【書評/要約】理不尽に勝つ(平尾誠二 著)(★4) 世の中はフェアじゃない。回避ではなく、理不尽にへこたれない強さを育てろ!

この世の中は決して公平でも公正でもありません。世の中には「理不尽」が溢れています。

理不尽を言い訳にしても、貴重な時間を失う。それが現実です。

大事なのは、理不尽に勝ち、先に進むこと。そして、経験を積み重ね、強く成長すること。

今回紹介の本『理不尽に勝つ』の著者 平尾誠二さんは、日本のラグビーの代表選手・日本代表監督を務めた方。厳しいトレーニング、及び、監督として様々な試練を味わった経験をもとに、理不尽に立ち向かう心の整え方・思考法教えてくれます。

今回は本書からの学びを紹介します。

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理不尽の罠

【書評/要約】理不尽に勝つ(平尾誠二 著)

社会の理不尽に自分なりに対抗しようと思っても、ほとんどは解決しません。では、なぜ人間は理不尽の罠に嵌ってしまうのでしょうか。それは人間は「感情で生きる生き物」だからです。

自己正当化という罠

本来なら、考え方を改めるなどして前に進み出さなければならないのに、「自分だけ、なぜ…」という感情の罠に嵌り、「自己を正当化」してしまう。

「自己正当化」の罠に落ち、理不尽から逃げると、別の機会に再び同じ罠にはまります。理不尽に耐え、それを乗り越えない限り、何度も同じ罠に嵌り、時間を無駄にします。

理不尽に襲われているのは自分だけではありません。「自分を強くするための試練」「自己成長のチャンス」と捉え直すことが大事です。成長するための攻略ゲームだと思えれば、同じ理不尽も景色が全く異なって見えてきます。攻略することで、達成感や喜びを味わうことができれば、さらに上を目指せます。

理不尽に弱くなっている現代人

「草食系」という言葉が登場して久しいですが、厳しい先生・親が減ったことが原因で「理不尽への抵抗力のない子ども」が増加しています。

【学校】順位を争わない教育、子供への体罰禁止
【子】 反抗期のない子の増加
【親】 子どもに怒れない・怒らない / 友達親子 / モンスターペアレント
 
人は怒られることで「何クソ!」と反発し、競争し負けることで「見返してやる!」と頑張ることで、逆境に耐える「強い心」を育んでいきます。この強い心を育む機会が失われています。

最近は、「子どもに高望みする親」も増えており、彼らは、子どもの意思ではなく、親が望む通りに子を育てようとしています。これえは、ますます、子どもの判断力・行動力・心の強さは奪われます。

リスクを冒さない人生はチャンスも失う

理不尽に対する抵抗力がない人は、自分で判断・決断・行動するのが苦手です。そのため、リスクを冒すことは減りますが、一方で、チャンスを失います。そもそも、チャンスを見極める目も養われません。

理不尽さを排除するのではなく、受け入れ昇華する

人は追い込まれれば、ひと皮むけます。「覚悟」ができ、「生きるための力」「人生を切り拓いていく力」も大きくなります。頑張ったうえで失敗したら「しゃあない」と割り切ればいいだけです。

理不尽さを排除するのではなく、「螺旋を駆け上るような理不尽」。「しゃあない」状況に陥っても、単に昔の状態に戻るのではなく、一歩進んで理不尽と対峙していくことが大事です。

理不尽の乗り越え方

【書評/要約】理不尽に勝つ(平尾誠二 著)

私たちが取り組むべきは、表面的な格差をなくして平均化することではありません。「理不尽な状況にへこたれない強さ」を育てることです。
ここでは、理不尽を乗り越えるためのヒントを見ていきましょう。

物事を多面的に見る:自己正当化の克服

自己正当化に陥らず、自分を客観的に見るには、「好奇心」を持って「物事を多面的に見ること」が大事です。

「これはどういうことなのだろう」という好奇心は、物事や問題の本質や実像をとらえようとする姿勢そのものです。物事を多面的に見られれば、「自己正当化」は都合よく一面を切り取ったにすぎないことが分かります。

物事を多面的に見ることは、思考を柔軟にすることです。「本質的論理」と「状況的論理」の2軸からの思考を持つと、物事が多面的に見る能力が高まります。

本質的論理:物事をどんどん突き詰めて考えていく思考法
状況的論理:周りの空気を読みながら状況に合わせて思考を展開していく方法

自分の評価をある程度正確に理解する

自分の価値観を否定されるとメンタルがやられる人が多いですが、この原因は周囲と自分では評価にギャップがあるからです。基本的に、人は自分は高く評価しがちです。

このような評価ギャップに翻弄されないためには、「物事がスムーズに進んでいる時は、自分が思うより自己評価をちょっと低く見積もり、逆に、うまくいかずに気持ちが落ち込んだ時は若干高く評価する」するとうまくいくことが多いです。

媚びない、キレない、意地を張らない

媚びる、キレる、意地を張るは、理不尽を自ら誘発します。

媚びる」のは、自分なりの尺度や考えがないからです。これでは、周囲に足元を見られ、理不尽の解決どころか、新たな理不尽すら誘発します。また、「キレる」「意地を張る」も、状況を悪化させる行為です。

妥協せず、折り合いをつける

媚びる、キレる、意地を張るは、「妥協」ではありません。「妥協」は現状に甘んじることです。そして、妥協がさらなる妥協につながります。

大事なのは「折り合いをつける」=「次に進むための準備」です。柔軟に自分を変え、それが成果につながれば、周囲が徐々に変化します。むしろ周囲がすり寄り、妥協するようになるのです。この状態になれば、事態は好転しています。

理不尽に立ち向かうために役立つ3フレーズ

「今やれることを全力でやれば神様がご褒美をくれる」
「なんとかなるさ」
「弱みも強み」(と考え、弱さを周囲にさらけ出す⇒サポートしてもらえる)

多くの人は、理不尽を憂うばかりで、何もやらずじまいです。大事なのは、以下の3フレーズを思い出し、先に進むことです。上記言葉・精神は、道を拓く原動力となります。

「なんとかなるさ」と思って対処すれば、失敗してもダメージも軽減につながるばかりか、気を取り直して、次のスタートをすぐに切ることもできます。

戦力・戦略・戦闘意欲

ビジネス・スポーツにしても、勝つためには「戦力」「戦略」「戦闘意欲」の3つが必要です。相手が強いほどその重要性は増します。

戦力は、企業なら社員数✕社員の質です。理不尽でも、優秀な仲間がいれば、それが力となり、乗り越えられます。困難にチャレンジを続ければ、技術・技量も向上し、状況が改善され、モチベーションも上がってさらに能力が伸びるという好循環が生まれます。

戦略とは、勝つための道筋です。しかし、綿密なシミュレーションをしても、必ず想定外という理不尽がが発生します。故、臨機応変に、戦略を見直す柔軟さが必要です。

いくら戦力が充実し、戦略が正しくても、「絶対に勝つ!」 「絶対に達成する!」という強い「戦闘意欲」がなければ、勝つことはできません。「戦力」と「戦略」の価値を最大限に引き出せるかは「戦闘意欲」次第です。

突然の理不尽(変化)に対処する

【書評/要約】理不尽に勝つ(平尾誠二 著)

日本は、勤勉さがことさら称賛されがちです。しかし、現代日本の「勤勉の実態」は、「自分はこれだけがんばっているんだ」というエクスキューズや、過去に頑張られた先輩から後輩への「理不尽の当てつけ」が潜んでいます。

「勤勉」より「変化への対応力」

現代社会では、「同じ方ことをやり続けている」と時代に置いていかれます。現代では、「急激な変化」「重要な変化」を感じた時、それを見逃さずに、変化に全力で対抗する力がより大事です。しかし、日本人はこれが苦手です。

日本人は、勤勉な農耕民族気質を持っています。常に、余力を残しておく貯金主義的です。また、重要な判断を迫られた時の決断力が不足しており、「ここぞ」という勝負どころに弱い気質があります。

シミュレーションの功罪

想定外は、大体が「理不尽」です。

現代社会では、ビジネス・スポーツなどあらゆる現場でシミュレーションが重視されます。分析・シミュレーション⇒マニュアルは、「確率的に最も勝てる方法のテンプレート」です。

しかし、細かくシミュレーションしていけばいくほど、個人は機械の歯車となり、判断力は衰えていきます。さらに、野生の本能とも言える「五感」が鈍くなります。結果、「想定外という理不尽」に対する「生きる力」を弱めます。想定外の対処に遅れれば、待っているのは大きなほころびです。

また、「まずマーケティング(分析)ありき」という姿勢でいると、スティーブジョブスが世に送り出したような独創的&魅力的な製品は生まれません。可もなく不可もなくな商品で溢れることになります。

勝負する意義

人生は理不尽で、想定外に満ちています。

確率的には失敗確率は高くても、勝負する判断をした方が、良い結果が生まれることもあります。また、失敗・成功の遺憾に問わず、「成長」が促されます。成功すれば「自信」に繋がります。それは貴重な経験でもあり、「財産」です。

シミュレーションでできた人生には、ワクワクがありません。ワクワクがなければ、人のモチベーションも低下します。モチベーションがない人生は、つまらないはずです。

「幸せ=経済力」ではない。明日を楽しみに生きよ

幸せの価値基準は多様

現代人が理不尽を感じてしまう最も大きな理由の一つが、「幸せ=経済力」となってしまっていることです。

しかし、人それぞれ、幸せと感じるものは異なります。幸せは多様です。例えば私にとっては読書は「明日を楽しみにしてくれるもの」「脳と心をワクワクさせてくれるもの」ですが、文字を読むのが嫌いな人にとっては「苦行」でしかありません。

どちらが優れていると行ったことでなく、「明日が楽しみだ」と思える何かを自分なりに見つけ、それに対してポジティブに考え、行動することが大事です。

人生はお金ではなく、楽しく生きたもの勝ちです。勝ち負けではなく「面白いと思えるか」―。価値基準が増えると、人生も豊かになります。

最後に

今回は、平尾誠二さんの『理不尽に勝つ』からの学びを紹介しました。

理不尽に打ち勝つ力と、それを最大限に活かす思考を知っていれば、人生はより豊かになります。本書で紹介した内容は一部に過ぎません。是非、本書を手に取って、自分を高めるスキルを学んでみてください。