ポイントは「手持ちの能力」の最大化だ!
人生に想定外はつきものです。変数で満ちた未来は、時として、才能、綿密な計画・設計を無効化します。でも、私たちは前に進まなければなりません。そんな時に必要なのは、臨機応変に手持ちの能力をを最大化していくことです。
堀江貴文さんの本『最大化の超習慣 「堀江式」完全無欠の仕事術』は、人生をよりよく生き、成果を出すために堀江さんが重要だと考えている習慣を、5つの分野に分けて分かりやすく紹介してくれるアドバイス本。生き方が変わる1冊です。ご自身をさらけ出した内容なので説得力もあります。
「やり抜く」ための習慣
「アイデア」をつかむための習慣
「時間コスパ」を最強にする習慣
「ストレスフリー」になるための習慣
「トップコンディション」を維持するための習慣
今回は、本書からの学びを紹介します。
「やり抜く」ための習慣
人生には行動=アクションが必要です。しかし、世の中は、いつまでもぐずぐずとアクションを起こせない人で溢れています。堀江さんは、その理由を、アクションを精神論と考え、「アクションを起こせない自分は根性がなくてダメだ」と自己否定しているからだと指摘します。
アクションとは習慣である
アクションに根性や気合いは関係ない。根性や気合いに依存した行為は長続きしない。
「笑顔が大事」と言われますが、それは無理やりにでも笑うと、だんだん心が明るくなるからです。この笑顔も「アクション」です。幸せになるための「習慣」です。
では、あなたにとって正しいアクションとは何なのか?
まず、「自分が夢中になれるものは何なのか」問いかけてみてください。あなたが夢中になれるものをやる。それが正しいアクションの第一歩です。
もし、悩みは何ですかと問われて、具体的かつ客観的に即答できるなら、それは既にあなたがアクションを起こしている証拠です。
ここで述べるアクションとは、「なにか」を変えようとする、意思と実行のことです。その意思と実行を通じて、知力、思考力、対応力が最大化され、成果がもたらされます。
夢中になれるものがあってもできない人
「自分が夢中になれるもの」が分かっても、アクションが起こせていない人がいます。このような人は、「自分に正直になっていない/なれていない人」です。
このパターンに陥る人は、「好きで夢中になれることはあっても、それでは食っていけない。生産的でない」と、否定的な考えをします。でも堀江さんは、「本当にそうか?」と問いかけます。
先々の生活のことをちまちま考えるのもやめよう。
そもそも生活というものは無限の変数に満ちている。
先読みして心配したところで意味はない。
生活なんてどうにでもなる。もし窮したら生活水準をぐんと落とせばいい。
ジャック・マー氏も同じようなことを言っています。「貧乏マインドに警鐘を鳴らす名言」は必読です。目を覚まされます。
夢中になれるものが見つからない人
「夢中になれるものがない」人は、3パターン。そのパターンと対策方法を簡潔にまとめると次のようになります。
自分に正直になれていない | ・自分のことがわからない。自分の好き嫌いもわからない ・いつも自分の内面を見つめることなく、安易に誰かを真似ようとしていることが原因 ⇒自分に向き合え! |
夢中になれそうなものがあるものの、どうしたらいいかわからない | ・単なる情報不足 ⇒調べろ!ごくありふれた情報のなかに解法はある |
やりたいことを溜め込んでしまう | ・あれもこれもやりたいが、すぐやらずに「いつかやる」タグをつけてやらずじまい ・時間経過とともに「いつかやる」⇒「やれたら、やりたい」⇒「やりたいこと?別に…」と思考停止に至る ⇒「いつかやる」は機会損失。流行りに飛びつかず、自分の心を点検しろ! |
「一歩先」の思考
やりたいことを乗り切るうえでキモになるのが、「合理的な思考」です。大事なのは「一歩先」を考える、つまり、短期目標の明確に設定することです。
壮大なビジョンは不要。そんなものは実践では無力だからです。それより「一歩先」を考える習慣をつける。「短期目標を設定するクセ」をつけられれば、人生は大きく変わります。
「点」を打つ習慣がをもつ
最初は一つ一つは独立した「点」でも、それが、思いもかけないかたちでつながり、ビジネス・人生のチャンスとなるという教えです。ジョブスはそれを彼の人生を通じて、私たちにこのことを教えてくれました。
子どもは「点」を打つ名人です。様々なことに興味を持ち、夢中でそれをやり、豊かな知性や感性を獲得していきます。イノベーティブ成功者たちも毎日が楽しそうですが、子供のような思考・行動力を持っているからです。
成功は、自分の気持ちに正直に、自らアクションを起こし、やり抜いた結果です。「楽しく暮らす」→「仕事がうまくいく」。ここにはちゃんと因果関係があります。
「運」をつかむにはアクション数が必要
成功には、納涼と共に「運」も必要です。では、運はどうしたらもたらされるか?
「運」は「数の論理」 に基づきます。圧倒的なアクション数があれば、成功の確度は高まります。つまり、「運」を引き寄せるには多数のアクションが必要です。
「アイデア」をつかむための習慣
あなたの生きる力、働く力を最大化するうえで、カギを握るのがアイデアです。
「新しさ」とは、「ありもの」の掛け合わせ
新しいアイデアを思いついたと思っても、それはもうすでに誰かが思いついています。
オリジナリティにこだわって時間をかけすぎるとチャンスを失います。まずは、良いものを真似る。希少性よりネタ数であり、掛け合わせのバリエーションです。
真似て、失敗し、自分なりにチューニングして、リトライする。この試行錯誤のプロセスで出てくるカラーが「あなたならではのアイデア」になります。
人と会って交流する
アイデアは、外からの考えを取り入れることなく生じません。ビジネスの多くも「雑談」から生まれます。刺激的な人と会って、話し、遊ぶことが大事です。
では、誰と遊ぶか?年齢を重ねた人は、若者との交流がとても大事です。彼らの等身大の情報は、アイデアの幅を広げてくれます。若い人は、年配の人と交流しましょう。人生で大事なことが学べます。
「時間コスパ」を最強にする習慣
ビジネスの実践において最も重要なのはスピードです。時間に勝る資源はありません。
スキマ時間を無駄にしない
時間コスパを高めるポイントは「スマホ✕スキマ時間」。時間がないと嘆く人の多くは、スキマ時間に対する意識がそもそも低く、逆にスマホに時間を奪われています。
予定と予定の間にある、5分、10分のスキマ時間を有効に使うコツは、仕事を大きな塊で捉えず、小さなタスクに分割し、スキマ時間の程度に応じて割り振り片付けていくことです。制約時間内に終わらせようという意識も働くため、パフォーマンスも上がります。
優先度以上に、スマホを駆使し、同時並行で完了させていくことが、「時間コスパの最強法則」。時間に追われるのではなく、あなたが時間を追いましょう。
「目的とプロセス」を見極める
会議、長文メール、「こうしなければいけない」「こうするものだ」と言った思い込み 等、毎日は時間を奪うもので溢れています。
これって必要?もっといい方法があるのでは?と、常に時間のショートカットを意識することが大事です。また、「目的とプロセス」をはき違えないことが大事です。思い込みを捨て、実利を取りましょう。
人を頼る:巻き込む習慣
「人を頼る」は、最もシンプルかつ、絶大な効果をもたらす時間のショートカットです。そもそも、人間がひとりでやれることなどたかがたかが知れています。人のつながりを抜きに、自己実現は不可能です。
最初に独力で挑むことは必要ですが、延々と時間を費やすのはNG。壁にぶち当たり、ひと踏ん張りしてダメなら、人を頼りましょう。
努力の上で「助けて」と言う人を無下にする人はいません。特に、いわゆる成功者は世話好きです。自分もそうやって誰かから助けられた経験があるからです。
人に弱さを見せて頼りましょう。ありがとうと感謝し、その感謝を自分が助けてあげられる人に与えましょう。そうすればみんなが幸せになれます。
「ストレスフリー」になるための習慣
ストレスは、知力、体力、思考力、行動力を奪います。免疫系の働きを低下させ、老化や疾病に直結し、あらゆるパフォーマンスが蝕まれます。 メンタルを守る習慣は不可欠です。
2大ストレスは、人間関係とお金・収入
人間関係 | ・面倒な人間関係は断捨離する。これに尽きる ・できないというのは、単なる「怯え」 ・捨てられたくないという無意味な怯えも捨てよ |
お金 収入 | ・お金は感情に訴える。多くの人は冷静な判断を失う ・お金の不安は「生存の不安」と「プライドの不安」 ・前者は食っていけるか、後者は人との相対的な比較による。比較するな! ・収入の大小以上に、肝心なのは「あなたが幸せか」 ・幸せは必ずしもお金とリンクしない。幸せを担保するのは健康と良好な人間関係 |
ストレスを感じやすい人ほど、不安を寄せ付けない習慣が必要
人間のパーソナリティ分類法「ビッグ・ファイブ理論」では、「神経症的傾向」の割合が高い人は、ストレス耐性が脆弱で、ちょっとしたことで悩み、迷い、不安に 苛まれる傾向があります。この理論的に基づくと、堀江さんは他の人よりストレスを感じやすいタイプ。だからこそ、ストレスや不安を寄せ付けない習慣で自分を守るそうです。
・些細なウソをつかない(これが、心をとことん蝕む)
・1日を胸が踊るスケジュールで埋めてしまう。密度の高い1日を過ごす
暇な時間は、ストレスが入り込む余地となります。自分のやりたいことに忠実であれば、密度が高くても負担にはなりません。
ビッグファイブについては、以下の方が非常に参考になります。読んで絶対に損のない本です。自分がどんな人間であり、どう付き合うべきかがよく分かります。
「諸行無常」が最強のストレスマネジメント
いくら人生の指針が確立している人でも、大きなアクシデントに見舞われれば、落ち込みます。これは不可避です。
こんな時に心を支えてくれるのは、「この世は 諸行無常」の教え。
すべては移ろう。刻一刻と流れゆく。ならば、過去や未来にとらわれても意味がないし、誰か恨んでも何も変わらない。未来に向けて身を任せるしかありません。
東日本大震災、新型コロナなど、どうしようもないアクシデントに見舞われた時多くの人が求める本、「方丈記」。この本を読むと、「いつの世も諸行無常」であることが深く実感できます。読み継がれる古典の力は偉大です。
最後に
今回は、堀江貴文さんの本『最大化の超習慣 「堀江式」完全無欠の仕事術』からの学びを紹介しました。
本記事では割愛しましたが、「コンディションを整える習慣」もとても大事です。大仕事を成し遂げる人は、一様にタフです。健康は資産であり、堀江さんは健康に時間もお金も割いています。
上記で紹介した以外にも多くの学びがある本です。サラサラ読めるので、是非、一読されることをススメします。