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米ダウの20000ドル越え。記念すべき数字の達成です。
一方、トランプの発言に市場は右往左往。ドル金利は上昇が期待されるものの、保護主義的な政策がドル高となり輸出を中心に企業業績が悪くなることが危ぶまれます。また、それ以上にリーマンショックからの株価の上げはチャート的には危険水域にあるといっても過言ではありません。

上記は、本書を読んだ当時、2017年2月に記載した文章ですが、結果としては、その後も米ダウは上昇を続け、その先行き不安から、一部の人が先行して買い始めたのが、2019年以降であったというのが、金相場の現状と言えます。

今、金価格が1500ドルをつけるに当たり、過去の感想と現状を織り交ぜながら、加筆・修正を行います。

社会的インパクト投資【ネクストシフトファンド】

事実に基づき、今後の金相場を分析

さて、本書は、タイトル通り、金投資について書かれた本です。

著者ジェームズ・リカーズ氏は30年以上の実務経験を持つ投資銀行家&リスク管理の専門家です。世界主要国の動向・中央銀行の金保有に対する姿勢などについてまとめられた正統派の分析本です。本書「金価格は6倍になる いますぐ金を買いなさい」というタイトルはよくある煽り系投資本ととらえられがちですが、内容はしっかりしていて、事実に基づいた予測がまじめにまとめられています。

「増刷されるペーパーマネー VS 世界の金総量」が示すこと

紙幣増刷等により爆発的に増加する紙幣・ペーパーマネーに対し、世界の金の量は大よそ約17万トン(うち、中央銀行や財務省や政府系ファンドが保有している公的金が3.5万トン)。世界の金総量は大きくは変わりません。つまり、主要通貨は金(ゴールド)に対し、その価値を下げてきたと言えます。

乱発されたものは結果的に価値を落とし、相対的に金価格の上昇する。
そんな中、投資家はどのように金と付き合えばよいのか?

本書にはその答えの参考になる意見がまとめられています。※後述

ドルの基軸通貨体制終焉対策として金準備金を増やすロシアと中国

金投資とドル基軸通貨体制の終焉

米国は債務は8年ごとに2倍に増えています。現在FRBはインフレを抑えるため、米国が金利を上昇させつつあります(2019年7月末にこれまで上昇してきた米国金利が利下げされました)。結果、新興国から資金が米国に流れ、米国債と基軸通貨ドルが守られ、米株も上昇するという構図にあります。

しかし、ドル高は米国の貿易赤字増大・米国債発行は、ドルの価値を弱めることになり、結果、ドルは崩壊、ドル基軸通貨体制は終焉するとの考えから、2009年から秘密裏に金準備金を増やしているのがロシアと中国。ロシアは10%、中国は数百%増やし、ヘッジとしての金準備を行っています。

また、ドイツは中国との貿易量を増やしあり、また、。EU諸国は米国のドルを介入させずに石油、天然ガスを取得仕様としていますが、これもドルと距離を置くための一環です。

金は5年以内に1万ドル?!

筆者、或いは、ロシアや中国が考えるようにドルが崩壊するならば、復活するのが「金本位制」です。

金の価格はアメリカ、ユーロ圏、中国のマネーサプライM1(現金通貨+銀行を除く預金通貨)が40%の金で裏づけとする金本位制で同意されるなら、通貨と金の適切な比率から金価格は1オンス1万ドルが導き出されます。

この分析から、著者は「金価格は6倍になる」と述べてます。
※ただし、タイトルにあるように、(発刊時点で)今すぐ買いなさいと述べているわけではありません。

ペーパーはダメ、現物のゴールドを

金投資には金地金

では、ドル崩壊という、我々は恐慌にいかにして備えたらよいのでしょうか?

恐慌になった場合には、一時的金価格は暴落しますが、その後、暴騰すると著者は述べます。このとき購入しておくべきは、現物の金(ペーパーゴールドはダメ)。金現物をアセットの5~10%程度保有するのだ妥当(積極投資する人で、15~20%)と著者は述べています。

非常にリーズナブルな比率での保有をすすめている点に好感が持てました。

最後に(加筆)

2019年になって上昇を始めている金価格ですが、実際の推移は以下のようになっています。
現状、ドル崩壊を金価格が織り込んでいるわけではありませんが、来る米国の景気後退(リセッション)を織り込み、金価格が上昇していることは明らかです。

真に米国がリセッション入りするなら、金価格はさらに上昇することは間違いはないため、頃合いを見て、金購入という選択肢はありと考えます。


以下、金に関する追加記事をまとめていますので、合わせてご確認くださいませ!