2月・3月は新生活のための物件探しシーズン。
新大学生、新社会人、そして転勤のため、新しい住まい探しが増えますが、その前に、実際に物件探しを始める前に読んでおきたいのが 太田垣 章子さんの著書「家賃滞納という貧困」です。
賃貸に住む場合、1か月の家計に占める割合が大きいのが「家賃」です。
災害・リストラ・物価高・病気・入院・家族の死 など、私たちの生活は、安定した暮らしを揺るがすリスクがたくさんあります。そんな、リスクと隣り合わせな中で、毎月の出費の中でも最大の支出「家賃」の支払いを一度でも滞納させたら何が起こるのか、18の家賃滞納者の実態と共に、何が人生のつまずきのきっかけになるのかを教えてくれます。
家賃滞納は、生活に苦しむ人だけの問題ではありません。マンションオーナー、サラリー大家さんなど、不動産収入を得ている人たちも知っておくべき内容です。
今回は、著書「家賃滞納という貧困」からの学びを紹介します。
目次
身近にしのびよる貧困。家賃滞納は破滅への入り口
新生活を始める際、素敵な家で快適な暮らしをしたいと誰もが願うものです。物件探し中は、将来に対する夢が広がります。
しかし、ちょっと待った。後になって後悔しないためにも、2200件以上の家賃物件のトラブルに関わってきた経験を持つ著者の太田垣さんの意見は聞く価値があります。
『家賃滞納』は『貧困』の入り口
『家賃滞納』は『貧困』の入り口であり、そのシグナルでもある。
人生何があるかわからない。今大丈夫だと思っていても、病気、事故、災害、リストラ、離婚等、人生にはまさか自分にこんなことが起きるなんて!と半年前には想像していなかった事態が遅い、人生につまずくことだって十分にありうる時代と思っていながら、報道で不幸なニュース見ていても他人事に見えてしまうのが人間です。
しかし、生活の場である「家」は生活の基盤。但し、賃貸や住宅ローンなど「住居費、家賃」は毎月の支出で最も大きな支出。この支払いを一度でも滞らせたら、ガラガラと今までの生活が音を立てて崩れていくのです。
家賃滞納から始まる18の転落人生
本書では18の転落人生が紹介されています。
シングルマザーだから…といった誰もが想像するような人が家賃滞納に至っているわけではありません。たとえ大企業に働いていようが、一つの仕事の失敗が家賃滞納にまで発展してしまうこともあります。また、自分自身は大丈夫でも両親や兄弟、親戚がそのような状況に陥り、あなたに影響が及ぶケースもあります。
何が貧困のきっかけになるのか、知っておくことは、リスク回避のためにも重要です。
「家賃は月収の1/3」は既に時代遅れ
かつて、毎月の生活費設計の中では「家賃は月の収入の1/3に押さえよう」と言われてきました。しかし、太田さん曰く、これは過去の話。
家賃は1/4に押さえよ
現在は、家賃を月給の4分の1以下にまで抑えなければ、大きなリスクを負いかねないとアドバイスします。
理由は、昔に比べて、ライフスタイルの変化に伴い固定的に出ていく出費(スマホ代、コンビニ代)が増加。しかも、家賃は、スマホ、電気・ガスの支払いや借金の返済に比べると、優先順位が低くなりがちです。
それ故、最初の滞納先となりやすい。つまり、家賃滞納が貧困の引き金になってしまうのです。
一度の滞納してしまうと、坂を下るのは早い。貧困街道まっしぐらです。
家計の実態を押さえよう
家賃の家計に占める割合を知るには、毎月の家計の収入・支出を把握することが欠かせません。まずは、「支出の見える化」。そして、それが出来たら、無駄な支出を洗い出し、なくすことが大切です。
以下の記事では、家計の無駄の省き方を紹介しているので、合わせてご確認を。
不動産オーナーも十分認識すべき問題
この問題は、生活苦に陥った貧困者だけの問題ではありません。
ビルオーナー、マンションオーナー、サラリーマン大家さんなど、賃貸物件を貸す側にも大きな問題としてのしかかってくることを忘れてはいけません。入居者が家賃を払えなくなる事態も起こり得、そうなったときは、問題解決に大きな労力が必要になるからです。
どんな原因で、これまで普通に生活していた人が貧困者に転落するのか、様々なシーンを知っておくことが求められます。
最後に
今回は、太田垣 章子さんの「家賃滞納という貧困」を紹介しました。人生、何が転落のきっかけになるかわからないと切に感じさせられる一冊です。
住む場所を頻繁に変える人は普通はいません。いかに、安く済むかは極めて大事です。
私は、物件探しの際に、家賃の根切交渉をして、家賃を引き下げました。家賃交渉で仮に1万円安くできれば、年に12万円、10年なら120万円も手元に残るお金を増やすことができるので、家計の支出削減効果が絶大です。相場よりも安く済んでいるので、今の物件に10年ぐらい住んでいます。
交渉して安くなるかどうかはわかりませんが、少なくとも、交渉しなければ絶対に安くなることはありません。以下、私の交渉についてまとめた記事です。参考になれば幸いです。