米国経済の 2023年景気後退入りにアラート。3つの「米国景気 先行指標」で現状を確認しておく

2023年に景気後退入り(リセッション)するとの見方が強い「米国経済」。
米国経済は世界経済を牽引します。株、FX、金、仮想通貨… どのような投資をする場合も、米国経済の動向を押さえておくことが大切です。

米国の経済の動向を先取りして示す指標が「景気先行指標」で、景気の変動を予測するために有用な情報を提供してくれます。

代表的なモノには、以下があります。
消費者信頼感指数(Consumer Confidence Index)
製造業の購買担当者指数(Purchasing Managers’ Index)
失業保険申請件数(Initial Jobless Claims)
株価指数:S&P500 など

米国経済は2023年3月に銀行が破綻するなど、変調しているように見えます。
政策金利の上昇停止・金利低下で景気が本格的に後退していくまでには、まだしばらく猶予があると思われますが、消費関連の「景気先行指標」から米国経済の先行きを確認しておきたいと思います。

米国経済の景気先行指標

米国経済の景気先行指標

米国経済の将来の景気を見る「景気先行指数」はいろいろありますが、今回は、その中から4つを確認します。

・コンファレンスボードの⽶国消費者信頼感指数
・ミシガン⼤学消費者景況感指数
・ISM 製造業購買担当者景気指数 PMI
・FRB ニューヨーク連銀 景気後退確率

コンファレンスボード ⽶国消費者信頼感指数

コンファレンスボードの⽶消費者信頼感指数

概要

【発表機関】コンファレンス・ボード ※民間調査会社
【発表時期】毎月第3週、前月分を発表(米国東部時間8:30)

⽶国消費者信頼感指数は、消費者のセンチメント(消費者マインド)を指数化した景気関連の経済指標です。過去に景気後退を言い当ててきた実績があり、市場関係者が注目する指標です。⽶国の株式、債券、為替市場の動向や⾦融政策に⼤きな影響を与えます。

・1985年を100として消費者マインドを指数化
・5000人の消費者に対して、現状と6カ月後の景況感をアンケート調査を実施
・現状の経済と雇用に関する2項目の平均を「現状指数」、
 経済・雇用・所得の先行きに関する3項目の平均(季節調整)を「期待指数」として、
 合計5項目の平均値で発表

現状(2023年3月時点)

2022年に見られた平均レベル(104.5)を下回って推移。消費者は、宿泊施設、食事など娯楽への支出を削減するを計画していると、発表。

ミシガン⼤学 消費者景況感指数

概要

【発表機関】ミシガン大学 サーベイ・リサーチセンター
【発表時期】毎月、第2金曜日(米国東部時間10:00) 速報値
      毎月、第4金曜日(米国東部時間10:00) 確定値

ミシガン⼤学消費者景況感指数も、消費者マインドを指数化した景気関連の経済指標です。
毎⽉第2⾦曜⽇に速報値が出るため、最新の消費者マインドを探る手がかりとして重要視されています。一方、調査対象者が少ないため、指数としてのブレが大きく、信頼感がやや薄い。そのため、ミシガン大学の速報値で最近の動向を確認の上、コンファレンスボードの指数で改めて確認するというのが、一般的な確認方法です。

・1966年を100として指数化
・電話アンケートで、速報値の対象者は300人、確報値は500人
・景況感、雇用状況、所得について楽観もしくは悲観で回答
・現状判断指数40%と先⾏き期待指数60%i-ruの構成で消費者信頼感指数として集計

現状(2023年3月時点)

2022年6月をボトムに上昇傾向にあります。

ISM 製造業購買担当者景気指数 PMI

【発表機関】米供給管理協会 ISM
【発表時期】毎月、第2金曜日(米国東部時間10:00) 速報値
      毎月、第4金曜日(米国東部時間10:00) 確定値

製造業購買担当者景気指数 PMI は、製造業における景況感を示す指標です。400以上の企業の購買担当者にアンケート調査を行い、発表されます。

主要指標の中で最も早い第1営業日に発表されることから、景気の先行指標として注目されます。指数は新規受注・生産・雇用・入荷遅延・在庫の5つの項目の総合指数となっており、指数が50を下回ると景気後退、50を上回ると景気拡大を示します。
予想より高い数値は米ドルにとって買い材料であるとされますが、、予想より低い数値は米ドルにとって売り材料であると解釈されています。

現状(2023年3月時点)

2022年12月以降、指数が50を下回って推移中です。

FRB ニューヨーク連銀 景気後退確率

概要

【発表機関】FRB ニューヨーク連銀
【発表時期】毎月

米国景気後退確率は、ニューヨーク連銀が公表している、1年先の景気後退確率を示した指標です。

長短金利差で景気後退の確率を予測するイールドカーブモデルで、「米国10年国債利回り」と「米国3ヶ月国債利回り」の差の傾き(タームスプレッド)をもとに算出されています。

現状(2023年3月時点)

過去、10 年/3 ヵ月物イールドカーブは過去8回の景気後退を正しく予測しています。
直近、景気後退確率が急速に上昇して極めて高い数字を示しています。今、この数値は景気後退の警告を発していると言えるのではないでしょうか。

少しデータ値が古いですがS&P500とニューヨーク連銀の景気後退確率を同時に示したわかりやすいデータがあったので、一緒に掲載しておきます。

米国の景気後退期間と底値からの株価上昇率もとても参考になります。

このデータによると、平均的な景気後退期間は「10.6カ月」、底打ちからの株価上昇率は21.0%にもなるそうです。
底値での投資は無理でも、底値付近で投資ができるように、現金を用意しておきたいところです。

3つのデータを考察&私の方針

今、2023年1月の時点で、3つの景気先行指数を見る限り、本格的な米国経済の景気後退入りはまだ先だとしても、その時期はかなり迫ってきていると考えます。
市場は、今回の米国の景気後退は、浅くて短いとみる向きもありますが、果たして!?

私の株式投資の方針

私は2022年年初より、米国経済の景気後退への対応として、優遇税制+ポイント付きで投資する長期積立投資以外の株式投資は控え中。以来、現金比率を高める方針で現在に至っています。

引き続き、株式投資はコツコツ長期投資以外は控える方針は変わりません。

株式投資の代わりにFX

株式投資を控える代わりに、2022年年初より注視してきたのが為替(ドル円)です。ドルと円の金利差を狙うFXの方が、投資判断がシンプルで、リターンが得やすいとの考えから、「FX」をトレードの主軸にしています。

ドル円は、102円→152円でピークアウト(約50円の円安)し、現在130円付近にあります。ピークからは20円強下落してきましたが、米国の金利は景気後退で縮まる方向にあるので、ドル円の長期トレンドは「円高」方向と考え、投資を行っています。

【FX】「プッシュ通知」で重要指標の発表・相場変動に備える

重要な経済発表時は、株・為替・コモディティなど様々な価格が大きく変動します。
しかし、よほど熱心にトレードをしている人でない限り、発表時間が近づいても気づかずに見過ごしてしまいがちです。

大事な経済発表時刻を見逃さないようにするには、取引所の「プッシュ通知」「メール通知」「LINE通知」機能を使うと便利。LINE連携で通知を受け取ることもできるので、素早い対応が可能です。

MATSUI FXアプリなら、相場変動通知、経済指標通知などが受け取れます。

相場通知  :設定した取引通貨の相場が急変動に連絡
経済指標通知:各国の経済指標発表前のアラートや指標結果を連絡

相場通知は、相場急変時への順張り、あるいは、市場行き過ぎ時の逆張りにも役立ちます。私は、相場急変アラートをもとに、市場の行き過ぎへの逆張り売買を時々行っています。
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