速読、多読、選書の技など、読書に関する本は山ほどあります。
本書「頭がいい人の読書術」で著者の尾藤克之さんが読書は、「全部読まずにさっと1冊を読み終え、アウトプットする読書」。
本を速く読むことと、その内容が身につくことは別の話。最も大切なことは、本で読んだ内容を、価値ある情報としてアウトプットできるようになることだと提言します。今回は、本書から、「本を早く読むための方法」と「アウトプットするための読解力の高め方」を中心に本書のポイントを紹介します。
目次
「アウトプット」ありきの読書スタイルを
まず、最初に考えるべきは、読書の目的をどこに置くか。読書は「アウトプットありき」で行うのが大事です。
人は1時間で半分以上忘れる
読書には「熟読」というスタイルがありますが、時間をかけても、頭に残らなければ、読んだ意味はありません。
ドイツの心理学者、ヘルマン・エビングハウスが提唱したエビングハウスの忘却曲線が示す通り、人は一度覚えたことを1時間で半分以上忘れてしまいます。
今はGoogle先生に教えを請えば何でも教えてくれる時代。熟読により、内容を覚えることそのものにはあまり意味はありません。
大事なのは、本で読んだ内容を、価値ある情報としてアウトプットできるか。「アウトプットするという目的」をもって読むことで、確実に「知識」「情報の引き出し」や「知恵」は着実に貯まっていきます。
「熟読により、内容を覚えることそのものにはあまり意味はない」ですが、脳に知識を習得すること自体は極めて大事です。ググればいいという考えも危険です。
物事を自分で判断するには、ベースとなる知識が必要です。いつもググってばかりいると、自分の頭では考えられない「思考停止人間」になります。
本件に関しては、以下の本も、合わせて読んでみることをおすすめします。
読んだ内容を、記憶に定着させる習慣
上記、エビングハウスの研究結果からは何がわかるのでしょうか。ポイントは5つです。
①何かを学ぶとき、それが意味のあるものなら暗記は容易である
②逆に意味のないものであれば、すぐ忘れる
③時間をかけることで、蓄積される情報量も増えてくる
④さらに復習を重ねるごとに、忘れにくくなり定着する
⑤一気に覚えるのではなく、細かく分けることで効果がアップする
上記ポイントを意識して読書するか否かで、読書の価値は大きく変わります。
つまり、適切なタイミングで学習を行えば、 10数分の復習で学んだことが定着するということです。
学生であれば、その日の復習、1週間以内の復習、1カ月以内の復習をすればいいのです。
そして、自分の頭だけにとどめるのではなく、人に話したり、ブログを書いたりして公開するなど、人と共有すればいいのです。
どうすれば早く読めるか
では、どのようにしたら早く読めるようになるのでしょうか。読み飛ばしてもある程度、本を読めるようにするには、意識すべきポイントがあります。
大事なのは「はじめに」「おわりに」「第1章」
「はじめに」「おわりに」「第1章」を読めば、内容の7割は理解できます。以降、読む価値がある本かも把握できます。
まずは「目次」を見る
知らない場所に行くとき、私たちは、まずは地図を見ます。闇雲に歩くことはありません。
読書の場合、「地図」にあたるのが「目次」。目次を読み、全体像を把握してから本を読み始めれば、自分にとって重要度の高い部分、低い部分(良い飛ばし候補)が事前に明らかになります。
3分の1リーディング
実は、人は、ページ全部を読まなくても、全体の内容が理解をする補完する力=「タイポグリセミア現象」を利用して、 本の上部分の3分の1を読むことで、6~7割程度の内容をつかむことが可能です。
「タイポグリセミア現象」とは、文章中に含まれる単語の最初と最後の文字さえ正しければ、その文章を読むことが可能になるという現象で、ビジネス書や実用書の読書には効果的な方法です。
本を
縦書きであれば上半分(実際に見るのは3分の1)
横書きであれば左半分(実際に見るのは3分の1)
だけ見て読み進めましょう。もちろん、全部を読む場合に比べて理解度はやや落ちますが、それ以上に、理解度は個人の素養(技能や知識)による影響が大きいです。
「読書」にもパレードの法則
本の2割を読めば、8割の重要な情報がわかる。パレードの法則は読書にも当てはまります。全体をまんべんなく読むのではなく、重要な2割に時間を投入しましょう。
読書時間に制約を設ける
人は時間がいくらでもあると、緊張感がなく秀句力もなくなります。dから、本を読むときも、「●分で読んで、●分でアウトプットする!」という制約を設けて読むのが効果的。ちなみに尾藤さんは本を10分で読み、30分で記事を構成し、10 分で投稿する作業をすべて行うそうです。
どうすればアウトプットできるか
アウトプットのベースになるのは読解力であり、理解力です。理解できないとアウトプットすることはできません。
本を読んでも理解できない理由は、3つに大別できます。
❶読書のスキルが確立されていない ⇒メモを取る(理解力と記憶力のUP)
❷読む本が、自分の理解力を大幅に上回っている ⇒もう少し簡単な本を読む
❸本そのもののクオリティが低い ⇒読むのをやめる
本を読む時間がないはウソ
忙しくて本を読む時間が確保できないと思っている方は多いでしょう。
しかし、みなさん、一日に何分、何時間、スマホを見ていますか?1時間以上、スマホを見ている人はざらにいます。この時間のほんの少しを読書に割り当てるだけで、毎日読書により、知識の引き出しがドンドン増えていきます。
私の読書加速法
私も毎日読書をするようになるまでには紆余曲折ありました。しかし、今では、「スマホでのスキマ時間読書(聞く読書も利用)」+「ブログ書評によるアウトプット」が習慣化しています。
何はともあれ、最初はインプット=読書が必要です。私の読書加速化法については、以下の記事でも紹介していますが、ポイントとしては、今は、本は読まずとも、聞くという方法もあるということです。今現在の私の読書の半分は「聞く読書」です。聞く読書が習慣化すると、耳より認知スピードが速い「読む読書」もしたくなると思います。
まずは、ハードルを下げましょう。聞く読書はハードルを下げてくれます。隙間時間を簡単に読書時間にできます。これが、毎日コツコツ読書につながりますから。
読み放題・聞き放題読書のススメ
読み飛ばしで読書量を加速するために、本の読み放題サービスは非常に役に立ちます。自分に合わなければどんどん次の本を手に取って読んでくことができるので、読書のハードルが一気に下がります。しかも、費用を気にする必要がありません。是非、多くの方に活用をしていただきたいサービスです。
以下のサービスを上手に使うことをおすすめします。いずれも、はじめてなら30日間は無料で試せます。
・AmazonのKindle本の読み放題サービスKindleUnlimited
・Amazonの聴く読書 Audible の聴き放題対象本
早く本を読むことができるようになれば、新しい知識により世の中がどんどん面白くなりますよ!本読み放題・聞き放題サービスにかかる費用(自己投資)は、ちゃんと読書&アウトプットを続ければ、あなたのスキルとなって必ず回収できます!
最後に
今回は、尾藤克之さんの「頭がいい人の読書術」からの学びを紹介しました。
「読書は最初から最後までしっかり読むもの」という概念を捨てると、読書は一気に加速します。自分に合わない(レベルが高すぎる/簡単すぎる、つまらない)本で、読書嫌いになることも避けられます。