
4年ごとに開催される「米国大統領選挙」。
今年2019年は任期3年目。次の大統領選挙は2020年11月3日となっています。
さて、米国大統領選挙に関連して、米国株式市場には「大統領選挙サイクル」と呼ばれる法則=アノマリーがあります。
来年の米国選挙の話をなぜ、今、するの?と疑問に思われるかもしれませんが、それは、アメリカの大統領の任期4年の中の3年目は株式市場騰がりやすいという法則があるからです。
今回は、米国大統領選挙の仕組みについて、あっちゃんこと中田敦彦のYoutube大学の「【世界史】2020年アメリカ大統領選挙 編」の一部を要約しつつ、米国大統領選挙と株価の関係について解説します。
目次
米国大統領選挙
「米国の大統領候補者の一騎打ち討論会はなんか凄そう」「日本の選挙は仕組みが全く異なる」とはなんとなくわかっていても、多くの人にとって、説明は難しいですよね。
そのそも今回説明したいアノマリーを理解するには、「米国大統領選」の知識が必要になるので、まずは、簡単に説明してみたいと思います。
なお、以下は、中田敦彦のYoutube大学の受け売り+αです(笑)
さくっと要点だけをまとめます。
米国大統領選挙の流れ
大統領選挙の流れは以下のようになっています。
①年明けから全米各州で~6月まで「予備選挙」もしくは「党員大会」が開催
②7〜8月に「全国党大会」で各党1名の代表が決定
③11月に「一般投票」 ※各党1名の一騎打ち戦。TV討論など白熱
④大統領決定
選挙は、50州毎に行われ、全体で538ポイントを奪い合う形で行われます。人口・経済などによって、州ごとに持っているポイントが異なります。
開票結果は、以下のように、赤:共和党、青:民主党で色付けされます。州によって持つポイントが違うので、選挙は最後まで白熱します。

2016年米国大統領選挙(赤:トランプ、青:クリントン)
二大政党制/共和党と民主党
米国は二大政党制です。各党のの特徴は以下のようにになります。
・小さな政府派
・支持母体は白人
・現在は移民に仕事を奪われた肉体労働白人が増加
・トランプ氏が当選
・大きな政府(社会福祉充実)派
・支持母体は、白人、黒人、ヒスパニック、アジア系と実に様々
IT技術者(お金持ち)なども増加
・クリントン氏が候補となり敗れる
なぜ、あり得ないと思われた、トランプ大統領が誕生したのか
共和党のイメージ当初のイメージは「誇り高き白人」。
しかし、時代は変わり、学がなく、移民に仕事を奪われた白肉体労働者が増加しました。
そこに、現れたのがトランプ。彼らのフラストレーションを強烈に刺激したのです。
その彼らの支持を一気に奪った、米国が抱えるフラストレーションのタネとは「不法移民問題」。
もともとアメリカは移民の国です。イギリスからの移民がインディアンを追いやりながら作ってきた国であり、あらゆる地域からの移民を受け入れることで国として大きくなりました。
①アメリカで生まれた子供はアメリカ人という「出生地制」、②戸籍住民管理の緩さから、たとえ不法移民であれ、働けてしまうという、移民への甘さもあります。
結果、メキシコから賃金の低い不法移民が大量に米国へ。その結果、白人肉体労働者が仕事を奪われる事態になってしまったのです。
その結果起こったことは….
白人肉体労働者の移民に対する不満の爆発。トランプ氏の「メキシコ人との間に壁を作れ!」発言に対し、支持者が「そうだ、そうだ!」と賛同し、トランプ大統領の誕生となったわけです。
大統領当選後の大統領選挙スケジュール
米国大統領の任期は4年。2年目に「中間選挙」、4年目には大統領選となりますが、これまで過去の大統領はほとんど2期目も再選してきています。
トランプ大統領 選挙スケジュールと現状
2年目である2018年11月に「中間選挙」が開催。下院、上院の3分の1の議席を争った結果、下院は野党・民主党が多数派を奪還。上院と下院で多数派が異なる「ねじれ」の状態になりました。
4年目 2020年には再び大統領選が行われますが、過去の歴史を見る限り、よほどの失策・スキャンダルがない限り、トランプ氏が再選すると考えられます。
「大統領選挙と株価」アノマリー
それでは、大統領選挙と株価に話を映しましょう。
アメリカ大統領選と株価は関連性が強いと言われています。そして、「アメリカの大統領の任期4年の中の3年目は株式市場騰がりやすい」ことが統計的に確認できています。
歴代大統領と米ダウ株価の騰落状況
以下は、歴代大統領の出身政党と在任期間中の米ダウ株価の動きをまとめたグラフです。
1期4年(1年目の選挙翌年、2年目の中間選挙、3年目の選挙前年、4年目の大統領選挙)の各年間、および任期4年間における株価騰落率を計算しています。
※米ダウ30が開始された1896年以降の歴代大統領の集計
マッキンリー大統領Ⅰ期(1897年1月)からオバマ大統領Ⅰ期(2012年12月)まで

結果
上記の結果、以下のことがわかります。
- 出身政党に関わらず、大統領就任3年目はかなり高い確率で株価が上昇する傾向がある
- 大統領の出身政党が変わると、選挙の年と翌年で株価騰落率の方向性が変わりやすい
大統領任期3年目は株価が上昇しやすい理由
確かに、任期3年目は29回中24回の上昇。その確率は82.8%と高くなっています。
この理由としては、翌年の大統領選において、国民の支持を得るための景気対策(株価に好影響)を打ち出されることが予想されるため、株価が上昇するとされています。
大統領の出身政党が変わると株価の方向性が変わりやすい理由
数字だけみれば、4年の任期中に株価が上昇する確率は、民主党大統領が76.9%と、共和党の68.8%よりもやや高くなっています。
また、選挙の年と翌年(4年目と1年目)で株価騰落率の方向性が変わりやすい傾向も見て取れます。
この理由としては、下落(上昇)局面にある株価が、政策変更への期待(警戒)を織り込むことなどが理由として考えられます。
最後に:アノマリーはよくわからないけど当たる
以上、今回は米国大統領選挙の仕組み、および、米国大統領選挙と株価の関係にあるアノマリーについてみてきました。
改めての説明となりますが、アノマリーとは、論理的には説明できないけれど、経験的に観測できるマーケットの規則性のことを指します。
つまり、「経験則上は当たりやすいよ」という確率論です。投資売買によってプラスの情報となりますが、だからといって、必ず当たるよというものではないので、その点は注意の上、投資してくださいね。
世界政治・経済への知識を深めよう
それ以上に、世界経済に大きな影響を与える米国について理解を深めることが、投資には必須です。
上記で紹介した中田敦彦さんのYoutube大学では、以下の本を教科書として学んだ結果をまとめて面白おかしく解説しています。本も読むと理解が深まること間違いなしです。
Audible対象本 本を聴こう!Audible、1ヵ月体験無料
上記本はシリーズ本です。下記本も合わせて読みたいですね。
Audible対象本 本を聴こう!Audible、1ヵ月体験無料
![]() ドイツとEU | ![]() ロシア | ![]() 中東 | ![]() 中国・香港・台湾 kindle Unlimited対象 |
![]() 朝鮮半島 | ![]() 東南アジア | ![]() 世界の見方 |
なお、「世界の見方」の見方については、私も2016年に読んでいたので、以下で紹介をしてきます。
米国大統領選挙への理解も深めよう
以下では、Amazonの本読み放題サービス「Kindle Unlimited」で読める米国大統領選挙関連本をまとめました。
初めてなら30日無料で読めるので、是非、ご利用を。
私は月980円(実際は、裏技で月額定価以下で利用)で、月3万円以上の本を読んでいます。こんなに安くて質のいい「自己投資」は他にはありません!