
目標達成の行動計画を作る
目標達成のためにすべきことを明確にし、「いつ」「どんなときに」行動に移すかを、if-thenプランニングに落とし込みます。事前にするべきことをはっきりさせておくことで、意識せずとも行動するべき時に自動的に行動できます。

(if)もし、月曜の8時になったら、(then)私はジョギングをする

何が障害になるかも考え、さらにif-thenプランニングを深めましょう。
目標までの距離を意識する
モチベーションを下げることなく目標を達成するには、ただがむしゃらに努力するのではなく、日々どれだけ進歩したかを確認することが大事です。 特に短期的な目標の場合は、頻繁にフィードバックを行い、自分が目標に正しく向かっているかを確認する必要があります。

モチベーションを上げるフィードバックとは
目標に対する時は、対照的な2つの視点を意識します。
①これまで思考
「どこまでやり遂げたのか」に視点を向ける思考スタイル
=これまで進んだ距離に目を向けること
②これから思考
「あとどれだけやらなければいけないのか」に視点を向ける思考スタイル
=目標までの距離に目を向けること
人は誰でもこの2つの思考を行き来しますが、①を重視して目標までの距離を測るとモチベーションが維持されやすくなります。
一方、①が強くなるとモチベーションが下がる危険があります(油断が生じるため)。ただし、「目標に対して自分はこれだけ進歩したのだ」ということに目を向けると達成感を得られます。
現実的楽観主義になる
目標を実現するために「引き寄せの要則」と言われるものがありますが、鵜呑みにするのは危険です。
引き寄せの法則の落とし穴
「引き寄せの法則」の落とし穴、それは、「非現実的な楽観主義では目標達成できない」ということです。
目標は達成できると信じるのは大切なことです。しかし、目標は簡単に達成できると考えてはいけません。我々は、「非現実的な楽観主義者」ではなく、「現実的な楽観主義者」である必要があります。
現実的な楽観主義者とは
「現実的な楽観主義者」とは、成功のぞみそれにふさわしい努力をする人です。つまり、詳細なプランを立て、正しい戦略を練り、成功を掴むまでへこたれず努力する人です。
そのために、まずは「自分の前に横たわる課題や困難から逃げないで、しっかり見つめること」そして「課題や困難がどの程度のものなのかを検討すること」です。
「成長すること」に集中する
能力は天性で与えられたものではありません。努力次第で伸ばすことができます。
新しいことに挑戦する「心の持ち方」
目標設定する時には、「今、何ができるか」ではなく「これから何ができるようになりたいか」を考えましょう。目標は自分の能力を証明するためにあるのではなく(証明ゴール)、自分を向上させるため(成長ゴール)にこそあるのです。成長ゴールは失敗の落胆からあなたを守ってくれる味方となります。
興味を持つことが活力を高めてくれる
何をするにせよ、「完璧」を求めず、やるからにはそのことに「興味」を持ち、価値のあることだと信じることが大切です。そのことがあなたの成功へのモチベーションを高め、同時につまらない失敗をする確率を低めてくれます。
「やり抜く力」を持つ
最近グリッドという言葉が注目されています。「グリッド」とは困難にも屈せず、長期的な目標達成に向けて全力を尽くす「やり抜く力」のことです。
「やり抜く力」のポイント:コントロール感
目標達成に挫折しやすい人は、「うまくいかないのは自分に能力がないせいだ」と考えます。一方、やり抜く人は「努力不足だった」「戦略を間違えた」「プランを練らなかった」など、自分の努力や行動のせいにします。
自分でコントロールできることに原因があると考えれば、「成功は自分の頑張り次第」と信じることができます。こうした態度が大きな成果を得ることにつながります。
筋肉を鍛えるように意志力を鍛える
意志力を定期的に正しい方法で使えば少しずつ強くすることができます。
意志力を強くするためには「とにかく取り組む価値があると思うことを続けること」です。最初は辛いですが、すぐに慣れます。この「慣れ」がポイントです。
しかし、頑張り続けていると、
或る時「楽々できるようになっている自分」に気付き、驚けます。

ここで、全ての挑戦の共通点、それは「誘惑に打ち勝つ必要がある」ということです。
しかし、人はストレスにさらされたり、多くの意思決定が必要だったり、自分の印象を良くしようと思ったりすると、意志力はどんどんすり減ります。
意志力が消耗した時は、「意志力が強い人」を思い浮かべてみましょう。 または自分で気分を盛り上げたり、自分を褒めたりして、回復を図るようにしましょう。
自分を追い込まない
意志力は有限です。故、ストレスが重なるとすり減ります。
だから、同時に複数の困難な目標に同時に取り込むのは避けるべきです。またどんな目標であってもできるだけ簡単な方法を見つけるように努めることが大切です。 また、何かを辞める時は一度にスッパリとやめましょう。
「やめるべきこと」より「やるべきこと」に集中する
私たちは、「やめること」ばかり考え、「やりたいこと」「やるべきこと」を具体的に考える時間が少なすぎます。行動を変えたいなら、「やめたいことを考えるのではなく、やりたいこと、やるべきことを考えることが大事です。
また、目標を見つけることと同じぐらい、それをどう表現するかが重要です。
if-thenプランニングには❶代替プラン、❷無視プラン、❸否定的プランの3つのプランの立て方がありますが、❸は効果が薄くなります。
禁止されると、益々、ケーキ🍰のことで頭が一杯になるよね。

ある行動を否定すればするほど、逆にその行動のことを考えてしまい、その結果、否定したい行動を強化してしまいます。
if-thenプランニングを立てるときは、やめたいことに焦点を合わせるのではなく、「自分が望む行動を起こす」ように代替プランを立てることに心がけましょう。
「あなたが何をしないか」ではなく、「何をするか」です!

最後に
今回は、「やり抜く人の9つの習慣」の要点をまとめました。
習慣化の威力は凄いものがあります。成功者がいくつもの苦労を乗り越えいろんなものを手に入れていくのに対し、負け組は何も手に入れられないのは「習慣」によるところが非常に大きいです。習慣化すれば、人が大変と思うことも、当たり前のことになり、毎日続けられまず。
本書と一緒に、同作家の以下の本も同時に読めば、より効率的に、自分を変える方法が学べます。こちらもおすすめの良書です。