大震災、ウイルス、世界経済危機、戦争…
2000年以降を振り返っただけでも、我々の生活を脅かすものは、これほどまでに多いのかと思わざるを得ません。
そんな世の中の流れに翻弄されていると、毎日を生きるのが非常に苦しくなります。そんな方にお勧めしたいのが、ちきりんさんの「ゆるく考えよう 人生を100倍ラクにする思考法」
この本の発刊は2011年1月。東日本大震災前ですが、2008年に発生したリーマンショックで世界経済が大混乱に陥って以降、数年を経過しても日本は閉塞感の真っただ中。日経平均が1万円前後を這いつくばっていたころの本で、今後、私たちがアフターコロナの世界で直面するかもしれない社会背景と重なります。
そんな中、ちきりんさんが伝えたのは、「人生をもっと楽しく・ラクに過ごそう」ということ。
人生を楽しく・ラクに過ごすためには「お金」との上手な付き合いが必要です。本書は、人生全般にかかわる著者ちきりん流の「楽(ラクで楽しい)に生きる思考法」をまとめた本ですが、その一項目としてお金と賢く付き合う方法についても述べられています。
今回は、アフターコロナの世界を生きるうえで参考になる「ゆるく考えよう 人生を100倍ラクにする思考法」の要点を紹介します。
目次
「ゆるく考える」は、「適当」「考えない」とは違う
この本を読むうえで大事なのは、「ゆるく考える」という言葉の意味です。
ゆるく考えるとは
私たちは「ゆるく考える」というと、「適当に考える」「考えない」「何もしないで楽する」と考えがちです。
本書の「ゆるく考える」の意味するところは、人生で起こる様々な局面を、多眼的、つまり、タテ・ヨコ・ナナメから眺めてみて、「いらないものはいらない」「大事なものはコレ」と判断し、いらないものをそぎ落としていくことで、楽になろうという思考です。
タイトルとは逆に「ものすごくしっかり考えている」考え方。ただし、しっかり考えておくことで、ゆるく生きる地盤作られます。
苦労は本当に必要か
例えば、私たちは「人生において苦労は大事」と思っています。
しかし、本当にそんな苦労をする必要があったのか?
もしかしたら、もっと別の方法で「こと」に臨んでいたら、もっと時間をかけずに、もっと、いい成果が得られていたかもしれません。モノを考える際に「疑ってみる」ことも大事です。
この考えは、ちきりんさんがその後、2014年に発刊した著書「多眼思考」にも通ずる考え方です。合わせて読みたい本です。
ラクに生きるとは、自分に負担をかけないこと
私たちは、人生を「ラクに生きたい」と考えています。そのためには、自分に負荷をかけ過ぎないようにする必要がありますが、どうしたら、負担を軽減できるでしょうか?
不安を頭からそぎ落とすには
私たちは、頭が様々な不安でいっぱいだと、ラクには生きられません。不安を頭からそぎ落としていくように思考することが大切です。これを積み重ねていくと、人生はラクになっていきます。
例えば、「自分の所有するもの」、「自分が苦労してやっと手に入れたもの」を人は手放したくないと考えますが、だからと言って、それに縛られて生きるのってどうなの?と説きます。
お金の面でラクになる思考
人生を最もラクにするものといえば「お金💴」でしょう。
さて、ここで、私たちは人間の心理として、「現在所有しているもの」、「自分が苦労してやっと手に入れたもの」を人は手放したくないと思うものです。
しかし、ラクに生きられるという観点から見れば、車はどうでしょうか?
固定費(買い替え時の車両代)、維持費がかかりますが、それらを払って持つ必要がほんとにあるでしょうか?地方では必要ですが、首都圏に住む場合、タクシー・タイムシェアを利用した方が安く上がる人も多々います。
このように、維持費がかかるもの、固定費がかかる物は見直すべきだし、国などに頼れるところは頼ればいいと考えれば、お金の悩み(負担)も減らせます。
ラクに生きるために見直すべきこと、頼るべきこと
クに生きるために見直すべきこと、頼るべきことには、次のような事柄が挙げられます。
・10年以上のローンが必要になる価格のものは自分には不相応(家、車、教育投資 etc.)
・大半の保険は不要
頼るべき順番は、公的保険、最低の貯金
最後にネット保険(定期保険、ただし必ずしも必要でない)
・学びたければ、自分が払うのではなく、払ってもらう側になる(その方が成長できる)
いざ、病気にになったときに、何が保証されるのかもよく理解せずに、タダ不安だから保険をかけている人が多すぎます。
生命保険会社の掛け金は、CMなどマーケティング費用に多額のお金が使われていることを忘れてはいけません。養う家族がいる場合の「死亡保険」「自動車保険」などは除いて、自分で貯めたり運用した方が合理的です。
例えば堀江貴文さんも、「保険などいらない。それより予防・検診にお金をかけろ!」と以下の本でも主張されています。
私も、保険は断捨離しました。今入っているのは、親が幼い私に掛けた「お宝保険」だけです。
無駄をそぎ落とし、大事なものは一点豪華基準で決める
上記のような、今までの価値観や惰性で無駄にしてしまっているお金(思考)をそぎ落とす一方で、「大事なものを決める時は、経済的な要因を決め手にせず、重視する点を基準に決める」という思考は非常に大事です。
「一点豪華基準」とは、自分はこれは超大事!と考える「一点」にポイントを置き、判断するという考えです。
総合評価方式で選択すると、「この点は〇、2番目の点は×、3番目は…」といった具合に判断基準が多くて、結局何でそれを選んだのかわからなくなる。無難な判断にはなるものの、なんだか納得感や幸福感は低くなります。
これに対し、自分のピュアな欲望を取り戻し、一点豪華基準で選ぶと、選択基準が明確です。「確かにいろいろ問題はあるけど、私にとっては何よりもこれが大事!だから今の選択は自分にとって正しくハッピーだ!」と思えれば、人生は幸せになります。
その他、いろいろある!参考になる思考方法
上記は、これまで書いてきたことは本書で紹介されている思考の一部に過ぎません。マネー以外にも、いろいろな生きるヒントがちりばねられています。
人生をラクにする思考法あれこれ
・「仕事」、「家庭」、「趣味」
人生の時期によって、どれにWeightをかけるか選択して生きている
・不満が出ても、納得できる選択肢を選ぶ
・価値観は変わる。しかし人間の本質にかかわるようなことは100年でも変わらない
(例えば、人間のかかわりあいなど)
・逆バリ(他と違うこと)でリスクを取り、(将来世の中で求められることを)「先読み」して生きろ
・大事なことはインプットでなく「アウトプットにつながるインプット」
・人脈作りに奔走するのは無意味。人脈やネットワークは「結果として付いてくるもの」
重要になるのは知識
上記の例は、言葉では理解できます。しかし、実はベースとなる「知識」がないと判断できないことも多いのが現状です。
そのためには、コツコツと勉強するしかありません。私の場合は、日々の読書が、この知識の積み上げに大いに役立っています。読書により、人生が大いに楽になったと実感します。
今は、本の読み放題サービス KindleUnlimited や Audible を利用すれば本を読むのも昔に比べて格段に安くなっています。読むか読まないかは自分次第。良い本がわからない方は以下の記事にて紹介しているので、参考にしていただけると嬉しいです。
最後に
今回は、ちきりんさんの著書「ゆるく考えよう 人生を100倍ラクにする思考法」を紹介しました。
思考の仕方次第で、人生の幸せ度合いは大きく変わります。幸せに生きるも人生、悩み苦しんで生きるのも人生。だったら、大事な基準を明確にして、無駄はそぎ落としてラク(楽しい&楽ちん)に生きる人生を選びませんか?