
相場の世界では、「説明はつかないけどよく当たる」、アノマリーという現象があります。
中には格言と言われているものも含みますが、相場に内在する、サイクル、季節性、クセを攻略し、アノマリーを意識してトレードする投資家も多いため、結果的にアノマリーの通りに相場が動くことが見受けられます。
アノマリーを活かした投資法を知っていると、効果的に投資、或いは、適切でないタイミングでの投資を回避でき、失敗確率が下げられる可能性が高まります。知っていて損のない情報です。
月別アノマリー投資
相場には、月ごとに特有の動きがあります。毎年そのルールが当てはまるとは言えませんが、相場の傾向を把握したうえで売買戦略を考えた方が成功確率は高まることは間違いありません。
以下のアノマリー投資本は是非、一読をおススメします。
【短期目線】4月:逆張りの月
FXでは、4月は3月と逆の値動きになりやすい傾向があります。
株式では、4月が新年度の始まりであるため、ニューマネーが入りやすく株価が上がりやすとされています。
一方で、最近はSell in Mayがやや早めに意識されたり、また、ゴールデンウィーク前のポジション調整のために株価が下落する傾向がみられます。
重要日
今月は、金融市場の変化に大きな影響を与えやすい事項が月の中旬に固まっています。
4/15 :メリマン重要変化日(株、ドル円)
4/17:満月
景気サイクルを理解する
前節で示した月別アノマリーは短期投資的な目線を養うものです。しかし、投資では長期目線での方向感をつける方がもっと大事です。理由は、大きなトレンドという軸なしでは、短期売買でも誤った方向にポジションをとる確率が高まり、また、心理面でも軸がないためポジションを長く持つことができないからです。短期売買が得意なトレーダーでなければ、結局、損大利小になりやすくなります。
なお、私は金融市場の大きな流れを見るにあたって、日本ではなく米国、日経平均ではなく、米国3指数(ダウ・S&P500・ナスダック)と米国金利の動きを見ることを基本としています。
理由は、なんだかんだ言っても、米国の金利動向が、株式、債権、法定通貨、コモディティ、仮想通貨など全ての市場に大きな影響を与えるからです。
世界の株を見るには結局のところ、米国の金融政策と景気サイクルが、どのような位置関係にあるかを見ると、どうすると投資で成功しやすいかもなんとなく見えてきます。
市場を見る目を養うには
世界の経済や情勢は、目がぐるしく動いていきます。いくら最新の情報を毎日キャッチアップしようと努めても、たちまち古くなってしまいます。
だからこそ、大事なのは、表面的な情勢がどう動いたとしても変動しない「本質」を学ぶことが大事です。
では、変わらないもの「本質」とは何か? そんな観点から読んでおくと、絶対にあなたの役に立つおすすめの本を紹介します。
「歴史×地理×宗教」からお金の流れを学ぶ良書
国際情勢の背景にある「変わらないもの」の1つ目は、歴史、地理、宗教です。
例えば、最近、中東と米国の関係の関係が変化しつつありますが、この背景には、歴史、地理、宗教が関わっており、これらを背景に「お金」や「権力(覇権)」のパワーバランスが変化しようとしています。
ただ、これらを歴史、地理、宗教を学生時代に戻って勉強しなおすのは結構大変です。そこで、初心者🔰や忙しいビジネスマンでも歴史、地理、宗教をまとめて学べる本を3冊紹介します。
「市場サイクル」からお金の流れを学ぶ良書
投資情報をいち早く知ることは重要ですが、目まぐるしく変わる相場の中で、SNSなどで常に人の意見を当てにしているようでは必ず出遅れます。あなたが情報を知ったころには、既に遅すぎて、完全にカモ🦆になっているかもしれません。
自分で判断知識を身につけるためにも、「お金の流れのセオリー」を学んでおくことが大事です。
市場サイクルは「お金の流れのセオリー」そのものであり、「お金の流れ」そのものです。
以下は、市場サイクルを学ぶのに役立つ本です。是非、手に取って読んでみてください。
以下では、毎月のアノマリーについて紹介しています。
年間月別アノマリー
1月:順張り
1月の方向性は、第一週目の方向性と一緒になることが確率的に高いです。
つまり、第一週目に上昇すれば、1月全体でも上昇基調となりますし、下落なら1月全体でも下落基調となります。
株式では、「ご祝儀相場」という言葉がありますが、新年度で気分新たに相場に挑もう!という人が増えるため、株価が上がりやすいと言われますが、ドル円月間騰落率を見ると、かならずしもそうなっていない状況が伺えます。
2月:逆張り
2月の相場はあまのじゃくで、月初とは逆の動きをしやすい傾向があります。
また、2月上旬は相場が気迷いやすい「水星の逆行期の初期」に当たるため、相場に一喜一憂しやすい状況になりやすいです。
過去、水星の逆行期間に、日経平均、および、S&P500がどのように動いたかは以下の記事にて解説しています。
さらに、2月は「節分天井」「花見ラリー」といった相場格言があります。
こちらの意味と、実際の相場の動きがどうだったかについては以下の記事にまとめてあります。
3月:値動きが激し目の月
3月、4月は、日経平均は1年で値動きが激しい月です。
以下は、日経平均の1949年5月以降の「月別平均騰落率」、ドル円の1998年10月以降の「月別平均騰落率」です。また、もう少し後で紹介する「日経平均の季節性」をみても、3月は最高値を付ける年が多い傾向があります。
ただし、今年は2月後半に米国の金利上昇で株価が下落しました。故、2月末、或いは3月の前半にサイクルのボトムを付けて上昇とならない限り、3月高値とはならないことになります。金利の推移がどうなるかで状況が大きく変わりそうです。
4月:逆張り
FXでは、4月は3月と逆の値動きになりやすい傾向があります。
株式では、4月が新年度の始まりであるため、ニューマネーが入りやすく株価が上がりやすとされています。
一方で、最近はSell in Mayがやや早めに意識されたり、また、ゴールデンウィーク前のポジション調整のために株価が下落する傾向がみられます。
2021年1月以降、米国株式を中心に、高値圏で値幅大きく上昇してへ下落する状況が続いていて、2020年3月コロナショック後に見られたような右肩上がり上昇を見せるわかりやすい相場展開ではありません。相場格言、ゴールデンウィークを意識し、特に4月中旬以降は気を引き締めて取引しましょう。
5月:相場の転換点
ドル円に関して言えば、中旬ぐらいから相場の方向性が変わる傾向があります。つまり、5月にその年の高値、もしくは、安値をつけやすい傾向があります。
相場格言Sell in Mayも非常に有名ですよね。「5月に売れ!」という意味ですが、このフレーズにはその先があり、その部分も理解しておくことが非常に大事です。
また、5月にはヘッジファンドの決算期に絡んだ「45日ルール」と呼ばれるものがあり、これに絡んでポジション整理が進むため、株式市場が下落しやすい傾向があります。
以下の記事に、45日ルールの詳細、及び私が考える5月の投資戦略について解説しているので、是非、ご確認を。
さらに、5月末には相場が不安定になる今年2回目の「水星の逆行」が始まります。
期間は2021年5月30日~2021年6月23日まで。
この期間に起こりやすいこと、過去の水星の逆行期間の株価については以下の記事を参考にしてください。
6月:相場の転換点
6月も5月に引き続き、「相場の転換点」となりやすい傾向があります。
その理由は、米国債10年金利が年間の底や天井を付けやすい時期だからです。為替も株も金利の影響を強く受けるため、この時期は、為替も底や天井をつけやすい傾向があります。
上記は米国債10年金利の推移チャートです。黄色い縦線はおおよそ6月の時点を示しています。この結果を見ると、ぴたりと転換点になっているわけではありませんが、前後で方向感が転換したり、加速したりした都市が多い印象です。
ただし、今年はインフレ懸念もあり高値停滞状況が続いているので、ここから上昇するのか、下落するのかは読みづらい状況ですね。ただし、MACDは下方向にクロスしています。
7月:円安ドル高
7月の円安ドル高はリーマンショックまでは非常に強力なアノマリーを活かした投資法でした。現在は、少し影響度が低下しています。
株式については「サマーラリー」と「夏枯れ相場」という相反するアノマリーがあります。
サマーラリーとは、7月から9月にかけて株価が上昇するアノマリー。特に夏休みをしっかりとる米国株式に起こりやすいアノマリーで、休暇前に優良株の購入に走るため、上昇するというものです。S&P500を見た場合、歴史的にもパフォーマンスがよい傾向があります。
一方、夏枯れ相場は、夏季休暇のために市場参加者が減少し、株価の動きが鈍くなる株式アノマリーです。市場参加者が少ないため、値動きが緩慢になる一方、市場に厚みがないため、特に悪材料が出た場合、ちょっとした材料でも値が飛びやすくなります。
8月:円高ドル安
「円高ドル安」となりやすい月です。
アノマリー的には7月に進んだ「円安ドル高」が8月に転換して「円高ドル安」となりますが、今年2021年においては、米国長期金利の影響を受け、7月上旬より「円高ドル安」トレンドとなっています。
需給面でも、8月は米国債の償還によるドル売り・円買いが発生しやすく、国内では輸出企業のドル売り予約の増加など円高の傾向があります。
サマーラリーとは、7月から9月にかけて株価が上昇するアノマリー。特に夏休みをしっかりとる米国株式に起こりやすいアノマリーで、休暇前に優良株の購入に走るため、上昇するというものです。S&P500を見た場合、歴史的にもパフォーマンスがよい傾向があります。
一方、夏枯れ相場は、夏季休暇のために市場参加者が減少し、株価の動きが鈍くなる株式アノマリーです。市場参加者が少ないため、値動きが緩慢になる一方、市場に厚みがないため、特に悪材料が出た場合、ちょっとした材料でも値が飛びやすくなります。
9月:トレンドが出やすい月
9月はトレンドが出やすい月です。
夏休みが終わった投資家も戻ってきて、夏枯れも終わりを告げます。9~10月にかけて、重要な国際会議が行われることが多く、相場を動かす「材料」も出てきます。トレンドが出た方向に素直についてくのがいいです。
為替:円安に向かいやすい

ドル円チャート(月足)

日経平均チャート(月足)
8月に進んだ円高が反転し、9月は「ドル高円安」になりやすい傾向があります。
上図は2000~2010年までの10年間のドル円チャート(月足)で、赤い点は8月を示しています。図からわかる通り、8月は円高局面、或いは、その年の円高のピークであることが多いです。
株式:格言に従うなら9月3週目以降の投資が適
有名な投資格言「Sell in May」。その後に続く言葉をご存知ですか?
続く言葉とその提言を理解してから相場入りするのが賢明です。
Sell in May, and go away; don’t come back until St Leger day.
5月に売って、セント・レジャー・デー(9月第2土曜日に行われる競馬レース)まで戻って来るな
また、米国の新学期は9月からスタート。9月6日のレイバーデー明け、心機一転、相場が始まる米国市場の動向をしばらく観察の上、9月の第3週目ぐらいから、様子を見ながら相場に参入する方が、リスクを抑えた投資が可能になる可能性が高まります。
下記記事に記載しましたが、私は、かつてNISA投資において、毎年9月、10月の安いタイミングで1年分のNISA投資枠を一括投資し、+82%の利益を得ました
【4年に1回】アメリカ大統領選に向けた戦いも本格化
今年2020年はアメリカ大統領選。以下の日程で、大統領候補同士の争いが繰り広げられます。
①年明けから全米各州で~6月まで「予備選挙」もしくは「党員大会」が開催
②7〜8月に「全国党大会」で各党1名の代表が決定
③11月に「一般投票」 ※各党1名の一騎打ち戦。TV討論など白熱
④大統領決定
特に、今後は、予備選挙・全国党大会の事前予測・結果が株価に大きな影響を与えていきますので、アメリカ大統領選について、知識を深めておきましょう。
以下の記事では歴代の大統領選に関するデータもまとめています。是非、ご確認を。
10月:9月に引き続き株価が弱い傾向
10月は、9月に引き続き、株価下落に注意が必要な月です。
過去の大恐慌は9~10月に発生
9月、10月は歴史的な大恐慌が起こった月として知られています。
10月は、過去に滅多にないほどの規模の大暴落が複数回発生しています。そのため、市場参加者は株価の下落に過敏になりやすい傾向(October effect:10月効果とも呼ばれる)があります。
1929年10月24日 世界大恐慌
1973年10月 第一次オイルショック
1985年09月 プラザ合意
1987年10月19日 ブラックマンデー
1992年09月 英国がユーロ導入を断念(ポンド危機、ジョージソロスに敗北)
1998年10月 ロシアデフォルト→LTCMが破綻
2001年09月11日 9.11同時多発テロ→株式市場が閉鎖→暴落
2008年09月15日 リーマンショック
例えば、1929年の世界大恐慌、記憶に新しい2008年のリーマンショックも、9月のレイバーデー明けから相場が不安定になり始め、最終的に大暴落につながっています。
今年2021年9月も過去の傾向通り、2021年9月後半以降、米国3指数は下落しました。米国株式の暴落の予兆サインと言われるヒンデンブルグオーメンも9月29日に点灯。10月1日時点でも点灯中です。
私は過去、夏枯れ相場が終了&暴落しやすい月である9~10月ごろにNISAで日経平均レバレッジ・インデックス(1570)を買い付けて、後はほったらかす「ずぼら積立投資(買い増し放置プレイ運用)」を実施。投資合計額276万円で227万円の利益(利益率+82%)となりました。
今月のアノマリー 11月:株高の月
11月のアノマリーは「株高の11月」。
相場格言「Sell in May」では、投資家は5月に市場を去り、9月第2週の土曜日までは帰ってくるなとの教えがありますが、9月、10月は過去の大暴落の月なだけに、市場が恐々としていることがあります。事実、アノマリー通り、9~10月の米国株式はやや大きく下落しました。
そんな投資家が本腰を入れ始めるのが11月。米国では12月にサンタクロースラリーによって株価が上がりやすい傾向があるため、その前に買っておこうと11月から先行して株価が上がりやすいとも言われています。
ただし、注意点がないわけではありません。
【注意】10月の決算が悪い年は「45日ルール」による株式売却に注意
10月の決算結果発表が悪い場合は、ヘッジファンドの45日ルールで売りが膨らむ可能性もあります。
ヘッジファンドの4半期決算は通常、3月、6月、9月、12月ですから、その45日前の2月、5月、8月、11月の各15日ににポジション整理が起こりやすくなり株式市場では警戒が高まります。中でも、5月と11月は下落の影響が出やすい月になります。11月の場合は、節税対策の観点から売りが増える場合もあります。ただ、最近はヘッジファンドの11月決算は少なくい傾向にあるため、影響は限定的になりやすいです。
「米国大統領選挙と株価」のアノマリー
米国で4年に一度開催される大統領選挙。開催月は11月です。
この大統領選挙にちなんだ有名なアノマリーが「大統領任期3年目は4年に1度の買い相場」というもの。
今年は、トランプ大統領任期3年目。ダウがスタートしてからから、1期4年(1年目の選挙翌年、2年目の中間選挙、3年目の選挙前年、4年目の大統領選挙)の各年間の株価騰落率を計算すると、3年目は株価が上昇しやすいことが統計からわかっています。理由はなぜかについては、以下の記事にてご確認ください。
12月:年末にドル高になりやすい
12月のアノマリーは、年末にドルが買われやすい。
一番の理由は、米国企業の決算に伴い、外貨を米ドルに換える動きが強まるということが上げられます。企業決算に伴い外貨を自国通貨に換える動きはリパトリエーション(リパトリ)と言われ、決算期には、相場の世界でこの言葉が飛び交います。
但し、今年は、新型コロナウィルス新異種株オミクロン株の感染拡大に伴い、相場が荒れているのでどうなるか?です。
私の考えについては、以下にまとめているので、ご興味のある方はご確認を。
以下、この時期に気にしてきたいことを挙げてきます。
【注意1】タックスロス・セリングによる下落
タックスロス・セリングとは、年末にに向けて、個人や法人が含み損が出ている株を売る行為です。損失を確定することで、利益との相殺で、税金の支払額を軽減する「節税対策」のために発生します。
特に、今年2021年は、オミクロン株感染拡大に伴う株価下落も伴って、タックスロス・セリングが強まっているように見えます。
以下の記事では、タックスロス・セリングがいつ、どのような銘柄で発生しやすいか、また、2021年にタックスロス・セリングが強まりやすいとみられている事情について解説しています。
【注意2】クリスマス休暇前後の相場急変に注意
市場のアノマリーとして、クリスマス休暇前後は相場が走りやすくなることがあるのでので注意が必要です。
11月末のサンクスギビングデイ(勤労感謝の日)までに結果を出せなかった投資家が、小動きになるクリスマス休暇を前にして、結果を出そうと年内最後の勝負をかけることがあります。ポジションが刈り取られないように注意が必要です。
なお、欧米ではクリスマス休暇が明けると、実質的な新年相場がスタートします。
最後に
今回は、月別のアノマリー投資について解説しました。
市場には、理由はよくわからないけど、確かに存在する傾向があることがお分かりいただけたのではないかと思います。
いつもその通りになるとは言えませんが、ちょっと意識していると、効率的な投資ができるのではないでしょうか。
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