株式市場が不安定で投資が難しくなった昨今。
投資をする上で改めて、「資金管理」と「優位性(期待値の高い)トレードルール」が重要だなと感じています。
そんな時に思い出したのが、ずいぶん昔の本ですが、投資本として良書とされている著書タートル流投資の魔術
伝説のトレーダー集団「タートル」のトレンドフォローに関する教科書で、第8章「リスクと資金管理」に資金管理について熱く語られています。
10年以上前に書かれた本ですが、良い投資はシンプルで、今でも通用します。読む価値が十分にある本です。
目次
伝説のトレーダー集団から学ぶべきこと「資金管理」
著者のカーティス・フェイスがタートルとして経験し学んだ投資法や重要点を以下のような観点から説明されています。
投資対象が、株式であれ、FXであれ、仮想通貨であれ、十分に通用する考え方が学べます。
1.市場 何を何を売るのか
2.ポジションサイジング いくら買い、いくら売るののか
3.参入 いつ買い、いつ売るのか
4.退出 勝ちポジションからいつ出るのか
5.ストップ 負けポジションからいつ出るのか
6.戦術 どのように買い、どのように売るのか
タートルの売買手法は、シンプルなブレークアウト手法
相場やチャートツールに慣れてくると、初心者がはまってしまうのは、必ず勝てる「聖杯探し」。
あれこれと、売買手法をネット検索したり、さまざまな指標をチャートに表示して勝てる方法を探しますが、どんな相場にも勝てる「聖杯」など存在しません。
タートルが使っていた方法は、シンプルなブレークアウト手法(20日ブレイクアウト)。
シンプルなブレークアウト手法は騙しが多いのでは?という疑問もわきますが、フィルターを加えたシステムとの利益比較を行うことで、決まった環境に依存する度合いが少ないシンプルなトレード手法が堅牢なトレーディングプログラムであることを証明しています。
トレードルールの徹底的な順守が大事
シンプルな手法で如何に勝つのか?
それは、エッジ(利用可能な統計上の強み)のあるトレードルールを徹底的に守ることの重要性。
エッジとは、利用可能な統計上の強み。言葉を変えると、1回1回の勝ち負けにはこだわらず、「期待値」を意識し、それを信じてトレードすることです。
同じ手法を使っても勝つ人は勝つし、負ける人は負ける
同じ手法を使っていても、マーケットには勝つ人/負ける人がいて、負ける人が圧倒的多数です。
その違いは何なのか?
それは、エッジ(期待値)を信じてルールに従えるかどうかです。
これは、メンタル、および、認知のゆがみをどこまで認識し、強化しているかに係ります。
本書では、これらを強化する方法についても、まとめられています。
期待値を味方につけたトレードについては、以下の本も参考になります。
資金管理は心が折れないようにするためにも重要
乏しい資産でトレードフォロー戦略を使うと、破産の確率が高くなります。
バルサラの破産管理については、十分理解をしておくべきです。
しかし、多くの場合、その手前で、メンタルが耐えられず敗退することになります。
タートルは資金管理法として、「ユニット」という概念を取り入れ、資金を分割して、効果的な買い増し&ストップ設定する方法で管理しています。
資金管理の基本数値:N値(真の値幅の20日指数移動平均、ATR)
ストップ幅 :2N
ポジションサイジングは市場の価格変動を加味して設定、最初の参入後、市場価格がN/2上昇するごとにポジションを追加
最後に
今回は、「伝説のトレーダー集団 タートル流投資の魔術」から、投資に大事な資金管理を中心にポイントをまとめました。
リスクにさらす資金を明確に線引きし、マイナスを抑えながら買い増し(売り増し)する方法は、シンプルながら非常に参考になります。より上級なトレードを目指す人にとって、一読の価値があると言えるのではないでしょうか。