【書評/要約】ダークサイド・スキル(木村尚敬 著)(★4) ビジネスで本当に戦える人材に必要な「7つのスキル」を手に入れろ!
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きれいごとだけでは生き残れない。

論理的思考・交渉力・会計/マーケティング/スキル…
ビジネスマンが学ぶべきことはたくさんありますが、MBAで学ぶような「正当派スキル」だけでは、現実のビジネスはうまくいくとは限りませんし、生き残れるとも限りません。

ビジネスという戦線で結果を出すためには、筋道立てて相手を説得するのはブライトサイド・スキルだけでなく、どろどろとした感情を持つ「生身の人間」を動かすダークサイド・スキルも必要です。

木村尚敬さんの『ダークサイド・スキル』は、このような、人間のドロドロした泥臭い部分・闇の部分まで突っ込んだ裏のスキルの重要性とその能力の伸ばし方をアドバイスしてくれる1冊です。

今回は、ダークサイド・スキル』からの学びをポイントを絞って紹介します。

なぜ、ダークサイド・スキルが必要なのか

【書評/要約】ダークサイド・スキル(木村尚敬 著):スキルの磨き方

「勝ち組」「負け組」の二極化の時代。

どちらの組に当たるか、まだはっきりとした答えが出ていない場合は、「良くもなく悪くもない中庸な事業をどうハンドルするか」が会社の方向性を大きく決定付けます。なぜなら、このような事業が、ゆくゆく足を引っ張ることになるからです。

しかし、このような事業の行き先判断を遅らせ、会社を「負け組」に導く原因となってしまうのが、人間に備わる「変化を拒む気持ち」です。これが組織なら「抵抗勢力」となります。

たとえ、当初は組織を変えようと思ってつくった仕組みも、時間が経てば、ゆくゆくは守りに入って、硬直化する。

このような組織では、もはや、ブライトネスなコミュニケーションだけでは、会社を変えて、大きな成果を得ていくことはできません。泥臭い、ダークサイドなコミュニケーションスキルが必須です。

本当に戦える人材に必要な7つのダークサイド・スキル

【書評/要約】ダークサイド・スキル(木村尚敬 著)

では、本当に戦える人材に求められる、ダークサイド・スキルとはどのようなものか?

本書で紹介されるのが、以下の7つのスキル(教え)です。

❶思うように上司を操れ
❷KYのやつを優先しろ
❸「使える奴」を手なずけろ
❹堂々と嫌われろ
❺煩悩に溺れず、欲に溺れろ
❻踏み絵から逃げるな
❼部下に使われて、使いこなせ

以下では、これらのポイントを解説します。

思うように上司を操れ

・日本企業の人事評価は減点主義のため、リスクを避ける文化がはびこる
 特に事業転換・事業撤退などは、話を出すことさえ避けられる
 ブライトサイドだけを歩んできた人では、激動の時代の舵取りは困難

現経営層は現状維持で逃げ切りが可能でも、ミドルは逃げ切れない
 自分の身も守ろうとするなら、長期的な展望を持ち、上層部を動かさないと、困るのは自分たち
 
ミドルが「このままではまずい」と上層部に言えるか
 イエスマンではない人物は、上層部にとっては貴重な存在
 ミドルは組織を自分の意のままに動かそうと思ったら、そういうパスを意図的に出せばいい
 長い時間軸でどうやって生き残るか、勝ち抜いていくかの冷静なパスを、正しいタイミングで出せ
 これは、前向きな調整・根回し・段取りである

KYのやつを優先しろ

・日本の悪しき企業習慣「お伺い」「阿吽の呼吸」
 組織を動かすには調整・根回し・段取りは必要だが、付加価値を生まない社内調整は無意味
 会社の同質性は意志疎通を容易にするが、ものの見方まで同質化し、新しい発想は出てこなくなる

必要なのは多様性であり、KY
 自分の部下にどれだけ堂々と他とは違った意見を言う人間を揃えられるか
 KYな部下を持つには、彼の意見をどれだけ許容できるか、器の大きさも求められる
 自分自身も、上司に対して、KYな人材に。適度な手回しがあれば、KYも許容される
 「あいつそういうやつだから許してやれ」という空気を作れれば勝ち

「使える奴」を手なずけろ

・人は、どう頑張ってもすべてのスキルを身につけることはできない
 とるべきき戦略は、使えるヒト・モノはなんでも使って、総合力で成果を出すこと

・では、どうやって秀でた人を集めてチームを作るか
 ①自分の弱み・足りない能力の把握し、補う人材をみつけること
 ②部下を認めること
 ③部下にもI do not know と言えること
 「俺の言うことを聞け」で、人はついてこない
 上は強いコアを部下に見せつつも、部下の能力を認め、素直に教えを請え

・チームに誘って、断られたら、それは、魅力がないから
 部下側でも、社内で誰とつながっておくことが有利なのか、したたか見極めている
 部下に取り込めれば、情報網としても、一生もの財産となる

堂々と嫌われろ

・「情報がそろわない」という理由で起こる先送り。しかし、情報が揃うことなどない
 意思決定は、不完全情報下で行わなわなければならないのが常
 6~7割の情報がそろったら、経験と勘で物事を決めろ。そして、小さな意思決定から逃げるな

・組織は変化を拒む。故、改革型リーダーは嫌われるリスクを持つ
 一方で、「親しみやすさ」と「敬意」は両立する。相手に恐れと敬意を抱かせれば相手を動かせる
 時に嫌われることを覚悟の上で、状況に応じて対応・態度を使い分けるスキルを持て
 

煩悩に溺れず、欲に溺れろ

・物事を決断しなければならない時、最後の最後に物を言うのは、
 ロジックではなく「自分の価値観」
 自分の弱みと強みを明らかにし、弱み・恐れと対峙し、コントロールせよ 
 自分なりの価値観は「生きざま」そのもの。苦境のときこそ生きざまが明らかになる

・自分の棚卸で、自分の心の奥底にある価値観「下世話な欲望=煩悩」も知れ
 煩悩をなくすのは無理
 どうすればそれを悪い方向に働かせないかを考え、コントロールせよ

踏み絵から逃げるな

自分の信念が試される「踏み絵」の瞬間、一歩も退かずに、自分を貫けるか
 このとき、リーダーとして、信頼を集めるか/信頼を一瞬で失うかが決まる
 実際のケースでは、なんとなくあいまいにして、その場を逃れるケースが実に多い

リーダーの覚悟が試されるのは、平時ではなく「有事」
 このよき、人間関係のドロドロをさばく能力、腹が据わった対応力がものをいう

部下に使われて、使いこなせ

改革を促進できるタイミング・チャンスは「一瞬」
 コロナ・大震災発生時などは、風向きが一気に変わる
 常日頃から部下に自分の考えを話して聞かせ、価値観・方向性を共有しておかなけば、
 チャンスの時に、共に戦ってくれる仲間はつくれない

・部下には、正しい答えではなく、正しい質問を繰り返せ
 正しい質問を積み重ねていくと、彼らの本音が出てくる
 部下にとって本音を話してもいい上司となれば、そこに信頼関係が生まれる
 本音を話してもらうには、上司の器も必要。器の大きさは、 部下の多様性を見ればわかる

ダークサイドスキルの磨き方・実戦での活かし方

【書評/要約】ダークサイド・スキル(木村尚敬 著):スキルの磨き方

ここまで、7つのダークサイド・スキルについて見てきましたが、本書の後半は実践編。以下の内容が語られていきます。

・ダークサイド・スキルを磨く3つポイント
 ❶いつでも戦える態勢の整え方
 ❷人を操る3つの力とその鍛え方
 ❸ブレないリーダーになるための心の鍛え方・習慣

・ダークサイドスキル実践(良品計画・松井忠三氏との対談)

最後の最後に大事なのは、「自分のブレない価値観」です。そして、タイミングを見逃さずに、事態を進めるための「準備と実行力」です。

結局は、自分とは何者なのか。何を実現したいのか。
そして、それを実現するために、逆算して考え、実行するのが、ダークサイド・スキルの活かし方です。

ここに万人に通じる唯一の答えはありません。自分で見つけるしかありません。本書の後半では、それを見つけるための様々なヒントに出会えるはずです。

最後に

今回は、木村尚敬さんの『ダークサイド・スキル』からの学びをポイントを絞って紹介しました。

本書で紹介したのはごく一部。単なるお勉強ではない、厳しい現場で生き残るためのダークサイド・スキル。いろいろな学びがあるはずです。是非、お手に取って読んでみてください。